小野寺史宜のレビュー一覧

  • 天使と悪魔のシネマ

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    映画館に入る前と
    映画館を出たあとでは
    何かが変わっている
    だから映画は好き
    (冒頭のことばより)

    人生には良いことも悪いこともあり、それを天使と悪魔の仕業と考えることもできます。
    本書は生と死にスポットライトをあてた10編の物語がみられる映画館、という設定です。
    装丁も凝っていて、扉がそれぞれレイトショーで映画を観ている風のイラストになっています。
    (ただ、p.147の扉は、観客の人がこちらを振り返るイラストになっており、一瞬、自分が見られているかも…とドキッとします)

    読み終えると真っ黒でノイジーなページが続き、まるでエンドロールのようでした。

    今回のおすすめ『おれ、降臨』

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    2023年11月12日
  • 近いはずの人

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    作者名で読んでいるが、今回の作品は主人公側に多分に問題が多く、内容も暗く辛い場面が続くが、淡々として書かれているので何とか読み終えられた。
    結婚して4年目なのに奥さんが交通事故で亡くなってしまう。毎晩、ビールを飲みながら残された携帯のパスワードを打つ毎日。どんどん酒量が増え、止瀉剤も飲むほどで仕事にも影響が出始める。
    解除された奥さんの携帯に残された不倫の形跡。
    奥さんの秘密が次々と明かされて行くが、その原因の一つに主人公の問題も。主人公の高校時代の恋愛観、奥さんが流産してから関係など。
    重い、重すぎる。多少の未来への明るさが仄みえて、何とか締めて貰った。

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    2023年11月06日
  • 本日も教官なり

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    ネタバレ

    益子豊士
    四葉自動車教習所の教官。四十五歳。

    岡美鈴
    豊士の元妻。アパレルメーカー勤め。

    美月
    豊士の娘。十七歳で妊娠。

    高梨
    美鈴が付き合ってる会社員。

    万由
    豊士が付き合ってる。期限付きで大阪に異動。繊維メーカー勤め。

    林田佳世
    教習生。三十五歳。AT限定。

    小西日南子
    教習所のカウンター担当。

    臼井しの
    六十九歳の教習生。

    加島
    教習所教官。

    津村良太
    教習所教官。

    吉野草安
    ロックバー『ソーアン』のマスター。五十五歳。

    森田冬香
    『ソーアン』のアルバイト。三十八歳。十七歳の息子、幹矢がいる。

    維安
    草安の子ども。スカイマップ・アソシエイツというプロのミュージシャ

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    2023年10月25日
  • ひりつく夜の音(新潮文庫)

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    ネタバレ

    下田保幸
    クラリネット奏者。解散した『井村勝とロンサム・ハーツ』の元メンバー。四十六歳。

    草木精二
    カフェ『ジャンブル』のマスター。

    佐久間音矢
    警察に捕まり、身元引受人に下田を指名。二十二歳。ギタリスト。

    佐久間留美
    二十五年前に下田が大学生の頃に付き合ってた。十二年前に脳腫瘍で死んでいる。

    野沢
    男性警官。

    小川栄
    ロンサム・ハーツで下田の前にクラリネットを吹いていた。いわば下田の師匠。

    鈴森朋子
    下田の高校の同級生。ブラスバンド部。

    薮内
    下田の生徒。四十歳独身男性。

    高倉乃々
    フリーライター。下田が通う朝食バイキングの常連。

    岸忠義
    弁護士。

    松江省吾
    スカイマップ

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    2023年10月03日
  • ライフ

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    特別大きな何かが起こるわけじゃないけど、幹太の人柄と、彼の気持ちが少しずつ変わっていく感じが心地好い。

    パート仲間の七子さんだったり、大家さんとのやりとりも、ほのぼので良い。

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    2023年09月06日
  • 近いはずの人

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    『ひと』を読んでから気になった作家さん。
    今回は「近いはずの人』ということで、夫婦のお話。

    亡くなった奥さんの携帯から、別の男性とのメールのやり取りを見つけてしまう。それを知った男の葛藤。

    0000から暗証番号を打ち続けてロックを解除してするとか、どんな根気…。

    真相は何とも言えないけれど、近くにいる人の事なんて、分かっているようで分かっていない。
    知らない事なんて多いし、知らない方がいい事もあるかもしれない。

    「313ページのたったひと言にあなたはきっと涙する」って帯に書いてあったけど、それはあまりよくわからなかったなぁ。

    結婚してると違うのかなぁ。

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    2023年07月12日
  • 銀座に住むのはまだ早い

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    小野寺作品、初めて読みました。
    どの区に住むか、毎回楽しみながら読めた。
    巻末の短編小説も軽く読めて、今度は小説を読んでみよう。

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    2023年07月09日
  • 天使と悪魔のシネマ

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    「今宵守宮くんと」「宇宙人来訪」が面白かった。非現実的なお話だけど、静かにクスッと笑えるお話。短編だけど、少しずつ繋がっているので、読み返しながら読み進めた。不思議な感覚を味わえた。

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    2023年07月04日
  • ホケツ!

