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石村圭人、周りの人のためにベストを尽くす、困った人を放っておけない。
教師をやめて、警備員になった。
教師だって警備員だって、石村圭人は、石村圭人なんだ、変わらない。
限界なら仕事はやめればいい。教師は仕事なんだから。
仕事が変わってもなにも変わらない。
圭人が同僚の杉原先生に言った言葉が印象的だった。
人は人との関わりの中で、良くも悪くも変わっていくんだと感じた。
明日は光が射しますように…。
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こういう日常的な小説は、かつてなら仄暗い私小説に、なっていたんだろう。でも、今は小野寺がいる。
なかなか前向きになれない状況なのに、それを割り切っていく。これをしなやかさというのだろう。本当の意味で。
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日常の自分の中での善と悪に翻弄された先生の物語
春 三十二歳
春から夏 二十八歳
夏 三十二歳
秋から冬 二十九歳
秋 三十三歳
冬から春 二十九歳
春 三十三歳
石村圭斗はネグレクト気味のシングルマザーに育てられ、そして長野の祖父母へ預けられる。母はガンで急逝し、東京へ出て、教師となる。
教師となった7年後に事態は動く。
同じくシングルマザーの生徒と保護者を救うためにとった行動で、教師をやめる羽目に。
自分が善と思うことは、世間的に悪とされる世の中で、自分の生き方を改めて模索する圭斗
なんかすごく共感できてしまう。逃げるのは簡単だけど、納得できない状況ってあると思う
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吉井親子が自分の昔と重なったんだろうな
でも教師をやめてしまうきっかけになった件は納得いかなかった
こんないい先生はやめるべきじゃない
子供のため誰かのためとよかれと思ってする行動が今のこの時代悪い意味にとらえられたり誤解されたりする
なんでも平等平等
生きにくい時代だ
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今作も小野寺史宜さんの小説の主人公はいい人でした!
小学校教師を辞め、商業施設で警備員として働く石村。
困っている人を助けたいと思ってとった行動が元で教師を辞めることになり、人と関わることを避けて生活してきたが、勤務先で置き引きをしようとしている少女を見かけたことから、もう一度自分の心を見つめ直すことになる。
自分が正しいと思ったことも世間からは正しくないと思われることがある。思われるだけではなく糾弾されてしまえば自分の信念を貫き通すのは難しい。
でも、自分を偽って生きるのはもっと苦しい。
石村の周りに石村を理解してくれる人がいて良かった。それが一番の力になる気がする。
ラストはタイトル通り光を感じました。
自分を信じて踏み出せた石村、本当に良かった。
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小野寺さんの文章は心に語りかけてくれるような何とも言えないほっこりさが魅力。苦しい境遇にも甘んじず、自分の信念を元に教師から警備員へ。相手のことを考え、自分で決断したからこそ迷いがないのだろう。強くて優しい主人公はどこか出来すぎているような気もするが、覚めた目で見つつもどこかで応援している自分もいる。ラストでとうとう幸せをつかめそうな気配に更なるほっこり。
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人によって、環境、状況、立場が全然違うことを改めて思う本
自分が如何に幸せな日常を送れていたのかを噛み締めることができました。
子供時代でも、当たり前に親が料理、洗濯と家事をしてくれる幸せ。
いつもそばにいてくれる幸せ。どれもとても大事無事で当たり前ではない。
また、今の状況によって自分ができること。当たり前にできることで人にどのように貢献できるか考えたいと思います。
当たり前が如何に幸せかを感じることの大切さを知れました。
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読みやすかった。教師時代と辞めてからの警備員時代の話が交互に描かれている構成。小野寺さんの小説にはソフトカバーがぴったり。表紙のそれぞれの絵も良かった。
教師は何かと大変な時代。警備員生活の方が収入は少ないだろうが精神的には楽なのかな…。どんな状況でも前向きに動けば光が射す。納得。いろいろな仕事があるが、それに就いたのも一つの縁。ならば、積極的に得るものを得たいものだ。
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この人の作品のは1番底にこうあって欲しい、という人間愛が感じられる。いわゆる日の当たりにくい仕事や人間平等に描こうとする姿勢がギスギスした世にあってちょっとホッとします。人が良いだけでは生きていけないのも確かだけレド。
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警備員をしている石村圭斗は元は小学校教諭。なぜ辞めたのか明かされないまま、話が進んでいく。小学生の頃のエピソードや、少しずつ先生だった頃の話が語られ、現在の圭斗の立場とリンクしていく。
今回も雨ニモマケズのような清貧な主人公…なのだが、多分本人が心の平安を得きれていないためか(多分幼少期からの傷)、あまりにも生き下手なためか、少しモヤモヤっとした感じで読み進めなくてはならない。
東京が主な舞台で、多分一連の作品と登場人物重なってます。まだ読んでないけどタクジョ!の人も出てきたかな。
悩み視点が大人なので、中学校以上がオススメです。
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小野寺さんの小説はホントに読みやすい
スラスラ読める
今回も特におっきな事件は起きないし
ハラハラもしない
でもすんなり入ってくる
教師を辞めて警備員になった石村圭斗
教師を辞めた理由に関しては
えー。辞めなくてよくない?
