【感想・ネタバレ】モルグ館の客人のレビュー

あらすじ

完全犯罪を成し遂げた者が集うパーティが開かれる館。新聞記者ジェイコブと名探偵レイチェルは謎の女にパーティへ招かれるが……

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Posted by ブクログ

ネタバレ

前作に引き続き、やっぱり面白かった!
エピローグから始まる構成にびっくりしましたが、そういえば前作(処刑台広場の女)も同じような構成でしたね。
前作の彼女の日記は彼女の身に何が起きたのかをレイチェルの謎を解き明かしていくように物語の合間になぞる形式でしたが、今回は本当に最後から最初に飛ぶ形式で、読み終わってみるとそれもなるほどなあと頷かされるものでした。
それにしてもレイチェル・サヴァナクという人はなんて魅力的なんでしょうか……ジェイコブが恐ろしく思いながらも魅了され追わずにいられない気持ちがあまりにもよくわかります。俺もレイチェル嬢に振り回されたい。冷たい視線を向けられながらも助けられたい。
最後の往年の探偵小説のいわゆる推理ショーといった体のシーン、とても素敵で痺れました。素晴らしい。あの体のシーンはそろそろ食傷気味ではあったのですが、キャラクターがこんなに好きになると全然違って見えるんですね……
恋愛になってしまうと興醒めしてしまうタイプの人間なので、この二人の関係がずっとこのままであればいいなと思います。ジェイコブはそう思ったらそれなりに素直に行動に出るタイプなので、まあ多分そうじゃないだろうと信じていますが。

あと、てっきりミステリーと思って読んでいたのですが、前作から全然ミステリーではなかったんですね……解説でようやく気が付きました。いや、わかってはいたけど、もしかしてこれもミステリーなのかも……と……無知ゆえに自信が持てず……

とにかく、今回もたいへん楽しませていただきました。
シリーズはまだまだ続いているそうなので、次作以降も翻訳で読めるといいな、と祈りを込めて。

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2025年09月27日

Posted by ブクログ

★5 法で裁かれなかった犯罪者たち、背後にうごめく俗悪な企みをレイチェルが裁く… #モルグ館の客人

■きっと読みたくなるレビュー
おもろいわー、また★5をつけちゃう。

個人的には前作より躍動感があって好きですね。その分ミステリアスでスリラー要素は少なくなったと思うけど、怪しげなキャラが新たに出てきて、不穏な雰囲気は相変わらずです。

今回の物語は、犯罪の容疑をかけられ、からくも死刑を免れた人たちの背景をレイチェルが追っていく。一方、女性の犯罪学者レオノーラも同じ事件を調べており、とある関係性からレイチェルにも近づいていくという筋だて。館が舞台になるのは終盤で、もちろんそこからひと波乱あったりします。

ただタイトルに館の名前が入っていますが、密室殺人やクローズドサークルを期待してはいけません。安心してください、ちゃんと別の意図があります。

まず本シリーズの推しポイントは、Coolさですよね~。始まりがいきなりエピソードからですよ、プロローグではありません。第一章の第一文から惹きつけられるし、場面も葬儀列車で雰囲気がカッコイイのよ。レイチェルが吐き出すセリフがいちいち謎めているし、このキャラの引力には毎回ヤラれます。

例によって何が起こっているのかよくわからない。犯罪学者レオノーラも敵なのか味方なのかよくわからんし。ただ間違いなく背後にうごめいているものはあって、怪しい人が誰なのかも明確にわかる。この緊張感と戸惑いがたまらなく読み手をソワソワさせるんすよね。

あと大好きなのは主人公レイチェルと記者のジェイコブのコンビぶり。二人とも同じ正義感を持っているのに、価値観や犯罪へのアプローチがまったく違うんですよ。レイチェルは狡猾、扇動するのが上手。その一方レイチェルの生真面目で素直なんです。なんか姉弟のように微笑ましく見えてくるんすよね。ま、かなり歪な関係性ではあるんだけど。

