あらすじ
フランスの暴政を嫌って渡英した亡命貴族のチャールズ・ダーネイ、人生に絶望した放蕩無頼の弁護士シドニー・カートン。二人の青年はともに、無実の罪で長年バスティーユに投獄されていたマネット医師の娘ルーシーに思いを寄せる。折りしも、パリでは革命の炎が燃え上がろうとしていた。時代の荒波に翻弄される三人の運命やいかに? 壮大な歴史ロマン、永遠の名作を新訳で贈る。
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Posted by ブクログ
私の最も好きな物語、今後更新されるとしても3番以内に君臨し続けること請け負いの作品である。
ミステリー小説の原点とも言われる『月長石』を書いたウィルキー・コリンズと実は仲が良かったというのは、後からロンドン旅行でチャールズ・ディケンズ博物館(ディケンズの生家)を訪れた際に知ったのだが、ディケンズもまたミステリーの伏線を張るのが得意なようだ。
本作はミステリーの要素(伏線の要素)、つまり、マネット医師がバスティーユ牢獄に囚われていて記憶が朦朧としているという設定、ダーネイがフランスから亡命してきた元貴族であるという設定、カートンとダーネイが異国人であるにも関わらず瓜二つであるという設定、カートンがルーシーに振られながらも一生の献身を誓う設定、どれもが最後の美しく悲しい結末に必要不可欠な要素だった。
舞台設定が1789年よりちょっと手前から始まっているのがまた良い。というのも、物語の途中になって1789年(フランス革命)に差しかかることで物語の流れを簡単に変える起爆剤にできる。
マネット医師は健全な市民でありながら王党派(国・貴族)の敵として被害を受けたが、フランス革命後は健全な元貴族ダーネイがマネット医師と立場逆転となる構造も美しい。
自分の娘の夫となったダーネイを救おうと尽力したのに、かつての自分が獄中で書いた手記がダーネイの処刑を決定づけるという残酷な展開もとんでもない。
カートンと同じ状況で、カートンと同じ行動を起こす人間が果たして存在するだろうか。
自分の愛した女性が、すでに人妻になっており、一生自分のものにならないことはわかってる。自分は死んでしまうからみんなが自分に感謝し、悲しんでくれるシーンは見ることができない。そもそも自分は全く関係のない罪でギロチン処刑されるという事実に耐えられるだろうか?どれだけ愛した女性でも、命と引き換えにそれを証明できる人間がいるだろうか?
カートンがダメ人間であるという描写が多いがゆえに、最後のカートンのこの美徳が輝く。
今でも覚えているが、初めて『二都物語』を読んでいた私は終盤の終盤まで結末を予想できず、カートンがダーネイと衣服交換するあたりでようやく事態を理解し、混乱と感動が許容量をオーバーし、涙が溢れた。
そして今回、再読した私は結末を知っているが故に、カートンの一挙手一投足が愛おしく思え、カートンがパリにやってきたあたりからもう泣きそうだった。結末を知っていても涙を抑えられなかった。
Posted by ブクログ
ディケンズ は『クリスマス・キャロル』を除いて長篇が多くて敬遠していましたが、愛憎入り乱れた物語は、よく練られたストーリー展開と伏線回収など、とても引き込まれる内容でした。また、挿絵も物語の雰囲気を感じられて良かったです。
本作は、夏目漱石『二百十日』など、たまに他の小説などに引用されていて気になっていました。ただ、背景にフランス革命がある関係で、勝手に多くの残酷なシーンを想像。それは、読後に杞憂だったとほっとしてますが、悲劇には変わりないですけどね。フランス革命関連としては、怖い絵シリーズなどの新書が有名な中野京子の小説『ヴァレンヌ逃亡』のように、手に汗握る歴史小説も好きですが、このようなエンタメ感がありつつ緊張感のある時代小説もいいなと思いました。
あらすじ:
「あれは最良の時代であり、最悪の時代だった。」フランス革命に至るまでの世相について、端的に表した冒頭から始まります。
