小野寺史宜のレビュー一覧

  • みつばの泉ちゃん

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     片岡泉。天真爛漫で裏表がない。自己評価は高くないけれど、他人から押しつけられるのもイヤ。そんなマイペースな泉と、泉との交流で不思議と元気をもらった人たちの成長を描くヒューマンドラマ。

     『みつばの郵便屋さん』シリーズスピンオフ作品。
             ◇
     東京都あきる野市。東秋留駅近くの住宅街にアカシヤはある。樹木のアカシヤではなくて「明石家」。うちの名字が明石なのでアカシヤという店名になった。
     この田舎町のアカシヤという小さなコンビニが私のアルバイト先だ。つまり私は実家の商売を手伝っていることになる。
     時給は 700円。安いけど仕方ない。駅の向こう側にスーパーがあるため、お客さんがあまり来ないからだ。

     午後4時過ぎ。やっとお客さんが来た。
     ドアを開けて入ってきたのは顔見知りの女の子。片岡泉ちゃん。小学3年生。おばあちゃんと2人で暮らしている。
     泉ちゃんは、いつものようにパンの棚に行く。でも今日は並んだパンを見てからレジにいる私のところに来て言った。
    「弓乃ちゃん。モサッとしたパン、ある?」
    ( 第1話「一九九五年 明石弓乃 二十二歳」) ※全9話。

          * * * * *
     
     『みつばの郵便屋さん』シリーズを読んだことがないのですが、表紙のイラストが気に入って、このスピンオフ作品を読むことにしました。

     中心となるのは9歳だった片岡泉が結婚するまでの20年間で、泉と関わった人たちの目を通して泉の為人も描かれます。
     また、エピローグとして結婚後出産までの4年間についてが、泉自身の述懐で語られます。

     この泉という女性。なかなか興味深い。多くのヒューマンドラマの女性主人公が持つヒロイン的なところは少しもない。大雑把だし健気とも言い難い。なのに不思議な魅力があります。

     なんと言っても天真爛漫とも言える明るさが大きい。そしてポジティブで切り替えが早く、絶望しない強さもある。
     だから、ついうじうじ考えてしまうところのある人 ( こちらの方が主人公っぽい ) は泉に惹かれ、関わることで気持ちが前向きになっていくのです。
     
     泉という人物を語るのに欠かせない2つのエピソードがあります。1つは第4話「二〇一一年 杉野大成 三十四歳」、もう1つは第5話「二〇一二年 井田歌男 二十六歳」で、泉の持つ美点と欠点が象徴的に描かれています。
     特に欠点を爆発させる第5話では、その矢面に立つのが平本秋宏さん。みつばの郵便屋さんです。余計に緊張感が増しました。

     泉の述懐で語られるエピローグ部分 ( にしては4話もあるのですが …… ) 。それまでのエピソードの後日談が描かれていて、泉が、自分の欠点をきちんと弁えており、失敗したことにはそれなりの手当てをしていることがわかります。
     人間には長所も短所もあり、人生には上手くいくときも停滞するときもある。大切なのは、その後をどう生きていくかなのですね。

     小野寺さんらしい味わいのある、ほのぼのしたいい終幕でした。

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    2025年01月13日
  • 町なか番外地

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    同じ場所に住む人たち、いろんな思いや状況の中、生活している。
    軽快な文章と奥深いテーマのバランスが絶妙で、読後感が爽快。普段見過ごしてしまいがちな日常の一コマが、視点を変えることでどれほど面白く、また考えさせられた。
    最後にそれぞれが、微妙に影響を及ぼしていたことが分かるとなんかホッとした気分になった。

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    2025年01月09日
  • 天使と悪魔のシネマ

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    岩井圭也さんの新刊(文庫)と同日に発刊されていた本作。
    一緒に購入しました。
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    さっと読めて、
    あっと驚く10の物語
    天使と悪魔が演出する”運命の舞台裏”
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    タイトル通り、悪魔と天使が登場する悲劇と喜劇。
    一話一話が短く読みやすいです。
    ひとつの人生が終わる瞬間を垣間見る、
    恐怖ではなくて、ユーモラスで。
    どこかお洒落というか粋というか。
    でもかなしい。
    大切な人を失うこと、
    そばにいれなくなることはかなしい。

    伊坂幸太郎さんの「死神の精度」を思い出しました。

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    2024年12月31日
  • みつばの郵便屋さん 先生が待つ手紙

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    シリーズ1よりもこちらの方が面白かった。登場人物が場慣れしてきてより活動的になったような?
    春行と百波の関係、秋宏とたまきの恋、セトッチとミカのお付き合い、どれもうまくいってほしい!

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    2024年12月23日
  • みつばの郵便屋さん

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    小野寺史宜さんらしい、ほんわか、でもちょっとしょっぱい部分もあるストーリー。
    秋宏と春行の兄弟関係の描き方が素敵。

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    2024年12月23日
  • 今夜

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    かなり暗い話が続きましたが、最後は登場人物それぞれの夜明けが描かれていて、少し希望が見える終わり方で良かったです。「タクジョ」の登場人物も出てたのかな?ボクサーの彼と警察官を辞めた彼のその後も見てみたいです!

