小野寺史宜のレビュー一覧
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ネタバレお豆腐屋さんのお豆腐、食べたい〜!と思わされる作品。
友人の祖母が個人商店の豆腐屋さんだったけど、数年前に閉店したと聞いたし、本当に豆腐屋さんは減っているんだろうなと感じます。
日々野豆腐店のこれからを、まだまだ見守っていたいなと思わされました。
おばあちゃんの初さんのエピソードでは、おじいちゃんとの思い出を振り返るシーンが多く、自分の老後を想像して泣きそうになりました。
女性の方が長生きするから、自分も残される側になる可能性高いよなーと。
また、悲しみと喜びはまったく別のこと。悲しみで喜びが帳消しになったりはしないのだ。と言う言葉が印象的でした。
息子がコロナで突然亡くなり、「絶望の淵に落とされた。いいことなど何もない、とその時は思った。これまでにあったよかったこと、うれしあったこと。全て帳消しになってしまった。そう思ってた。
そんなこともないと、今は思ってる。
ー喜びは、結構ある。」
時間の経過とともに、死を受け入れ前向きになっていく心の変化に胸を打たれました。
嫁の咲子のパートでは、夫の死後、会社員を辞めて豆腐店を一緒に経営すると決断したところに感動しました。自分なら、子供もいて、安定を選ぶに違いないと思います。
亡くなった人の意思を思いつつ、自分の思いを貫く強さが素敵でした。あちこち営業をかけて、ようやく福祉施設に豆腐を卸せるようになった時にはこちらも嬉しくなりました。
最後に初さんが咲子に店主を任せると伝えた時の言葉、「ここは今いる者の意思を尊重していあんだと思うよ」は、先代や夫を見送った者同士の絆を感じました。
子供たちパートも、恋の話や進路選択、母親の新たな恋人の話など楽しく読めました。
でもいちばん印象に残ったのはやはり歳の近い女性たちのパートでした。
猫の福ももちろん良かったけど、なくても良かったかな〜という感じ。
ほのぼの、ほっこりしたい人におすすめの一冊です。
うたう に引き続き、登場人物がよく散歩していました。 -
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広告代理店に勤務していた西沢智太は、コピーライターになりたかったが、思うような仕事も出来ずに辞めて、浅草花やしきでアトラクションスタッフとして働いている。
同じバイト仲間には、パン作りが得意な理亜、劇団で役者をしている鈴衣、小説家を目指している玉木がいてみんなそれぞれに夢を持っている。
西沢は、これからもここでバイトを続けるのか、それとも正社員になるのか…好きな浅草で言問橋から隅田川を見ながら結論を出す。
住んでいる場所に愛着を感じ、亡くなった祖父からかるたを作るという楽しみを教えてもらった智太。
バイトしながらもそこでは来場者には丁寧であり、真面目である。
みんなの夢を応援しつつ、わが身のやりたいことはなんだろうかと模索しながらも日々を腐すことなく楽しんでいるようにも見える。
打てないバッティングセンターに通うのも面白くないはずなのに…と思うのだが、行くのは何故だろうかと。
もしかして嫌なことがあったとしても、彼なりに上手く消化できる人なのかもと思いながら読み終えた。
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ネタバレタクシーの女性運転手は珍しい。深掘りされてない職種に希少な女性という視点から日常を描いた作品。波乱な展開、大どんでん返しなんてない。ありふれた日常に焦点を当てて書いてた。日常に溢れる数多の選択肢の中から選んでいって生きてる感覚をなぜか理解できないはずの主人公目線になって感じられる。そこにはリアリティもある。主人公の行動や考えに着目する。男性のお客さんからもらった名刺を捨てずに置いていたり、彼氏ができてからの異性との行動、仕事を辞めるかの葛藤。誰しもが経験したことのある感情を織り交ぜているから話に没入してしまう。好きなセリフが二つあった。「硬ーい父とやわらかーい母。その組み合わせは悪くないように見えた。お互いの穴を埋め合える可能性もあった。でもそう簡単にはいかなかった。全ての凹凸がうまく合わさるとは限らないのだ。硬さは柔らかさに負けないが柔らかさは硬さに負けてしまう。」「人はそう簡単に変わらない。変わる必要も、そんなにはない。むしろ、変わろうと思って簡単に変われるような人を私は信用しない」だ。このセリフたちは自分に刺さった。腑に落ちすぎる。肯定でもあり否定とも捉えられる感覚。モヤモヤに輪郭が宿った感じたまらない。主人公はタクシー運転手を辞めない選択肢をした、彼氏と別れる選択を。父と会う選択を。そしてここからは予想と願望、姫野さんと付き合う選択をして欲しい。主人公を一番見ていて自然に気を遣ってくれている姫野を。卓球で繋がった両親と同じ感覚で。でもしなかった、それも人生。
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ネタバレ小野寺さんの本は
毎回、性格良い人ばかりで
いいなぁと思うのが
定番になりつつあったけど…
ちょっと今回は富生に
なんだかなぁ?と思う場面があり
読んだ後のスッキリ感がいまいち
何が腹たつって、梓美さんに
何も言わずに行動したこと
別れる時も、なんだそりゃって感じ
お父さんが大事ななも心配なのも
よーく分かる
でもさ、8年付き合ってる人に
なんの相談もしないって?
