小野寺史宜のレビュー一覧
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5章からなる短編集。サッカーのコーチを引き受けた独身男性が主人公の話から始まる。知らず知らずのうちにある子供の母親が好きになってしまい、父兄の間で噂になりクビになる。彼の勤める店に来てクレームをつけた女性がいる。この女性が次の物語の主人公。
その女性はわがままで、彼氏が愛想尽かし振られてしまう。腹が立って、むかしパパ活していた中年男性に連絡をする。この男性が次の話の主人公…
というように章ごとに関わりあった人たちへと主役が移っていくのが、お芝居のようでなかなか面白かった。人生ってどこに焦点をあわせて見るかで全く異なるものだ。
一人一人の人生はすべてパラレルに動き、時々重なったり、ニアミスした -
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ほっこり。なんだか、心が温かくなった。
とある町にオープンした「クロード子ども食堂」。
そこには、様々な事情をもった人達が集う憩いの場。それはお客だけではなく、働いている人たちも同じ。死に別れた旦那や離婚寸前までに関係が壊れかけた家族。でもほ悲壮感の中、この「クロード子ども食堂」にいると、少しづつ救われていく感じがする。氷が溶ける様に。
なんだか、映画「かもめ食堂」を観ているようなほんわかな雰囲気だった。
現在、夜中の1時半。5月なのに風が冷たく、車の音も少ない心地よい静けさ。こんなに幸せに気分はいつぶりだろう?たまには、こんな静かな夜の読書も悪くない、いや、環境も相まって最高な読書体験だ -
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蜜葉市みつばは埋立でできた、新しいけど、もう40年以上たつニュータウン。鳴樹(30)の家はそこで蕎麦屋笹原を家族経営していたが、父が亡くなり次いで母も亡くなり、閉店していた。南砂町で一人暮らしをし、厨房機器販売会社で働いて田野倉のコロッケも全制覇していたが、色々考え28で退職し、実家へ戻り、蕎麦屋ささはらを開店する。
製菓学校に途中まで通って、別の仕事をしていたが今はフリーの4軒隣人の小枝を雇い、試行錯誤しながら、周りの人への心地よいおせっかいを焼きつつ経営への工夫をこらす日々。
プレスリーに例えられた(どう例えられたかは面白いので読んでのお楽しみ)鳴樹の日常が非常に心地よくホッコリされられ、 -
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再読。小野寺さんの作品はやっぱり好きだ。
読んでいると、さわやかな風と太陽を浴びながら見晴らしのいい河原を歩いているような気持ちになる。最近読んだ「いえ」と同様に、主人公が川の近くに住んでいるから、余計にそういう気持ちになるのかも。
今回は特にうだつの上がらない主人公だった。基本的に優しいし周りの人を大事にはするが、人生を割とだらだら過ごしていて、きっと身近にいたらイライラしてしまう人。
しかし彼がすごいのは、どんな人とも馴染めてしまうところ。初対面でもまるで長年の友だちのように、年上や年下でも気軽な仲の同年代のように、緊張せずするすると話している。
人見知りの私からするとその個性は特殊能 -
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小野寺さんのたいていの作品は
読んでいると、
“一人の女の子に片想いした二人の男の子がその子を巡って勝手に決闘する”ような幼稚な男臭さのようなものを感じるんだけど、
今回も多分にその雰囲気があった。
作風としてそう書いているのか、認知がそちらに偏っているのか、毎回考えながら読むけれど、少しメタ的に否定するような表現もあって結論は出ないまま。
自分自身は別にパートナーが異性と旅行に行ってもあまり気にならないし、それが少数派な気はしているし、とはいえ仮にDNA検査の話をされた日には、先輩だろうが領域に踏み込んできすぎなので、とても腹が立つと思う。