物語は、バスティーユ監獄に収監されていたフランス人のアレクサンドル・マネット医師とその娘ルーシー、フランス貴族出身ながらイギリスに亡命したチャールズ・ダーネイと、彼が亡命時にスパイ容疑にかけられた裁判から救ったシドニー・カートンの四人を中心に進みます。ルーシーをめぐり、廃人同様になっていたマネット医師との再会と再生、ダーネイとの結婚、その影で身を引くことを選んだカートン。一方、パリの居酒屋では、革命の狼煙を上げるべく不穏な動きが台頭。
ついに革命は起こり、その余波は、貴族でもないダーネイの元使用人に及ぶにいたり、ダーネイは彼の窮地を救うため再びパリに渡りますが……。
と、ここからハラハラする展開になっていきますが、その前にダーネイはいつルーシーに告ったのだろう?と、記憶にないので読み飛ばしたのかと思いつつ、ラストで回想シーンとかあるはずと読み進めました。結果、そのようなシーンは無かったし、半分ほど戻って読み直したりした時間がなんだかなぁと。ちょっとモヤモヤしましたが、著者なりの考えを少し勘ぐってしまいました。
ルーシーとカートンの会話の方は、特にP265の9行目から12行目を読むと、ルーシーからはカートンも“あり“なことがわかりますが、それでは物語にならないので、この展開しかないのかな。カートンにとって救いなのは、P588の8行目の娘のルーシーの発言……これには感情を揺さぶられてグッときましたね。読後は、自己犠牲の物語としては、SFで内容は全く異なるジェイムズ・ティプトリー・ジュニア『たったひとつの冴えたやりかた』の読後感に似たやるせないものを感じつつ、これも名作だなと思いました。
訳者はあとがきでディケンズ の訳業の難しさを語っており、序盤こそ窺い知ることができますが、全体的にはとても読みやすく感じたので、訳者の訳業に感謝ですね。例えば、銀行家のローリー氏が使い走りのクランチャー氏に対し、目の届かないときに何をしているかを問われた会話の場面。申し開きをするクランチャー氏の困惑した様子が目に浮かぶようで上手いなと思いました。
ところで、最近の若い女性の間で編み物が流行っているみたいですが、彼女らは作中の女性たちのように、はたして断頭台の近くで落ち着いて編み物をしていられるだろうか?と、ふと怖いことを思ったりもしたのでした。
Posted by ブクログ
フランス革命前夜から革命に至るまでの人間ドラマを描いたディケンズの感動巨篇。フランス・パリとイギリス・ロンドンの二都を舞台として、バスティーユから釈放された老医師の家族を中心に物語が進んでいく
フランスへのスパイ行為で告発された青年ダーネイと、人生に絶望した無頼の弁護士カートンが、医師の娘ルーシーに恋心を寄せていく
結局ダーネイがルーシーと結婚し、暫しの間ソーホーのこだまが響く家で幸せな生活を送る
しかしフランス革命が起き、物語は急速に展開していく…
中盤の、精気を取り戻したマネット医師がルーシーを愛し幸せに暮らしているところや、「家族の親愛なる友人」であるローリー氏と家族の絡みなど、心温まる描写が多かった。
一方で、ダーネイ裁判の弁護士であったストライヴァー氏の同僚・カートンが、これまでの落ちぶれた人生から再起するための「魂がすがりつく最後の夢」であったルーシーに自らの胸の内をさらけ出し、ルーシー家族のために全てを捧げると誓うシーンなどは大変心動かされた
終盤、どうしようもなくなったかのように思えた中での「彼」の行動はとてつもなく感動した
登場人物それぞれがそれぞれの信念・想いをもって真剣に自らの人生を生きているところが、「最良の時代であり、最悪の時代」でもあった当時の状況を思わされ、私の人生にもある種の活気が与えられたような気がする
Posted by ブクログ
フランス革命時のパリとロンドンを舞台に法廷劇、復讐、諜報などミステリーとしての面白さも存分に味わえる659ページ。抑圧する側の残酷さ、革命時の大衆の恐怖、情景の映画的描写が印象的。複雑な人間関係はネットの相関図が便利。必読の名作
