小野寺史宜のレビュー一覧
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蜜葉市みつばは埋立でできた、新しいけど、もう40年以上たつニュータウン。鳴樹(30)の家はそこで蕎麦屋笹原を家族経営していたが、父が亡くなり次いで母も亡くなり、閉店していた。南砂町で一人暮らしをし、厨房機器販売会社で働いて田野倉のコロッケも全制覇していたが、色々考え28で退職し、実家へ戻り、蕎麦屋ささはらを開店する。
製菓学校に途中まで通って、別の仕事をしていたが今はフリーの4軒隣人の小枝を雇い、試行錯誤しながら、周りの人への心地よいおせっかいを焼きつつ経営への工夫をこらす日々。
プレスリーに例えられた(どう例えられたかは面白いので読んでのお楽しみ)鳴樹の日常が非常に心地よくホッコリされられ、 -
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再読。小野寺さんの作品はやっぱり好きだ。
読んでいると、さわやかな風と太陽を浴びながら見晴らしのいい河原を歩いているような気持ちになる。最近読んだ「いえ」と同様に、主人公が川の近くに住んでいるから、余計にそういう気持ちになるのかも。
今回は特にうだつの上がらない主人公だった。基本的に優しいし周りの人を大事にはするが、人生を割とだらだら過ごしていて、きっと身近にいたらイライラしてしまう人。
しかし彼がすごいのは、どんな人とも馴染めてしまうところ。初対面でもまるで長年の友だちのように、年上や年下でも気軽な仲の同年代のように、緊張せずするすると話している。
人見知りの私からするとその個性は特殊能 -
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小野寺さんのたいていの作品は
読んでいると、
“一人の女の子に片想いした二人の男の子がその子を巡って勝手に決闘する”ような幼稚な男臭さのようなものを感じるんだけど、
今回も多分にその雰囲気があった。
作風としてそう書いているのか、認知がそちらに偏っているのか、毎回考えながら読むけれど、少しメタ的に否定するような表現もあって結論は出ないまま。
自分自身は別にパートナーが異性と旅行に行ってもあまり気にならないし、それが少数派な気はしているし、とはいえ仮にDNA検査の話をされた日には、先輩だろうが領域に踏み込んできすぎなので、とても腹が立つと思う。 -
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ネタバレよむーくとちいかわのコラボ栞が欲しくてたまたま購入した本でしたが、思った以上に良かったし、好きなお話しでした。
こども食堂を始めて、そこにボランティアで来てるスタッフさんや来てくれる子供や親の視点でのお話しを短編でつづったものでした。
最初はこども食堂が題材だし、いい話風にして終わるのかなぁと思っていましたが、ちゃんと個人個人の気持ちが書かれていて、しかも現実的というか共感する部分が多くて、ただこども食堂を開いて子どもの為にやってます、良いことしてます!みたいな単純な話しではなかったから良かったのかなぁと思います。特に主人公?の松井さんの考え方や話し方に凄く好感がもてたのも良かった要因かと。
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小野寺史宜さんの『ひと』『まち』に続く物語
今回の『いえ』は、家族が主なテーマ。
舞台は変わらずに主人公だけチェンジ!
という構成なので、前作までの主人公にもひょっこり出会えるのが楽しみだったりする。
【あらすじ】
主人公の三上傑には、大学生の妹、若緒がいる。
ある日のデート中の交通事故で、若緒は後遺症で足を引きずるようになった。運転していた若緒の恋人は、傑の友人でもある城山大河だった。
この事故をキッカケに、家族ぐるみの付き合いだった大河を巡って、一家はギクシャクし始める・・・
【レビュー】
兄の傑は社会人3年目、
妹の若緒は就活中の大学生。
家族との付き合い、
友人との距離感、
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ネタバレ去年発売の新作。
解散したバンドメンバーのそれぞれの人生の話。
音楽諦める、次の人生どーする?
そんな話からやっぱり音楽ていいよね、歌うっていいよね。声を合わせて音楽を作る。会話とは違う声の出し方。上手く言えないけど歌うっていいなって思った。
いい意味で考えなくても声が出せる、決められた音、決められた歌詞を歌って発信できる。
なんか日頃コミュニケーションに疲れてる私に染みる話だった。
声がうたになる。
湧き出てくるものがある、それがうた
素敵だなぁ。やっぱり小野寺さんは染みる。
人間関係に疲れた時にはこのシリーズ読み返したい。 -
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平凡な日々が描かれているようで、日常は平凡じゃないと感じた。昨今、切り取り動画が流行っているけれど、切り取り方次第で動画の印象が全く異なる。それと同じで、想い出をどう切り取ってどう思い出すか次第で、想い出も変わるんだと思う。平凡と思えば平凡な日々だし、特別だと思えば特別な日々。
短編のなかでも『君を待つ』が特に好き。とある事故が起こった電車に乗るはずだったけど乗らなかった男性。乗る予定がなかったのに乗った女性。その2人が出会ったことで新しく生まれた命。
こうして切り取ると特別な出会いのように思えるけど、その特別も日常の延長線上にあった出会い。
ありきたりな言葉だけど、本当の意味で全てのことに