加賀山卓朗のレビュー一覧

  • すべての罪は血を流す

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    相変わらずの勢いで、今回も一気読み。宗教色&地域性強め。アメリカの一部地域でブラックとして生きる過酷さを思い知りました。あまりにひどい事件が次々と訪れて滅入ります。タイタスの新しい人生が幸せであるよう祈らずにいられません。前半なかなか登場しなかった弟、いいやつじゃん、と思えましたね。

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    2024年07月24日
  • モルグ館の客人

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    今回も、もつれにもつれた展開。退廃的な雰囲気も相まって読み応えあったのですが、前作のインパクト超えられず、、。普通の話になっちゃった感じです。ラスト、何でこんなこと考えつくかな、とレイチェルの洞察に舌を巻きました。あっぱれではあり、この時代性考えたらこういうことはあるのだと思いますが、モヤっと感は残りますね。巻末に手掛かり探し、なんていう親切設計があり、伏線見落とし民に実に親切。これからも読んでいきますよ!

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    2024年07月20日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    ネタバレ

    これはこうだ、と思い込んでいる事象をいい意味で裏切ってくれるのがいいなと思う。登場人物は疑いようもなくその人本人だと信じているからこそ、今回も結末は予想外のところから出てきたし、こんな作品を次々編み出していったからこそアガサクリスティーはミステリの女王と呼ばれるのだなと考えた。
    それにしても、作中に出てくる料理(スコーンや紅茶、
    フォアグラのパテ、トースト、ポートワイン、クレームドカカ、舌平目のクリーム煮、子牛肉のカツレツなどなど)、すごく美味しそう。イギリス料理はあまり美味しくないと巷で言われているけど、このラインナップを見ているとそんなことはなさそうに思える。料理や地名がよく出てくる小説は

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    2024年07月19日
  • 7月のダークライド

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    殴られて尻もちをついても、また立ち上がる。


    主人公は、二十三歳の青年ハードリー。 hardlyとは 「ほとんどない」「すこしも
    …………ない」という意味の英語だ。本名はハーディだが、みんなからハードリーと呼ばれているため、自らもそう名乗っている。一年半通っていた大学を辞め、いまは遊園地のなかで最低賃金の仕事をしており、親しい仲間とマリファナをやっては酩酊しつづけている典型的な負け犬のダメ男だ。(解説より)

    そんな彼がある日、虐待が疑われる姉弟と出会い、彼女たちを救おうと決意することで彼の生活は一変する。

    そして冒険が始まる。

    新たに出会った人々や彼を慕う友人の力を借りながら奮闘する中

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    2024年07月17日
  • モルグ館の客人

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    ネタバレ

    2024年の19冊目は、マーティン・エドワーズの「モルグ館の客人」です。「処刑台広場の女」に続く、レイチェル・サヴァナクを主人公とするシリーズの2作目です。「処刑台広場の女」は、かなり気になっていたのですが、読んでいませんでした。書店で本書をパラパラと捲っていた所、アン・グリーヴスに謝辞が捧げられているのを見たら、読まない理由には行きません。
    舞台は、1930年代のイギリスです。第一次と第二次との大戦間の期間で大恐慌以降という、不安定で不穏な時代設定が、物語と主人公にミステリアスさを加えていますし、物語の真相にも繋がっています。
    正直に言うと、期待していた程は、面白くはなかったというのが正直な

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    2024年07月19日
  • すべての罪は血を流す

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    アメリカヴァージニア州が舞台。
    未だ人種差別が色濃く残る南部の田舎町チャロン郡で保安官をしている元FBI捜査官タイタス。
    ある日高校で銃撃事件が起こる。
    加害者の黒人男性はその場で射殺されるが、被害者の携帯電話にあったSDカードから加害者と被害者、そして狼のマスクを被った男たちが黒人の少年少女達を拷問殺害しているスナッフフィルムが発見される。

    ・感想
    流石のコスビー、面白くってあっという間に読み終わってしまった。
    1970〜80年代の話なのかと思いきや2000年代が舞台ということで少し驚いた。
    南部の人種差別というのはここまで根深いものなんだと些細な描写で実感させられた。
    私はア

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    2024年07月15日
  • すべての罪は血を流す

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    S・A・コスビーが描く物語の主人公はやっぱりカッコいい