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“あぁ”
読み終わると同時に出てくる言葉。
18世紀の不穏な社会情勢下でのロンドンとパリ、二人の青年と一人の女性、その周辺の人々が二つの都にまたがって繰り広げる、壮大なドラマは、CGのない全盛期のハリウッド映画のよう。
フランス革命へ飲み込まれていくさま、一つの時代の終わりに際し、もがくようにして生きる人たちと集まり勢いを増す人たちが渦を巻く。
19世紀イギリスの名作家ディケンズが晩年に描いた、暗く悲しく力強い物語。
映像的で細やかな情景描写
修辞法、比喩を効果的に用いた演出
登場する者たちの、魂からから溢れ出る言葉が、よむほどに襲いかかる。
フランス革命、血の粛清で荒れるパリの夜の街をひとり彷徨うカートンがつぶやく、また、断頭台に向かう名も知らぬお針子にキスをして、カートンがささやく、
“我は復活なり、生命なり”
Posted by ブクログ
すごい小説です。語彙量、筆力、描写力が圧倒的です。全てのエピソード、シーンが印象的です。
フランス革命の場面などには、残酷な描写がありますが、それが絵画的で美しいです。そしてそれゆえに冷たい恐ろしさを感じます。父娘の再会シーンや、カートンの告白シーンは感動的で、ロマンチックでもあります。ですがあまりにも描写がすごすぎて可笑しさもこみ上げてきます。そしてそれが過ぎるとまた感動がよみがえってくる感じです。
お気に入りの登場人物は、ジェリーです。愉快なキャラクターです。活躍の場面があるのですが、それゆえに悪事がばれてしまい、ロリーに叱られる場面はとても面白いです。また「へぇつくばる」かかあをバカにしていたのに、最終的には自分が「へぇつくばるよ」と言っているのが面白い。
序盤のエピソードが、終盤に絡んでくる展開も素晴らしいですが、やはり描写がすごいです。物事のそれ自体の周辺をぐるぐると描写しているうちに、その本質が徐々に浮かび上がってきます。直接そのものを描写するより、重層的に感じられて、エピソードやシーンがより印象的でした。すごい小説です。
Posted by ブクログ
初ディケンズ。もっと古くて歴史の匂いを感じる本かと思ったら、二つの都市を舞台に、銀行のカビ臭いいかめしさ、街の喧騒、登場人物の描写と会話が生き生きとしてて温かさと愛にあふれており、あっという間に読めてしまった。フランス革命は実際に圧倒的な民衆の怒りとうねりであの空気感だったのだろうけど、理不尽な裁判、ギロチンの非情さが際立っていて、特に革命の時の勇ましいドファルジュ夫人がダーネイに対しては冷たく残酷で、そういう場面と雰囲気に読んでて一喜一憂する。
ダーネイとルーシーの愛よりは、お針子とシドニーの無垢で気高い魂が印象的だった。
Posted by ブクログ
タイトルの地味さとは裏腹に、物凄くスケールの大きな大河ドラマ。一大エンターテイメント。
勧善懲悪なんだけど、根底に民衆の本物の苦しみがあるからこそ、その中での愛や助け合いや勇気が輝くのだと感じる。
割とかっちりした辻褄合わせとか、現代的な感じ。漫画化したりして今の若者にも読んでほしい。
Posted by ブクログ
ミュージカルや演劇を何度も観るよりこの本一冊でその何倍もの感動を体験できると思う。
こぼれたワインを舐めとる様子や、ゴルゴンの首に出てくる侯爵の館など、惹きつけられる描写が多く、形や色彩や音を伴って感覚に訴えてくる作品だった。
Posted by ブクログ
まず掴みの馬車シーンからしてダイナミックで面白く、音や映像的なイメージの使い方もうまい。映画的なシーンが多々。クライマックスへ向かう高め方、回収の仕方も素晴らしい。手練だわ、ディケンズすごいわーと改めて思わされる。
私は女の対決シーンが特に面白かった。
いやー、「人間を描く」とはこういうことだよね。
Posted by ブクログ
フランス革命下のロンドンとパリを舞台にしたお話