終盤、一連の物語の謎が明かされるんですが、とても直視できない真相でして… 自分都合で考える人間たちに吐き気がしました。そして終わりには、すっかりレイチェルに魅了されてしまうのです。

■ぜっさん推しポイント
仕事や人間関係など、世の中には様々な問題がある。我々は幸せで正しい人生を歩むために、日々どういう判断をしているのでしょうか。

時には誤った判断をしてしまい、他人に迷惑をかけることもあるかもしれません。でもそうならないために、世の中には法律やルールというものがある。

ただ法律と正義、価値観と秩序は違うもので、人それぞれに微妙な隙間があるんです。その隙間を多少なりとも正しく埋めるのが倫理観というやつなんですが… その難しさや不条理さをつぶさに描いたのが本作なんだと思いました。

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2024年08月09日

Posted by ブクログ

謎が多すぎて前半はなかなか入り込めず
すすまなかったけど、またジェイコブとともに
レイチェルの手のひらで転がされるのは
悪くない感覚。
あらすじからは、レイチェルが謎の女性にモルグ館に招待される館もののミステリーだと思っていたけど、だいぶ後半まで館にはいかない笑
館に行ってからは怒涛の展開で、明かされる壮大な謎により、小さな出来事がどんどん繋がってそうだったんだ…!のなるのも素敵。
次作もレイチェルに会いたいです。

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2025年04月13日

Posted by ブクログ

 殺人を犯しながらも死刑判決を免れた者達が集うパーティに名探偵レイチェル・サヴァナクと新聞記者のジェイコブが館の主人しにて犯罪学者であるレオノーラに招待され、そこで殺人事件に遭遇する本格ミステリーで、終始挟み込まれる意味深な描写やレオノーラの不気味な人物像、そしてレイチェルの鮮やかな推理劇に手がかり探しなど最後まで余すところなく楽しめた。

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2025年01月30日

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モルグ街の殺人を想起させる題名。
レイチェルシリーズ第2作

第1作に引き続き、レイチェルのミステリアスな魅力は、他に変え難い。
序盤から伏線張りまくりで、どういうことだったのか理解できぬまま進んだ場面もあったが、最後に全てつながり気持ちよくなれる。
「手がかり探し」も面白い。

ぜひ皆さんも。

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2024年12月28日

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ヨークシャー北部の古い村、モートメインの岬の突端にあるモルグ館と呼ばれる館。名探偵レイチェル・サヴァナクと新聞記者のジェイコブは、館の主人にして犯罪学者のレオノーラから館で催されるパーティに招待される。殺人を犯しながらも、法で裁かれなかった者たちが集うパーティの真の目的を探るうち、レイチェルが直面する意外な殺人事件とは?

シリーズ第2作。後半、怒涛の展開にびっくり。

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2024年12月19日

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死んだはずの“幽霊”殺害を起点に、レイチェルが次の犯罪を止めるべく網の目を張り巡らせて真犯人を館に追い詰める、待望の続編!

無罪判決になった複数の事件の真相はなんだったのか、なぜ“幽霊”は殺されたのか、レイチェルと互角に渡り合う犯罪学者レオノーラの目的はなんなのか…ストーリーが8割まで進んでもまだ着地点が読めなくて、今回も読者に推理する時間を与えない吸引力の高さだった。

自身の出生が大きく関わっていた1作目と違って、レイチェルが謎解きを楽しむ探偵の役割に徹していたので、前作で彼女が見せた修羅のような非情さは薄れている。でも相変わらず優雅で冷静で、子犬を転がすようにジェイコブを使い倒すw
読み終わってみると、殺人犯の動機は拍子抜けするほど定番だったけど、そう思うのはたぶん種明かしされたワトソンの心理。「なーんだそんなことか」

また、前作よりもマーサの口数が増えた。そのぶんレイチェルとマーサの仲の良さや彼女らの秘めた内心の描写がちょっとした憩いになった。
もしかしたら次回は薔薇か百合のどちらを選ぶか迷うジェイコブが見られるかも…?どっちを選んでも勝てそうにないけど。

