加賀山卓朗のレビュー一覧
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ネタバレ黒人保安官が主人公で、殺人事件を捜査する中でまだまだ人種差別が色濃く残る南部で苦悩する物語、渋くて良かった。
主人公は母親が死んでから神を信じなくなったにも関わらず、セリフや地の文でも聖書からの引用がそこら中に挟み込まれる。
このやり取りがカッコイイです。
否定しているのにほぼ暗記してるし、間違いを指摘してやり込める会話劇も新鮮で楽しい。
キリスト教圏の会話ってほんとにこんな感じなのかな、だとしたらかっこよすぎる。
犯人との聖書引用問答も印象に残った。
前作はアクション映画みたいだったけど、今回はサスペンス寄りかな。
面白いし、アクションの迫力、登場人物たちとのやり取りのスリリングさはある -
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子供たちを守るため未熟な青年が奮闘するが… 苦悩多き青春時代の郷愁を誘う物語 #7月のダークライド
■あらすじ
主人公である青年ハードリーは大学を中退し、遊園地の恐怖体験ができる施設で働いていた。ある日遊園地で幼い姉弟と出会うのだが、彼女らの身体に煙草のやけど跡を見つけてしまう。虐待を懸念したハードリーは児童保護サービスに連絡するも、相手にしてもらえない。幼い姉弟を守るべく、ハードリーは虐待の証拠を探し始めるのだが…
■きっと読みたくなるレビュー
思いっきり青年の想いがつまった物語、探偵や冒険小説の部類ですね。
本作イチ推しなのは主人公のお人柄。未成熟な正義感がヒシヒシと伝わってきて、そ -
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主人公は、犯罪に絡む逃走を請け負う元プロフェッショナル・ドライバーで、今は堅気の自動車修理工場の経営者だ。経営は苦しく、昔の仲間から持ち込まれた宝石店強盗の仕事に絡めとられていく。強盗に入った宝石店が組織暴力と関連があったことから、主人公は泥沼のような悪と暴力にはまっていく。
主人公の父親から続く暴力性が立ち切れず、彼の子供まで悪の素養に魅入られたように染まる。一見、暴力の世界から縁が切れたように見えたが、暴力の血は濃く、きっかけさえあれば見る間に増殖していく。
主人公の苦悩や暴力のリアリティが群を抜き、物語に引き込まれる。主人公が運転する車のように、スピード感をもったまま終盤を迎 -
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先日読んだ『頬に哀しみを刻め』があまりに良かったので、その興奮が冷めないうちに前作の『黒き荒野の果て』に手を出した。期待通り、とても良かった。
作品の根底に流れるものは『頬に哀しみを刻め』と変わらない。主人公バグことボーレガード・モンタージュは、『頬に〜』の主人公アイクと同じく過去に犯罪を犯した黒人男性で、裏社会の「走り屋」のようなことをしていた。現在は中古車修理工場を営み、問題を抱えつつも、家族を愛している。しかし、抱えていた問題が徐々に大きくなり、大金が必要となったボーレガードは、かつての裏社会の仕事に復帰する。仕事を持ちかけてきた相手が信用のおけない男だとわかっていても、選択の余地はな -
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ネタバレ原題の直訳なら「処刑台広場」だけのところを「の女」を付け足し、表紙に艶めかしい女性の見返り図を置いたのは、レイチェルシリーズの一作目として素晴らしい采配だと思う。
一応最大のトリックであるレイチェルの「正体」については早々に見抜ける人も多いと思うが、そこで油断しきった結果、もう一人の「の女」には思い切り騙されることになった。
また被害者のうち、大家母娘の果たしていた役割について語られている部分が見当たらなかったので、続編ではまだGC周りの設定が掘り下げられるのだろうか。あるいはまったく違う事件? いやよそに首を突っ込む理由もないしなどと思いつつ、次の翻訳も楽しみ。 -
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物語の舞台は1930年代のロンドン。著名な銀行家が自らの悪事を告白した遺書を残して自殺した。そこに絡んでくるのが、富豪にして探偵、妖艶な美女のレイチェル・サヴァナク。なぜか彼女の周囲で起こる事件の数々。ゴシップ新聞の新人記者ジェイコブは、サヴァナクの行動に疑問を覚え、接近を試みるのだが…。
多くの書評で指摘されるように、黄金時代ミステリを思わせる重厚な仕上がりに大満足な一冊である。主人公のレイチェル・サヴァナクは、いわばダークヒロイン。この作品の最大の謎は、彼女自身なのである。なぜか私は、バットマンのブルース・ウェインを思い浮かべてしまった。身体を鍛えることに余念がないあたりも共通点。
本 -
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もう一人の主要人物の日記が差し挟まれるが、これをどう読むか?真に受けていいのか、それとも・・・。本文がミステリアスで、『本当』がどこにあるか迷子になっているので、何も信じられない。
猟奇的な殺人事件が連鎖し、それにかかわる主人公、レイチェル・サヴァナクが名探偵として登場するが、裏と表の顔が交錯し、彼女が何者なのかようとしてわからない。序盤は悪党の顔が見え隠れするが、事件が重なるにつれ正義の顔が見えてくる。彼女を信じていいのか最後まで分からない。
事件の真相を回収しながらサスペンスフルに終盤を迎えるが、読み終わった今も、もうひとひねりあるのでは?と心が残っている。 -
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ネタバレ思っていたより楽しめた。
何となくこてこてのスパイものとか隠密行動的な話を想像してしまっていたのだが、ちょっと違った。
高名な判事、「処刑台のサヴァナク」の娘レイチェル・サヴァナク。
彼女の行く先々、関わる人々、皆非業の死に巻き込まれていく。
ある者は服毒死、またある者は拳銃自殺、そして火を用いた奇術舞台での焼死。
裏で手を引いていることは間違いないが、これは彼女の悪魔的享楽の一種なのか、それとも真の目的を持った一連のプロジェクトなのか。。
ミステリアスで完璧な立ち振る舞い、計画性が光るダークヒロインのレイチェル。
残虐さこそ滲めど、矛先は選定されており、強きをくじき弱きを助ける必殺仕事人 -
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ネタバレエドガー・アラン・ポーの早すぎた埋葬モチーフを本歌取りしたらしい、墓場から土をかき分けて這い出す手、という雰囲気満点のつかみが気になりすぎて、真相がわかるまで一気に読んでしまった(これ、真相あてられる人いますかね?MIT白熱教室で複雑な数式を用いて再現実験してもらいたいような…)。東欧出身の三兄弟が絡む骨肉の争い、という点でエラリー・クイーンの某国名シリーズに通じるものがあり、どちらも「仲が悪すぎじゃない...?お母さん泣くよね」と突っ込みを入れたい。ただし本格推理のため(だけ)にホラー並みの血みどろ惨劇が淡泊に展開されてまったく怖さを感じないとぼけた味わいの某作に対し、本作は主人公のろくでな
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「V8!V8!」
『マッドマックス怒りのデスロード』をご存知でしょうか。映画内では車のエンジンが神格化しており、それを崇めるボーイズ達が叫んでるのですが本書を読んでいて中盤からずっとこの声が頭に響いておりました。
読書に集中したい時は大抵クラシックかオペラを垂れ流しているのですが(音があった方が集中出来るようです)今回ばかりはこれはあかん!とワイルドスピードのサントラを流してました。
お世話になっている1Q8401さんに『頬に哀しみを刻め』を読んだならこっちもかっこいいおじ様が出るよと教えて頂き、かっこいいおじ様は見ているだけで眼福なので拝読。
タイトルと表紙から黒人さんの悲哀がまた書かれ