加賀山卓朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「処刑台広場」……これだけで舞台は現代から遡り、公開処刑のあった影のある時代のこと?
「○○の女」……また、翻訳小説の邦題としてはよくあるパターン?
そんな印象の読み始めから、なんとも謎めいた事件が立て続けに起こっていく。
気がつけば冒頭の登場人物紹介の人たちがずいぶんと亡くなってしまっていて、さらに混沌としていく。
まさに“ジェットコースター ミステリー”(あとがきより)
常に読者を惑わす手口が張りめぐされていて、550ページものあいだ飽きることはなかった。
また、他の作品ではあまり好きになれない“謎の過去手記”の挿入も、端的で効果的だ。
とても面白かった。 -
-
Posted by ブクログ
23歳の夏——この罪を見過ごすことはできなかった。MWA賞受賞作家が放つ瑞々しい青春ノワール
✎┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
23歳のハーディ。大学を中退し 寂れた遊園地のお化け屋敷(ダークライド)で働き 給料は奨学金の返済でカツカツ。出来の良い兄にハードリー(めったに~ない)とあだ名をつけられるほど、頭を使わず 頑張らずにその日を気ままに生きている。
面倒なことは先延ばしにするハードリー。その日も駐禁の違反切符を延長する為に市役所を訪れていた。
そこで出会った幼い姉弟。
その身体に煙草の火傷痕を見つける。
どう行動するか逡巡するも、そのうちに母親が姉弟の手を引き 車で去ってしまう。
児童保 -
Posted by ブクログ
読書会のため、名前だけは知っている名作を読んだ。やっぱり現在まで残るだけのことはある。面白かった!!
『第一部』
名前はフィリップ・ピリップなんだけど、ピップということになった。幼く死んだ五人の兄がいたらしく、両親が死んで20歳年上の姉の「手で」育てられた。と言っても姉は支配するのが好きでいばり屋でピップはろくな者にならない駄目人間扱いしてきたけど。
姉の夫のジョー・ガージェリーは鍛冶屋で善人。お母さんがお父さんに酷い目に合わされたから、自分の家庭では反対が良いんだって。だから妻に支配されているこの家庭を他からのように思っている。
ヒップが7歳の時、怪しい男に捕まった。「家から食べ物とヤスリ -
-
Posted by ブクログ
ひまわりめろんさんから「読まねばなりません」とお勧めされたので読みました(^O^)
探偵役はギデオン・フェル博士。私は本作で始めてなのですが、どうやら巨体で髪はもじゃもじゃふさふさ、皮肉さといたずらっぽさを感じされる雰囲気。いろんな博士号を持っていて、著作とか講演とかしていて、その知性だとか観察眼だとかを買われて警察の顧問??なのかな、名前は知られているようだし堂々と捜査してるので。
このフェル博士が友人から話を聞く。数日前に神秘研究家のグリモー教授が仲間と酒場でワイワイやっていると、奇術師のピエール・フレイという男が割り込んできて「棺の中から抜け出すことのできる人間もいる。自分か、弟に気 -
-
Posted by ブクログ
ノンフィクションの真髄を味わえる作品です
ありがちなマンガの設定で、民族の独立を夢見たゲリラが麻薬カルテルになってしまうという悲劇を、実際の歴史として、現実には麻薬カルテルであったのか独立国であったのか、
それは、どういったものだったのかを、一人の偉大な男性の背中越しに語られています
出てくる組織が強大すぎて、話が国家規模にしかならないため、夢を抱いたがために、組織人として苦悩する人たちの散っていった物語でもありました
現実路線では、銃と金だけが強く、望む結果を生むのだなぁと感じさせられました
個人的な興味で、格言の「貧乏でも金持ちの列に並べ」か鶏口となるも牛後となるなかれ、のどちらが正しいの -
Posted by ブクログ
間違いなく今年読んで1番良かった本になる予感。
ワという土地の成り立ちを、悲劇の英雄の経験を通して擬似体験できる本。
