小野寺史宜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「ふうふ」ではなく「ふさいしゅう」です。
主体者ではなく他者なのです。
様々な夫婦がいてそれがされぞれ素晴らしい関係だとでも言いましょうか、素敵なのです。
作者お得意の登場人物が循環します。
少しの関わりで繋がっていきます。
日常のほんの少しの変化、でも当事者にとっては大きな出来事が夫婦の中で起きます。
そしてなんとなく夫婦の間で解決していく。
そんな非日常が起きます。
小倉先生の断章がスパイスを加えます。
このオムニバスの中、小倉先生だけが独身なのにはちゃんとわけがあるのです。
独特の理屈っぽい言い回しの中に
相変わらず練り込まれたプロットを感じます。
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Posted by ブクログ
一番思ったことは、しっくりこない。
言葉が多すぎるのか、同じ言葉が何度も繰り返されることがすごく気になった。
両親が他界し、大学を中退し働く。「ただのバイト」みたいな表現とか、彼女とかベースとかに費やしている場合じゃない、みたいな表現とか終始でてきて成長もほとんどなく、しつこい。
郵便屋さんシリーズは好きだったはずなんだけど。
これが2位とは...と思ってしまう。
いい人間もでてくるけど印象が薄く、悪い人間の方が印象がそもそも強くなりやすいのもあるけど、なるのでいいな、と思う登場人物もいない。
剣が一番よくない。そこを読んでもらうためにも家に置いておいてもいいが... -
Posted by ブクログ
タイトル通り、同じ電車の同じ車両に、たまたま乗り合わせた見知らぬ男女たちが織りなす奇跡を書いた7つの短編。しかし奇跡とも言い難い話もあったかなあ。それぞれがそれぞれの短編の主役。
最初の話では『僕』は電車内で腹が痛くなり、我慢ができずにしゃがみ込んでしまう。たまたま隣にいた女性も体調が悪くなりしゃがみ込む。
この光景がいずれの話にも登場する。読書していたOLの話にも、事件の容疑者を尾行している刑事の話にも、カップ麺の商品開発のサラリーマンにも…
ちょうどこの小説を比較的混んでいる埼京線の中で座って読んだ。
電車の中で誰かが何かをするような大きなトピックは無かったものの、僕の隣に座っていたOL