あらすじ
豊士の教習車には今日もさまざまな人が乗り込む。カレシに飲酒運転をさせまいと教習所に通う佳世。就職先で免許が必要な大学四年の七八。孫娘の幼稚園送迎のため69歳で免許取得を目指すしの。彼ら教習生に対し紳士的に接することを心掛ける豊士。だが、それどころではなかった。17歳の娘が妊娠したというのだ。若い男女の教習生は、ついつい娘とその相手に見えてしまう。加えて現カノジョ・万由とは徐々に疎遠に。元妻・美鈴との再会がそれを加速させる!?どうなる、ロック中年・豊士!!
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Posted by ブクログ
相関図に加えてみつばの地図を、手に入れたくなる!書いてある本あったあかなぁ
ロックが出てくるけど、タバコが出てこないのが好印象。
人が好きになれそうでいい土地だな。
ドラマ化されてほしいような、脳内ドラマにとどめておきたいような。
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素敵な大人たちが、たくさん出てきました。
中には中途半端な大人もいるけど、
自分を持つことの大切さを感じた。
葛藤しながらも自分の大事な者を守るために、
考えに考えて元夫に連絡した元妻。
堕したくないからではなく、産みたいから産む。
そんな自分の人生をしっかりと決断した女子高生。
いきなり、大人から難癖をつけられても、
真摯に頭を下げられて、許すどころか、
大切な友達のために、一緒にあるく男子高校生。
真っ当すぎる意見を言われて最初は戸惑うも、
最後にはそれを認めて新しい自分に出会っていく
教習生たち。
そして、
少し言いたくない気持ちがあっても
自分の意見を確実に伝えたり、
自分が失敗したことは相手が誰であろうと
真摯に、謝罪が出来て、
仕事のために、自分を律していて、
仲間のために、相手を思った意見を伝える。
そんな主人公。
勝ち負けではないけれど、そんな素敵な大人は、
最後は勝つんだな。
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2022/6/23
おもしろかった。
「美空」いい名前。
全部が思った通りにはいかないけど、何か起こった時に真面目に誠実に対応していく人は魅力的だなと。
そうありたいなと思った。
よつばが舞台のお話で、ソーアンの人も出てきてなんか得した気分。
ソーアンにいたカップルは郵便屋さんかな?とニヤニヤした。
Posted by ブクログ
物語全体が良かった。でも、読み終わった直後の今、終わりかたの素晴らしさで頭の中がいっぱい。When I paint my masterpieceが鳴っている。
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教習所教官の益子豊士。久しぶりに会う離婚した妻と高校生の娘から娘の妊娠を告げられる。
娘の妊娠、教習所の生徒達との出会いやエピソードを通して、ささやかな人間の暖かさ、人には何が大切なのか、人としての強さを感じられた一冊だった。
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教習所の話。。と思ってたけど、別れた元奥さんから高校生の娘が妊娠したと知らされる所から始まる、ほっこりストーリーだった。
主人公の益子豊士が、自分ではダメなおっさんて思ってるみたいだけれど、本当良い人で、こんな教官に教わりたかったと今さら思う程。
ロックの事は全く無知なので、その変わかってたら頭の中で曲を再生しながらもっと楽しめたのかも。
最後「おぎゃあ」で終わるとこも良い!
Posted by ブクログ
ほっこりした〜〜
どの登場人物もいい感じ!!!
離婚した元妻が育てた娘が高校生で妊娠する。どう考えても尋常でない展開かと思いきや…。
教官もコース(人生)で迷うときがある!!!
それに諭し諭されながら、自分の信じた道のりを進んでいく主人公。
子どものようで大人の対応をする主人公。
なんかカッコイイ!!!
Posted by ブクログ
小野寺さん、はじめましてでした。
読みやすくて内容も興味深くてよかったです。
いいなぁソーアン。私も行きつけが欲しい。
教習所は学校とは違うから、いろんな年代の人が来ますよね。そしていろんな事情がある。私も学校があったから途中少し間はあけたけど、基本コンスタントに通ったような気がします。
私の時の教官は口も手も出しちゃう人だったから、免許とった時には自分でライトつけたこともないくらいだったのよね。それがペーパードライバーの原因ということにしておきましょう。えぇ。
10代で出産は、今のところメジャーな話じゃないし学校では疎まれるんだろうなー。
産休育休を会社でとるより休学する方がメリットな気もするんだけどな。逃げ恥の漫画でそんなこと言ってましたね。
仕事の話も楽しかったけど、家族の再生のお話として楽しかったです。他の作品も読みます。
Posted by ブクログ
ほんのちょっとの嘘をついたことが原因で離婚した豊士。娘の妊娠を機に、疎遠だった元家族と交わるようになる。相手の両親と話し合う場面、高校の教師と話し合う場面、ともに気の利いたことが言えずカッコ悪い豊士。でも悪いと思ったら、相手が子供でも頭を下げたり、免許取得のタイムリミットギリギリの大学生、七八に嘘はいけないと毅然としたところはなかなかカッコ良い。
