あらすじ
2019年本屋大賞2位『ひと』で話題の著者が贈る、死に別れた妻の本当の姿を探す物語。
突然、交通事故で妻が死んだ。
わずかな繋がりを求め、妻の携帯電話のロックを解こうと「0000」から打ち込みはじめる俊英。
しかし、ついに解いて目にしたのは、事故当日に妻と“8”という男が交わしたメールだった。
<19時前に着けると思います。待っててね、エミリン>
<エミリンは待ってます。お茶でも飲んで待ってます>
“8”とは誰か? 妻とはどういう関係だったのだろうか。
妻の姉や友人に会い、彼女の足跡を辿るうち、怒りや哀しみとは別の感情が頭をもたげ――。
残された夫は再起できるのか。感動が胸を満たす物語。
313ページのたったひと言に、あなたはきっと涙する。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
事故で死んだ嫁さんが義姉の旦那になる人と2人で旅行に行く予定だったって話。
救われない旦那
だめな旦那
相手を分かろうとしない旦那
行動しない旦那
うん。旦那目線だから哀愁漂ってるけど、中身は辛辣。
これは読み応えあった。うまくいえないけど、世の中の夫婦なんてそんなもんなんだろうなって思った。
今このタイミングで読めてよかった。
Posted by ブクログ
妻を突然の事故でなくして なにがなんだかわからなくなっている日常に 妻の携帯電話のメールが…
ひどい話しなのに 声を荒らげるわけでもなく 泣き叫ぶわけでもなくただ日常を過ごそうとする主人公
近い人が突然いなくなると こんなふうになってしまうんだろうか?と思いながら読みました
なんとか自分らしい 日常を取り戻して思い出と生きていけるといいなぁとおもいました。
私は最後まで絵美さんの気持ちは わからまいままでした。
Posted by ブクログ
何か、独特な感じで面白い。面白かった。
途中、アル中になってしまうんじゃないかと心配した。ならなかったけれど。
結局、真相はわからなかった。
何故、絵美は栄人と旅行に行ったのか。どういう事故に遭って死んでしまったのか。何を考えていたのか、わからない。
わからなくてもいい。それでいい。
Posted by ブクログ
配偶者が突然の事故でいなくなる…残されたスマホ。あなたは中を見ますか?…
物語の主人公は妻を事故(乗っていたタクシーが谷底に落ちた)で亡くした33歳の夫。妻のスマホの中をみようと暗証番号の4桁の数字を一つずつ調べている…やがてパスワードが判明し、妻がやり取りしていたメールには…見知らぬ誰かとの旅行の待ち合わせのことが。これは浮気なのか…だんだんと謎が解けてくる。事件だったのか?ミステリーの要素があるかと思いきや…
タイトルの『近いはずの人』…配偶者は本来なら『近い人』だろう。それに『はず』がつくのは、本当なら一番近いのに何故か遠い存在にも思えるということかな。
真実を知った夫のとった行動とは…なかなか深い内容でした。
物語とは離れてしまうが、以前クレジットカードの利用やお支払いに関する苦情を承る仕事をしていた際に、ご夫婦それぞれから申し出を承ることが結構あった。
例えば『カードの明細書は自宅に送らないで』『明細書にはなんて明記されるのか?買ったものがわからないようにできますか?』等々。
夫婦といえども、すべての相手の情報を知っているわけではなく、むしろそのほうがいい場合も多い。
私は100%相手のことを理解してます!というのは、別な人間である以上無理なことであり、綺麗事?なのかもしれない。
夫婦の形はいろいろで、まさに『近いはずの人』なのかもしれないね。
Posted by ブクログ
『ひと』『まち』が良かったので小野寺先生の作品を続けて読んでみた。
淡々と進んでいく感じと先が気になる展開はさすが!