ヒロイン描写がかなりすごいが
冗舌なようでもわきまえた表現がさすが
娯楽小説な筋書きでありながら
時代絵巻の拡がりは
文章で表現する小説ならではの小説らしい小説
Posted by ブクログ
こういう作風に慣れていないので、ハマるまで時間がかかったが、ハマってからははらはらしながら読んだ。
フランス革命時のパリ市民の様子は授業ではよくわからなかったが、こんな感じの印象だったんだなぁ、と歴史の勉強もできた気がする笑
まさかダーネイとカートンの顔が似てることが最後の最後でそうなるとは…!!
カートンが全部持ってった……
自らの死と引き換えに永遠に愛する者の中で生き続けることを選んだんたね……!
自己犠牲の愛を貫いて、聖書の一節のように彼は永遠の命を得たんだろう。
Posted by ブクログ
新潮文庫では、佐々木直次郎訳→中野好夫訳→加賀山卓朗訳(本書)と、3つの版が出版されてきたが、本書は非常に丁寧な良訳で感動した。
特にカートンの言葉づかいがすごく良い。彼の話す一言一言に、彼がどんな人間かがにじみ出ている。カートンの登場場面はいつでも胸がつまった。
あとがきを読むと、原文の構成や解釈、過去に出版された邦訳の訳文など丹念に研究した様子がうかがえ、特に最終章の”歴史的現在”をきちんと生かした訳になっているのが素晴らしい。中野訳ではこの部分が破壊され、抑制した中ににじむ感情の高まりや物語全体の余韻を全く感じることができず、佐々木訳に比べて非常な物足りなさを感じていた。
大好きな物語を素晴らしい訳で再び読めるほど嬉しいことはない。新訳刊行を心から喜びたい。(2016.2.24)
Posted by ブクログ
▼ディケンズって読んだことなかったんです。ご縁がなくて。ミュージカル映画になった「オリバー!」は、何故か少年時代に何度も観たんですけれど。ディケンズって1812-1870なんですよね。イギリス人。「二都物語」は1859。大まか1838-1861くらいに、ベストセラー作家だった。フランスで言うとフローベールと同時代。バルザックが、ふたりより10年くらい早いか。
▼つまりは、小説が「まあ、2023年現在の人が翻訳で読んでも、かろうじてエンタメだとも言えそうな感じになった」という状況の、まあ大まかに言うと第一集団、と言っていいと思います。しかもなんでだか、(まあ理由ははっきりしてるとも言えるけれど) 英、仏、米、露、なんですよね。
(ディケンズ1812-1870。
ブロンテ姉妹1816-1855。
コナン・ドイル1859-1930。
バルザック1799-1850。
ユーゴ―1802-1885。
フローベール1821-1880。
ドストエフスキー1821-1881。
トルストイ1828-1910。
オルコット1832-1888。
マーク・トウェイン1835-1910。
ちなみに夏目漱石1867-1916。)
▼二都物語は、1789年くらいからのフランス革命が背景になっている、まあ歴史小説です。書いたのはイギリス人。書かれたのが1859なんで、70年前の出来事。
2023年の日本で、1953年‥‥「朝鮮戦争の終戦」を背景に、日本人と韓国人が出る小説を書いた、みたいな感じでしょうか。
▼備忘的に言うと、
・ルーシー(女)ヒロイン。フランスの、医師の娘だった。けど、革命前の圧政の時代に父が冤罪で投獄され、ルーシーは縁を頼ってロンドンで育った。
・ダーニー(男)ロンドンで暮らす。フランスの亡命貴族。亡命貴族だけどちゃんとしてて(笑)、仏語を教えたりしてちゃんと自活してる。ルーシーに惚れて結婚する。
・カートン(男)ロンドンの法曹界で下っ端仕事をしている、一応インテリな若者。ひねくれた人生観と、ルーシーへの純愛と、ダーニーへの友情を持っている。
まあこの三人の、ドリカム状態三角関係がいちばんの主題です(ほんとうか?)。
▼時代で言うと、
・フランス革命の前
ルーシーが、フランスに行って、冤罪の父を救う。救って一緒にロンドンに逃げる。めでたしめでたし。王政の圧、残酷さが背景に描かれる。