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    いつも補欠の高校サッカー部員の物語。上級生になっても補欠でも好きだから続けられる姿勢はよくわかるなぁ。319ページ目辺りから最後まで怒涛のエンディング。

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    2023年07月04日
  • 今日も町の隅で

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    1つの町で生きる様々な人々の日常を描いた小説でした。まるでアジサイの花が小さな花々が集まって、大きなアジサイという花になる様に、人々が日常生活の中で、それぞれの小さな心の花を咲かせ、その集合体が「今日も町の隅で」というアジサイの花となって、私達読者を静かに楽しませてくれる…といった感じの印象を受ける穏やかな小説でした。

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    2023年06月20日
  • 近いはずの人

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    妻絵美が友人と遊びに行く途中の山中でタクシーごと事故に合い亡くなった。残された俊英は、妻の持ち物の携帯電話のロックを解除する日々。周りからは付き合いが悪く、集中力もないと思われる毎日。そんな中、弟の結婚話が持ち上がる。

    無気力な主人公と、その無気力の原因から始まり、結構長い間説明で終始する前半。携帯電話のロック解除のトライが続き、特に話が進まないのが難。しかし、携帯電話のロック解除がある程度目処が付き始めた頃から話の展開が始まる。

    妻の大学でのエピソードや、やや特殊な家庭事情でまあボリュームはあるものの、ちょっと無駄なエピソードで無理やり膨らませた感のあるストーリー。確かに展開し始めてから

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    2023年06月16日
  • 今日も町の隅で

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    小野寺さんは本当に日常を切り取るのが上手いなぁ。
    端から見たら何の変哲もない日常なのに、小野寺さんの手にかかれば、たちまち味わいのある誰かの日常へと変化する。
    そんな風に思わせてくれる短編集でした。

    お気に入りは、
    *冬の女子部長
    *君を待つ
    *ハグは十五秒
    *カートおじさん

    小さなものから大きなものまで、日常的に幾度となく迫られる選択の数々。その大小に関わらず感情は揺れ動くもの。
    そんな登場人物たちの様子が描かれていました。
    転校生に翻弄される小学生から妻の浮気を疑う夫…と、世代もシチュエーションも様々でそっと見守るような気持ちで読み終えました。
    軽い読み心地で隙間時間にもピッタリ!

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    2023年06月15日
  • みつばの郵便屋さん

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    ほのぼのした日常に安心して読めました。
    三好たまきさんを飲みに誘うシーンは奇跡と呼べるかはわかりませんが良かったなと思いました

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    2023年06月14日
  • 今夜

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    小野寺さん5冊目だが、今までの本と違い、暗い内容で読むペースが一気に落ちて、何冊も時代小説を間に読んでしまった。本の帯に「その夜、四人の男女は、闇に侵された」とあった。四人を別々に主人公とした短編だが、個々に何らかの関連を持つ。
    人気のある対戦相手を倒して頂点を感じたボクサー、そのボクサーの支払いを間違えて多く受け取った女性タクシー運転手、そのタクシーで大酒を飲んで帰宅した警察官、その警察官に自宅で殴られた教師の妻。酔った警察官に殴られても抵抗せず重傷を負ったボクサー。
    暗い、暗すぎる。夜の闇に飲み込まれたようで苦しい。最後の数ページでやっとの夜明け。微かな光明を見る。
    今までの作者の主人公像

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    2023年06月12日
  • 家族のシナリオ

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    先が気になり1日で読みました。
    日常の中から自分なりの光を探して、前に進んでいく感じが良かったです。

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    2023年06月06日
  • ナオタの星

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    親友の妻を尾行して、まさかの映画友達になる辺りまでは面白かったですが...
    その後は話の展開が早すぎるし、出来過ぎていて個人的にはイマイチでした。

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    2023年06月05日
  • 今日も町の隅で

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    10篇の短編集。共通しているのは「みつば」という町が舞台であること。そしてそれぞれのお話は11歳から42歳と幅広い男女が主人公だけど、大きな事件が起きるわけではないので、気付いたら1つのお話が終わっていた!という印象です。なのでこれまで読んだ小野寺作品と比べると少し物足りなさを感じてしまいました。でも『君を待つ』は良かったです。電車に乗り遅れてツイてないと思ったのも束の間、事故を逃れた上に、その後偶然の出会いが待っているなんて…。私もツイてないと思っても、イヤイヤこれはツイてるのかも?と前向きに考えよう!

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    2023年06月04日
  • 今夜

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    中盤ダークな方向に話が進んでいき、この感じで終わらないで欲しいなと思いましたが、締めくくりは相変わらずのほんわりで良かったです。
    直井蓮児の先の展開が気になります。

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    2023年06月02日
  • 夜の側に立つ(新潮文庫)

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    主人公は高校生の頃から、いわゆる「普通の人」なのだが、高校時代のバンド仲間は、主人公以外は皆、キラキラしたスター的な存在。時の流れの中で、高校時代のスター達も「普通の人」になって社会に溶け込んでゆく…。
    時の移り変わりと共に、表面的なことで言えば、それぞれの生活や関係性も変化してゆくのだが、内面的なものは、実はそれほど大きくは変わらない…さらに言えば、全然変わらないままだったりする。それが主人公やその仲間達との関係性に大きなうねりをもたらし、この小説の最終章に繋がってゆく。
    淡々とした「普通の人」の人生なのだけれど、なぜか一気に読めてしまう…そんな小説でした。

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    2023年06月02日
  • 縁

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    独立した短編集のように感じますが、バトンタッチのように主人公達がどこかで繋がってゆく小説です。
    主人公達を通して、どんな人も、それぞれ人との関わり方において、自分の価値観で判断し、自分なりの正当性を自分自身に言い聞かせながら、日々過ごしていることを、あらためて考えさせられました。
    電車の隣に座っている人はどんな人なんだろう…と、この小説を読みながら、ふっと考えてしまいました。
    異なる価値観で生きていても、良心というものは、共通するのではないか…読み終わった後、最後は少し電車の隣の人にも、そんなふうに期待してしまいました。

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    2023年05月24日