あらすじ
同級生の長野くんに誘われて野球観戦に来た愛里。2人の前には大声でヤジを飛ばす男が座っていて……「梅雨明けヤジオ」。バンドでリードギターからベースになった悠太が初デートで訪れたのは“ツリー”ではなく“タワー”だった――「逆にタワー」。思いもよらない偶然を重ねて出会った駿作と那美は、その時が来るのを待つ「君を待つ」。ほか、全10編を収録。11歳から42歳、それぞれの「選択」に向き合う男女を描いた、著者初の短編集。
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平凡な日々が描かれているようで、日常は平凡じゃないと感じた。昨今、切り取り動画が流行っているけれど、切り取り方次第で動画の印象が全く異なる。それと同じで、想い出をどう切り取ってどう思い出すか次第で、想い出も変わるんだと思う。平凡と思えば平凡な日々だし、特別だと思えば特別な日々。
短編のなかでも『君を待つ』が特に好き。とある事故が起こった電車に乗るはずだったけど乗らなかった男性。乗る予定がなかったのに乗った女性。その2人が出会ったことで新しく生まれた命。
こうして切り取ると特別な出会いのように思えるけど、その特別も日常の延長線上にあった出会い。
ありきたりな言葉だけど、本当の意味で全てのことに意味があると思えた。
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282ページ
1700円
8月24日〜8月25日
みつば町で暮らす人々のちょっと心暖まる10の短編集。親が離婚することや引っ越しすることなどの共通項がどの話にもある。
短編集だから一つ一つが短くて読みやすい。文体も読みやすく、すーっと入ってきた。
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短編集。
大きな事件は起きないけど、近くでありそうなお話ばかりです。
隣の芝生は青いというけど、きっとみんないろいろあるけどなんとかやってるんだなぁと思いました。
私も町の隅でひっそり生きていこう笑笑
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小野寺さんの短編、初読みです。読みやすかったです。小野寺さんの作品は、他の作品と繋がってるところが魅力で、この本も要所要所に「あ!」となるところがあります。それが面白い。
タイトル通り、日常のどこかで起こっていそうなストーリー。フィクションだけど、親近感の持てる話で、面白かったです。
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☆4
それぞれの「選択」に向き合う、11歳から42歳の男女を描いた10編の短編集。
決して大した事は起こらず、今日も町の隅で起こっているであろう「ありふれた日常」を描いた短編集なのですが、読むとほっこり温かい気持ちになれて...そっと背中を押してくれるような「10の物語」に癒されました❁⃘*.゚
小野寺史宣さんの作品ではお馴染みの「みつば」が舞台となっているので、他の作品に登場する人物やお店などが出てきて、そちらも楽しめました!
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小野寺ワールドが気軽に楽しめる短編集。小野寺ファンにはおなじみの「みつば」が舞台で、聞いたことのある店の名前や人物が出てきたりして楽しいです。タイトルの通り、町の隅での何気ない日常の人生のほろ苦さが読みやすい短編で味わえました。初めて小野寺さんを読むという人にもおすすめ。
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それぞれが、ささやかな、いや、本人にとっては大きな問題を抱えながら、同じ町の中で過ごしている。
頭がフル回転して働いている昨今の私には軽くてよかった(笑)
「君を待つ」がよかったかな。
それぞれの選択がこれから先よい方向にいきますように。
と、小野寺さんの本には、この街が出てくるんだけど、私も住んでる気分になる(笑)住みたいのかも。
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10代から40代のそれぞれの登場人物が挫折を乗り越えて立ち上がっていく姿を描いた短編集。
めちゃくちゃドラマチックという訳ではないが、淡々としている中にも情熱やひたむきさが素直に伝わってきた。
「冬の女子部長」「君を待つ」での親子愛に心を打たれた。
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安定の小野寺さん。
短編集で、サッと読めて、読後感も爽やか。
みんな何かしらの挫折や壁に当たっているからこそ、共感しやすいし、その壁を前に主人公たちがどう乗り越えていくかを追いかけたくなります。
以下、好きな短編とフレーズ。たまに感想。
◼️逆にタワー
p54東京タワーに上れたら楽しかったろうけど。わたし、上から見下ろすより、こうやって下から見上げる方が好き。そのほうが、何か、やってやろうって気になる。
「していい我慢」という言葉。しっくりきた。
◼️冬の女子部長
p68やってもできないならしかたない。でもできるのにやらないのはダメだ。いざとなればやる。そういうつもりでいるのかもしれないけどな、そんないざはないんだよ。これは生徒に限ったことじゃない。大人だってそうだ。普段から力を出さない人間は、いざというときにも力を出せない。何でもない時に力を出せること。それ自体が人間の能力に含まれてるんだ。たとえば先生の歳ではもう遅い。でも森田の歳なら遅くない。持ってる力は出せ。出さない力は伸びないし、伸びないどころか、いずれ消えてなくなるもんだ。もうすでにない力をあると思ってる。そんな大人には、なりたくないだろ?