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    2024年12月20日
  • みつばの郵便屋さん

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    ミステリーを立て続けに読んでいたので
    こころが安らぎました
    郵便屋さんへの見る目が少しだけ変わりました
    効率的な配達、雪の中の配達
    小説の中には誤送への対応の仕方も書いてあったりして。
    感心しながら読みました

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    2024年12月19日
  • みつばの郵便屋さん 先生が待つ手紙

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    今回もほのぼのしてて楽しかったです。
    クレーマーや不登校、学校の先生、いろいろな問題を聞き役に徹している秋宏がとてもいいですね。こんな配達員いたらいいのに。

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    2024年12月19日
  • みつばの郵便屋さん 二代目も配達中

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    3冊目、今回も感動した。アルバイトの荻野君の話も、女性配達員の筒井さんの話も良かった。中でも「塔の上のおばあちゃん」にはポロッときた。主人公はいい意味での「人たらし」だと思う。

    最近郵便屋さんのバイクの音に反応してしまう。

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    2024年12月14日
  • うたう

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    かつて同じバンドメンバーだった若者のその後の人生が描かれていました。それぞれ音楽とは一旦区切りをつけながらも、やっぱり日常から完全に音楽を排除できない様子がリアルでした。個人的には、トモの妻のオカリナさんがとても素敵な女性だなと思いました。

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    2024年12月13日
  • ミニシアターの六人

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    映画の中の登場人物たちが少しずつ交わるように、映画を観ている人たちも少しずつ交わる。ヒューマンドラマという感じで面白かった。映画が好きなので「夜、街の隙間」を観てみたくなった。

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    2024年12月10日
  • 天使と悪魔のシネマ

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    ショートストーリー其々にドラマと切なさがあり、展開もテンポよく進むので読んでて負荷が少なかったです。悪魔の殺伐とした死の誘導と天使の抗いの駆け引きに人間が巻き込まれていく感じが、運命ってこういうものなのかなと考えさせられる本でした。

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    2024年12月05日
  • ミニシアターの六人

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    映画監督が亡くなりその追悼上映のある一日の同じ時間にミニシアターに映画を観に来た六人。その一人ひとりが映画を観ながら自分の過去や現在に思いを馳せていく連作短編集。六人のそれまでの人生とか現在の生活もとても読ませるんだけれど、その途中に入る映画の場面がとても印象に残る。映画と自分を重ね合わせるように観ている心情がとてもいい。

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    2024年12月04日
  • みつばの郵便屋さん あなたを祝う人

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    片岡泉さんとの会話が、いつもほっこりする。これだけ続くと、その街にいるような感覚になるのが不思議。
    みな成長していくのがイイ。そして、今作では、悲しい出来事もあり、人の交流が、また一段と深まっていったように思う。

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    2024年12月02日
  • みつばの郵便屋さん

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    以前単行本を読みました。やっぱりほっこりするから好きです。郵便屋さんの日常の苦労などが知れて楽しいです。

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    2024年12月02日
  • 縁

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    4編+αの連作短編集。各編の登場人物たちが少しずつ絡み合っていく。世の中いい人ばかりではないし、理不尽なことだってたくさんある。そして、自分もいってはいけないほうに足を踏み出しそうになる。でも、ふとしたきっかけで出会った人が、その一歩を踏みとどめる勇気をくれることがある。とても読みやすくて、小野寺史宜さんらしい作品だなと思います。

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    2024年11月24日
  • 片見里荒川コネクション

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    地方出身で関東に居る自分自身に近い内容なので、かなり心に染みてしまう。先週、高校の同級会があり、今回、田舎から出て来た同級生含めてどうしても家が近い友達だけで席が集まってしまう。
    片見里という地方都市を中心とした住人達の交流。75才の同級生同士の親分子分の関係とか男女の淡い恋、小さい頃の冒険とか、墓仕舞い、家仕舞いなどてんこ盛りの内容。それに今問題となっている詐欺事件。
    これに寝坊して卒論提出が間に合わない22才の学生が絡み、片見里出身者同士の騒動が展開して行く。淡々とした展開ではあるが、最後は心温まる内容に安心する。

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    2024年11月23日
  • うたう

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    『ひと』『まち』『いえ』に続く『うたう』。
    やっぱりこの雰囲気・空気感が好きだ。
    大袈裟ではない、人と人との関わり、なにかリアルを感じさせてくれる。
    あてもなく、歩いてみようと思う。

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    2024年11月20日
  • 天使と悪魔のシネマ

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    生と死にかかる短編小説集。
    言葉やセリフが読みやすくてサクサク読めた。
    また同じ作者の本を読んでみたいかも。

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    2024年11月19日
  • 町なか番外地

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    小野寺さんの新作。読めるだけで嬉しい。

    マッチングアプリで付き合い出した二人がさらっと、別れてしまう姿に驚いた。いまマッチングアプリで結婚する人が増えているから、この延長で離婚も多くて、貧困率がさらに増えるのではと心配になった。知人に話すとうちの子もマッチングアプリで結婚したと。息子からはきっかけに過ぎないから、直接出会ってもマッチングアプリでも離婚する人は離婚するでしょうと言われ、いろいろ考えさせられた。

    201の佐野さんと101の新川さんのこれからの展開が気になる。

    小野寺さんの作品には川や地名がよく出てくるが、いつもさらっと読んでいる。今度は地図を片手に読んで見ようと思う。狭いようで広い東京を感じられるかも。

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    2024年11月17日