おもしろかった(^^)
Posted by ブクログ
暗いといえば暗い。
ずーんとなるといえばなる。
かもしれない。
けど、なんか、いい感じのこと言って、「頑張らなきゃね!」って思わせる感じじゃなくてよかった。
小野寺さんの本に出てくる人たちのように、ちゃんとしっかり言葉にして考えたい。
日々もやもやもやもやーって思って、嫌だなーでも自分も悪いかもだしーだってり、思考停止になってる自分がいるなぁと思ったり。
発泡酒のみながら、カップ麺食べたい。
Posted by ブクログ
自分が見ている相手は見えている面しかわからない
昔は見えていない相手の一面に
困惑や絶望を感じたこともあった
大人になるとそれもひっくるめて受容できてくるが
感情が揺れないことが少し淋しい
Posted by ブクログ
近いからこそ見えないもの、見せないもの、見せられないもの、いろいろあるのはみんな同じだと思いました。
それと同時に自分のことさえも、全然知ることができてないことも、みんな同じだと思いました。
もしも自分が死んだ時、自分を愛してくれてる人達が苦しまないように、自分の本当の気持ちを大切な人には伝えておきたいと思いました。
みんなを好きになることは出来ないし、思うようにいかないこともたくさんあるけれど、主人公が少しでも前を向けるようになって、よかったです。
Posted by ブクログ
結婚4年で妻を亡くしてからの一年。
配偶者という一番身近にいる人のことを、自分がどれだけ知っているのか分かっているのか、考えさせられた。信じるのがちょっと怖くもなった。
最後は前を向いた終わり方でよかった。
Posted by ブクログ
『許してはないわよ。受け入れただけ』
突然の事故で妻を亡くした主人公・北野俊英の実母のセリフ。『お父さんが浮気したこと、ある?』への返答。
"受け入れただけ"
俊英は、妻の携帯のロックを解こうと、毎日ちまちまビールを飲んで、ウダウダ・・・なんとも煮え切らない男といった感じだけど、「妻の死のその後」によって、変わって行く。
色んな気付きが描かれていて、その姿は不甲斐ないながらも、ちょっといい!
妻の姉も、様々なこと(妹のこと、婚約者のこと、親のこと)受け入れて前に進んでいる。
職場の後輩の女の子も、現実を受け入れて恋を諦める。
『自分さえ我慢すれば、あとはすべてがうまくいく。無駄な我慢でないことも、理屈としてわかる。わかっているのに、その我慢ができない。そういうことも、ある。』
うんうんと、頷きながら読んだ。わかるー!、と。
『どんな理由があれ被害者は自分だと、知らず知らずのうちに思いこんでいた。そうなって当然だ。思いこんでいいのだと、今も思う。
だが。知らず知らずのうちに自分が加害者になっていることもある。のか?・・・』
読後、なんともモヤモヤして、スッキリしない。
ましてや、『感動が胸を満たす物語』⁇⁇
だけど、・・・時間と共に、
大きく心を揺さぶる物語ではないけど、"人って、イレギュラーなことには不甲斐ないのよね"と想うと、"リアルだなー"と、じわじわ心に沁みてきた。
俊英の葛藤、わかる。よく頑張った。
わたしなりにこの物語から受け取ったメッセージ!
