加賀山卓朗のレビュー一覧

  • 頬に哀しみを刻め

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    めちゃくちゃ面白かった。読ませる、ハードボイルドでかっこいい、セクシュアリティとアメリカのマスキュリニティ(というか同性愛嫌悪)が肌触りをもって描かれてる。
    泣いたわ。泣くわこんな。他のも読んでみたい。

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    2024年07月31日
  • 処刑台広場の女

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    600ページ弱の大作。
    1930年代のロンドンを舞台に繰り広げられる物語。
    それだけでテンション上がる。
    最初は全く繋がっていないようないくつかの事件が、徐々に繋がっていくところは、パズルが出来上がっていくようでとても爽快でした!
    続編もさっそく買う!

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    2024年07月28日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    真山仁氏の「疑う力」で勧められていたので手に取った。いやぁ、さすがはアガサクリスティ。
    今の時代に読んでもとても面白い。

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    2024年07月22日
  • 二都物語

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    フランス革命時のパリとロンドンを舞台に法廷劇、復讐、諜報などミステリーとしての面白さも存分に味わえる659ページ。抑圧する側の残酷さ、革命時の大衆の恐怖、情景の映画的描写が印象的。複雑な人間関係はネットの相関図が便利。必読の名作

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    2024年07月04日
  • 頬に哀しみを刻め

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    息子を殺された父親達が犯人と、その裏にある真相を探る物語。兎に角、父親達は強くて容赦がない。本作のテーマには、マイノリティが関わっているが、本筋とはそこまで関係はない。クライムアクションは普段読まないが面白かった。

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    2024年06月29日
  • 処刑台広場の女

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    ネタバレ

    おもしろい、、、。海外推理小説は話の展開がちょっと重たくダラダラ感じることが多かったけどこれは全く逆で、どの章も最後の一言でぞくっとさせられて続きを読まずにはいられなかった。話の展開も何回もひっくり返されて、最後のサラの部分については完全に意表をつかれた〜〜!

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    2024年06月23日
  • すべての罪は血を流す

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    ネタバレ

    S.A.コスビーの3作目。
    今作は前2作のノワールから変わり、ゴリゴリの警察小説。

    舞台はアメリカ南部の街。拳銃を所持した黒人の高校生を、保安官たちが射殺する。高校生は殺される直前、先生の携帯を見ろと言い残す。教室では教師が殺されていた。この街初の黒人の保安官タイタスは殺された教師の携帯を調べるが、中には目を背けたくなるような残虐な映像が残されており。。。

    いくらなんでも前作「頬に哀しみを刻め」より面白いことはないだろうと読み始めたが、すみません、軽々と超えてきました。
    正直物語のまとまり方は前作の方が上だけど、今作の警察小説としての手堅さ、完成度は圧倒されるほど良かった。

    アメリカ南部

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    2024年06月23日
  • 11月に去りし者

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    クライムノベルでありロードノベル

    裏社会の幹部がボスに命を狙われる
    逃げる
    殺し屋が追う
    新しい生活を目指して夫から逃げる子連れの女性と出会う
    追手をまくためにこの女性を利用しようと考える

    というなんだかどこかで聞いたようなストーリー
    だがちょっと違う
    それは逃げる男に訪れる好ましい変化ゆえか

    安心感の中にこそ驚きがある
    好きなやーつ

    そしてなんだか悲しいような嬉しいような終わり方も良かった

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    2024年06月20日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    【ポアロ】
    「だって彼は殺されたんでしょ?」
    葬儀の後に言った、この一言から一族の事件がはじまる…。

    カタカナの登場人物が苦手なのに、不思議とクリスティー作品はそこまで困らないのは、クリスティーの細かい人間描写のおかげだと思う。
    一人ひとりの容姿、雰囲気、性格、知能などがとても細かく描写されているので、人物の想像がしやすい。人間観察力が鋭いところが面白くてはまってしまう。

    一族全員個性が強めでみんな怪しいので、今回もまんまと騙された。
    読後感は『死との約束』の方が良かったけど、一族の相続争いのドロドロ感はこちらの方が面白かった。

