加賀山卓朗のレビュー一覧
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“あぁ”
読み終わると同時に出てくる言葉。
18世紀の不穏な社会情勢下でのロンドンとパリ、二人の青年と一人の女性、その周辺の人々が二つの都にまたがって繰り広げる、壮大なドラマは、CGのない全盛期のハリウッド映画のよう。
フランス革命へ飲み込まれていくさま、一つの時代の終わりに際し、もがくようにして生きる人たちと集まり勢いを増す人たちが渦を巻く。
19世紀イギリスの名作家ディケンズが晩年に描いた、暗く悲しく力強い物語。
映像的で細やかな情景描写
修辞法、比喩を効果的に用いた演出
登場する者たちの、魂からから溢れ出る言葉が、よむほどに襲いかかる。
フランス革命、血の粛清で荒れるパリの夜 -
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「また罪を犯してしまったよ、ハドリー」博士は言った。「また真実を見抜いてしまった」
はい、このミス海外2024年版の1位『頰に哀しみを刻め』と同3位『処刑台広場の女』(こちらは未読)の翻訳者であり、現在ひまわりめろんの中でプチブレイク中の加賀山卓郎さん
なんとあのジョン・ディクスン・カーの翻訳も手掛けていらっしゃいました
翻訳者さんで選書するのを「通」だと思っているワタクシですので、早速かの有名な『三つの棺』を読んでみましたよ!
(『処刑台広場の女』はまだ読みません、焦らすね〜)
もちろん海外古典本格好きのワタクシが『三つの棺』を読んでないわけがありませんので、一応再読ということになりま -
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すごい小説です。語彙量、筆力、描写力が圧倒的です。全てのエピソード、シーンが印象的です。
フランス革命の場面などには、残酷な描写がありますが、それが絵画的で美しいです。そしてそれゆえに冷たい恐ろしさを感じます。父娘の再会シーンや、カートンの告白シーンは感動的で、ロマンチックでもあります。ですがあまりにも描写がすごすぎて可笑しさもこみ上げてきます。そしてそれが過ぎるとまた感動がよみがえってくる感じです。
お気に入りの登場人物は、ジェリーです。愉快なキャラクターです。活躍の場面があるのですが、それゆえに悪事がばれてしまい、ロリーに叱られる場面はとても面白いです。また「へぇつくばる」かかあをバカ -
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いわずとしれたディケンズ初期代表作。運命に翻弄される孤児オリヴァーの波瀾万丈な少年時代、そして出生の秘密。
何度も映像化されていて見たことはないのだが、救貧院で薄粥のお代わりを求めるシーンが有名らしい。読んでみるとこれはひどい。貧民救済施設といえど、人を人間扱いしていないじゃないか!以下、当時の貧困層と弱者虐待の実態、低俗な人間の醜さが描かれ、作者ディケンズの痛烈な皮肉と風刺の切れ味がすさまじいほどに冴える。そのなかで前半はオリヴァーの逆境と克服が繰り返されるスリリングな展開が続き、先が気になって仕方なかった。
次第に集まってくる多くの登場人物たちの個性や配置が魅力的かつ巧妙だ。特に窃盗団 -
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あなたにとって大切な守りたいものは何だ!
自動車修理工場を営むボーレガードにとってそれは家族、友、仕事、工場、父から引き継いだ愛車ダスターだ
彼は大切なものを守るために過去に足を洗った犯罪に再び手を染めてしまう
大切なものを守るための最後の犯罪になるはずだった…
しかし、そこで歯車が狂い出す!
彼の大切なもの…
守ることができたもの…
守ることができなかったもの…
本作の魅了のひとつは登場人物
特に主人公のボーレガードはカッコイイ!
彼を取り巻く妻のキアやいとこで友のケルヴィンも魅力的だ
もうひとはアメ車
ビュイック、カマロ、ノヴァ、キャデラック…
しびれるアメ車が次々に登場
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1937年に発表された小説ということで、もはや古典といっていい作品のようですが、まったく古臭さを感じることなく(もちろん新訳版ということもあるでしょうが)、グイグイと読み進めることができました。
情報は小出しにされ、些細な疑問ですら解決しないまま物語は進んでいきます。これ、どういうことなのかな?とモヤモヤが払拭されないまま、次々と新たな事態に突入。更なる謎や疑問が追加される展開に、もう翻弄させられっぱなし。うまい。この絡みあった糸をはやく解きたくて、頁を捲る手がとまりませんでした。
舞台は現代なるも、題材が近世フランスの魔女裁判、ということで、独特の雰囲気が醸しだされています。日本の怪談話の -
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