加賀山卓朗のレビュー一覧

  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    2024年のベストミステリはこれかもしれません。面白かったー!と素直に言える本に、久々に出会いました。

    翻訳ミステリを読むのが久しぶりなこともあり、正直序盤は誰が誰だ?と半ばうつらうつらしながら読んでいたのですが、
    「スティーヴンズは自分の妻の写真を見ていた。」
    の部分でハッと目が覚め、そこからグイグイ引き込まれていきました。
    加賀山卓朗さんの訳もオシャレで、ザ・翻訳小説な雰囲気を味わえたのもよかったです。ストリキニーネ、ベロナールなどクリスティーでおなじみの薬品が出てきたのも。笑

    この本については以前から”オカルト的要素”の足し方が秀逸、といったことを聞きかじっていたので、もしかしてラス

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    2024年12月22日
  • 警察・スパイ組織 解剖図鑑

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    アメリカ、イギリス、北欧、韓国と日本の警察組織、あるいは諜報機関をわかりやすく解説したもの。
    わかりやすいのと、何より非常にたくさんの海外ドラマ、海外警察小説を例にして解説してあるのが良い。

    特に海外ドラマ。あったよなぁ、と思うレベルに懐かしいドラマが盛りだくさん。海外警察小説も有名どころは紹介がある。

    著者も加賀山卓朗さんで、多くの翻訳をされている方。横に置きながら海外ミステリを読みたい。

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    2024年12月11日
  • すべての罪は血を流す

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    ネタバレ

    S.A.コスビー邦訳3作目。月並みな言い方やけど、裏切らない作家だなぁ。残酷描写の好みは分かれるが(俺は正直苦手)そこを差し引いてもすごいサスペンス警察小説。

    良くも悪くも典型的なアメリカ南部の小さな町チャロンで、人望篤い白人教師が黒人の卒業生に殺害される事件が起こる。現場に居合わせた黒人保安官タイタスは事件の陰に大きな事件の糸を引く黒幕の存在をかぎつけ捜査を始める。

    残酷描写もエゲつないが、根強く残る差別と旧態依然(伝統的ともいう)な信仰心が同居する人間の矛盾描写がまぁエゲツない。保安官タイタスの正義は分かりやすいが、差別主義者たちも自分たちの信じる正義をもって行動しているという皮肉。ス

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    2024年12月11日
  • ヴァイパーズ・ドリーム

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    ジェイク・ラマー『ヴァイパーズ・ドリーム』扶桑社ミステリー。

    英国推理作家協会、2024年度最優秀歴史ミステリー賞受賞作。

    1961年のジャズが全盛のニューヨークのハーレムを舞台にしたノワール小説。、マイルス・デイヴィス、チャーリー・パーカー、セロニアス・モンクといったジャズの巨人たちが実名で登場し、ジャズの名曲が静かに流れる中、一級のノワールが描かれる。


    1936年に恋人を捨て、トランペッターになる夢を抱き、アラバマの田舎からニューヨークのハーレムにやって来たクライド・モートンはトランペッターとしての才能が無いと指摘され、直ぐ様夢を断念する。逆に喧嘩の腕前を見出されたクライドは麻薬密

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    2024年11月20日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    1034

    645P

    チャールズ・ディケンズ
    (1812-1870)英国ポーツマス郊外の下級官吏の家に生れる。家が貧しかったため十歳から働きに出されるが、独学で勉強を続け新聞記者となる。二十四歳のときに短編集『ボズのスケッチ集』で作家としてスタートし、『オリヴァー・ツイスト』(1837-1839)でその文名を高める。他にも自伝的作品『デイヴィッド・コパフィールド』(1849-1850)など数々の名作を生んだイギリスの国民的作家。

    オリバー・ツイスト (光文社古典新訳文庫)
    by ディケンズ、唐戸 信嘉
     ノアは慈善学校の生徒で救貧院の孤児ではなかった。私生児でもなく、ちゃんと両親もいた。両

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    2024年10月11日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    冒頭の掴み方がすごい。
    この冒頭部分は裏表紙のあらすじには書いてないのでここでも書くのはやめておきます。
    最初のたった20ページくらいでもうガッツリ掴まれて、先が読みたくてたまらなくなる。
    登場人物と一緒に「えっ!?」と驚いて固まってしまった。