    焼き立てのスコーンにジャムを付けて、紅茶と一緒に楽しむ本場

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    2024年06月15日
  • すべての罪は血を流す

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    どうやらS.A.コスビーは傑作しか書かないらしい

    すでにご存知のことかと思われるが、今年は2024年だ
    つまりイエス・キリストが生まれてから2024年(あるいは2028年)たっているということだ

    そろそろ神はこの世界に無関心だということに気付いてもいい頃合いではないだろうか

    どんなに祈っても戦争は終わらないし、どんなに祈っても差別はなくならないし、どんなに祈っても大切な人は奪われていく

    そしてどんなに祈っても天使たちは助けに現れてくれそうにない

    それともまだそれも神の計画の一部だと信じろというのだろうか

    S.A.コスビーが描いた主人公タイタスを突き動かすのは神の教えではなく、公平な

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    2024年06月14日
  • すべての罪は血を流す

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    アメリカ南部で保安官として働く黒人のタイタス。町の学校で銃撃事件が起き、人気のあった教師が殺害される。犯人は射殺されるが首謀者が他にいるのではと捜査が始まっていく。これをきっかけに連続殺人へと発展していく。ひとつの町で起きた凄惨な事件とともに描かれていくのが黒人への差別。その根深い問題が町の人々や事件の中に大きな影響を与えていく。常に緊張感があって犯罪小説としての面白さが存分に詰まった作品。

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    2024年06月02日
  • すべての罪は血を流す

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    S・A・コスビー『すべての罪は血を流す』ハーパーBOOKS。

    『黒き荒野の果て』『頬に悲しみを刻め』に続くS・A・コスビーの3作目。海外ミステリーの場合、邦訳タイトルは大切だ。S・A・コスビーは、興味がそそられる格好良いタイトルで非常に得をしているように思う。

    白人保安官補による黒人被疑者の射殺というデリケートな問題と人種差別の狭間で、黒人コミュニティからは白人のようにふるまう黒人の蔑称の『オレオ』呼ばれながら、連続殺人事件に挑む黒人保安官タイタス・クラウンが奮闘する姿を描く。

    今年になってから読んだ海外ミステリーではベスト1であることは間違い無い。


    ヴァージニア州チャロン郡のジェフ

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    2024年05月27日
  • すべての罪は血を流す

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    超★5 黒人保安官が凶悪事件に挑む… 重厚な人種問題を描いた社会派警察小説 #すべての罪は血を流す

    ■あらすじ
    アメリカ南部ヴァージニア州チャロン郡、元FBIタイタスは黒人ながら選挙で選ばれた保安官であった。彼は日々街の治安を守っていたが、ある日学校で銃撃事件が発生してしまう。殺害されたのは人気のあった先生で、犯人は先生の携帯電話を調べろと言い残して自害してしまう。先生の携帯電話からは、思いもよらなかった写真が保存されており…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    超★5 今回も鬼エグな傑作、人種差別の問題をリアルに切り取った警察小説です。

    これまでS・Aコスビーは、街のギャングなど悪者目線での

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    2024年05月26日
  • 7月のダークライド

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     久々のルー・バーニーという作家の名前だけで、冒険小説好きの好奇心が全面反応してしまう。ちなみに若かりし頃、冒険小説のフォーラムを主宰していたとは言え、ぼくは軍事オタクでもスパイオタクでもない。冒険小説とは日常生活の中から逸脱してあるアクションをやむを得ず選択してゆく勇気や意志を描くもの。ぼくはそう理解している。題材ではない。あくまでそこに介在する人間とその魂を描くフィクションのことを冒険小説と呼ぶのだ。

     さてルー・バーニーだ。何年ぶり? 何と5年ぶり。しかも第三長編。何とも寡作である。でも書けばただじゃおかないとばかりに骨のある作品を提供し、ミステリー界をどよめかせる作家である。その理由

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    2024年05月02日
  • 大いなる遺産(下)(新潮文庫)

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    “The pen is mightier than the sword”

    さすがや!さすがエドワード・ブルワー=リットンだわ!さすがリットン調査団だわ!(これは孫ね)

