あらすじ
『まち』を愛し、
『ひと』を書く作家(千葉在住)、
上限五万で住めるまちをゆく!
★本書の内容
ノー銀座、ノーライフ。銀座がないなら人生じゃない。
それほどに銀座が好きで、可能なら住みたいと思っている。
けれど。小金持ちですらない「僕」には難しい…。
それでも東京23区に住んでみたい。と、昔から思ってきた。
今も千葉県にある家賃5万円弱のワンルームに住んでいる。
同じ条件なら、どこに住めるだろうか?
その他条件は
フロトイレ付
管理費・共益費込み
定期借家を含まない
だけ。
それ、50代がやる企画ですか?
と言われそうだけど、実際に探して歩いてみた。
歩いた通りに、書いてみた。
書いたらもっと、小説を書きたくなった。
本書はそんな、足掛け3年の記録である。
2019年本屋大賞2位『ひと』の作家、人生初のエッセイ集に挑戦!
★実際に歩いたまち
神田にたゆたう神保町、川を感じて住む小岩、静かに元気な西荻窪、あれこれ不思議な浮間舟渡、端でもにぎわう蒲田、浅草も香る田原町、隣駅の魅力に満ちた要町、まどろみ落ちつくお花茶屋、町に紛れる大森海岸、都電が愛しい東尾久三丁目、ジャズもそよぐよ中野新橋、彩り溢れる三田、台に住もうよときわ台、キュキュッとまとまる都立大学、島感強めの王子神谷、駅前キュートな下落合、何だか広いよ東大島、ふんわりやわらか世田谷、何ともほどよい新大塚、公園と生きる石神井公園、未知を知る鐘ヶ淵、散歩で渋谷へ代々木上原、銀座の風吹く月島
★巻末にはおまけの書き下ろし短編小説「十一月二日、正午にA2出口」付き!
★本作に登場する小野寺史宜の小説一覧
『片見里、二代目坊主と草食男子の不器用リベンジ』『東京放浪』『今夜』『ホケツ!』『ナオタの星』『ライフ』『まち』『ひと』『その愛の程度』『みつばの郵便屋さん』『片見里荒川コネクション』『ROCKER』『タクジョ!』『今日も町の隅で』『それ自体が奇跡』『食っちゃ寝て書いて』『ミニシアターの六人』
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
本屋大賞ノミネート常連作家である「ひと」や「まち」で知られる作家の
エッセイです。
家賃5万円を条件に、東京23区で住んでみたい街を選び、実施にその街を
そこで生活すること想定して歩きます。
ややもするとワンパターンに陥りがちですが、毎回共通するのは美味い
コーヒーを飲ませる店に立ち寄ることです。カフェではないです、喫茶店
です。
それ以外は本当に住むための生活に必要な環境を求めて街を歩き回ります。
それでも面白いです。東京は本当に色々あります。どの町にもいろいろ
あります。
「今日はこの区を歩く」と決めて町歩きするのは面白いかもです。行き当
たりばったりで、「あっ、この通りはここに出るのか」という感じです。
で、散歩旅は銭湯とビールで締める、というのができるのが人生の勝者
ですね。
クリックお願いします。
Posted by ブクログ
これ大好きです!
東京好き、物件好きにはたまらない。
春に東京に上京する方は読んだ方が良いかも。
毎月1区選んで住みやすい場所を巡る。
ちゃんと5万円という家賃価格を設定して。
やっぱり東京、それを若干超える所もあるけれども。
街を散策してランチ食べてコーヒー飲んで。
街歩き番組じゃないですか!
面白かったです。
Posted by ブクログ
小野寺さんの小説と地続きの街歩きエッセイ。文体は、まったく違和感ないくらいに一緒。
彼の小説の愛読者なら、クスクス笑える。
そうでない人は、果たして?