・時は流れて。ザ・フランス革命の年
(ルーシーはダーニーと結婚している。ロンドンで幸せに暮らしている)
フランスでは革命が起こる。正義、ではなくて、カオスが描かれる。つるし上げ、テロ、糾弾。貴族とかはとにかく一律、ギロチン送りだ!・・・。さて、ダーニーは元貴族。元の領地?で家来とか?が、「革命騒ぎでえらいこっちゃで、ダーニーさんに〇〇を証言してもらわないと、俺が処刑されちゃうよ」みたいなことがあって、お坊ちゃんのダーニーは、カオスのパリにやってくる。
当然逮捕されて、裁判にかけられて、まあともあれ死罪確定。ギロチンですね。さらに言うと、衝撃の因縁が暴かれる。
【ルーシーの父(フランス人の父)が、革命前に、冤罪で投獄されて苦しんだ原因は、ダーニーの血族(貴族)にあった】
というものです。金田一耕助的な過去の衝撃です。
というわけで死刑を待つダーニー。妻ルーシーも(子供も)パリに来て、獄の外で泣いている。なんだけど、直前に親友のカートンが、やっぱりロンドンからパリにやってくる。それでもって、このカートン君が、「獄を訪れる。そして、親友を眠らせて入れ替わる」という荒業を行って、カートンがギロチンで死ぬ。ダーニーは、妻ルーシーのもとへ無事帰還。
(カートンの動機は、大まかルーシーへの無償の純愛)
・・・というのがお話です。
▼なかなかに、ケレンに満ちてドラマチックで、(文体は19世紀前半だなあ、みたいなこてこて感が強くて古典臭満載ですが)けっこう流れを掴めるとエンタメです。さすが、です。
あと、印象に残ったのが三つ。
1 という物語を、イギリスの、ロンドンの銀行員のオジサンが大まかずーっと見守ります。この人の、ビジネスマンでありつつ、人間味がある、という距離感の在り方が、実にイングランド的というか、資本主義的で滋味深い。英国紳士感。
2 と言う物語を全般、脇役で彩る、パリの貧民街の飲食店の夫婦がいる。「レミゼラブル」に出てくるずるがしこいテナルディエ夫婦みたいな。猥雑で、強烈で、下品で、強い。このふたりが、革命の暴動の先頭に立つ。そして、アンシャンレジームの、絶対王政の時代に悲しい暴虐を受けた過去を持っている。恨みはたっぷりなんです。つまり、革命のカオスと暴力を正当化する極の存在。
3 パリ、という町が革命の時期(1790年前後とか)には「恐ろしく不潔で汚かった」ということ。これはなんだかもう、すごい匂いたつような描写・・・。一方でロンドンは、そうでもない。
(その後、1840年代とかに、ナポレオン三世が、ロンドンで亡命暮らしをしていて。ロンドンが好きだった。パリに入って皇帝になって、「不潔でどうしようもないパリを、ロンドンみたいにしたい」という思いで、大まか1850年代、1860年代くらいにパリ大改造をした。そこで今の美都パリが作られたってことだそうで)
▼今年は、「ルイ14世から、第2次大戦終わりくらいまでのヨーロッパあるいは世界の歴史を、パリ、あるいはフランス・・・という切り口あるいはその周辺でできるだけ楽しむ。知る。」というお題で読書をしていまして。
「まんが世界の歴史13 第1次世界大戦とロシアの革命」
「太陽王ルイ14世」
「異邦人」
「アルセーヌ・ルパンのシリーズ」
「ナポレオン フーシェ タレーラン」
「イギリスの歴史が2時間でわかる本」
「贖罪」
そして、「二都物語」もその流れで、読もう!と決意したもの。
恐らく来年までかかって、
「怪帝 ナポレオン三世」
とか
第一次世界大戦についての本とか、
ショパンについての本とか、
ナチスの本とか、読みたいなあと。
最終的には「パリは燃えているか?」でゴールしたいなあ。
わくわく。
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フランス革命下のパリとロンドンを舞台にした小説。
前半は少々かったるいが、後半の息もつかせぬ目まぐるしい展開は素晴らしい。何と言ってもパリの街全体の狂気に満ち溢れた描写の物凄いこと。ブラックなジョークには思わずニヤリとしてしまう。
