小野寺史宜のレビュー一覧
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今回のお仕事はアルバイト。大卒で2つの会社を退職し、只今、コンビニのバイト中。これだけだと生活が厳しいので結婚式等への代理出席のアルバイトをする。その結婚式場へ高校時代の同級生が現れ、恋の予感。
小野寺さんの小説に出て来る主人公は淡々とした平凡な人間が多い。今住んでいるのは学生時代から八年も住み続けるアパート。上の階にガサツな男性が引越して騒音に悩まされるが、注意に行けない。偶然、この男性家族との接点ができたことから、次々と他の住人達との交流が出来る。
親の離婚問題・母の再婚、隣人の不慮の死など、それなりに大きな出来事があるのだが、淡々と進んで行くのでスルスルと読み進められる。
このまま先の希 -
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短編集。
これまでに読んだ「ひと」「まち」の主人公とは違い、情けなさやトゲや引け目を持った登場人物が多い。
「針」の主人公なんかはまさに関わりたくないタイプ。
ちょっと面食らった部分もあるけれど、リズムのある文体と軽妙なユーモアを感じる。
登場人物の視点が変わると同じセリフでも背景が分かってくる部分、こちらのとらえ方も変わってくる。
すごく当たり前だけど、
「人って色々あるよね」と思わされる。
最後の「終」の短い文章で、これまでつながってきた縁が、登場人物を前向きにしてくれるような、そんな読後感を覚えた。
それはもちろん、読んでいるこちらの気持ちも前向きにしてくれるものだと思う。
「つい -
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ここ数年で、〇〇ジョという言葉が多くなった気がする。
ただ、タクシードライバーの女性のタクジョという表現は初めて聞いて気になったし、小野寺さんの本は、劇的な展開がないけどどこかゆっくり心を揺さぶられ、安心して読めるので、見つけて迷いなく読んだ。
本の中では、タクシードライバーの業務について多く説明されているが、まず女性タクシードライバーが数%しか以内、ということに驚いた。また平均年齢も高く、たしかにタクシー利用をすると、たいてい50歳以上のおじさんドライバーというイメージ。
タクジョの夏子は、大学卒業と同時にタクシードライバーとして就職。夏子はほんわかしているのに、芯がしっかりしているという -
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☆4
タイトルや表紙のデザインから、今作もいつものほっこり温かくなる「小野寺さんワールド」に浸らせてもらおうと読み始めたものの…「あれ?お、小野寺さん??」と思ってしまうような内容に困惑してしまいました。
今までたくさんの小野寺さんの作品を読ませて頂きましたが、初めて途中で読むのを辞めようかと思ったほどでした…。
でも、きっと何か仕掛けがあるに違いないと読み進めていくと、いつの間にかどんどん物語の世界に惹き込まれていき、後半(特に第三話)では続きが気になってページを捲る手が止まりませんでした!
色んなことを考えさせられる物語でしたが、最後まで読んで良かったです❁⃘*.゚