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2024年11月23日

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ネタバレ

マーティン・エドワーズのレイチェル・サヴァナクシリーズ第二弾。前作の致命的なネタバレはないけど、やっぱり順番に読んだ方がいいかも。

理由は不明ながら命を狙われている男を助けようとするレイチェル。一方、絶対に有罪と思われた人物が、高名な軍人の証言により無罪となる判決を直で見たジェイコブ。一見関係のない二人の行動は、秘密のクラブが関係しそうで…

うーーーーん、面白いのだけど、前作同様、微妙に肌に合わない気がする。。。
いわゆる黄金期風のスリラー作品。前作はこの前提も伏せられており、ミステリを期待して読んだら呆気にとられ、なんか違うという気分に。
今作も通称モルグ館に行くのは終盤で、中弛みも激しく。キャラは立ってるから、色々惜しい作品。

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2024年10月10日

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登場人物も沢山、内容も複雑に絡み合って、これで果たして解決するのかとドキドキしながら読んだが、杞憂に終わった。レイチェル・サヴァナクと言う女性が探偵ぶりを発揮するイギリスを舞台にしたミステリー。人物のキャラもしっかりしてて、特にレイチェルに使えるトルーマン家の3人と私も友達になりたい程。

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2024年08月18日

Posted by ブクログ

今回も、もつれにもつれた展開。退廃的な雰囲気も相まって読み応えあったのですが、前作のインパクト超えられず、、。普通の話になっちゃった感じです。ラスト、何でこんなこと考えつくかな、とレイチェルの洞察に舌を巻きました。あっぱれではあり、この時代性考えたらこういうことはあるのだと思いますが、モヤっと感は残りますね。巻末に手掛かり探し、なんていう親切設計があり、伏線見落とし民に実に親切。これからも読んでいきますよ!

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2024年07月20日

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ネタバレ

2024年の19冊目は、マーティン・エドワーズの「モルグ館の客人」です。「処刑台広場の女」に続く、レイチェル・サヴァナクを主人公とするシリーズの2作目です。「処刑台広場の女」は、かなり気になっていたのですが、読んでいませんでした。書店で本書をパラパラと捲っていた所、アン・グリーヴスに謝辞が捧げられているのを見たら、読まない理由には行きません。
舞台は、1930年代のイギリスです。第一次と第二次との大戦間の期間で大恐慌以降という、不安定で不穏な時代設定が、物語と主人公にミステリアスさを加えていますし、物語の真相にも繋がっています。
正直に言うと、期待していた程は、面白くはなかったというのが正直な所です。
☆4.3

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2024年07月19日

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ネタバレ

レイチェルの魅力は凄まじいけど、ジェイコブはこれ、、、

好きなところ
・レイチェル!とにかく素敵!
・19世紀初頭の女性の社会的地位に関する描写
・サラ黒幕はよかった!

嫌いなところ
・ジェイコブの全て
・ジュリエット=レイチェル分かりやす過ぎ
(敢えてそうしてる?)
・劫罰協会があまりにもやりたい放題

 同一作品内で同じ名前の登場人物だすわけないから、ハロルド・コールマンがハロルド・ブラウンなのはすぐ気付くようにしてると思う。そうなるとレイチェル=ジュリエットに辿りつく。だから作者はサラ黒幕を隠すためにジュリエット=レイチェルっていう分かりやすい伏線を貼っといたのかなと。
 19世紀初頭のロンドンとかいう魅力でしかないミステリを読めて嬉しかった。それにしてもこの時代の女性って財産権も離婚権もなくて本当気の毒過ぎるわ。

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2025年10月23日

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殺人を犯しながらも、法で裁かれなかった人が集まる館…とあるけれどそこに行くまでが長い!半分以上過ぎてからやっと館到着です。
話が面白くないわけではなくて、本のあらすじ書く人の問題。話自体はどういうふうになっていくか先の読めない展開と結末になんとも言えないモヤモヤが残る。(嫌いではない)一癖ある名探偵なので続きも出たら読みたい限り。