全編において重く苦しい展開が続くので少々読み通すのがきついが、一冊読み通した上でのあの素晴らしいラストは胸を打つ。
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激動のパリとロンドン。海峡を挟む二つの国を仕事場とし住処とする人々。
幸せなチャールズとルーシー以上に心に残るのはシドニー・カートン、彼が選んだ道は彼自身が一番幸せな道だったと信じる。
Posted by ブクログ
母親にはじめて買ってもらった文庫本(のひとつ)。旺文社文庫だった。表紙はほぼ同じで、こちらはカラーになっている。あまり面白かった記憶はなく、読み終えたかどうかも定かではない。
今回、新訳ということもあり、懐かしくなって読んでみた。けっこう面白いじゃないですか!! なんとなく結末がわかっていても、思ってもみなかった伏線がつながってくる快感と、後半に向けて尻上がりに加速するスピード感が素晴らしい。ディケンズにしてはコンパクトなサイズも、話が広がりすぎずよい。名作。
Posted by ブクログ
ストーリー展開がバラバラで、何がどう繋がるのか不明なまま数百頁を読み進めるのは辛い。後半部分になって、個別の展開が全て繋がってくるとあとは一直線。
新訳の日本文であっても、読みにくい箇所がしばしば出てくる。特に自然描写の箇所など。多分もともとディケンズの文章自体が、修飾語や関係代名詞が長々と使われていたり、主語と述語の関係もおやっ?と思わすところがあるのかもしれない。
やはり一度は、言語で読んでみたい。
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シドニー!
前知識なく読み始めてフランス革命が舞台と知る。
ロンドンとフランスの。イギリス人とフランス人の。
アガサ・クリスティの「バグダッドの秘密」からの。
シドニーの言葉が優しい。
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古典読書。タイトル以外は予備知識なしで読み始めた。ロンドンとパリを舞台にした歴史小説で、本人の言葉からは歴史考証もこだわったと思われる。フランス革命が起こったときの実際の雰囲気を味わえる。教科書ではただの暗記になることも小説で読むと登場人物に寄り添った疑似体験になるため今までとは違った視点を得られた。ただ前半散りばめられた登場人物の経歴が終盤に次々ときれいにハマっていくミステリ的な要素が強いので、純粋な歴史小説とは言えない面もある。ただそれがドラマチックな展開を引き出しているので、本書はフィクションとノンフィクションどちらの側面でも読み応えのあるものになっている。
Posted by ブクログ
舞台はロンドンとパリ、すなわち二つの都市の出来事を交互に描いた作品だが、本作のパリはフランス革命が起きた時代で、チャールズ・ダーネイ、シドニー・カートン、そしてルーシーの三人を主軸にしたロマン小説。革命により、フランスの人々は血みどろの争いをして、敵対する者に容赦ない仕打ちをした。このように、本作は子どもではなく、大人を主人公した比較的暗い雰囲気の話である。
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フランス革命中のロンドンとパリ、二つの都市を舞台にした作品。ディケンズの後期作品らしい暗さや凄惨さが印象的だった。
ディケンズの作品は自伝的要素が強い前期作品よりも、社会的要素が強い後期作品の方が好きだけど、『荒涼館』や『大いなる遺産』の方がエンタメ性が強いかも…という印象。ただ、人物描写や記憶に残る特徴的な人物像はさすがディケンズと思った。特にルーシーの召使いでパワフルなミス・プロスが好き。あとカートンが良いやつすぎて泣ける。好きな人も諦めて、代わりに処刑台に立つなんて実際にできる人いないのでは…?