Posted by ブクログ
SUUMO連載エッセイ単行本化。
物件検索で23区の町巡り。
前日譚 ノー銀座、ノーライフ
はじめに
第一回 千代田区 神田にたゆたう神保町
第二回 江戸川区 川を感じて住む小岩
第三回 杉並区 静かに元気な西荻窪
第四回 北区 あれこれ不思議な浮間舟渡
第五回 大田区 端でもにぎわう蒲田
第六回 台東区 浅草も香る田原町
第七回 豊島区 隣駅の魅力に満ちた要町
第八回 葛飾区 まどろみ落ちつくお花茶屋
第九回 品川区 町に紛れる大森海岸
第十回 荒川区 都電が愛しい東尾久三丁目
第十一回 中野区 ジャズもそよぐよ中野新橋
第十二回 港区 彩り溢れる三田
第十三回 板橋区 台に住もうよときわ台
第十四回 目黒区 キュキュッとまとまる都立大学
第十五回 足立区 島感強めの王子神谷
第十六回 新宿区 駅前キュートな下落合
第十七回 江東区 何だか広いよ東大島
第十八回 世田谷区 ふんわりやわらか世田谷
第十九回 文京区 何ともほどよい新大塚
第二十回 練馬区 公園と生きる石神井公園
第二十一回 墨田区 未知を知る鐘ヶ淵
第二十二回 渋谷区 散歩で渋谷へ代々木上原
第二十三回 中央区 銀座の風吹く月島
おわりに
小説 十二月二日、正午にA2出口
風呂付ワンルーム5万円を条件に物件を探し、各区を探訪し、公園や川、運河を歩き、ランチを食べ、コーヒーをすする作者がほほえましい。
Posted by ブクログ
あたたかくてゆるい、小野寺さんの散策日記。でもただの散策ではなく、住みたくさせる日記。23区をすべて回り、そして「住みたくさせる」のは本当に難題だったと思うけど、読んでみたら見事に全てに住みたくなった。お金を出せばいくらでも住みたくさせることはできると思うけど、5万円という予算で、そしてあえてニッチな町を選んでいるところ(予算ゆえ選ばざるを得ない)のもいい。
p.84 町歩きとコーヒーは、やはり切り離せない。もうって何でしょうね。人生におけるコーヒー、というかカフェの良い。とりあえず立ち止まり、コーヒーを飲む30分。その間には人は自信を微調整するのかもしれません。あちこちを閉めたり、緩めたり。
p.114 東尾久やその近辺を2時間歩いて、思った。この辺は、なんというか、街が肌に近い。肌に合うという意味ではなく、肌に近い。街がくっと、自分に寄ってくれる感じがする。いるだけで、体が街に包まれているような感じがする。それは結局、肌に合うと言う事かもしれない。
歩いている間、僕はなんだかんだでずっと都電荒川線を意識していたような気もする。電車や起動そのものが直接は見えないところにいた時もだ。決してうるさくはない走行音。どこか丸みを帯びた、踏切の警告音。それらがうまく街の音になっている。もしここに住んだら、やはりずっと都電荒川線を意識するんだろうな、と思う。多分、無意識にそうなるのだ。無意識に意識。矛盾するが、それが当たり前になる。悪くないな、とも思う。
Posted by ブクログ
個人的にはけっこう良かった。★4にするか迷った。何が良かったかというと、通りの名前、橋の名前などがちゃんと書かれていたこと。街の達人マップと見比べながら、行程を追った。イラストレーターに依頼してでも、各区ごとにかわいいマップが載っていたら更に良かったな。
夜勤明けの時はいつも、銀座の中心で泰明小学校に通うランドセルを背負った子どもたちとすれ違います。
この子たちは銀座のどこに住んでいてどんな暮らしをしているんだろっていつも思ってしまいます。
Posted by ブクログ
将来、銀座に住みたいという小野寺さんが東京23区を歩くというエッセイ。
家賃5万円ぐらいの物件を探し、住んでみたらどうだろうと辺りを歩いてみる。
我が家のご近所が出てきて大いに盛り上がったりも。
ぶらり街歩きは楽しそうだね。
Posted by ブクログ
いつか銀座に住みたい、という憧れを持った筆者が、東京23区、実際に住んでみたら…と物件を探し街歩きするという企画物。
