小野寺史宜のレビュー一覧

  • 縁

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    ネタバレ

    様々な悩みや事情を抱える人達が時には一線を越えそうになるが、他人との出会いによって救われる前を向いていくオムニバス

    登場人物達が良くも悪くも人間臭くリアリティーがあった。途中悪い方向に向かいそうになるけど、周りに助けられて踏みとどまれているのでスッキリした読後感だった。

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    2025年10月19日
  • ぼくは刑事です

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    ネタバレ

    刑事って仕事はどんなものか…これまでドラマや漫画、ミステリー小説などで持つ一般的なイメージは、正義感が強く、平和を守るために命の危険も厭わない『聖職』として仕事をしている人が、逆に暴力団と結託して悪事をはたらくダーティーなヤツ…みたいな2択しかないような印象が普通ではないだろうか。

    この小説に登場する松川律(まつかわ・りつ)はちょっと違う。合コンし、子持ちの歳上の彼女と付き合い、長いLINEをし、どちらかというと私生活は普通の32才の若者だ。
    まあ、それは当たり前のことなのかもしれない。僕らは『刑事くん』(古い)から『太陽ほえろ』や様々な刑事ドラマで、刑事という職業は市民の安全のために尽くす

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    2025年10月14日
  • とにもかくにもごはん

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    とにもかくにもごはん、人はたべることで、前に進める。色んな悩みがあるけれど、ここでの交流でまた、違う原動力になる、心温まるストーリー。

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    2025年10月10日
  • 日比野豆腐店

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    個人のお豆腐屋さんの物語。

    やっぱり、みんなお豆腐が好きで、その味とお店を繋げていく。

    ずっと日比野豆腐店のお豆腐を応援してます。

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    2025年10月10日
  • 奇跡集

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    同じ電車に乗り合わせた人、それぞれの物語。
    電車で気分が悪くなり座り込んだ女性。その周りにいた人々。みなそれぞれの人生がある。

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    2025年10月10日
  • 奇跡集

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    文章がテンポが良い。畳み掛けるように文章が連なる。マシンガントーク。飽きさせない。満員電車の中ですれ違う人たちに起きた、小さな出来事を丹念につむぐ。奇跡と言えるほどでもない、小さな出来事。15分停まらない快速の中で、お腹が痛くなった男の子は毎回モゾモゾし、気分が悪くなった女の子は毎回しゃがみこんでしまう。声をかけたり、かけなかったり、後をつけたり、つけられたりする。

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    2025年10月06日
  • あなたが僕の父

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    現代と20年ほど前を行ったり来たりしながら物語は進んでていく。自分の親はいつまでも元気でいてくれるような錯覚に陥りがち。親に対する気持ちは、若い頃と変わらないのに、「あれ?」と老いに気付いた時の切なさ。同じ気持ちになったことあるわ…と、共感する場面がたくさんあった。
    故郷に残した親が心配だからといって、みんなが富生のように実家に戻って生活できる訳じゃないけど、少しでも一緒に過ごせる時間を大切にしようと改めて思った。

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    2025年10月06日
  • みつばの郵便屋さん 二代目も配達中

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    秋宏って本当にできる人だな。しかも春行に似てイケメンなんでしょ?リアルで誰っぽいのかな。
    タワマンのおばあちゃんの話しが良かった。

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    2025年10月01日
  • ひと

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    再読

    2回目だけど、ぐっとくるものがあった。主人公は、大変な状況の中で、懸命に生きていく。そして、その生活の中には親切で温かい人からの助けや愛情が感じられる。主人公もお店の方もほんとに人として素晴らしくて、あたたかくて、優しくて…こういう人になりたいと思った

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    2025年09月29日
  • ぼくは刑事です

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    ネタバレ

    安定の小野寺節。
    メンタルの安定した落ち着いたいい男目線の一人称語り。淡々としている。今回は物語終盤に向けて怒涛の展開だったのだが、それでもやはり「大きなことは起きない」と感じさせてしまう語り口。いい意味でとても現実的な物語。

    主人公は松川律。刑事。警察官のなかでも、事件を扱う刑事。高校時代の先輩でシングルマザーの澄音と付き合っている。澄音の子ども海音ちゃんとも会い、結婚も考える。でも澄音の父には傷害の前科があった。で、上司からも結婚を止められる。それでも結婚しようと考える。警察を辞めてでも結婚しようと考え、そう伝えるが澄音が反対。2人は別れる。そして2ヶ月ほどで澄音が交通事故で亡くなる。海

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    2025年09月28日
  • あなたが僕の父

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    本の雑誌社の炎の営業マン、杉江由次さんが
    Xでおすすめしていたので
    久しぶりの小野寺史宜さん、手に取り読んでみた。

    杉江さんの感想を読んでみると
    「ここのところ正直あまりハマる作品がなかった」とある。
    そうなんです。同じ思いです。
    今作は一気読みだった。

    母を介護(介助)する娘、もしくは確執のような
    ドロドロ系を読み慣れているので
    父と息子の関係はどこかドライなんだなと感じた。
    (ケースはいろいろだと思うが)