としか思えなかったけど
警備員の圭斗がしてることは
なんとなく共感
色々きっと損してるタイプなんだろうけど
人としては、共感
最後「動けば光も射す」からの
このタイトルなんやね
でもこのタイトルだけ
違和感が少しあったかな
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小野寺さんならではの世界観を感じました。
特別劇的なことが起こるわけじゃないけど、それがいい。だからこそ身近に感じて心に残るようにも感じます。
今は警備員として働く元教師の石村。
「警備員」としての今と、「教師」としての過去を交互に繰り返しながらの展開。
『たとえ遠くにいても、たすけられなきゃいけない人のことは、たすけるべきなんじゃないかな』
人として正しいと思えることも、組織の一員として行動に移すことが出来ないってもどかしい。
子どもの心や暮らしを守るのに、体裁とかルールとか正直「面倒くさいなー」って思う。
確かにルールは必要だし、皆を救えるわけでもない。どこかで線引きが必要なのもわかるけど、救える大人が救う選択をもっと容易に出来るようになればいいのになぁと思う。
石村先生の考え方が好きでした。
後で振り返ったときに「気持ちに寄り添ってくれた」「何とかしよう動いてくれた」など、しんどい時に親身に関わってくれた相手のことは後々ずっと記憶に残ると思う。
ここまでの関わりは実際難しいけど、寄り添ってくれた事がきっと大きな救いになる。
こういう先生こそ生徒のそばにいて欲しい。
ラストの一行が静かに心に響きました。
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なんか…よかったな。
グッと込み上げてくるものはないけど、心にポッと灯りがともったような。
「たすけるばかりじゃなくて、たすけられてもいいんだと思う。」
って言葉。
中学生の時に担任の先生に「お前はもっと人に頼りなさい」と言われたのを思い出した。
それは今でも私の人生の宿題。
まだ上手に人に頼れないけど、いつかまたその先生に会えたらその話をしたいんだ。
で何だったのかっていうと、噛み砕くと頼るって助けられても良いって事なんだろうなって思ったの。
「助けられても良い」って周りの人達に許されているような気がしてね。
こんな私でも存在していて良いんだと思える言葉というか。
難しいね。生きるって難しい。
でも悪いことばかりじゃないってそんな事を思い出した一冊でした。
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優しい優しい圭斗くんが果子さんというスパイスを注がれてさらに上質な味わいの人生になりますように…果子さん、よろしくねって親みたいな伯母さんみたいなおばあちゃんみたいな気持ちで読み終わりました
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光があって影がある、逆もまた然り。
光が強いという訳でもない、平凡なようで影になる経験を積んできた主人公。
いい人なのにどうにも報われないなあと、悶々と読み進めていきましたが、結末が良かった。
情けは人の為ならずとも言いますが、善のために自分の犠牲を厭わない人は、なかなかいない。
だからこそ、やがては光射すということに気持ちが救われました。
たくさんの人を救って、やがて自分が救われる側になる。
優しさの連鎖が人生で起こるように、自分自身も改めて行動を見直したいなと感じました。
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小野寺さんの小説は、実際にいるどこかの誰かの日常を切り取ったお話のよう。
どんな小さな役、関わりが薄い人にもちゃんと名前があるからだろうか。
ただ先生をやめた理由があまりピンとこなかった。ストーカー男のことでも、あんなに警察に相談することを拒否していたのに、最後すんなりと警察に相談に行く。なら初めからそうしておけば…と思ってしまった。
そうなると、小説としては展開が違ってしまうんだが…。
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商業施設の警備員をしている圭斗。以前は小学校の教師をしていた。そこで保護者の相談に乗った事をきっかけに辞めてしまった。それからは人と関わらないような生き方をしてきた。だがそんなある日置き引きをしようとした女児を止めた事から新たな生き方を歩き出す。
一人の青年が失望から立ち直り前進していく姿が描かれている。
物語は淡々と進んでいく。するすると読める一冊。
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困っている人がいたら助けになりたい。
そうしなかったなら、きっと自己嫌悪に陥って、
後悔する事になる。
ここまではOK。
けど、「たとえ自分が泥を被ることになっても」
という但し書きがついた途端に、
口ごもる。腰が引ける。逃げ腰になる。
自分一人ならどうやってでも生きていけるし。
なかなかそんな風には思いきれない。
それは私の仕事ではありません。
言い訳ばかり浮かんでくる。
それをさらりとやってしまうところが眩しい。
正に光が射している。
犠牲、とも思わず、誰を恨むでもなく、
これでいいとまっすぐ立っている若者が、
