【感想・ネタバレ】火刑法廷〔新訳版〕のレビュー

あらすじ

広大な敷地を所有するデスパード家の当主が急死。その夜、当主の寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿だった。その婦人は壁を通り抜けて消えてしまう……伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人の手を借りて埋葬された遺体の発掘を試みる。だが、密閉された地下の霊廟から遺体は跡形もなく消え失せていたのだ! 無気味な雰囲気を孕んで展開するミステリの一級品

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Posted by ブクログ

ネタバレ

2024年のベストミステリはこれかもしれません。面白かったー!と素直に言える本に、久々に出会いました。

翻訳ミステリを読むのが久しぶりなこともあり、正直序盤は誰が誰だ?と半ばうつらうつらしながら読んでいたのですが、
「スティーヴンズは自分の妻の写真を見ていた。」
の部分でハッと目が覚め、そこからグイグイ引き込まれていきました。
加賀山卓朗さんの訳もオシャレで、ザ・翻訳小説な雰囲気を味わえたのもよかったです。ストリキニーネ、ベロナールなどクリスティーでおなじみの薬品が出てきたのも。笑

この本については以前から”オカルト的要素”の足し方が秀逸、といったことを聞きかじっていたので、もしかしてラストも”超自然”で片付いてしまうのかしら……と密かに心配していました。
ところが、探偵役の登場で「幽霊の正体見たり……」とばかりにそれまでの超自然現象に説明がつき、立派な本格小説だ、と満足して本を閉じようとしたところにあのラスト5ページですよ。
99%クロな容疑が晴れていく『杉の柩』を思い出していただけに、このエピローグによってみるみる世界が信じられなくなるのを感じました。

クセ強な名探偵として華々しく登場し、去っていったゴーダン・クロス。
カーの他の作品では、どんな名探偵が現れるのでしょうか。
ミステリにひと匙の怪奇要素を求める方には、ぜひオススメしたい一冊です。

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2024年12月22日

Posted by ブクログ

冒頭の掴み方がすごい。
この冒頭部分は裏表紙のあらすじには書いてないのでここでも書くのはやめておきます。
最初のたった20ページくらいでもうガッツリ掴まれて、先が読みたくてたまらなくなる。
登場人物と一緒に「えっ!?」と驚いて固まってしまった。

裏表紙あらすじから少し。
伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人達と埋葬された遺体の発掘を試みる。
だが、密閉された地下の霊廟の遺体は…

全体的に不気味で仄暗い感じ。
読んでいると物語の中に入り込んでしまうような没入感があり、登場人物達と一緒にゾクゾクしながら体験した。

オカルトは好きではないんだけど、この作品はオカルトと本格ミステリーの配合が絶妙!!
オカルト好きも本格ミステリー好きも両方が楽しめる最高な作品だった。

冒頭もグッと掴まれて面白いけど、ラストはもっと掴まれてしまった…。さすがディクスン・カー。

今までオカルトは胡散臭さが苦手だったけど、ディクスン・カーの描くオカルトはそれを感じずに楽しめた。

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2024年10月10日

Posted by ブクログ

読後感は随一でした。エピローグが本作の魅力を決定づけ、思いもよらない結末に衝撃が走ります。
ミステリーなのかホラーなのか、はたまたオカルトなのか。色々な要素があり、様々な解釈や楽しみ方をさせてくれる本作はやはり素晴らしい作品であると思いました。
詳しくは書けない作品の一つではありますが一読の価値はあると思います。

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2023年11月04日

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構成され切った本格ミステリ。

として完成されていること自体が、伏線。ラスト5ページで世界を一変させる。

「ラスト1行の衝撃」や「ラストで絶対騙される」的な煽り文句は、昔から多いけれど。「火刑法廷」ほど鮮やかに品よくひっくり返してくれるものがどれだけあるだろう。

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2023年02月17日

Posted by ブクログ

これは面白い!
読むまで法廷ものなのかと思ってました。汗。

壁を通り抜ける幽霊、死体の消失、伝説の毒殺魔…。要素がてんこ盛りで、登場人物はどの人も怪しいオーラ満点。雰囲気たっぷり!
そして、すべての謎を回収していく後半部と、ラストの素晴らしさよ。めちゃくちゃかっこいいミステリです。

