加賀山卓朗のレビュー一覧

  • ナイロビの蜂 下

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    上巻よりも、下巻の方が読みやすいです。具体的な出来事を描くことが多いからかな?

    とはいえ、ラストは、もの悲しいですね。まぁ“世の中”というのは、結局、力を持つ者が勝つという事なのかな。残念ではありますが、勧善懲悪の話になっても、それはそれで「そんな都合の良いことあるか!」と突っ込むことになるんですけどね。

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    2024年09月27日
  • 黒き荒野の果て

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    ネタバレ

    ボーレガードは車の修理工場の経営者であり、凄腕の運転技術を持つドライバーでもある。
    生活は厳しい。
    同業者に客は奪われ、子どもたちはお金がかかる年頃だ。
    このままでは取引先への支払いもできず、破産に追い込まれそうな状況で、一攫千金の仕事が舞い込む。
    ストーリーはシンプル。
    だが、読ませる。理由は登場人物たちが、欲望に満ちた、正直な人間の姿として描かれているからだろう。
    ボーレガードは父親の残像に縛られ、社会的にも真っ当な能力があるにも関わらず、犯罪に手を染める。
    なぜなら「金」が必要だからだ。
    このままでは修理工場は倒産し、子どもたちに良い教育を受けさせてやれない。
    では、どうして犯罪なのか?

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    2024年09月23日
  • スパイはいまも謀略の地に

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    ジョン・ル・カレのスパイものは、重厚な雰囲気が漂うというのがこれまでの私の印象ですが、この作品はちょっと違いますね。どこかしら軽妙な雰囲気も漂わせています。

    しかも、他の作品は、冷戦期の話が多い印象ですが、これはそうでは無く、ブレグジットとか、トランプ政権(第1期)とか描かれているので、それ程遠くない過去。そんな時にも、こんな事があるのかと思う訳ですが、まぁ、無いと思っているのは平和ボケしている証拠なのかな。

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    2024年09月01日
  • 黒き荒野の果て

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    久々に骨太なハードボイルを堪能。
    メインストーリーはありがちな設定だが、主人公のキャラが深く描きこまれていて、生い立ちからくる父親へのトラウマ(ここが少し冗長)、その反面としての現家族への強い想いをベースに、男同士の友情、裏切りがフィルムノワールのように濃厚に描かれている。

    バイオレンスシーンもあって、どこかエルモア・レナードやデニス・ルヘインを思わせるような切なさも漂う。
    歯切れのよい文章が実にうまく、暗いトーンの比喩や暗喩も見事でラストまでじっくりと楽しめる。

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    2024年08月29日
  • 処刑台広場の女

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    名探偵の文字に踊らされると微妙に期待外れかもしれません。前情報なしで読み始め、主役かと思っていた女名探偵はあまり語らずちょっと肩透かし。しかし多くの登場人物たち(これもまた整理するのに大変)が語る女の人物像が折り重なり、帯にあった「この女は名探偵か、悪魔か」の文字がラストまでチラつきます。
    私の思う謎解きミステリとは違いましたが、ラスト100ページは伏線回収が華麗にされとても面白かった。
    登場人物の表を片手に(巻頭の印刷のほか、親切にも1枚ペラでついていました。ありがたや)、次巻も読んでみようかと思います。

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    2024年08月28日
  • 処刑台広場の女

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    「危険があるからこそ」彼女は静かに言った。
    「人生は生きるに値する」

    レイチェル・サヴァナクは名探偵だが、彼女の周りには次々と死が付き纏う。
    ミステリアスな女性だけど何か得体の知れないものがある感じが少し怖かった。
    文章が読みづらいなーと思いつつ中盤まで読んでいくと、次々と人が亡くなっていく中で、少しずつ1つ1つの事件が本当はとても巨大な権力をもつ集団へと繋がっていくのが面白かった。

    権力者が権力を振りかざし、弱い人たちはそれに対して太刀打ちできないということは古の時代から
    あるけれど、どんな時でもレイチェルは正義のために戦っているのかなと思った。

    イギリスが舞台だからか紅茶やスコーンや

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    2024年08月24日
  • モルグ館の客人

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    登場人物も沢山、内容も複雑に絡み合って、これで果たして解決するのかとドキドキしながら読んだが、杞憂に終わった。レイチェル・サヴァナクと言う女性が探偵ぶりを発揮するイギリスを舞台にしたミステリー。人物のキャラもしっかりしてて、特にレイチェルに使えるトルーマン家の3人と私も友達になりたい程。

