加賀山卓朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ煌びやかなクラブ、音楽と酒、マリファナが飛び交う1930〜60年代の狂騒のアメリカはニューヨークが舞台。
裏であって裏でないぐらいにはびこる麻薬ビジネス。どこもかしこも、誰も彼もが退廃的に暮らしているように見えるが、そこにはあちら側に行ってしまう者とこちら側に踏みとどまる者のうっすらとした線引きがある。
もうばりばりのジェイムズ・エルロイの世界観。
冒頭、主人公クライド・″ヴァイパー″・モートンは、人生で3人目の殺人を犯してしまったことを読者へ告げるシーンで始まる。
素知らぬふりをして顔見知りの警官に通報を入れるも、酌量の余地は与えられず、3時間以内に街を出ろと言われるが、反するように馴染み -
Posted by ブクログ
読みながら圧を感じる。
主人公の黒人保安官、タイタス・クラウンは悲惨な現実の前に、母の言葉を思い出し、神の言葉にもこう言ってのける。
「御言葉もそれを読む人間と同じくらい堕落していることに気づいた。旧約聖書も新約聖書も、ただの”ことば”にすぎない。」
差別をに向き合う?
そんな生易しいことは言ってられない。
神に祈る?
どんなに祈っても、母の命は救ってくれない。
現実はクソだ。それでも生きていかなければいけない。
戦わなければいけない。
そんな現実に逃げ出すものもいる。
愛する人を置いて。
それも理不尽なのだろうか。
答えはない。
この物語は神の福音か、悪の咆哮か。
タイタス・ク -
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Posted by ブクログ
「憎しみだ。人は復讐を正義のように語るが、復讐はちょっといいスーツを着た憎しみさ」
黒人の父親、白人の父親、惨殺された息子たち――
血の弔いが幕を開ける。
後悔、悲嘆、憎悪、復讐・・・亡き息子たちへの懺悔と非情な暴力への怒りが壮絶に描かれ、読んでる内に感情移入してしまう恐ろしい作品でした
何より登場人物の圧倒的なキャラクター性が魅力的で、ハードボイルドなオヤジたちの最期を覚悟した復讐劇に痺れました
一つ一つのやり取りの情景が目の前に映し出されるように鮮明に浮かび、手に汗握る大立ち回り!何よりクライマックスは・・・!是非ご自分の目でお確かめ下さい!!
(そのまま脚本にもなりそうだし、映画化 -
Posted by ブクログ
英国競馬の聖地、ニューマーケットで発生した厩舎火災。犠牲となった名馬の馬主の依頼で、危機管理コンサルタントの私が調査に派遣された。焼けた厩舎は高名な調教師一家のものだったが、カリスマ調教師だった父のもと、三人の息子たちがいがみあう地雷原のような一族であった。ほどなくして火災の焼け跡から人間の遺体が発見され、それは問題児として疎まれていた末の娘のものであると判明した。そしてさらなる死が。
なぜ厩舎は焼かれなければならなかったのか? 長年にわたって音信不通だった問題児ゾーイはなぜ帰郷し、遺体で発見されたのか? 殺人者は一族にの中にいるのか? 調査を進める私にも危険はふりかかった――。
文春文庫 -
Posted by ブクログ
S・A・コスビーのデビュー作。
田舎町で葬儀社に勤める元海兵隊で元保安官補のネイサンは、イーソー・ワトキンス牧師死亡の調査を信徒から依頼される。表向きは自殺と噂されるが、腐敗した保安官事務所は詳細を語ろうとせず何か怪しい。調査を進めると、牧師周辺のきな臭い関係が明らかになってくる。
デビュー作だけあり、コスビー作品のエッセンスが濃縮されている。片田舎の中だけで物事が進むので物語のスケール感は小さく、後の作品で見られる社会問題まで盛り込むストーリーの深みみたいなものはあまりない印象で、わりとサラッと読めてしまうのだが、展開の面白さはさすが。ネイサンの相棒スカンクがあまりにも無敵で、都合の良い便