小野寺史宜のレビュー一覧
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ネタバレ「ふつうの人たち」が気付かない運命の岐路に現れる天使と悪魔。
絶妙なタイミングで介入し、人間の生死を調整する…。
「自分がどう死んだかを知らない人は思った以上に多い。」作中のこの一文は、今まで考えたことがなかった死者側の視点で胸をつかれました。
予期せぬ事件や事故で突然死すると、残された人は死因が分かっても本人は知ることが出来ないのか…。
その辺り死後のシステム(?)は不明ですが、確かに自分がどう死んだか知りたい気持ちはわかる気がします。
トラックに轢かれそうになった男の子を助けて亡くなった父親が、生前の営業経験を活かして天から地に降ろして欲しいと説得するシーンがシュールですきでした。
よくある死後の世界は大体天から現世を見られるけど、本当だったら死者ブースト強すぎませんか…。死んだら確かめたいですね。
ブラッシュアップライフ(ドラマ)の影響で、死後の案内人はバカリズムさんのイメージです。笑
最終章では自殺しようとしていた男性が身代わりになることで、亡くなる予定だった園児と保育士が助かりました。
この結末が天使の最善だったとしても、第三者としてはやり切れないなあと思ってしまいます。
悪魔と天使が戦って、悪魔が勝つこともあれば天使が勝つこともある。
天使だからといって全ての人が救えるような、都合良くはいかない絶望と救いが印象的です。
登場する死者たちは悲壮感もなく、悪魔と天使もユーモアがあって死の暗さはあまり感じない不思議な作品でした。
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Posted by ブクログ
傑の妹の若緒は、恋人の大河の運転している車に乗っていて交通事故にあい、後遺症で片足をひきづるようになった。大河は傑の友達。自分の友達でなければ、若緒と大河が付き合うこともなく、妹が交通事故に遭うこともなかったのではないかと、悶々とする傑。事故をきっかけに、傑の家族もぎくしゃくし始める。仕事でもパートの人とぶつかり、さらに悶々とする傑。この物語は3月から10月までの8ヶ月間のできごとで、月毎に8つの章に漢字一文字の名前が付けられている。前半は傑が思い悩む様子が延々と描かれていて歯痒かったが、後半になり、自分なりの答えが出た様子に安堵した。三部作の前作「 ひと」「まち」の登場人物との接点もありよかった。
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Posted by ブクログ
タクジョ!シリーズ第2弾。
前作は主人公・高間夏子が入社1年目の話だったが、本作では入社4年目に。
夏子は就活生たちに仕事について話したり後輩に目をかけたり。明らかに落ち着き、芯がしっかりしてきている。成長ぶりがすごい。新卒22歳のまだ子どもっぽい感じから自立した社会人へと変貌していく感じは、身に覚えもあってとてもリアルに感じた。
前作と違い、本作はさまざまな登場人物たちの目線で語られる連作短編のようになっていて、夏子の話をたくさん読みたかったので少し残念。けれどタクシードライバーという仕事をあらゆる視点から見ることができて楽しさもあった。
前作と同じく、タクシーに乗ってもほぼ運転手さんと話したことないけどこんな身の上話する人いるんか?という疑問はありつつ。
あと小野寺作品ってなぜか、登場人物が名乗った後に漢字でどう書くかも必ず言うよね〜ということも思い出しつつ。
姫野さんのキャラはまだ今イチ掴めないけれど、今後何やらありそうな予感。第3弾も出ているのでぜひ読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
やっぱり小野寺さんの物語が好き。文章が好き。
この他にはないホッコリ感は定期的に欲しくなります!
「おれが育った町。離れて、戻った町。離れる前よりは根づけたような気がする」育った町を出て、戻ってきた鳴樹。町も変わるが、人も変わる。一軒のそば屋がつなぐ、いままでとこれから。
いやー、この特典感ズルいですね…。これまでの『ひと』や『ホケツ』などの小野寺史宜作品の人物や建物が登場。あの時の!これは!とひとりで思い出にふけりながら読んでしまいました。しかも『食っちゃ寝て書いて』のヨコオセイゴまで出てくるとは笑
さらに、ただ三葉を描くのではなく、お仕事小説として、恋愛小説としても成立。多ジャンルに渡るホッコリを存分に味わいました。
ただ、個人的に『ひと』や『まち』のシリーズが好き過ぎるので、点数はあえて控えめに笑