"受け入れて生きる"
『楽は楽かもしれないが、心に澱(おり)は残るだろう』
心に澱を溜めず、あるがままを受け入れて生きるのはなんと難しいことだろう、と想う。
でも、まぁ、俊英は人をおもんばかり、受け入れて、変わりつつあるところで終わるのは、嬉しい。
Posted by ブクログ
人は自分が知った話や、出来事で架空の物語や人を作ることができる。それは、良いことでも悪いことでもできてしまう。
例えば奥さんと毎日一緒にいて年を重ねると、彼女の全てを知ったように錯覚する。こんな人だからこんなことはしないだろう。ここまでなら傷つかないだろうとか。
その架空のイメージは、年を重ねることで大きな溝を生み出し、知らない間に知らないことが増えている。
原因は自分の都合のいいように解釈をし、架空の物語を作り出すからだ。
この本はそういった人間って完璧ではないんだと言うメッセージを送っているのかと感じた。
表紙の絵やタイトルの意味が読み始めと読み終わった後ではおおきく異なる。
非常に面白い作品でした。
Posted by ブクログ
近い関係だからこそ見えない、見せられないこともあるんだなと。お酒とカップラーメンで1人暮らすのは独身の特権なんだなと。月次の章立てが、少しずつ読み進める自分には行方不明にならず読み進めやすい。
Posted by ブクログ
絵美は自分の夫が自分のスマホのロックをいつか破ることを想定してたと思う というか破って欲しかったんでしょう 絵美も俊英もどっちも肩入れできない 正直8が一番ありえない 読んでて本当に腹立った
登場人物の設定が練られてて凄いなあみたいなメタ視点で見てしまうところが多々あっていまいち没入できない感じはあったけど、展開が面白いから最後まで急かされるように読んだ さっくり読書してうわーって気持ちになりたい時にぴったり
Posted by ブクログ
若くして奥さんに先立たれた男が主人公。なので仕方ないとも思うのだけど、どうしても主人公の陰鬱さが目についてしまう。(小野寺作品には、もう少し爽やかな雰囲気の登場人物を期待してしまう。)
奥さんの過去や人となりを追っていくことで、徐々に俊英の気持ちや感覚が整理されていくのが伝わってきます。それに伴って他の人への関わり方も、少しずつ変化していくのがなんともリアルでした。
Posted by ブクログ
小野寺史宜さんの作品が大好きで読んだが、
どこか個人的には惜しかった
単に自分が登場人物に好意を持てなかったからなのかもしれないが、スッキリはしなかった。
それが狙いであれば流石。
面白いことに変わりない。
Posted by ブクログ
作者名で読んでいるが、今回の作品は主人公側に多分に問題が多く、内容も暗く辛い場面が続くが、淡々として書かれているので何とか読み終えられた。
結婚して4年目なのに奥さんが交通事故で亡くなってしまう。毎晩、ビールを飲みながら残された携帯のパスワードを打つ毎日。どんどん酒量が増え、止瀉剤も飲むほどで仕事にも影響が出始める。
解除された奥さんの携帯に残された不倫の形跡。
奥さんの秘密が次々と明かされて行くが、その原因の一つに主人公の問題も。主人公の高校時代の恋愛観、奥さんが流産してから関係など。
重い、重すぎる。多少の未来への明るさが仄みえて、何とか締めて貰った。
Posted by ブクログ
『ひと』を読んでから気になった作家さん。
今回は「近いはずの人』ということで、夫婦のお話。
亡くなった奥さんの携帯から、別の男性とのメールのやり取りを見つけてしまう。それを知った男の葛藤。
0000から暗証番号を打ち続けてロックを解除してするとか、どんな根気…。
真相は何とも言えないけれど、近くにいる人の事なんて、分かっているようで分かっていない。
知らない事なんて多いし、知らない方がいい事もあるかもしれない。
「313ページのたったひと言にあなたはきっと涙する」って帯に書いてあったけど、それはあまりよくわからなかったなぁ。
結婚してると違うのかなぁ。
Posted by ブクログ
妻絵美が友人と遊びに行く途中の山中でタクシーごと事故に合い亡くなった。残された俊英は、妻の持ち物の携帯電話のロックを解除する日々。周りからは付き合いが悪く、集中力もないと思われる毎日。そんな中、弟の結婚話が持ち上がる。
無気力な主人公と、その無気力の原因から始まり、結構長い間説明で終始する前半。携帯電話のロック解除のトライが続き、特に話が進まないのが難。しかし、携帯電話のロック解除がある程度目処が付き始めた頃から話の展開が始まる。