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

1937年に発表された小説ということで、もはや古典といっていい作品のようですが、まったく古臭さを感じることなく(もちろん新訳版ということもあるでしょうが)、グイグイと読み進めることができました。

情報は小出しにされ、些細な疑問ですら解決しないまま物語は進んでいきます。これ、どういうことなのかな?とモヤモヤが払拭されないまま、次々と新たな事態に突入。更なる謎や疑問が追加される展開に、もう翻弄させられっぱなし。うまい。この絡みあった糸をはやく解きたくて、頁を捲る手がとまりませんでした。
舞台は現代なるも、題材が近世フランスの魔女裁判、ということで、独特の雰囲気が醸しだされています。日本の怪談話のように、不気味で、刺激的で、興味が駆り立てられる。先述のモヤモヤした展開と非常にマッチしていて、この独特の雰囲気を楽しむことができました。

そして何より、わずか5頁の最終章の存在感。こりゃ名作ですわ。

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2023年01月16日

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最初のどう見てもオカルトな事件が、ちゃんと論理的に解決されて、そして…という展開がとてもハリウッドのサスペンス映画っぽくて面白い!

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2022年08月08日

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ネタバレ

以前読んだときよりも面白い。
っていうか~読書会というきっかけがなければ再読はしなかったなぁ~。
なぜなら、……………

エピローグまで、読んだとき「え!」「あ?」って思ったという記憶があったから。
そんな思いはやっぱり再読の今回も…だから。

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2019年08月22日

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 探偵小説の巨匠、ディクスン・カーの作品。
 
 デスパード家当主マイルズ・デスパードが死亡した。かかりつけ医は自然死と判断したが、マークはマイルズの部屋の現状から、砒素による毒殺を疑う。果たして、確かにマイルズは砒素により殺されていたのである。
 ヘンダーソン夫人がマイルズの部屋を隙見したときに見た、無いはずのドアを抜ける不思議な女性と思しき人影、霊廟に埋葬されたはずのマイルズの遺体が消失するという事件、そして、エドワード・スティーヴンズの妻マリーと19世紀初頭の毒殺魔マリー・ドブレーとの関係。オカルティックな雰囲気に包まれた事件は、意外な様相を呈し始める。

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2018年08月13日

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ネタバレ

一冊目が合わなかったので違う作品にチャレンジ。こちらも有名な作品とのこと。個人的にこっちのほうがまだ読みやすかった!人名多いし愛称まで含まれるのでかなり混乱しちゃうけど。ミステリなのかと思いきやホラーというかオカルトで、でもちゃんとミステリ部分もある。ラストとかびっくりした。想像よりも面白くてホント良かった。

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2025年04月28日

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そうか、犯人はそこかぁ、あぁトリックはそうなっていたのかぁ、ふむふむふむ..........え?
という感じでした。

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2024年12月12日

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ネタバレ

冒頭から奇妙な符合がたて続き、それら全てが主人公の妻が犯人であることを示唆しており肝をひやす、というところまではよくできたミステリにおける、一種の定型だが、それだけではなくその奇妙な符合は全て彼の妻がすでに処刑された魔女であることを暗示しているように思われる、となっていて読者の心を掴む。
中盤では推理合戦が繰り広げられ、その過程でタイトルを意識したような、法廷尋問のようなくだりもあって、遊び心がある。
クライマックスで、探偵が謎解きし全てが実現可能なトリックとして解き明かされなーんだと思うのも束の間、最終的な結論としては、やはり魔女だったのか…?と思わせるようなものになっている。そんなことありえるか?と思い返す。彼の妻にはやはりアリバイはなく、しかし部屋の鍵はどうしたんだ?と考えたとき、作中の魔術に関する本の記述に思い至る。過去に不死者が鍵をすり抜けたというくだり。斯様に本作は、以前のところでサラッと出てきた一見無関係ながら興味深い記述が、読み進めると突然再浮上してピッタリと鍵穴におさまるような、奇術のような仕草が至るところに仕掛けられている。

