小野寺史宜のレビュー一覧
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高校生の青春物語かと思いきや、複雑な家族関係の中で悩みながらも成長していく主人公の姿が描かれている。
親の離婚。しかも母親の再婚相手は実父の弟であり、お互い近くの団地に住んでいる。それだけでも子供達にとっては複雑なのに、ある日、母親は末期癌の恩人を看とる決断をする。
母親の過去とその恩人との関係が気になり、赤の他人の死を見届けることになる子供達。そこで色んなことを学び成長していく。
主人公で高校生の想哉がこの複雑な環境の中で、淡々と状況を受け入れる姿はかなり大人びているし、多感な時期の妹のれなの気持ちは十分理解できる。重い話のわりにさらっと読めるのは登場人物が優しく温かいからだろう。
母親の -
Posted by ブクログ
無駄に想像しない。無駄に休まない。無駄に求めない。無駄に守らない。
って。無駄ってなんだろう、人によって無駄の意義は違うねとか、思いつつ。
仕事で疲れたあと、頭を休める感じで読み出したこの本。人によっては疲れてるんなら読まずに寝ればいいのにムダじゃね、とか思われそうだと笑ってしまった。
私も実際、食っちゃ寝て読んでだし。無駄はない。
なんか、優しいけど力をくれる物語。
豆腐のシートの件では、あるあるだなとか。クレームの件でも。些細なことがいちいち面白かった。
トーキンブルースも、月は夜もも早く読みたいんですけど。
さて、雨が降る前に朝のウォーキングに、行ってこよう
降らない雨はない -
Posted by ブクログ
特別に刺激的なことが起こるわけでもないけれど、平凡というわけでもない。小3の頃に火事で両親を亡くし、祖父に育てられた瞬一。
片品村から東京に出て、引越しのバイトをしながらアパート暮らし。
祖父の仕事が、「歩荷」というのは、珍しかった。そして瞬一の住むアパートが、江戸川区の平井にあり、その周囲を散歩する時の地名や川の名前に親しみがあって、頭に地図を思い描きながら読めたのが面白かった。
こんな風に自分の住む周りを散歩してみたくなった。
祖父が瞬一を手元に置かず、東京に送り出した理由や、高卒での瞬一が、進学や就職の目標を持たずに、東京でバイト生活を続けながら、ある目標を持って動き出すきっかけ。