妻の大学でのエピソードや、やや特殊な家庭事情でまあボリュームはあるものの、ちょっと無駄なエピソードで無理やり膨らませた感のあるストーリー。確かに展開し始めてからは、ミステリ色が強くなり、そうなるんだとかなり意外な展開にはなる。
ただなあ、いうほど起伏に富む話でもなし。無駄な描写がかなり多めなのは自分で小説を書く参考にはなったが、読む分には少々嵩上げが多すぎる印象はある。やる気のない芥川賞系の話かと思ったら、途中からミステリ色が出てきたのは良かった。
結局、俊英は最後どうしたかったの?というところは、芥川賞というか、純文学方面に逃げてしまってないか。ちょっと立ち位置があやふやな感じがしたのはマイナス。
Posted by ブクログ
主人公のたんたんとしてる感じが、なんとなく村上春樹みがあった。人にはいろんな面があって、みせる面は人によって違って、そのなかで人間関係ができてて、それを分かっているはずだけど、落としきれないって感じかな。
やっぱり他人
結婚した相手の全てをわかっているつもりでも知らない一面がある。亡くなってから相手の行動を探して見るとどんどん見つかる想像しなかった現実。どこの家庭もそうなのかな?良い思い出だけを残せるようにしたいと考えさせられる一冊でした。
Posted by ブクログ
事故にあって突然亡くなった妻。
そこからどこか抜けたような生活に、飲まなかったお酒を飲むように。飲まれるように。でも完全に堕落せず仕事は行くし人ともちゃんと話す。
彼の人に対しての心の声はりある
毎日妻の携帯の暗証番号を順番に入力して解く
ご苦労さん5963
なるほど。
結局妻は友だちとの旅行じゃなかったし、まさかの姉の旦那さんになる相手と旅行にいくつもりだった。なんかもっと妻の裏の部分が見えると思ったけど、そうでもなかった。
ただ近くの男の人を頼る それが妻帯者がいても関係ないし、夫や家族の身近な人でも関係ない
それが1番怖いか。
終始ずっとどんよりしてるけど、現実味が濃かった
栄人の最初にあった強気さは不愉快しかなかった。
まぁ、なにせ妻にせよ親にせよ子にせよ
1番身近に居たとして全部を知れてることなんてないんだろうな。知らないことの方が多いのかもしれない。相手にとっていいと思ったことは実は1番嫌なことかもしれないということ。
Posted by ブクログ
主人公が大して親しくもない部下の女性を「ほのか」と下の名前で表記していたのが気になってしょうがなかった笑
他の部下や取引先の男性は苗字で呼んでるのに。
自分も上司に心の中で下の名前で呼ばれてたら嫌だなって思って途中からそればっかり気になってしまった…
とはいえ、小野寺さんの文章は好きです。
Posted by ブクログ
自分も、近くにいる人のことを実はわかっていないのかもと思いました。
人のケータイを覗くときは、相手を受け入れる覚悟が必要、と学びました。
Posted by ブクログ
感動が胸をみたすは言い過ぎかな。
愛する人が亡くなった後に、自分の義兄弟と2人きりの旅行の事実を知るなんてかなり悲惨。
愛してる人でも全てを知っているわけではもちろんないし、その上で全てを受け入れられるわけではない。もちろん、価値観だって違う。だれだって言えない秘密の一つや二つあるのかもしれない。
でもいろいろ考えての、最後の方の「愛していた」の記述が俊英の結論なんだと思った。
近しい人とどのように向き合っていくかを考えさせられた。
Posted by ブクログ
最後まで暗い感じだったけど立ち直って欲しい、まだ33歳という若さでこんな仕打ちにあってしまった彼に同情した。精神的に病んでも仕方がない状況で自分だったらどうなるか。亡くなった妻の浮気の真実はもう確かめようもない、相手が分かっただけでも少しはマシだったか。でもその相手が身内、義理の兄になるというのはまた複雑だ。時間をかけて少しづつ立ち直って新しい出会いに向かって欲しい。
Posted by ブクログ
2021/6/7
あとがきにあるように「感動が胸を満た」したのだろうか?
いやー私にはわからん。宙ぶらりんだ。
近いはずの妻でも知らない一面がある。死んでからそれを知る。
打ちのめされて危うい時を過ごし、あがいて少し前を向く。
そうだろうなと思う。感動はしない。
ちょうどいいタイミングで諸々のしがらみが一区切りついて遠くに行けるのはよかったなと思う。
もう会わないと思うから幹恵に全部話してスッキリしたんじゃないかな。
話せるのは回復だ。