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    2024年08月18日
  • 頬に哀しみを刻め

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    元ギャングで出所後は真っ当な商売で幸せだ家庭を築いていたアイク、そして典型的レッドネックのバディ・リー、この二人がバディを組んで復讐のために大暴れする。アメリカ南部を舞台にしたとても痛快な物語だが、ここにLGBTがかかわってくるのがややこしく、秀逸である。3.8

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    2024年08月17日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ポアロシリーズ㉕

    アバネシー家の主人リチャードの葬儀は滞りなく終わり、遺産についての遺言が読まれるという時に放たれたコーラの一言「だって彼は殺されたのでしょ?」
    なにこの一気に不穏に変わる空気。なにこの一気に心掴まれる展開。ワクワク感。

    アガサ・クリスティがえがく『館に集まる一族』って本当に面白いわ~
    相手に対する親族ならではの人物評や思い出によってそれぞれのキャラクターが分かってくると、ダメっぷりも、隠している秘密も、怪しさも浮き立ってくる。そして、それらが事件の謎をさらに深めていく。

    やっぱり最後は犯人に驚かされる。
    関係者を集め最後に行われるポアロの謎解きに、ただただ、ため息。

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    2024年08月15日
  • 処刑台広場の女

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    この女は何者なのか。
    次々と起こる事件の真相はどうなっているのか。
    掴ませないまま、中盤まで進み、終盤は畳み掛けるような展開で息を呑む。
    文章量多めで、きついかもしれんけど、読む価値はある!!!
    おもろでした!!!!

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    2024年08月14日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    その名はもちろん知っていた、
    アガサ・クリスティ。
    翻訳本アレルギーがあったので今まで読んだことなかったんだけど、荒木博之さんのVoicyで触れられて以来、気になっていたので読んでみた。

    作家の真山仁さんは50頁で犯人がわかったということで、変な挑戦欲が掻き立てられたものの、やはり私には推理力も洞察力も集中力も足りない。
    最後の最後まで犯人が分からなかったのは、…まあ想定内です。

    ただこれ、犯人が分かってから読み返してみると、確かに50頁までで犯人のアタリはつけられる仕立てになっている。
    自分の凡庸さを改めて思い知らされるようで、そこがなんとも悔しいな。

    大富豪アバネシー家当主リチャード

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    2024年08月12日
  • すべての罪は血を流す

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    相変わらずの勢いで、今回も一気読み。宗教色&地域性強め。アメリカの一部地域でブラックとして生きる過酷さを思い知りました。あまりにひどい事件が次々と訪れて滅入ります。タイタスの新しい人生が幸せであるよう祈らずにいられません。前半なかなか登場しなかった弟、いいやつじゃん、と思えましたね。

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    2024年07月24日
  • モルグ館の客人

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    今回も、もつれにもつれた展開。退廃的な雰囲気も相まって読み応えあったのですが、前作のインパクト超えられず、、。普通の話になっちゃった感じです。ラスト、何でこんなこと考えつくかな、とレイチェルの洞察に舌を巻きました。あっぱれではあり、この時代性考えたらこういうことはあるのだと思いますが、モヤっと感は残りますね。巻末に手掛かり探し、なんていう親切設計があり、伏線見落とし民に実に親切。これからも読んでいきますよ!

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    2024年07月20日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    ネタバレ

    これはこうだ、と思い込んでいる事象をいい意味で裏切ってくれるのがいいなと思う。登場人物は疑いようもなくその人本人だと信じているからこそ、今回も結末は予想外のところから出てきたし、こんな作品を次々編み出していったからこそアガサクリスティーはミステリの女王と呼ばれるのだなと考えた。
    それにしても、作中に出てくる料理(スコーンや紅茶、
    フォアグラのパテ、トースト、ポートワイン、クレームドカカ、舌平目のクリーム煮、子牛肉のカツレツなどなど)、すごく美味しそう。イギリス料理はあまり美味しくないと巷で言われているけど、このラインナップを見ているとそんなことはなさそうに思える。料理や地名がよく出てくる小説は

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    2024年07月19日
  • 7月のダークライド