    裏表紙あらすじから少し。
    伯父の死に毒殺の疑いを持ったマークは、友人達と埋葬された遺体の発掘を試みる。
    だが、密閉された地下の霊廟の遺体は…

    全体的に不気味で仄暗い感じ。
    読んでいると物語の中に入り込んでしまうような没入感があり、登場人物達と一緒にゾクゾクしながら体験した。

    オカルトは好きではないんだけど、この作品はオカルトと本格ミステリーの配合

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    2024年10月10日
  • すべての罪は血を流す

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    著者の過去作はアウトローが主人公だったけれど今回は真逆の保安官が主人公。
    今回の主人公は苦いを通り越して惨い経験をしているせいでかなり自罰的。
    舞台も人種差別が未だに残る土地なので爽快感や疾走感はないけれど主人公の交友関係や心理描写が丁寧で読み応えがある。
    主人公の性格や思考に共感できる部分が多かったのでラストはとても良かった。

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    2024年09月21日
  • 黒き荒野の果て

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    これは面白かった。
    S・A・コスビーはどの作品も面白く、作品を重ねる毎に描かれている物語的にも描いている社会背景的にも作品的にも深度が深まってる印象がある。
    だが、個人的には一番好みのタイプなのが本作。
    かつて裏稼業で生活していた男が、愛する者と出会い足を洗う。だが、表の世界での生活が苦しくなり、再び裏稼業に手を出す。簡単だと思っていた仕事が、実はギャングの金で……というどこかで観たことあるようなシンプルな物語ではある。
    だが、これがS・A・コスビーが描くと見事なクライムノベルに仕上がっている。
    これは映画化したら絶対最高だろう、というシーンがいくつもある。
    クライマックス、ダスターという愛車

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    2024年09月11日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    『オリヴァー・ツイスト』は単に「小説として面白かったね」で終わらずに、社会そのものに強い影響を与えました。なんと、実際に多くの人がこの作品を読んで社会改善を唱え、制度も改革されていったのです。 こうした「善を呼び覚ます小説の影響力」。 これはものすごいことであります。 ドストエフスキーが多くの人、特に子どもたちにディケンズの小説を勧めるのはこういうところにもその理由があるのかもしれません。 ディケンズの代表作『オリヴァー・ツイスト』、読みやすく物語展開も目まぐるしい面白い作品でした。

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    2024年08月14日
  • モルグ館の客人

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    ★5 法で裁かれなかった犯罪者たち、背後にうごめく俗悪な企みをレイチェルが裁く… #モルグ館の客人

    ■きっと読みたくなるレビュー
    おもろいわー、また★5をつけちゃう。

    個人的には前作より躍動感があって好きですね。その分ミステリアスでスリラー要素は少なくなったと思うけど、怪しげなキャラが新たに出てきて、不穏な雰囲気は相変わらずです。

    今回の物語は、犯罪の容疑をかけられ、からくも死刑を免れた人たちの背景をレイチェルが追っていく。一方、女性の犯罪学者レオノーラも同じ事件を調べており、とある関係性からレイチェルにも近づいていくという筋だて。館が舞台になるのは終盤で、もちろんそこからひと波乱あった

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    2024年08月09日
  • 頬に哀しみを刻め

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    めちゃくちゃ面白かった。読ませる、ハードボイルドでかっこいい、セクシュアリティとアメリカのマスキュリニティ(というか同性愛嫌悪)が肌触りをもって描かれてる。
    泣いたわ。泣くわこんな。他のも読んでみたい。

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    2024年07月31日
  • 処刑台広場の女

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    600ページ弱の大作。
    1930年代のロンドンを舞台に繰り広げられる物語。
    それだけでテンション上がる。
    最初は全く繋がっていないようないくつかの事件が、徐々に繋がっていくところは、パズルが出来上がっていくようでとても爽快でした!
    続編もさっそく買う!