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2023年10月11日

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ネタバレ

カーの不気味な雰囲気が存分に楽しめる作品だった。
推理小説かと思いきや、ホラー小説かな、これは。分類し難いところが既に洒落ている。


クロスが探偵役で登場したところから解決編がなかなか圧巻で、マリー視点のラスト素晴らしいの一言。
クロスの前世の魔女仲間がマリーで、現世でマリーに見つけてもらうために自身の顔写真を本に載せていたのはわかるけど、スティーブンズとゴーダンが結びついたのは偶然??ここがわからなかった。

仮面舞踏会や墓荒らしなどの場面はあるものの、全体的に重々しい、暗い雰囲気の作品だった。

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2022年11月27日

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カーの小説はどれも読み難いのが難点(私にとっては)だったけど、これは読みやすくて助かった。
冒頭からオカルト風味満載な雰囲気の中、ちゃんと合理的に解決できて安心した…けれども、終わり方がなんとも…
続けてM・R・ジェイムズが読みたくなったw

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2022年08月16日

Posted by ブクログ



 とてもとてもJ.D.カーらしい、凝りに凝ったオカルトミステリ。

 殺害現場からの犯人の消失、と霊廟からの死体の消失、というふたつの密室を軸に、犯人含めた登場人物たちの思惑が絡み合った推理合戦から、異様な雰囲気を増していく中盤がキャッチーで読み進めやすい分、真打ち登場とばかりに躍り出る探偵役のオーラが凄い。キワモノ。
 謎解き自体は正統なミステリで、これまで醸成されていた不気味な雰囲気が祓われるように晴れてーーいったと思ったら。そこからの揺り返しが凄い。

 真実は何処、というか、真実の軽さよ…


 ☆3.5

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2022年06月29日

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終盤まではオカルトが絡んだ推理小説で、おもしろいが特段目を引くものでもなかった。

しかし最終盤、最後の最後でこの本が名作と評されているわけが分かった。
この結末を忘れることはできないだろう。

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2022年03月21日

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火刑法廷は17世紀フランスで行われた裁判。登場するマリー・ドブレーは実在の毒殺魔と同名。デスパード家当主急死の謎を解くミステリー。最後の数ページでミステリーから怪奇に変わる。面白い。

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2025年05月22日

Posted by ブクログ

魔女やら幽霊やら、オカルト色満載の舞台で繰り広げられる密室殺人。結末で明かされる事実は、それまでの文章を細かくよく読んでいけば確かにそうだなと思えるもので、決して後出しの情報で進んでいくわけではない。(事件のトリックに関連しない部分で後出しの部分はあるが)

最終章をどのように読めばいいのか。超常現象の見せかけを打ち砕いてきたそれまでの章からは考えられない不思議な最終章。

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2020年06月21日

Posted by ブクログ

珍しく外国の小説を読んだ。ネットのお勧め小説だったかと思うが、期待を裏切らず面白い小説でした。
時代背景の違いや価値観の違いによる、洋書特有の違和感はあり感情移入は難しかったが、わかりやすいキャラクターやストーリーでその場の雰囲気が想像でき、オチには見事に騙されてしまいました。ミスリードに対する種明かしも納得のいくものでした。
また、エピローグで煙に巻くような後味の悪い終わり方をするので、それが苦手な方は注意してください。
あらすじとしては以下の通り。
主人公は編集者で仕事として、過去の犯罪を扱うノンフィクションの小説を渡される。そこには彼の妻とそっくりの、斬首刑となった犯罪者の写真が掲載されていた。
時を同じくして、彼の隣家で資産家の老人が亡くなるが、老人は毒殺された形跡がある。
使用された毒は、小説に出てきた妻と瓜二つの犯罪者が使用したものと同一であり…。