    はい、なんでリットン男爵が出てくんねん?まぁそれはおいおいということで、ディケンズの『大いなる遺産』です

    やっぱな!っていうね
    やっぱそうなるわなっていう
    もう思い描いた通りの展開で大満足です
    いらんねん変なサプライズはw

    それにしても登場人物がいちいち魅力的すぎる
    そして分かりやすい
    いい人たちはとことんいい人
    ちょっと冷たい感じの人たちも実はいい人
    ちょっと嫌な感じの人は改心していい人

    すごーく嫌な感じの奴は最後ま

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    2024年04月08日
  • 処刑台広場の女

    購入済み

    ラスボスで驚愕

    ⚫️善悪定かならぬ名探偵レイチェルの謎めいた人物像で興味を惹きつつ、ある事件からは展開が急加速し、ラスボスで一驚するミステリ。⚫️ストーリーテリングが絶妙で映画鑑賞のような没入感に浸かることができる。ただし、登場人物が多いうえ全員毛唐だから名前が覚えきれない。このため人物相関の把握に苦慮した。⚫️登場人物を再確認のうえ、改めて早回しで読み直したところ、いくつもの巧緻綿密な伏線に気づく。二度読みはダサいと思っていたが、二度読みの面白さに目覚めた。 

    #ドキドキハラハラ

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    2024年02月29日
  • 二都物語

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    “あぁ”
    読み終わると同時に出てくる言葉。

    18世紀の不穏な社会情勢下でのロンドンとパリ、二人の青年と一人の女性、その周辺の人々が二つの都にまたがって繰り広げる、壮大なドラマは、CGのない全盛期のハリウッド映画のよう。

    フランス革命へ飲み込まれていくさま、一つの時代の終わりに際し、もがくようにして生きる人たちと集まり勢いを増す人たちが渦を巻く。

    19世紀イギリスの名作家ディケンズが晩年に描いた、暗く悲しく力強い物語。

    映像的で細やかな情景描写
    修辞法、比喩を効果的に用いた演出

    登場する者たちの、魂からから溢れ出る言葉が、よむほどに襲いかかる。

    フランス革命、血の粛清で荒れるパリの夜

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    2024年02月03日
  • 三つの棺〔新訳版〕

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    「また罪を犯してしまったよ、ハドリー」博士は言った。「また真実を見抜いてしまった」

    はい、このミス海外2024年版の1位『頰に哀しみを刻め』と同3位『処刑台広場の女』(こちらは未読)の翻訳者であり、現在ひまわりめろんの中でプチブレイク中の加賀山卓郎さん
    なんとあのジョン・ディクスン・カーの翻訳も手掛けていらっしゃいました

    翻訳者さんで選書するのを「通」だと思っているワタクシですので、早速かの有名な『三つの棺』を読んでみましたよ!
    (『処刑台広場の女』はまだ読みません、焦らすね〜)

    もちろん海外古典本格好きのワタクシが『三つの棺』を読んでないわけがありませんので、一応再読ということになりま

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    2024年01月11日
  • 二都物語

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    すごい小説です。語彙量、筆力、描写力が圧倒的です。全てのエピソード、シーンが印象的です。

    フランス革命の場面などには、残酷な描写がありますが、それが絵画的で美しいです。そしてそれゆえに冷たい恐ろしさを感じます。父娘の再会シーンや、カートンの告白シーンは感動的で、ロマンチックでもあります。ですがあまりにも描写がすごすぎて可笑しさもこみ上げてきます。そしてそれが過ぎるとまた感動がよみがえってくる感じです。

    お気に入りの登場人物は、ジェリーです。愉快なキャラクターです。活躍の場面があるのですが、それゆえに悪事がばれてしまい、ロリーに叱られる場面はとても面白いです。また「へぇつくばる」かかあをバカ

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    2023年12月02日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    読後感は随一でした。エピローグが本作の魅力を決定づけ、思いもよらない結末に衝撃が走ります。
    ミステリーなのかホラーなのか、はたまたオカルトなのか。色々な要素があり、様々な解釈や楽しみ方をさせてくれる本作はやはり素晴らしい作品であると思いました。
    詳しくは書けない作品の一つではありますが一読の価値はあると思います。

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    2023年11月04日