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    2024年07月28日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    真山仁氏の「疑う力」で勧められていたので手に取った。いやぁ、さすがはアガサクリスティ。
    今の時代に読んでもとても面白い。

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    2024年07月22日
  • 二都物語

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    フランス革命時のパリとロンドンを舞台に法廷劇、復讐、諜報などミステリーとしての面白さも存分に味わえる659ページ。抑圧する側の残酷さ、革命時の大衆の恐怖、情景の映画的描写が印象的。複雑な人間関係はネットの相関図が便利。必読の名作

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    2024年07月04日
  • 頬に哀しみを刻め

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    息子を殺された父親達が犯人と、その裏にある真相を探る物語。兎に角、父親達は強くて容赦がない。本作のテーマには、マイノリティが関わっているが、本筋とはそこまで関係はない。クライムアクションは普段読まないが面白かった。

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    2024年06月29日
  • 処刑台広場の女

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    ネタバレ

    おもしろい、、、。海外推理小説は話の展開がちょっと重たくダラダラ感じることが多かったけどこれは全く逆で、どの章も最後の一言でぞくっとさせられて続きを読まずにはいられなかった。話の展開も何回もひっくり返されて、最後のサラの部分については完全に意表をつかれた〜〜!

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    2024年06月23日
  • すべての罪は血を流す

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    ネタバレ

    S.A.コスビーの3作目。
    今作は前2作のノワールから変わり、ゴリゴリの警察小説。

    舞台はアメリカ南部の街。拳銃を所持した黒人の高校生を、保安官たちが射殺する。高校生は殺される直前、先生の携帯を見ろと言い残す。教室では教師が殺されていた。この街初の黒人の保安官タイタスは殺された教師の携帯を調べるが、中には目を背けたくなるような残虐な映像が残されており。。。

    いくらなんでも前作「頬に哀しみを刻め」より面白いことはないだろうと読み始めたが、すみません、軽々と超えてきました。
    正直物語のまとまり方は前作の方が上だけど、今作の警察小説としての手堅さ、完成度は圧倒されるほど良かった。

    アメリカ南部

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    2024年06月23日
  • 11月に去りし者

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    クライムノベルでありロードノベル

    裏社会の幹部がボスに命を狙われる
    逃げる
    殺し屋が追う
    新しい生活を目指して夫から逃げる子連れの女性と出会う
    追手をまくためにこの女性を利用しようと考える

    というなんだかどこかで聞いたようなストーリー
    だがちょっと違う
    それは逃げる男に訪れる好ましい変化ゆえか

    安心感の中にこそ驚きがある
    好きなやーつ

    そしてなんだか悲しいような嬉しいような終わり方も良かった

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    2024年06月20日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    【ポアロ】
    「だって彼は殺されたんでしょ?」
    葬儀の後に言った、この一言から一族の事件がはじまる…。

    カタカナの登場人物が苦手なのに、不思議とクリスティー作品はそこまで困らないのは、クリスティーの細かい人間描写のおかげだと思う。
    一人ひとりの容姿、雰囲気、性格、知能などがとても細かく描写されているので、人物の想像がしやすい。人間観察力が鋭いところが面白くてはまってしまう。

    一族全員個性が強めでみんな怪しいので、今回もまんまと騙された。
    読後感は『死との約束』の方が良かったけど、一族の相続争いのドロドロ感はこちらの方が面白かった。

    焼き立てのスコーンにジャムを付けて、紅茶と一緒に楽しむ本場

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    2024年06月15日
  • すべての罪は血を流す

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    どうやらS.A.コスビーは傑作しか書かないらしい

    すでにご存知のことかと思われるが、今年は2024年だ
    つまりイエス・キリストが生まれてから2024年(あるいは2028年)たっているということだ

    そろそろ神はこの世界に無関心だということに気付いてもいい頃合いではないだろうか

    どんなに祈っても戦争は終わらないし、どんなに祈っても差別はなくならないし、どんなに祈っても大切な人は奪われていく

    そしてどんなに祈っても天使たちは助けに現れてくれそうにない

    それともまだそれも神の計画の一部だと信じろというのだろうか

    S.A.コスビーが描いた主人公タイタスを突き動かすのは神の教えではなく、公平な

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    2024年06月14日