小野寺史宜のレビュー一覧
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ネタバレ去年発売の新作。
解散したバンドメンバーのそれぞれの人生の話。
音楽諦める、次の人生どーする?
そんな話からやっぱり音楽ていいよね、歌うっていいよね。声を合わせて音楽を作る。会話とは違う声の出し方。上手く言えないけど歌うっていいなって思った。
いい意味で考えなくても声が出せる、決められた音、決められた歌詞を歌って発信できる。
なんか日頃コミュニケーションに疲れてる私に染みる話だった。
声がうたになる。
湧き出てくるものがある、それがうた
素敵だなぁ。やっぱり小野寺さんは染みる。
人間関係に疲れた時にはこのシリーズ読み返したい。 -
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平凡な日々が描かれているようで、日常は平凡じゃないと感じた。昨今、切り取り動画が流行っているけれど、切り取り方次第で動画の印象が全く異なる。それと同じで、想い出をどう切り取ってどう思い出すか次第で、想い出も変わるんだと思う。平凡と思えば平凡な日々だし、特別だと思えば特別な日々。
短編のなかでも『君を待つ』が特に好き。とある事故が起こった電車に乗るはずだったけど乗らなかった男性。乗る予定がなかったのに乗った女性。その2人が出会ったことで新しく生まれた命。
こうして切り取ると特別な出会いのように思えるけど、その特別も日常の延長線上にあった出会い。
ありきたりな言葉だけど、本当の意味で全てのことに -
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私が読んだことがある小野寺さんの本の登場人物やお店が随所に出てきました。小野寺さんの本をもっとたくさん先に読んでいたら、更に楽しめたはずです。ちょっと残念。
密葉市みつばの蕎麦屋「ささはら」。
亡き父のこのお店を再開させた鳴樹が主人公でした。
読み進めると、鳴樹の人柄でお店が、じわじわといい方向へ向いていく感じがしました。それとともにお客さんとの繋がりがどんどん広がってきたので、鳴樹は人が好きなんだなと思いました。さりげなくお客さんのことを気にかけて話しかけたり、一緒に働く2人のこともよく考えていたからです。そして読んでいる私までが、みつばの町の人達の知り合いがどんどん増えてくるような感覚 -
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育った町を離れていたが、戻った町で父が遺したそば屋を継ぐことにした鳴樹。
両親がやっていたそば屋だが、出前をやろうと思いつき、アルバイトを…と思っていた矢先に幼馴染の小枝が洋菓子専門学校も卒業せずに辞め、バイトも辞めたと聞き、働いてもらうことに。
鳴樹の始めたそば屋は、ゆるゆると人との会話を楽しみながら常連客をつくっているんだなぁと感じた。
40年前に子どもの頃に来たという木場やさんや母子で来ていたと記憶のある今や高校中退して改造バイクで走る和太。
認知症に気づくことになった荒瀬さん。
ひとりで来る中学女子の星川さん。
老若男女問わずにすっーと心のなかに入り込んでいく鳴樹。
この押し付けがま -
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内容も小説の構成も非常に複雑な内容だった。
現在40才、18歳の高校3年生、20代、30代の繰り返しが3回続く。情報が小出しのため、全てを理解するのに最後まで読まないといけない。
友人と乗ったボートが転覆し、友人が死亡する。赤ちゃんが出てくるが、誰の子供かわからない。5人の高校生。生徒会長と副会長のカップル、元バスケ部のエースのイケメンと吹奏楽部のエース美女と4人のスターと普通な主人公がバンドを組む。
突然の隣家の奥様と主人公との一夏の経験。この奥様家族とは最後に意外な関係に。
5人の関係も複雑に変わって行く。エース美女との両思いなのに、告白されて断る主人公。皆んなくっついたり別れたり。主人公 -
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銀座のミニシアター、数年前に亡くなった映画監督の作品が追悼上映される…そしてそこにたまたま集った観客6人には、それぞれの人生とこの映画には接点があった…
こんな一節があった。
一本の映画を通して観る二時間。その間は自分から離れ、自分でいる必要が無くなる。他人の日常を追体験し、元の自分に戻る…
まさに僕も映画が好きな理由はこれだ。
映画の中で、自分がいつの間にか政治家になったり、ヤクザ、刑事、ヒーローなり、違った人生を味わえる。(味わった気になる)
後からDVDとか配信で見るよりも、映画館で観るほうがやっぱり一番面白いよなぁ。
小説のストーリーは淡々と進んでいくが、映画のセリフや内容と観客の -
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けっこう話題のベストセラー小説らしい。ふと読んでみた。
鳥取を出て東京で大学生生活を送っていた柏木聖輔は、鳥取に住んでいた母親の突然死に遭う。その数年前に父親もすでに交通事故で亡くなっておりほぼ天涯孤独の窮乏生活に。大学も続けられず、惣菜屋でメンチカツを買えずに50円のコロッケならもち合わせで何とかという節約ぶり。
そのコロッケの縁から惣菜屋で働くようになり、店主夫婦や同僚や、また、高校の同級生で東京で看護師を目指し学生生活を送っている青葉との仲も深まっていく。大変な生活だけど周りで気にし支えてくれる人がいることの温かさが伝わる。
一方で、聖輔と対比するように大学の頃の友人たち、青葉の元カレと -
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今回も筧ハイツの住人。井川幹太。大学から9年も住んでいる。コンビニバイトの27歳。パンの営業として就職したが辞め、その次も辞め、コンビニ。結婚式の代理出席のバイトもたまにやっている。そのバイトで高校時代の同級生萩森澄穂と再会。たまに飲みに行く仲になる。幹太の悩みは上の部屋の住人がうるさいこと。生活音がうるさい。ワンルームなのに時々子どもが2人来る。でも気付いたら仲良くなっていた。
語り口は淡々としている。余計な装飾はない文章。幹太視点で頭の中を晒している感じ。まさに日々の生活と心情を描いている。Lifeを描いているという感じ。出てくる人に悪い人がいない。小野寺さんの作品はいつも安定のよさがある