加賀山卓朗のレビュー一覧
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シッド・ハレーは誰のもの?
本作に隠された最重要なテーマはこれだと思われる
本作はイギリスが生んだ冒険小説の巨匠ディック・フランシスの競馬シリーズを次男であるフレデリック・フランシスが受け継いだシリーズの(邦訳の)4作目にあたる
さて冒頭の問いに戻ろう
シッド・ハレーとは様々なヒーローが登場する本シリーズにおいて、父フレデリック、息子フランシスそのどちらの執筆作品でも最多の登場回数を誇る隻腕の元チャンピオンジョッキーで、もちろんシリーズで最も人気のあるキャラクターであると言っていい
古き良き英国の冒険小説の主人公とはかくあるべしを体現する不屈のヒーローである
この人物はいったい誰のものな -
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失われた左手を移植手術で取り戻したシッド・ハレーだったが、新たな手を得たことで夫婦関係に深刻な亀裂が走ることになった。失意の日々のなか、騎手時代からの知人から、競馬の公正性を脅かす問題が生じているという命がけの告発が届いた。競馬界のルールの隙を突く企みゆえ、監督機関も容易に手が出せない。そんな敵をいかにして追いつめればよいのか?
移植された左手との「関係」に悩みながら敵の攻撃に立ちむかうシッドは、長年の相棒チコとともに古城での決戦に向かう――。
新・競馬シリーズ翻訳第4弾。文春文庫としては3冊目。そしてシッド・ハレー登場作としては通算第6作。とにかく新作が読めれば満足なのです。 -
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レイチェルの登場からすでに何かが始まっており、ジェイコブは何かの裁判の傍聴をしているところから始まる冒頭。
犯罪学者レオノーラも同じ事件を追ってるようだけど、この背景もまたややこしい。それだけじゃなく登場人物全員が複雑な背景を背負ってて、誰が何をしたか(みんな何かしてるので)整理するのにメモが必須です。
レイチェルとトルーマン一家の関係は相変わらず強さを感じるし、ジェイコブの行儀のいいそそっかしさは愛らしいと思います。前作も登場人物が多かった記憶があるので、ちょっともう一回読み直したい気持ちになりました。
情報くれる噂好きのグリゼルダって女性は前も出てきたかな。割と気になるキャストです。 -
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【新・競馬シリーズ】左腕を移植手術した元騎手シッド・ハレーが競馬界の不正疑惑を調べる探偵譚 #勝機
■あらすじ
左手を移植手術した元騎手シッド・ハレー。彼のもとに騎手時代の知人、現在は調教師であるゲイリイから相談を受ける。どうやら競馬界で問題が起きており、彼自身も危険な状況らしい。シッドは現役の調教師、騎手などに不正の事実があるか聞き込み調査を始めていく…
■きっと読みたくなるレビュー
フランシス親子の競馬シリーズ。存在は知っていて、ずっーと読みたかったのですが、やっと読む機会ができました。本作はフェリックス・フランシスの新・競馬シリーズの第3弾。誇り高きイギリス競馬界を舞台に綴られる物語 -
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息子たちが殺された。守るもの、守るべきものだった、親の情愛と慚愧・深い悔恨に突き動かされて父親たちは命を懸ける。
二人の息子が拳銃で撃たれて死んだ。黒人のアイザック(アイク)の息子アイザイア、同性婚の相手白人のデレク。同性を恋人と呼ぶ二人の生き方を父親たちは許さなかった。アイクは結婚の許しを請うアイザイアを締め出してしまった。ドアを閉めた時の怒りの音が今も耳に残っている。
デレクの父バディ・リーは息子の墓が荒らされたことが許せなかった。悲しみと憤怒でアイクに復讐を持ちかける。
彼は無気力にトレーラーハウスに住んでいたが悲しみのどん底から立ち上がろうと思う。病身をおしてアイクを訪ねてくる。
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ネタバレ煌びやかなクラブ、音楽と酒、マリファナが飛び交う1930〜60年代の狂騒のアメリカはニューヨークが舞台。
裏であって裏でないぐらいにはびこる麻薬ビジネス。どこもかしこも、誰も彼もが退廃的に暮らしているように見えるが、そこにはあちら側に行ってしまう者とこちら側に踏みとどまる者のうっすらとした線引きがある。
もうばりばりのジェイムズ・エルロイの世界観。
冒頭、主人公クライド・″ヴァイパー″・モートンは、人生で3人目の殺人を犯してしまったことを読者へ告げるシーンで始まる。
素知らぬふりをして顔見知りの警官に通報を入れるも、酌量の余地は与えられず、3時間以内に街を出ろと言われるが、反するように馴染み -
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読みながら圧を感じる。
主人公の黒人保安官、タイタス・クラウンは悲惨な現実の前に、母の言葉を思い出し、神の言葉にもこう言ってのける。
「御言葉もそれを読む人間と同じくらい堕落していることに気づいた。旧約聖書も新約聖書も、ただの”ことば”にすぎない。」
差別をに向き合う?
そんな生易しいことは言ってられない。
神に祈る?
どんなに祈っても、母の命は救ってくれない。
現実はクソだ。それでも生きていかなければいけない。
戦わなければいけない。
そんな現実に逃げ出すものもいる。
愛する人を置いて。
それも理不尽なのだろうか。
答えはない。
この物語は神の福音か、悪の咆哮か。
タイタス・ク -