小野寺史宜のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
50歳目前にして長編小説をボツにされた作家の横尾成吾と、新しく編集担当になった30歳の井草菜種。
これは3月から4月までの1年間の出来事を、2人の視点から交互に描かれた物語です。
横尾と菜種は作家と編集者という立場で接点はあるものの、そこにはそれぞれの生活と、たどってきた別の道のりがあって、決して順風満帆な人生とは言えないまでも、お互い敵を作らないいい人で、とても好感が持てます。
停滞気味だった2人の生活にもしだいに加速がかかり、最後に明かされた仕掛けには驚いてしまいました。
ふだん気にしていなかった本製作の裏側の世界を垣間見ることができて、読書がまた楽しくなりそうです。 -
Posted by ブクログ
片岡泉。天真爛漫で裏表がない。自己評価は高くないけれど、他人から押しつけられるのもイヤ。そんなマイペースな泉と、泉との交流で不思議と元気をもらった人たちの成長を描くヒューマンドラマ。
『みつばの郵便屋さん』シリーズスピンオフ作品。
◇
東京都あきる野市。東秋留駅近くの住宅街にアカシヤはある。樹木のアカシヤではなくて「明石家」。うちの名字が明石なのでアカシヤという店名になった。
この田舎町のアカシヤという小さなコンビニが私のアルバイト先だ。つまり私は実家の商売を手伝っていることになる。
時給は 700円。安いけど仕方ない。駅の向こう側にスーパーがあるため、お客さん -
Posted by ブクログ
岩井圭也さんの新刊(文庫)と同日に発刊されていた本作。
一緒に購入しました。
-------------------------
さっと読めて、
あっと驚く10の物語
天使と悪魔が演出する”運命の舞台裏”
-------------------------
タイトル通り、悪魔と天使が登場する悲劇と喜劇。
一話一話が短く読みやすいです。
ひとつの人生が終わる瞬間を垣間見る、
恐怖ではなくて、ユーモラスで。
どこかお洒落というか粋というか。
でもかなしい。
大切な人を失うこと、
そばにいれなくなることはかなしい。
伊坂幸太郎さんの「死神の精度」を思い出しました。