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2019年04月08日

Posted by ブクログ

非常によくできたミステリ。表向き見事に解決したかに思われる事件が、最後の短い章ですべて覆される。最後の章がなければ、これほど長く評価はされなかったかもしれない。

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2018年07月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

初カー。なんだろう、ミステリなんだけどオカルト要素が多くて新鮮だった。

今思い返せば、語り手となる主人公が冒頭職場で上司に指示をもらう場面があるんだけど、読者が実感を持って読める場面ってそれくらいかもしれない。もうそこにクロスという怪しい影が滑り込んでいるんだけど…
休日を過ごす別荘地に向かう電車で、自分たちが普段生活している現実世界から遠ざかって、もう後戻りできないんだろうなという感覚がすごくある。
事件現場は由緒ある家族の屋敷、霊廟、消えた死体、壁をすり抜ける幽霊…オカルト要素満載なんだけど、トリックは超現実的で、男女が起こしたくだらない殺人事件だった。
なんだろう、ただのミステリをオカルト要素でデコレーションしたという感じではないんだよな…主人公も含め全ての登場人物や環境がきれいな舞台装置になっているというか…なんか不思議な読み心地の小説だった。
また気が向いたらカーのミステリ読みたいな。

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2025年11月17日

Posted by ブクログ

密室トリックの第一人者であるカーの代表作であり、本格ミステリの中でも名作と言われている作品です。
しっかりしたトリックと無気味な雰囲気。
そして、どんでん返しまでありました。

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2024年12月28日

Posted by ブクログ

カーは『死者はよみがえる』『皇帝のかぎ煙草入れ』に続き3冊目。
端的に言うと私の好みではないかも… オカルトの説明が長くちょっと飽きてしまったのと、事件の解決の進みが遅め。ちょっと分かりにくい。
カーでは評判が1番良い/有名な作品なだけあり、なるほどと思う箇所は随所にあったが、総じての読後感はすっきりしなかったかな

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2024年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

手持ちの文庫本は表紙がクラシカルな雰囲気の女性のポートレートで登録されている表紙より好きだが、もはやポップとも言えるようなどんでん返しの本書には多少アニメっぽいイラストの方が合ってるのかもしれない。本作より後のクリスティ「蒼ざめた馬」がかなり好きで、本作もヘンダーソンが引用する昔の知人バリンジャーさんの「死んだ人間などちっとも怖くない、注意しなきゃいかんのは生きたろくでなしどもだ」という名言通り、怪奇現象を科学的に解明する話だろうと思いながら読み進めて説示までなかなか面白かったが、いきなり探偵役が倒れるあたりから収拾のつかない展開に。評決と言う短い終章でガラッとオカルトに揺り戻され、ここが本作の最大の魅力なんだろうけど、魑魅魍魎を斬る蒼ざめた馬のさっぱりとしたラストとは対照的。ツッコミを入れながら楽しむ作品のようです。鏡の前で手持ちの服をとっかえひっかえする若い女の子みたいにお洒落好きなおじいさん、殺されてかわいそう!「アクロイド殺し」で犯人が犯行当日あれだけの行動をとるのは忙しすぎて時間が足りず無理、との指摘を読んだことがあるが、本作の死体消失トリックも相当際どい短時間決戦。看護師は確かに正妻に罪を着せようと試みたり人が悪いかもしれないけれど過去の経緯は気の毒なところもあるし、「本当は罪を犯していない」のに終身刑ってかわいそう。いつの間にかゴーダン・クロス殺人事件にすり替わってしまっているが、これ結局真相不明だし、その前の毒殺のドレスの謎とか警察が深追いしなくてよいのかなあ…マークが急いで金が必要な理由どこかに書いてましたっけ?事件後行方不明になった、で終わるのは省略の美?何世代も放置していたにもかかわらず、この物語の時点から過去世の復讐話になるなら、あの「奥様は魔女」はマークだけでなく妹や弟(珍しい性格設定だけど知人で似ている人います)も亡き者にしてその際に夫を仲間に引き込む展開が想定されているのか。マイルズは図らずも死後に火刑に処されており、八つ墓村(映画しか見てないけど)なら被害者の子孫が復讐という形になっていたが、こちらでは犠牲者の甥が無意識のうちに自ら手を下すのが凄まじい。