この英雄の、自分の理想のためには、拷問をされようが、自分の命をかけて達成すると言う行動原理に畏敬の念を覚える。
著者が言う、私はこの英雄を書くために神に遣わされたと言うのも納得できる話。
ワの南部現地民に話を聞いた
ソールーについては尊敬されているのはもちろんウェイについも同じくらい尊敬されているとのこと。ウェイは2026年現在も存命。
若い人が彼の年齢まで覚えていたのでこれは確かだろう。やはり外からみた麻薬組織の親玉という評価と現地のものは違うものだ。
-
Posted by ブクログ
ネタバレ大部の著であるが、ビルマ/ミャンマーの国家内別国家とでもいうべき『ワ州』の歴史を追う一冊ゆえである。
内容も読ませる文章で書かれたもので、読み通すのに時間は要したが、必要な知識を参照しながらしっかり理解できたので、星5つを。満足とともに。
・文字通りの首狩り族であった『ワ人』
・バプテスト派伝道師の薫陶を受けた『ワ人』
主人公ソー・ルーは後者の難民の子である。共産主義者たちがやってきて、宗教コミュニティから彼らを追い出した。
……からの、成人後。
まずビルマから情報提供者として雇われ、任務は『ワ』コミュニティを対共産主義の盾にすること。(なにせビルマ軍は弱体で、戦力投射能力もなく、かとい -
Posted by ブクログ
ネタバレあーーー犯人そこーーーーー。
となった。まさかコーラが別人だとは思わなかったし、本命が〈そっち〉だとは思わなかったよなあ。
最初は弁護士のエントウィッスル氏を疑っていたよ。だってあまりにも語り口が胡散臭くてさ。信用できない語り手かと思っていたら、いつの間にか気配が薄くなって消えていた…。
途中では、そこまで頭良くない設定なのに分かっている風なことを言うロザムンドも疑った。
その全てがミスリードだったとは…。
確かにミステリーの定石は「一番怪しくない人が犯人」だけれども、「怪しくない人が複数いる」のはクリスティの十八番ですね。してやられた感。
やはりクリスティは好きです。 -
Posted by ブクログ
大いなる遺産は恋愛小説であり、冒険小説であり、ミステリー小説であり、ピップの成長物語だ。まさにそのとおりである!物語としてあまりに面白く、エンタメとしての見どころが多い。
エステラへの恋は正直あまり共感できるところがなかった。恋とは意外とそんなものなのかもしれない。
身近な人の幸せを自分のことのように喜べるだろうか。家族なら喜べるかもしれない。離れた親戚は?友人は?同僚は?人間少なからず嫉妬はするものだが、ジョーはその様子を一切見せない。嫉妬の感情と向き合うこと、あるいはその人の幸せを自分のことのように喜べる人を作ることが、人生のひとつのテーマのように思う。 -
Posted by ブクログ
新潮の新訳版で再読。これまで旧版を愛読してきたけれど、新版で読んでもドラマティックな展開、強い感動が胸に残るラストのインパクトは変わらない。人が人のために為しうることは少なく、けれど愛が為しうることは偉大で尊い。フランス革命前後の英仏を舞台にした圧巻の物語。
シドニー・カートンというキャラクターは、これまで読んだ小説の中でも一二を争う強烈な印象を私に残した人物。彼がなぜあんなに虚無的な生き方をしているのか作中では詳しく説明されないけれど、あのラストは彼が自分自身を救う(あるいは許す)ためにも必要な選択だったのだろうと思うととても切ない。また折りに触れ読み返したい。 -
Posted by ブクログ
この並外れた個性を持つ作家の一作目は『黒き荒野の果て』だと思っていたが、これまで日本でも翻訳ミステリーのなかで最高評価を受けてきた三作の前に、実は未訳の本書が存在していたとは。現代の新しいクライム小説に眼を着けているハーパーBooksの代表的傑作となっているコスビーだが、今になって版元を変えて、知られざるデビュー作が時代を遡って登場した。
未だ日本の版元が眼を着ける前の作品とは言え、これまでの既翻訳作品3作と比べても何の遜色もないばかりか、この作家の原点となる南部を舞台にしたノワール&バイオレンスをこれでもかと見せてくれるハイレベルな傑作であるように思う。一人称による葬儀社勤務の中年黒人 -
-