    本作の主人公はヴァージニア州の群保安官タイタス

    タイタスは就任一周年の記念日にショッキングな銃撃事件に巻き込まれる
    そして、そこから凄惨な殺人事件が続いていく

    連続殺人事件だけではなく、南部の人種差別問題も大きくのしかかってくる
    奴隷制が廃止されているこの地でも今だに差別意識は残っており、白人至上主義も勢力を伸ばしている

    タイタスは保安官であり黒人であるという二重の制約を受けながら難しい捜査に臨んでいく


    そんなタイタスの一番の武器は信じる気持ち

    「おれは怖くない。心配はしているけど、怖くはない。犯人を必ず捕まえることがわかっ

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    2024年07月11日
  • すべての罪は血を流す

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    人種差別が色濃く残るアメリカ南部での猟期殺人。新たな殺人が次々と見つかり、黒人保安官の苦悩を感じながら進んでいく。
    次々と傑作を打ち立てていくコスビーに次への期待も更に高まる。

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    2024年06月23日
  • 処刑台広場の女

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    いったい何が行われようとしているのか。善人・悪人、敵・味方。主人公といっしょに翻弄されました。オーソドックスといえばオーソドックスかもしれませんが、英国風?の持って回った言い方も、翻訳も、心地よく読めました。

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    2024年06月16日
  • すべての罪は血を流す

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    一切容赦のないグロ描写、緊迫感のある展開、まるで海外ドラマを見ているかのような満足感‼︎

    近年、日本でも田舎での閉塞感や近所問題について話題に上がることが多いが、本作の舞台であるヴァージア州チャロン郡はその比ではない。
    黒人差別が根深く残る地域で黒人初の保安官として暮らす主人公タイタスは、様々な人々に囲まれながらも冷静沈着で良きリーダーとして働く一方で誰にも話していない秘密に対して罪悪感を抱えて生きており、今回の猟奇的な事件を追っていく中で少しずつ心が蝕まれていくことになる。

    タイタスに救いはあるのか、次は誰が殺されてしまうのかとヒリつきながら読んでいたが、非常に満足のいく結末だった。

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    2024年06月15日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    あまりに悲惨なオリヴァーの人生に、涙なしには読めない。
    とにかく、この子には幸せになってほしいと願いながら読み進めた。
    翻訳ものにありがちな読みづらさはあるけれど(作者が伝記を書いている、という体で書いているのも、日本の小説にはあまりないので違和感がある)、物語が山あり谷ありで最後まで読み通せた。
    途中でつらさからやめたくなることもあったが、なんとか最後まで読み終えることをおすすめしたい。

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    2024年06月07日
  • すべての罪は血を流す

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    ヴァージニア州の高校で教師が銃撃され、容疑者の黒人青年が白人保安官補に射殺された。人種対立の残る町に衝撃が走るなか、元FBI捜査官の黒人保安官タイタスは捜査を開始する。容疑者は銃を捨てるよう説得するタイタスに奇妙な言葉を残していたのだ。「先生の携帯を見て」と。被害者の携帯電話を探ると、そこには彼と“狼”のマスクを被った男たちによる残忍な殺人が記録されていた――。

    ややキツイ描写もあるが、抜群のリーダビリティ。

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    2024年06月05日
  • すべての罪は血を流す

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    ネタバレ

    黒人保安官が主人公で、殺人事件を捜査する中でまだまだ人種差別が色濃く残る南部で苦悩する物語、渋くて良かった。

    主人公は母親が死んでから神を信じなくなったにも関わらず、セリフや地の文でも聖書からの引用がそこら中に挟み込まれる。
    このやり取りがカッコイイです。
    否定しているのにほぼ暗記してるし、間違いを指摘してやり込める会話劇も新鮮で楽しい。
    キリスト教圏の会話ってほんとにこんな感じなのかな、だとしたらかっこよすぎる。
    犯人との聖書引用問答も印象に残った。

    前作はアクション映画みたいだったけど、今回はサスペンス寄りかな。
    面白いし、アクションの迫力、登場人物たちとのやり取りのスリリングさはある

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    2024年06月03日
  • 黒き荒野の果て

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    裏社会から足を洗って家族を守るよき父親であろうとする元走り屋が主人公。
    カーチェイスシーンを文章だけでこんなに魅力的に描ききるのは凄い。手に汗握り引き込まれた。