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    殴られて尻もちをついても、また立ち上がる。


    主人公は、二十三歳の青年ハードリー。 hardlyとは 「ほとんどない」「すこしも
    …………ない」という意味の英語だ。本名はハーディだが、みんなからハードリーと呼ばれているため、自らもそう名乗っている。一年半通っていた大学を辞め、いまは遊園地のなかで最低賃金の仕事をしており、親しい仲間とマリファナをやっては酩酊しつづけている典型的な負け犬のダメ男だ。(解説より)

    そんな彼がある日、虐待が疑われる姉弟と出会い、彼女たちを救おうと決意することで彼の生活は一変する。

    そして冒険が始まる。

    新たに出会った人々や彼を慕う友人の力を借りながら奮闘する中

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    2024年07月17日
  • モルグ館の客人

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    ネタバレ

    2024年の19冊目は、マーティン・エドワーズの「モルグ館の客人」です。「処刑台広場の女」に続く、レイチェル・サヴァナクを主人公とするシリーズの2作目です。「処刑台広場の女」は、かなり気になっていたのですが、読んでいませんでした。書店で本書をパラパラと捲っていた所、アン・グリーヴスに謝辞が捧げられているのを見たら、読まない理由には行きません。
    舞台は、1930年代のイギリスです。第一次と第二次との大戦間の期間で大恐慌以降という、不安定で不穏な時代設定が、物語と主人公にミステリアスさを加えていますし、物語の真相にも繋がっています。
    正直に言うと、期待していた程は、面白くはなかったというのが正直な

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    2024年07月19日
  • すべての罪は血を流す

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    ネタバレ

    ・あらすじ
    アメリカヴァージニア州が舞台。
    未だ人種差別が色濃く残る南部の田舎町チャロン郡で保安官をしている元FBI捜査官タイタス。
    ある日高校で銃撃事件が起こる。
    加害者の黒人男性はその場で射殺されるが、被害者の携帯電話にあったSDカードから加害者と被害者、そして狼のマスクを被った男たちが黒人の少年少女達を拷問殺害しているスナッフフィルムが発見される。

    ・感想
    流石のコスビー、面白くってあっという間に読み終わってしまった。
    1970〜80年代の話なのかと思いきや2000年代が舞台ということで少し驚いた。
    南部の人種差別というのはここまで根深いものなんだと些細な描写で実感させられた。
    私はア

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    2024年07月15日
  • すべての罪は血を流す

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    S・A・コスビーが描く物語の主人公はやっぱりカッコいい

    本作の主人公はヴァージニア州の群保安官タイタス

    タイタスは就任一周年の記念日にショッキングな銃撃事件に巻き込まれる
    そして、そこから凄惨な殺人事件が続いていく

    連続殺人事件だけではなく、南部の人種差別問題も大きくのしかかってくる
    奴隷制が廃止されているこの地でも今だに差別意識は残っており、白人至上主義も勢力を伸ばしている

    タイタスは保安官であり黒人であるという二重の制約を受けながら難しい捜査に臨んでいく


    そんなタイタスの一番の武器は信じる気持ち

    「おれは怖くない。心配はしているけど、怖くはない。犯人を必ず捕まえることがわかっ

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    2024年07月11日
  • 頬に哀しみを刻め

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    このミス一位で気になったので、手に入れて読んでみた。
    同姓同士の結婚をした息子さんが、何者かに銃撃され殺されてしまった後、2人の父親(アイクとバディ•リーが手を組んで犯人を見つけ復讐を目論む話。
    父親達は、息子が同性愛者であることを受け入れきれず
    、生前息子とまともに向き合えなかったことを後悔していて、読んでいてやるせなさがつたわってきました。
    アイクもバディ•リーも元囚人で、やること考えることアウトロー。
    ギャング達はそんな2人を老人としかみていなく、酷い返り討ちにされてしまいます。
    2人とも人を殺すことに読んでいて気持ちいいくらい躊躇がありません。
    「ジョン・ウィック」程スマートではないけ

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    2024年06月25日
  • すべての罪は血を流す

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    人種差別が色濃く残るアメリカ南部での猟期殺人。新たな殺人が次々と見つかり、黒人保安官の苦悩を感じながら進んでいく。
    次々と傑作を打ち立てていくコスビーに次への期待も更に高まる。

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    2024年06月23日