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2025年02月27日

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死刑判決をすんでのところで回避した3人の「容疑者」を自らの館に招き、完全犯罪の話をしようと持ちかける犯罪学者や、警察も手を出せない怪しげなクラブの存在など、好奇心唆られる物語が繰り広げられてて楽しかった

ただ、メインのパーティの描写がマジで終盤だから、あらすじ見て気になった人は焦らされた感じになるかも
前の部分がメインじゃないとはいえ、「チェーホフの銃」のメタファーの通り不要な部分では全然ないしちゃんと面白いから、そっちも読むべし

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2025年01月02日

Posted by ブクログ

殺人の容疑者となったものの、無罪放免になった(完全犯罪を成し遂げた)者達によるパーティーが地方の洋館で開かれる。という大きめの釣り針にまんまと喰らい付いたものの、当のパーティーが始まるのは左手の親指に感じる枚数がだいぶうっすくなってからだった。

パーティー自体は結構な急ぎ足としてもトラディショナルなフーダニットとして楽しめるのだけど、問題はそこに至るまで30年代のイギリスのスモッグの中で狐につままれ続けるところ。絶妙にワクワクし辛い塩梅で情報を与えられ続けるのが退屈っちゃ退屈だけど、30年代に憧れを持つ私としてはたとえ煙に巻かれていようとそこでただ彼らを覗き見てるだけで満足ではある。

レイチェルはといえば前作ほど謎めいた様子も冷んやりした態度もなく、好敵手としてレオノーラが登場しても割と圧倒し続けたりして、前作とはまた違った無敵感を漂わせていた。相変わらず超人的な推理もむしろ気にする方が居心地が悪いくらいにはぶっ飛んだ推理をしてくれるので、そこを気にするのは野暮ったい気がする。

通底するテーマとしては「そして誰もいなくなった」あたりから引っ張ってきたのかとも思ったけど、モートメイン館での殺人では顔馴染みの動機が出てきたりもして、一体何が書きたいんやと頭を抱えかけたものの、ミステリオタクが詰めれるもんたくさん詰め込んだんだなぁとも思うし、ここ数年の刊行物としてこれだけ黄金期風のものを送り出してくれるおかげで、アーカイブに頼り続けて歳をとっていかなくても良いんだという安心感を与えてくれるだけでありがたいと思う。

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2024年12月14日

Posted by ブクログ

レイチェル・サヴァナクシリーズ第2作。
今回も前作同様1930年代イギリスが舞台。やっぱりこの時代の雰囲気に浸れるというのがシリーズの大きな魅力の一つだと思う。

今作は前作に登場する謎の探偵レイチェル・サヴァナクと新聞記者のジェイコブの他に、新たな謎の女性犯罪学者レオノーラ・ドーベルが登場。殺人事件もたくさん起こるが、自分はいま何を読んでいるのか、どこに着地するつもりなのか分からないモヤモヤしたまま読み進める。

物語ラスト、名探偵レイチェルが関係者を一堂に集めてご開陳される推理が凄すぎて、若干ついていけなくなったのが残念……。
本編の終わりには「手がかり探し」と呼ばれる、推理を行ううえでキーとなるセンテンスを著書自ら提示する一覧があり、あくまでフェアであることは示されている。が、これを読み解くのはなかなか難しい。まあ言われればそんなこと書いてあったね、もあるので軽い気持ちで楽しめばよいか。
サヴァナク家に仕えるメイド マーサとレイチェルとのジェイコブを巡る恋模様?が気になる。今後も刊行されるであろうシリーズは追っていきたい。

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2024年12月01日

Posted by ブクログ

レイチェル強すぎ。ライバル登場かと思ったのだが。
メイド一家とのバディ感がもっと出ると楽しいシリーズになるかな。

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2024年10月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

鳥類博士のシドンズが犯人といわれてる
嫡出子じゃないから親の財産を相続できないと思ってたが誤解で非嫡出でも相続が可能になれるように遺書が改定されてた
死んだことにされてたがなんとか生きていてそのことは知られてなかった
社会では法廷画家のドゥードゥル(偽名)

この話あらすじとストーリーが少し違う
ートメイン館につくまでが長いけどね

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2024年09月24日

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