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2023年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

世評の高いミステリー。期待して読み始めた。

「火刑法廷」という題名からも推測できるが、オカルティズムに溢れて、魅力的な謎に密室。そして訳ありの登場人物の面々と、てんこ盛りではあるのだが、どうにも気に入らないのは、最後に登場する探偵役に今一つ魅力とキレがないことと、登場する必然性に作為がありかなり無理がある事。

ただこれも、最後の最後に訪れるビッグサプライズの布石だと思えば納得できるが、この最後のサプライズで本書はミステリーからホラー小説に変わる。

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2023年04月29日

Posted by ブクログ

オカルトムード漂って何が事実かどうかわからないままずっと進みでいった。状況がイマイチ想像力足りずついていけず、入り込めなかったけど最後5ページで、最後まで読んで良かったと思った。が、スッキリはしない!

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2023年03月19日

Posted by ブクログ

死体消失と人間消失。2つの謎があり、その真相をきいてなるほどと思ったと同時に疑問も持った。読み終わっても読者に考えさせるものを作った作品だと感じた。

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2022年04月11日

Posted by ブクログ

 ニューヨークの出版社の編集部員であるエドワードが週末を過ごす別荘へ向かう車中で出版予定の小説原稿に添えられた写真と名前は別荘で待つ妻マリーだった・・・小説は事実を基にした70年前の毒殺事件でマリーである筈がないがエドワードの心にはシコリが残る。。。

時期を同じくして別荘近くの大地主でデスパード家の当主が病死するが甥で友人でもあるマークから砒素を使った殺人の疑いがあり容疑者探しを行う。

妻似の70年前の砒素毒殺事件犯人は魔女で”不死者”といわれ時代を超越した幽霊が犯人なのか?
霊廟に安置された筈の当主の亡骸は何処へ?
唯一の目撃情報である”古いフランス様式のドレスを着た女性”は誰なのか?

デスパード家の一族・使用人とエドワード夫妻及び友人医師の怪しい人間関係と隠されたトリックは予測出来ない驚きです!

火刑法廷とは毒殺犯罪者(主たる犯罪者は女性が多い)が処刑として生前や死後に焼かれる事。
特に毒殺は魔術とされ火刑で罰せられた女性を”不死者”として魔術信仰された。

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2021年08月24日

Posted by ブクログ

冒頭の妖しいムードに惹き込まれつつも、ついつい混同する登場人物の名前や序盤のもたついた筋運びに乗り切れないまま読み進めたが、第Ⅲ章から俄然面白くなる。解決編の第Ⅳ章で探偵役が推理を披露するのだが、消える人影の種明かしはまだしも遺体消失のトリックや犯行動機について後出し感が拭い切れないのは私が普段所謂本格推理ものを嗜まない所為だろうか。目眩し的に積み上げてきたオカルティックなネタをエピローグの第Ⅴ章で反転に用いる試みは功を奏したようだが、中世魔女事情に精通していない私には今一つピンと来ない部分も多かったり。

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2021年08月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

随分前に「読みたい」に登録していてなかなかだったのですがようやく読みました。
オカルト的な雰囲気がそこかしこから漂っていて、これはミステリーなのか?と疑問に思いながらもきちんと納得のいくトリックが明かされます。ホッ。
でも探偵役の人は死んでしまうわ、最後の最後にまたやっぱりオカルト?と思わせる章があり、ちょっと嫌な余韻を残す本でした。

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2021年04月23日

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