頭おかしくね?
そりゃ、月一で来る時に
合鍵つかうなとか、こばんだりとか
ちょっと嫌味な発言したりもするわ
つか、館山まで別れ話しに
わざわざ梓美が行かな何も出来んの?
マジでこういう男、嫌い
お父さんに優しくても
8年も付き合った彼女に優しくない
なんだそれ?って感じ
というわけで小野寺さんの本なのに
こんな感想しか書けません
お父さんのためには色々良かった
でもたまたまテレワークが
出来たからであって
富生の行動力を絶賛する気には
なれなかったわ
お父さんがいずれいなくなって
1人になった時に梓美を思い出しながら
孤独に生きて下さい
あ、富生には腹たつけど
小説としては、良い本ですよ -
Posted by ブクログ
読んでいて共感できる部分も多かったが、富生に対してイライラする部分も多くあった。
8年付き合った梓美に甘えて、結局将来の話ができていないのは、女性には酷な話だと思う。梓美も、結論を出すのが怖くて先送りにしていたのだとは思うけれど。
(少し自分の話をすると、自分は結婚して実家を出ているが、家族仲がとてもよい。一方で、両親の年齢を感じたり、心配に思ったりすることに対して、具体的に何かをサポートできている、というわけではない…)
としたときに、富生が父親のもとで、自分の目が届くところで一緒に生活をし、父親を助けられているというのが、羨ましく感じてしまったのかも。
温かい話というよりは、目を逸らしてはいけないな…という感想が強かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレうたう
あらすじの印象から受けるほどの、強い言葉ではなかったけれど、主人公が母を傷つける言葉を言ってしまったことを後悔しながら大人になったということがよく分かりました。
大学のサークルでカニザノビーというバンドを組んだメンバーたちの、解散後の暮らしを挟みながら、主人公の成長が描かれる小説です。
本業(子育て含む)のほかに、打ち込めることがあるっていいよな〜と改めて思いました。楽器も然り、歌もしかり。
お母さんが、一軒挟んでお隣さんに誘われて合唱団に入って、笑顔で本番を迎えられた姿を、主人公が見ておけて良かったなと思いました。一緒に歌うことは拒んでも、会場に見に来てくれる人がいることはとても嬉しいことだというのは、自分の経験からも分かります。
どのメンバーも、大人になってから、内省がうまい。お散歩しながらじっくり考えて、自分の本当にやりたいことを見つけて。なかなかそんな時間を取れる人少ないんじゃないかな、と思いました。
最後の方で、両親が何故離婚したかの理由がわかるけれど、父親が手を挙げるようになったから。と分かり、母の決断力はすごいと思いました。そんなふうに、危機感を感じたらすぐに回避する行動を取るということは、なかなかできることではないはずです。
また、印象的だったのは、中学生の時、同級生の男子に、古井の母ちゃん、いつ行ってもいるよな。と、悪気なく言われたことに、対して、何か、いやだった。というシーン。
ああ、思春期ってそういうもんだったよな。自分も子供にそう思われる日が来るのかな。と10年後に思いを馳せました。
少し引っかかったのは、地の文。
これが来てしまうのだ。そう。就活。
そしてこれが来た。ー就活だ。
など、「これ」が多用されていて少し読んでて違和感がありました。語り手のクセかな?と思ったけれど、ギターの航治郎でも、主人公の絹枝でも、出てきました。
少し没入感が削がれてしまい、残念な点でした。