    母親は亡くなり一人暮らしの父親(78歳)に老いを感じ始めた。
    息子40歳。
    東京から実家の館山に戻りテレワークで仕事をこなす。

    サラッと日常が書かれているが、さすが小野寺史宜さん

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    2025年09月28日
  • あなたが僕の父

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    父と息子の物語
    書き下ろし。

    現在 一月 四十歳
    二十五年前 十五歳
    現在 二月 四十歳
    十八年前 二十二歳
    現在 三月 四十歳

    那須野富生40歳は、一人暮らしで高齢の父を心配し、地元館山で暮らすことに。
    恋人に相談しなかったことから関係が崩れ始めたが、父78歳との共同生活は、これまで関わりを避けていた自分に、父に似た部分を見つけ、充実していく。

    まさに、私が直面している介護問題にヒットした作品。

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    2025年09月27日
  • あなたが僕の父

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    小野寺さんの小説らしい温かくて素朴で優しいお話だった。
    びっくりするような展開はないけれど、誰もが経験してもおかしくないような日常、周囲との会話などが心に沁みる。
    読み進めるうちになぜか自分の経験したことのような気持ちになり、嬉しかったり悲しかったりするのも小野寺ワールドなのだろうか。
    安定、安心で読めました。

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    2025年09月26日
  • あなたが僕の父

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    小野寺さんの本は、うどんのようにスルスル読めて肩が凝らない(主人公は、お父さんの茹でるうどんが好き。表紙)。どこにでもあるような日常が描かれて、大事件も起こらない。残念だったのは、8年も付き合った彼女と結婚しなかったこと。良かったのは、お父さんの浮気の真相が明かされたこと。

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    2025年09月26日
  • みつばの郵便屋さん 先生が待つ手紙

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    郵便屋さんは今、この話当時とは随分変わったなとシミジミ。土曜日の配達がなくなって投函から到着までプラス1日増えた。働き方改革なのか郵便事業を縮小したいからなのか。
    秋宏は結構休憩してるイメージだけど普段休んでいる郵便屋さんって見たことないな。

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    2025年09月24日
  • 奇跡集

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     たまたま同じ電車に乗り合わせた人のそれぞれの人生を描いた連作短編集。
     有川浩の「阪急電車」のような設定で、さくさく読めた。

     面白いのが、それぞれの人物が何らかの形で少しずつつながっていること。
     そして、たまたま起こした行動によって、他の人のことを救っていること。
     まさに「奇跡」だよなぁ。
     もしかしたら私も自分の起こした行動で、
    知らず知らずに誰かを救っているかもしれない。

     世の中って面白いと感じさせてくれる作品だった。

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    2025年09月24日
  • その愛の程度

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    ネタバレ

    7歳年上の子連れ女性と結婚した30代のサラリーマン男性が主人公。複数の家族で行った川遊びの最中、小学生の娘と友人の娘が溺れ、とっさに助けに飛び込んだが、それは娘ではなく友人の娘だった…

    最初から血のつながっていない娘は、ショックで口をきいてくれなくなり、やがて年上の妻ともうまくいかなくなる―――。

    以下、ネタバレ。
    悪循環が続き、主人公は2年ちょっとで35歳で離婚することになるが、どうもこの主人公がふらふらして煮え切らないのが何か腹立たしい。また歳上の妻も夢を追いかけるのはいいが、年下の旦那をものすごく軽んじているのが何だか腑に落ちない。
    しかし、めげない主人公は離婚後に川で助けた娘の母親

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    2025年09月24日
  • とにもかくにもごはん

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    暖かいごはんが食べられる。家族でも友人でもない人との繋がりってきっとあるだけで助かることがあると思う。立ち入りすぎず、でもちゃんと覚えてもらえる。最後に、話が全て繋がって本当によかった。いままでのことが報われた気がする。

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    2025年09月24日
  • それ自体が奇跡

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    途中、変な方向へ行かないかなとハラハラ胸がズキズキしましたが、前向きな締め方で良かったです。久しく悔しい思いをしてないからか「本気だから悔しい」が印象に残りました。

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    2025年09月24日
  • あなたが僕の父

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    東京に住んで20年以上が経つ富生には、故郷の館山に一人で暮らす父がいる。
    母が亡くなってから6年経つあいだ、ほとんど帰らずにいたが電話で話す父の様子がおかしく感じて久しぶりに帰る。
    バンパーがへこんだ車を見たり、雑然とする部屋や弱くなった父を目の当たりにし、8年付き合った彼女がいたが、ひとりで父と同居することを決める。

    老いていく父のもとへ帰ることに躊躇なく当然かのような自然さに意外な気もした。
    けっして父といい関係ではなかったはずなのに…と。
    しかもリモートで仕事できるとはいえ、40歳だといちばん中心になって仕事する世代ではなかろうかと思ったのだが、それに長い付き合いの彼女と結婚は考えなか

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    2025年09月23日