小野寺史宜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「タクジョ!」シリーズ。
タクジョでも小野寺さんならではの駅名や沿線、フルネームを名乗ることが、これでもかと出てくる。
タクシーのなかで、こんなにも会話する⁇というほど、ずっーと喋っている。
今回は、高間夏子を含め3人の運転手とお客さん側2人の6つの短編集。
タクシーのなかでの会話に個人情報をここまで晒していいのか…と思うほど。
人生いろいろ…
「人と関わる仕事」への誇りをいだき、誠実に仕事に臨む高間夏子は、大学卒でタクシー会社に入るが、刀根和正は上司とぶつかり退職し、その流れでの離婚。当時小2の息子の親権はとれたが、無職にあせり困ったときはタクシーだろ、の考えでとりあえず採用をもらえた…という状況だったので好きとは言えなかった。夜勤に体が慣れることはないし、眠気は来るし疲れも溜まる。
だが強面ドライバーの道神剛造さんに言われたのだ。
そこまでいやいや仕事できるのはすごいよ。ただ、この仕事と真剣に向き合ってる子をいやな気持ちにさせるなと。
この刀根和正の話は、心に突き刺さるものがあった。
みんないろんな家庭事情があるのだが、不機嫌な態度で仕事に臨むのは如何なものか…と。
ただ刀根の場合、子どもがいい感じに成長していたので彼も途中入社で入った頃に比べると変わったのだろう。
高間夏子は、少しずつ経験を積み重ね、お客さんと会話することで新たな情報を得て、よりよい観光案内ができると喜び、前へ進む。
仕事するならそうでなければ…と思った。
前向きな気持ち、見習わなければ。
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Posted by ブクログ
どうもね、主人公の三上傑が気に入らない。グジュグジュグジュグジュするばかり。行ったり来たりの主人公の思考を追い回すばかりの文体も面倒だし。その割に、前に進まない主人公の周りを取り巻く人々は良い人ばかりなのも不自然な感じで。
でもね、最後に上手くひっくり返す。パタパタパタパタ。でも無理矢理じゃないところが良い。主人公の感じ方や性格が変わるわけじゃない。対処行動について世知が着いただけ。でも、それはそれで救われる。
出版社の紹介には、『ひと』『まち』に続く新たな感動作、とある。『ひと』『まち』を読んだのが2019年。もう6年も前なのですっかり忘れているけれど、その頃書いた感想を読み直せば、田野倉のコロッケだとか、二軒隣の筧アパートだとかを思い出す。本作に端役で登場する江藤瞬なんか『まち』の主人公だったし。
ただ2022年ごろには私の中で少しずつ評価が下がって手にしなくなった小野寺さん。もう一度、最新作をトライすべきか・・・。
そうそう、作中に主人公が『ホケツ』という無名作家の本を読むシーンがありましたが、『ホケツ』って小野寺さんの本ですよね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ東京モノレールで働く人々の日常を描いた連作短編集。
「ひと」「まち」と続けて読み、著者の文体にも慣れたうえで本作に入ったのだが、今回はその文体のクセがやや強く出ているように感じた。これまで読みやすさにつながっていた短い一文のリズムが、本作ではより前面に押し出されており、逆にしつこさとして気になってしまった。
また、以前から感じていたが、登場人物の名前の独特さも今作ではとくに目についた。ヒューマンドラマとしてごく普通の人を扱っているはずなのに、姓名ともに一般的ではない名前が多く、覚えにくさも相まって物語に集中しにくい場面があった。特に「○○歳の人がこんな名前?」と思うような字や響きの名前が多くあり、姓名の漢字の組み合わせやリズムがしっくりこないケースが多いと感じた。日常を描いた作品であるぶん、名前のクセがノイズに感じられてしまう。
さらに、東京モノレールの路線解説が毎章入る構成も、少し冗長に思えた。独身の登場人物たちが最終的に恋愛に向かうような終わり方が続く点も個人的には物足りない。もちろん恋愛がテーマとして出てくるのは自然だが、家族にならなくても、信頼できる友人の存在に希望を見いだすような締め方があっても良いのでは、と少しモヤモヤした。
とはいえ、地に足のついた人々の暮らしを丁寧に描く作風そのものは好きなので、気分転換したい時にまた別の作品も読んでみたいと思う。
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Posted by ブクログ
いい話だ〜。出前バイクはあんまり見たことないけど、幸せなシステムだな〜。待ってる人のところへ美味しいものを届けるの幸せだし。配達バイクの後ろ走ってたらいい匂いしてきそうだし。。ちゃんと箱に入ってるからあんまりしないのか??
プラ器じゃなくちゃんとした器で届くのも大事なポイント。おばあちゃんとか、お店に食べに行きにくい人もお家でおそば屋さんのおそば!って感じを食べれるの、うれしい。
今は近所付き合いが薄れてたり距離感が遠くなってきてる。しょうがないことだし、急に声かけても警戒させちゃうし、ご近所付き合いがストレスになってたところが今は楽になってる部分があるし。おそば屋さんがおばあちゃんの認知症に気づいて家族に声をかけることも、実際やると「うちのことに踏み込んでこないで」ってなることもあるだろうし。
もうご近所付き合いの時代じゃないよねって割り切ってるけど、この本の中みたいに、いやここまで行かなくても、みんながゆるーーーーくつながってたら、ちょっと幸せで、ちょっと安心だよねって思う(顔知ってて、会ったらぺこってするくらい?たまに話せたらよりハッピー?)
でもご近所の噂とか詮索とかはめんどくさくて絶対嫌だから、最適な距離感は難しいけど、互いに優しさと、リスペクトと配慮があればいい感じになるかな。 -
Posted by ブクログ
お手本のような好青年が主人公だった「ひと」「まち」とは違い同じ好青年だが劣等感や卑屈さなど人間誰しもがもつマイナスの感情が繊細に描かれているので親近感が湧いた。
「人間、ものの感じ方は変えられない。~でも感じたあとの行動を変えることはできる。」という一文もあったように傑が最初に感じていたマイナスの思いからプラスの行動に変えていく様は立派だなと思った。傑が泉田さんや亮英に自分から謝って和解したように僕も自分から素直に謝ることの出来る人間でありたい。
「ひと」に登場するおかずの田野倉、「まち」の主人公である瞬一などやはり過去作品と繋がっているの要素がいくつかあったので嬉しかった。
瞬一が消防士試験に受かっていてよかった。