小野寺史宜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ小野寺さんが描く中年が主人公の作品を始めて読んだ。
でもほかの作品の青年と同じように、内側に熱を秘めた静かに自分と周りを観察している人物で心地よい。きちんと自分の手の届く範囲を見て、自分の生活を「生きて」いる感じがして、不思議と安心する。
さて本作。
ジャズマンでクラリネット奏者の下田保幸のところへ警察からの連絡。身元引受を依頼してきたのは25年前の元彼女の息子・音矢だった。そこから始まる保幸と音矢の生活。繋いでいるのは音楽。
自分が一番大切にしているもの(=音楽)がはっきりしていて、それ以外(収入の低さ、不安定さなど)の不安は淡々と受け入れて生きる。食はシンプル、ファミレス朝食海賊は週に一度の贅沢。
その淡々とした生活と、ディキシーランド・ジャズへの強い熱い想いの対比がいい。
大切なものを大切にすることってかっこいいと思わせてくれる。
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ディキシーランド・ジャズというジャンルを初めて知った。
調べてみたら聴いてみたことはあったが、ディキシーと認識していなかった。
せっかくなので本作で紹介されている曲を流しながら読んでみた。これがよかった。
読み始め最初の数ページは30代の青年を想像し、その後、内容から40代だと認識を修正したが、曲を流し始めたら理屈抜きにその年代を生きてきた中年のおじさま像がはっきりと浮かんできた。
ノリがよく、明るく、でも懐かしいディキシーランド・ジャズ。ここから離れられないおじさまたち、新たに魅せられる若者たち。ジャズバー「ジャンブル」に流れる空気が少し想像できた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ小野寺さんの書く主人公は、無理をしていない、現実にいそう、そんな感じが好きです。考えていることが理想的すぎない、自然な感じ。スッと入っていけます。
家族はどこまでいっても家族で、切り離すことができない。それは、いい意味でも悪い意味でも。「家族だからこうしなければならない」ということは実はない。でも、そう簡単にはいかない。所詮は他人、程よい距離を見つけなくてはいけないことに気づけないこともあるでしょう。
さくらの聡明さ、太郎の鈍感さと優しさ、さくらの旦那さんの懐の深さ、さくらと太郎の父の思いやり。泣いてしまいました。
太郎と彼女の価値観のズレが少しずつ生じていく(というか、浮き彫りになる)様がリアルでした。太郎、間違えてるよ、と教えてあげたい。でも、現実では気づかないうちに少しずつズレていくものですよね。
「太郎」という名前なら、太郎と呼びたくなるのはよく分かります。山太郎、丸太郎、バカ太郎、思春期太郎。あと一つぐらいあったような。チャーハンがおふくろの味とか、そういう日常のちょっとしたことをとらえるのが好きです。
「さくら」は名産の桜えびから来ているのかな?
ラスト、二人でもう少し歩きたい、と行き先をコンビニからスーパーに変えるところ、お姉ちゃんから姉ちゃんへと変化するところ。また一つ家族の距離感が変わって好きな場面です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2020/8/24
一日で読めてしまった。
まあそれは、おもしろいからでもあるんだけど。
平和な時間がゆったり流れる中、ついに嫌な人登場かと。
谷さん。
同姓のいい人が知り合いにいたからそこもちょっと引っかかってみたり。
パワハラ気質の谷さん。
ダメなんや、苦手なんや、こういう意味なく攻撃的な人。怖気が走るんや。いや、意味はあるのか。周りが敵に思える環境で育ってきたという。
でもそんなんこっちには関係ないやん。
そうやってツンケンするから悪循環やねん。知らんがな。
ってシャットアウトする。私なら。
でも秋宏は上手に敵じゃないアピールをするんよ。
なんて偉い。魂のレベルが高い。
結果、谷さんもそこまで悪い人じゃないやん。って終われる。
あ待って、もう一人おったな、嫌な人。
元カノの子や。
そっちは打算的で自己中心的なタイプや。
どうなるのかなぁ、彼女。どうかなるのかな?
続き楽しみ。