はてさて、元家族の行く末が気になるところ。
オノデラ文学ハズレ無し。
Posted by ブクログ
読みやすい、スイスイ読んでしまう。
益子さんは教習所の先生。電気機器メーカーに勤めていた頃、仕事がきつく体を壊し会社を辞めたいと妻に相談したが、受け入れてもらえず、別の女の人を誘った。それが原因で離婚、当時6歳だった娘とは合わないと約束させられた。その娘が17歳になり、妊娠したと元配偶者から電話がかかってくるところから始まる。教習所の生徒の話、行きつけのバー「ソーアン」でのロックの話。
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「教官」という仕事を知ったこと、『ひと』の小野寺さんが著者であること、色々重なって手に取った。
登場する一人一人が格好良い。すごく前向きになれる。
Posted by ブクログ
小野寺さん8冊目。
自動車の運転教習所教官の仕事小説かと思ったが、離婚して妻と一緒にいた高校生の娘の妊娠騒動がメイン。10年以上会えなかった娘に親バカが炸裂。元妻に同行を頼まれ、相手の親や高校に同行し、言わなくて良いこともつい言ってしまう。纏わりついたと勘違いして、娘の友達を捕まえたり、娘の妊娠させた相手を恫喝したりということも。
それでいて教官としては交通法規を厳守し、生徒に誠実に対処する。ギャップがありすぎなような気がする。
小説に多数出て来る古いロックの曲が、聴けば分かるかも知れないが、タイトルだけでは思い出せない。主人公の心象風景を強く表しているのだろうが、浮かばず残念。
Posted by ブクログ
益子豊士
四葉自動車教習所の教官。四十五歳。
岡美鈴
豊士の元妻。アパレルメーカー勤め。
美月
豊士の娘。十七歳で妊娠。
高梨
美鈴が付き合ってる会社員。
万由
豊士が付き合ってる。期限付きで大阪に異動。繊維メーカー勤め。
林田佳世
教習生。三十五歳。AT限定。
小西日南子
教習所のカウンター担当。
臼井しの
六十九歳の教習生。
加島
教習所教官。
津村良太
教習所教官。
吉野草安
ロックバー『ソーアン』のマスター。五十五歳。
森田冬香
『ソーアン』のアルバイト。三十八歳。十七歳の息子、幹矢がいる。
維安
草安の子ども。スカイマップ・アソシエイツというプロのミュージシャン。ギタリスト。
叙安
草安の子ども。スカイマップ・アソシエイツというプロのミュージシャン。ドラマー。
犬飼悦人
豊士の中高の時の友だち。篤人と律人の双子の高校生の息子がいる。
川口成巳
教習生。
近藤
四葉自動車教習所の所長。五十三歳。柔道の有段者。
深谷陸
美月の相手。高校二年生。
深谷基行
陸の父親。
深谷修子
陸の母親。
野地萌花
教習生。
清瀬
美月の高校の校長。
久我
美月の担任。
大倉
女性養護教諭。
池沢蘭
教習生。大学二年生。
中原岳
美月の中学時代の同級生。
麻生七八
教習生。二十二歳。
池沢蘭
教習生。
ナミホ
波帆。陸が好きな女子。
サナ
紗奈。美月の中学のときの友だち。
亀山
紗奈のカレシ。
Posted by ブクログ
教習所に通う期間は、短いけどみんな何かしら思い出あるはず。これから通う人、通おうか迷ってる人、むかーし通った人、興味ないひとにこそ、覗いてみてほしいな
Posted by ブクログ
小野寺さん、淡々といつもの感じ。
地味に真面目にゆっくり…でも確実にちゃんと歩いていく!これがあるから安心して読める。
難しい事考えずスルスルと読みながら豊士や教習生、美月や美鈴の人生にちょっとずつ触れ自分の気持ちがちょっとずつ心波打つ。
心地良い波に癒される…癒されるのは違うのか…
ほのぼの?ん〜なんか適切な言葉が見つからないから深追いしない(笑)
豊士さんにとってのロックは自分にとっての本かな?
人生の何かを大きく変えたりはしないけど人を豊かにする。
自分はつまらない人間だけど本を読んでいなかったらもっとつまらない人間になっていた。
この先自分の中から読書がなくなる事はないと思う。
体が効かなくなったとしても何らかの方法で本に触れ自分の内側にある本の豊かさに寄り添っていたい!
Posted by ブクログ
自動車教習所で教官として働く益子の元に別れた妻から電話が。娘が妊娠したという。高校生、17才。今後どうするかの話し合いに一緒にいて欲しいというので、11年ぶりに元妻美鈴と娘美月と会うことに。久しぶりに会う妻子と娘の妊娠に驚き戸惑いつつ相談に加えてくれた事に喜んでもいた。
教官としての日常と、娘の妊娠に伴う様々な出来事に悩む姿を描く。
元妻の美鈴がさっぱりとしてでも素敵なお母さんとして描かれていて好感が持てる。本当なら高校生の娘が妊娠したらそう冷静ではいられないだろうけど、徹頭徹尾娘の味方で、その意思を尊重してくれる。益子の方は娘が6才の頃のイメージが残っているせいかまだ受け止めきれないような、どう対処していいのかわからないでいるのが素直な反応だろうなぁと共感する。
三人が段々と近づいていって、でもつかず離れずの距離感でそこもいいなと思った。
各章のタイトルがロックの曲名になってて、好きな人には内容との関連とかがわかるのかな。
気持ちのいいラストで楽しめた。