眩しくて仕方ない。
いや、そんな大層な小説ではないのかもしれないが。
勇気のない私は、ただ影で小さくなっている。
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人には光があり、陰がある。どちらも同じ人のなかにある。それは変えられない。
人とはそういうものだ。出会うタイミングが大事。それですべてが決まってしまうこともある。
大変な分楽しい、と言えるかもしれない。
笑顔にうそがないのは本当にいい。
どうやっても大変は大変。ならせめて、大変だけど楽しい、をずっと感じていたい。楽しいけど大変、よりは、大変だけど楽しい、のほうがいい。
正解なんてないよ。結局、自分の言葉で言わないと何も伝わらないから。
理解してくれたうえで無干渉。それが理想。
どうしても自分の意図が伝わらないなんてことにもなる。そうなったときに一つ一つ片づけていくしかないでしょ。
無理に続けようとはしなくていいんじゃないかな。つぶれるまでは頑張らなくていい。本当に無理ならやめればいい。
つまらない意地、かもしれない。もしそうだとしても、それはそれでいい。自分が善だと思うことをやったのなら。
悩みは死ぬまでなくならない。生きているあいだになくすのは無理。できるのは、悩みのもとが生まれないよう努めることだけだ。
近づく必要もないが、避ける必要もない。
人には光があり、陰もある。どちらも同じ人のなかにある。それは変えられない。せめて光に優勢を保たせる努力ぐらいは、するべきかもしれない。動けば光も射す。
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心優しい圭人
教師になり
可愛い教え子達に囲まれ
充実した日々を
静かに過ごししていた
そんな時に
家庭に問題を抱えた児童を知り
教師の立場を越え解決に乗り出す
(人として間違った行動はしていないのに
教師としては認められない歯痒さは
何とも言いようがない感じだった)
教師を辞め人となるべく関わらない
警備員として働くが
そこで出会った少女は
自分が幼少期に体験した同じ影を持っていた…
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小学校の教師だった主人公が、保護者の相談を受けたことがきっかけで教師を続けらなくなり、警備員になったら今度は置き引きをする少女と出会ってしまい、前回のように直接自分が動くのではなく、距離感を持ってサポートができるようになっていく、という内容。登場人物はみなさんとにかく静かで真面目で、自分の気持ちを静かに語る。強く働きかけてくる内容でないものの、その静かな信念が印象に残った。
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夜勤の警備員をしている石村圭斗。
彼の現在、32歳~33歳と
圭斗が小学校教師だった28歳~29歳が交互に描かれていく。
小説を読み進めて行くと
圭斗がなぜ教師になったのか
どんな教師だったのか
なぜ教師をを辞めたのかが次第に明らかになってくるのだが…
圭斗が教師を志した理由と教師生活は”うん!うん!”
いつもの小野寺さんの小説だわ~、と安心して読んでいたのだが
教師を辞めた経緯が描かれ始めると
私自身の気持ちが小説から離れて行くのを感じた。
本の紹介文に「損をしてまで誰かを助けることは愚かなことだろうか?」とあるのだが
圭斗が教師を辞めた経緯は、これにあてはまるだろうか???
うーん、ちょっと違うような気がする。
”ドラマで何度も観たシーン”のようで
それはないよなぁ…、とちょっと思ってしまったり。
いつも通りとても読みやすく
さらさら~と読めてしまうのだが…
Posted by ブクログ
決して恵まれた環境で育った訳ではない。
努力して教師になったけど、見過ごせない出来事に関わってしまい教師を辞めることに。
その後警備員になったけれど、またまた見過ごせない事に出会ってしまう。
そんな人生だけど、そんなに不遇とは思っていない。
なんとなくずーんと重たいものを感じながらも、そんな自分を認めて前へ。
そっと応援したくなる様な読後感。
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「ひと」「まち」に続けて読んでみた。元教師の警備員の主人公。幼少の頃の経験から何か影的な要素を持ちながら、ただの正義感ではない相手を慮る心を持った青年。仕事を変えてもその人格は変わることなく、人を救う。おせっかいともまた違う、人への介入の仕方が、主人公の性格を表している。いつもながら劇的なアップダウン、ジェットコースター的展開があるわけではないが、読み終えると何か心地よさが感じられる一冊。
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小野寺さんの本、立て続けに読んでしまったからだろうか…なんだかパターン化している気がして。
親が亡くなって、その代わりに良心的な身内に育ててもらって、ありがたくも引け目を感じて育ち、独り立ちしてからも何かとあるけど、良心的な隣人たちとささやかな幸せを感じてます。
…みたいな。
こんな風に思ってしまうから、少し小野寺史宜さんから離れてみよう。このほのぼのが良かったんだけど。うん。だけどやっぱり少し離れてみよう。(言い回しも小野寺さん風?)