主人公がとにかくいい子。
女子部はともかく(笑)
それはともかく、普段から力を出すことって大事だなーと先生のお言葉に感銘を受けた。
いざはない。良い言葉。
◼️君を待つ
p127那美には年上ぶったところがなかった。実際に年上なのに、なかった。年下の僕を、転校してきたクラスメイトでもあるかのように迎えてくれた。わからないことがあったらわたしに訊いてね、とは言わなかった。一緒にやっていこうね、と言う感じだった。
→わかる。那美さんが対等に見てくれてる感じに惹かれるってあると思う。
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既に単行本で読んでいましたが文庫本で再読。
小野寺作品で良く出てくるみつば市に住む、一般の人々の何気ない日常の風景です。
普通ならここからもう一波乱あるだろうという所から何も起こらないのが、なんとも小野寺さんっぽいなと。
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この小説を読み終わった後、別の本のフレーズを思い出しました。
”「幸福は、状況の編集能力・解釈能力によって構成されるもの」と考えているの。”
(by 愛は毒か 毒が愛か)
まさにコレ、なのです!
この小説に出てくるストーリーは、普通の人のほんのちょっとした日常生活なのです。
(ほんのちょっととしたのは、普段の生活に毛が生えたくらいの出来事だからです)
日記に書くか書かないか、判断に迷うくらいのレベルと言えば伝わりやすいかなぁ。
が、しかし。
読んでみると、どれもこれも特別感があるんですよね~。
この特別感って何だろうと考えた時に、思い出したのが先のフレーズです。
大したことのない日常も編集能力・解釈能力次第でいかほどにも特別なモノになるって事なんじゃないかな、と気づきました。
なんで自分の人生ってこんなにもつまらないんだろう……、と思う時間があるのであれば、編集能力・解釈能力を身につけ、自分の人生に特別感を持たせる方に舵を切った方がお得感がありますね。(自分でコントロールしている感があるので、充実感もついてくるかもしれない)
この小説に書かれているような「幸せ」は自らプロデュースして作っていくものなのかもしれません。
目の覚めるような何かが起きるわけではないので、心穏やかな状態のまま読めました。(たまにはいいね、こういうのも)
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1つの町で生きる様々な人々の日常を描いた小説でした。まるでアジサイの花が小さな花々が集まって、大きなアジサイという花になる様に、人々が日常生活の中で、それぞれの小さな心の花を咲かせ、その集合体が「今日も町の隅で」というアジサイの花となって、私達読者を静かに楽しませてくれる…といった感じの印象を受ける穏やかな小説でした。
Posted by ブクログ
小野寺さんは本当に日常を切り取るのが上手いなぁ。
端から見たら何の変哲もない日常なのに、小野寺さんの手にかかれば、たちまち味わいのある誰かの日常へと変化する。
そんな風に思わせてくれる短編集でした。
お気に入りは、
*冬の女子部長
*君を待つ
*ハグは十五秒
*カートおじさん
小さなものから大きなものまで、日常的に幾度となく迫られる選択の数々。その大小に関わらず感情は揺れ動くもの。
そんな登場人物たちの様子が描かれていました。
転校生に翻弄される小学生から妻の浮気を疑う夫…と、世代もシチュエーションも様々でそっと見守るような気持ちで読み終えました。
軽い読み心地で隙間時間にもピッタリ!
ちょこちょこ楽しみました。
Posted by ブクログ
10篇の短編集。共通しているのは「みつば」という町が舞台であること。そしてそれぞれのお話は11歳から42歳と幅広い男女が主人公だけど、大きな事件が起きるわけではないので、気付いたら1つのお話が終わっていた!という印象です。なのでこれまで読んだ小野寺作品と比べると少し物足りなさを感じてしまいました。でも『君を待つ』は良かったです。電車に乗り遅れてツイてないと思ったのも束の間、事故を逃れた上に、その後偶然の出会いが待っているなんて…。私もツイてないと思っても、イヤイヤこれはツイてるのかも?と前向きに考えよう!