小野寺史宜のレビュー一覧
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佐原夫妻、足立夫妻、船戸夫妻、江沢夫妻、四組の夫婦が直面する結婚生活の危機。四組とも夫又は妻が出版社「景談社」の社員という繋がりのある連作短編。
年齢も抱える問題もそれぞれな四組の夫婦。しっかり互いの想いを曝け出し、相手を尊重した上での結論だからかそれが離婚だったり、別居だったりしても不思議と嫌な気がしない。
どちらかが我慢をすることで成り立つ表面上の平和を選んでいない彼らの選択がとても清々しい。
「夫婦三部作」の宣伝?がさりげなく、いやいやあからさまにぶっ込まれるのもご愛嬌。足立夫妻や江沢夫妻の選択を耳にして、佐原滝郎が考えを柔軟に変化させていくのもいい。
そして作家として登場する小倉 -
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まずこの表紙を見てください
ちょっと切ない(ノ_<)
父・敏男78歳 息子・富生40歳
母が亡くなって舘山で一人で住む父がちょっとおかしい…ほんのちょっとの違和感。
母がいなくなった実家には足が遠のく。
この親子の距離感が何ともリアルです。
特別好きでもない
かといって嫌いと言うわけでもない
でも心配ではあるのだ。
富生が父の老いを感じ、一つ一つ確認するように
一緒に暮らしていく物語は小野寺さんらしい文章でゆっくりゆっくり進みます
会話文が多いのも小野寺さんらしい
慣れない人にはちょっともどかしいかも…
色々な方のレビューを見たときに、何故8年付き合った彼女と別れて父と暮らすのか?と感 -
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ネタバレ刑事って仕事はどんなものか…これまでドラマや漫画、ミステリー小説などで持つ一般的なイメージは、正義感が強く、平和を守るために命の危険も厭わない『聖職』として仕事をしている人が、逆に暴力団と結託して悪事をはたらくダーティーなヤツ…みたいな2択しかないような印象が普通ではないだろうか。
この小説に登場する松川律(まつかわ・りつ)はちょっと違う。合コンし、子持ちの歳上の彼女と付き合い、長いLINEをし、どちらかというと私生活は普通の32才の若者だ。
まあ、それは当たり前のことなのかもしれない。僕らは『刑事くん』(古い)から『太陽ほえろ』や様々な刑事ドラマで、刑事という職業は市民の安全のために尽くす -
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ネタバレ安定の小野寺節。
メンタルの安定した落ち着いたいい男目線の一人称語り。淡々としている。今回は物語終盤に向けて怒涛の展開だったのだが、それでもやはり「大きなことは起きない」と感じさせてしまう語り口。いい意味でとても現実的な物語。
主人公は松川律。刑事。警察官のなかでも、事件を扱う刑事。高校時代の先輩でシングルマザーの澄音と付き合っている。澄音の子ども海音ちゃんとも会い、結婚も考える。でも澄音の父には傷害の前科があった。で、上司からも結婚を止められる。それでも結婚しようと考える。警察を辞めてでも結婚しようと考え、そう伝えるが澄音が反対。2人は別れる。そして2ヶ月ほどで澄音が交通事故で亡くなる。海 -
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本の雑誌社の炎の営業マン、杉江由次さんが
Xでおすすめしていたので
久しぶりの小野寺史宜さん、手に取り読んでみた。
杉江さんの感想を読んでみると
「ここのところ正直あまりハマる作品がなかった」とある。
そうなんです。同じ思いです。
今作は一気読みだった。
母を介護(介助)する娘、もしくは確執のような
ドロドロ系を読み慣れているので
父と息子の関係はどこかドライなんだなと感じた。
(ケースはいろいろだと思うが)
母親は亡くなり一人暮らしの父親(78歳)に老いを感じ始めた。
息子40歳。
東京から実家の館山に戻りテレワークで仕事をこなす。
サラッと日常が書かれているが、さすが小野寺史宜さん