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    2024年05月31日
  • 7月のダークライド

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    子供たちを守るため未熟な青年が奮闘するが… 苦悩多き青春時代の郷愁を誘う物語 #7月のダークライド

    ■あらすじ
    主人公である青年ハードリーは大学を中退し、遊園地の恐怖体験ができる施設で働いていた。ある日遊園地で幼い姉弟と出会うのだが、彼女らの身体に煙草のやけど跡を見つけてしまう。虐待を懸念したハードリーは児童保護サービスに連絡するも、相手にしてもらえない。幼い姉弟を守るべく、ハードリーは虐待の証拠を探し始めるのだが…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    思いっきり青年の想いがつまった物語、探偵や冒険小説の部類ですね。

    本作イチ推しなのは主人公のお人柄。未成熟な正義感がヒシヒシと伝わってきて、そ

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    2024年05月28日
  • 黒き荒野の果て

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     主人公は、犯罪に絡む逃走を請け負う元プロフェッショナル・ドライバーで、今は堅気の自動車修理工場の経営者だ。経営は苦しく、昔の仲間から持ち込まれた宝石店強盗の仕事に絡めとられていく。強盗に入った宝石店が組織暴力と関連があったことから、主人公は泥沼のような悪と暴力にはまっていく。


     主人公の父親から続く暴力性が立ち切れず、彼の子供まで悪の素養に魅入られたように染まる。一見、暴力の世界から縁が切れたように見えたが、暴力の血は濃く、きっかけさえあれば見る間に増殖していく。

     主人公の苦悩や暴力のリアリティが群を抜き、物語に引き込まれる。主人公が運転する車のように、スピード感をもったまま終盤を迎

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    2024年05月19日
  • 黒き荒野の果て

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    先日読んだ『頬に哀しみを刻め』があまりに良かったので、その興奮が冷めないうちに前作の『黒き荒野の果て』に手を出した。期待通り、とても良かった。

    作品の根底に流れるものは『頬に哀しみを刻め』と変わらない。主人公バグことボーレガード・モンタージュは、『頬に〜』の主人公アイクと同じく過去に犯罪を犯した黒人男性で、裏社会の「走り屋」のようなことをしていた。現在は中古車修理工場を営み、問題を抱えつつも、家族を愛している。しかし、抱えていた問題が徐々に大きくなり、大金が必要となったボーレガードは、かつての裏社会の仕事に復帰する。仕事を持ちかけてきた相手が信用のおけない男だとわかっていても、選択の余地はな

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    2024年05月18日
  • 7月のダークライド

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    遊園地で働く青年ハードリーはある日、煙草の火傷痕の残る幼い姉弟を見かける。
    行きがかり上、虐待を通報するも当局に相手にされなかった彼は、証拠を掴むため素人探偵まがいの調査を開始する。
    見えてきたのは裕福なのに荒れ果てた家と、弁護士の父親の背後にちらつく麻薬組織の影。
    23年間、面倒を避け気ままに生きてきたハードリーは、幼い命を救うため人生で初めて壮大な賭けを仕掛けるが……。

    前作の印象がとても良かったので、読んでみた。若さゆえの猪突猛進はなかなかのもの。

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    2024年05月13日
  • 処刑台広場の女

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    ネタバレ

    原題の直訳なら「処刑台広場」だけのところを「の女」を付け足し、表紙に艶めかしい女性の見返り図を置いたのは、レイチェルシリーズの一作目として素晴らしい采配だと思う。
    一応最大のトリックであるレイチェルの「正体」については早々に見抜ける人も多いと思うが、そこで油断しきった結果、もう一人の「の女」には思い切り騙されることになった。
    また被害者のうち、大家母娘の果たしていた役割について語られている部分が見当たらなかったので、続編ではまだGC周りの設定が掘り下げられるのだろうか。あるいはまったく違う事件? いやよそに首を突っ込む理由もないしなどと思いつつ、次の翻訳も楽しみ。

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    2024年05月11日
  • 処刑台広場の女

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    冒頭、謎の女性のレイチェルへの疑いから始まるミステリ。半分くらいからなんとなく霧が晴れてくるんだけど、登場人物が多くて誰が何をやったのかが分かりにくいのが難点。それ以外は読みやすい。レイチェルがゼエゼエ言いながらあの機械から出てくるところを想像して笑ってしまった。

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    2024年05月09日