引っ越してきたばかりの人目線の街にはわくわくがたくさんあって楽しい。
予算を5万円で検索しているが、それだと築30年とか50年とかのワンルームでやっぱり東京って家賃高いんだなぁとしみじみ。
でも一度は東京に住んでみるのも楽しかったのかもと今になって思った。
Posted by ブクログ
小説家の著者が、家賃5万円で住める風呂付きワンルームを東京23区の1区ごとに検索し、その周辺を歩き回って紹介するエッセイ。少し歩いてはその地のお店でお昼ご飯を食べ、最後はカフェで珈琲を飲んで終わるのが定番。東京に住んだこともない人間にとっては、こんな本読めるか!と最初は思ったけど、著者の小気味よい筆致がそれなりに心地良いので自然と読み進められた。エッセイ自身には脱線も多くそんなに写真も無いので紹介されている地域のことがそんなに分かるわけでもないのだが、Google Mapで確認しながら読んでいると東京の地理に詳しくなった気がしてきた。もし東京に住むことになったら、この本を参考にしてみるのも良さそう。
あと、最後にはこのエッセイに繋がるフィクションの短編小説が掲載されているのだが、これがなかなか面白い。エッセイ中で著者もしきりに自身の小説を引き合いにだすのだが、どれか読んでみようかと思ってしまう。
Posted by ブクログ
”たくさんの街の顔”
街を描いたらピカイチな好きな作家の街にまつわる作品。
「SUUMOタウン」に掲載されていた東京二十三区を全てを巡るエッセイ。
著者も結びで書いているように、深い感動や刺激をもらう内容ではない。純粋に楽しみながら街を歩く様子が淡々と記されている。自分が住んでいる街や馴染みのある場所を訪れていたらより味わい深さが増すんじゃないかな。
当たり前だけど、その場所によって変化する街に対する感覚や考え方、その描写の多彩さが印象的だった。
”(空がちゃんと見えるのだ)これはかなり重要。こんな町でも、屋外にいれば空は見える。でもそれらはたいてい、高い建物でジグザグに縁どられた狭い空だ。かえって息苦しさを感じさせるそれ。だからこうして、ある程度まとまった空を見られるのはいい。そしてそれがアパートの近くにあり、常に意識できることが大事。”
”アパートやマンションは多いが、これぞまさにの住宅地、ではない。住むというよりは、居る。町に紛れる、という感覚になりそうだ。”
”建物はどれも低いが、道が狭いから、空も狭い。そのただでさえ狭い空を電線が重横断している。でもこうなると逆に気持ちいい。潔さを感じる。うるせえな、ここは東京だぞ、と言われた気になる。初めからこういう場所なのだから文句は言わない。というか、文句などはない。”
最後の短編小説もらしさあふれる文章で良かったし、早く銀座で生まれそだった男の物語を読んでみたい。
Posted by ブクログ
作家の人柄も滲み出て楽しく拝読。23区町歩き、色んな出会いと発見ありそう。やってみるか。大田区が23区で一番面積広いとは知らなかった…世田谷と思っていたが、羽田か。
Posted by ブクログ
小野寺さんの著者はたくさん読んでいるけど、どんな方かイメージが全くわいていなくて…初エッセイということで、読んでみた。
東京には土地感がないせいもあって、内容にはあまり深く入り込めなかったけど、庶民的で素朴な人柄は伝わってきた。
Posted by ブクログ
銀座をこよなく愛する小野寺さん。
人生初のエッセイ集となる本作は不動産・住宅に関する情報サイト「SUUMO」を提供する株式会社リクルートが運営するオウンドメディア「SUUMOタウン」に連載されていた原稿をまとめたもの。
家賃5万円弱のワンルームを探し求め東京23区をひた歩く。
「ひと」と「まち」をテーマにした作品が多いだけにどの街でもしっくり馴染んでる。
ランチで入ったお店のメニューはどれも魅力的で時々登場する小野寺作品のエピソードには心和む。
物件情報を期待して読むと肩透かしだけどぶらり街を探検してみたくなる。