小野寺史宜のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
様々な夫婦の物語…と言う程度の知識で読み始めた。
印象としては、まずとにかく会話の文が多い。
まるでテレビドラマの台本かと思うくらい、夫婦であったりそれぞれの人物同士の会話文でほぼ成り立っているところがあり、それは意外にも読みやすかった。
しかも、軽快な受け答えや自然な会話文なのでスラスラと入ってきて自分の中でのテンポ感で読めたのが面白かった。
次に、登場人物がフルネームで山のように出てくることに頭が混乱した。
それぞれの夫婦の物語の短編が一冊になっていて、全体としてはページ数の多い長編なので何日かに分けてちょこちょこ読んでいると、とにかくこの人はこういう人で、この人とはこういう関係で…と -
Posted by ブクログ
やはり小野寺さんの作品は好きだ。
何作目か分からないほど読んだ小野寺作品。
毎回のごとく、主人公はぱっとしない男性。華やかさはなく、自分の決めたルーティンで粛々と生活を送ってはいるものの、このままではまずいと感じている。
そしてとにかく歩く。歩きながらひたすら考える。これまでとこれからの人生のことや、自分が行き詰まっていることについて考えるシーンが多い。
これらはほとんどの作品に共通していて、それが分かっているのに私は小野寺作品を見つけたら手に取ってしまう。なぜなら、会話が多くて読みやすいため、どんな場面での読書にも合うから、そして読みながらだんだんと前向きになれるからだ。
大人になってから -
Posted by ブクログ
5章からなる短編集。サッカーのコーチを引き受けた独身男性が主人公の話から始まる。知らず知らずのうちにある子供の母親が好きになってしまい、父兄の間で噂になりクビになる。彼の勤める店に来てクレームをつけた女性がいる。この女性が次の物語の主人公。
その女性はわがままで、彼氏が愛想尽かし振られてしまう。腹が立って、むかしパパ活していた中年男性に連絡をする。この男性が次の話の主人公…
というように章ごとに関わりあった人たちへと主役が移っていくのが、お芝居のようでなかなか面白かった。人生ってどこに焦点をあわせて見るかで全く異なるものだ。
一人一人の人生はすべてパラレルに動き、時々重なったり、ニアミスした