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ミュージカル版を観に行けなかったので、原作でも読んでみようと。ミュージカル版と比べられないのが悔しい!かなり分量あり、古典の名作ということでハードルは高かったかな…。ざーっと流して読んだからかもしれないけど、そこまでダーネイとカートンの関係が色濃く描かれてなかったような…?
Posted by ブクログ
原文は知らずだが、装飾の多い文章で読みにくい。急な場面展開でわかりにくい。訳者あとがきによると「ひとつのイメージから別のイメージをどんどんつなげて息の長い文章を綴る饒舌体」が特徴のようだ。ドラマチックな話ではあるが、すごく感動するまでには至らず。
初ディケンズ。これはそれまでの大きな特徴であったユーモアが抑え気味になった後期の作品だそうだ。ならば前期の作品も読まないとディケンズは語れない。
Posted by ブクログ
18世紀、フランス革命を背景にフランスとイギリス二つの街で時代に翻弄された人々の話。読んだきっかけはダークナイトトリロジー3作目の「ダークナイトライジング」が二都物語をモチーフにしている、とノーラン監督が言ってたので気になったから。市民たちが暴走し、貴族や市民を裁判にかけるシーンがあるんだけどライジングで「そういえばスケアクロウが裁判してたなあ!あれここから来てたんか!」とか思い出して、ライジングも一緒に甦ってきて楽しかった。フランス革命といえばベルばら、レ・ミゼラブル(トム・フーパー版)のイメージだったので漫画と歌で少々ぼかされていた市民たちのとんでもなく貧しい暮らしや、それにぶちギレた市民たちによる血で血を洗う大殺戮なんかがしっかりと、でも詩的な言い回しで進んでいくので気分はめちゃめちゃ最悪なんだけどそこまで凹まずに知ることができた。時代が時代なので、女性への当たりがキツかったりするのであんまり声を張っておすすめはできないけど、カートンの告白シーンを初めとするルーシー、ダーニー、カートンの三角関係や、ルーシー父の錯乱シーン、ダーニーの裁判、ミス・プロスとドファルジュ夫人の一騎討ち(これ、死の秘宝のベラトリックスとモリーの対決くらい好きになった。つかオマージュしてる???)など、基本みんなの立ち位置が辛いしキツいししんどいけどそれぞれ見せ場がとてもおもしろいし手に汗握る。
カートンの、究極に身も心も美しい者(ルーシー)の前で勝手に己を悔い改めてしまう描写がすごくツボというか性癖だった。美しい存在に、純粋な光に、自分の醜い部分も含めた何もかもを露にされてしまうとき、それを受け入れたり、また逃げてしまったりする所に、私は人間って生物の良さを感じる。
Posted by ブクログ
【ネット要約読み】
物語の時代背景:1775年〜
(1789年〜 フランス革命)
ロンドンとパリの2都市を舞台とした、
フランス革命前後を描く物語。
有名どころを読んだことがなかったので。
当時のフランスの格差社会などが分かる本。