加賀山卓朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ手持ちの文庫本は表紙がクラシカルな雰囲気の女性のポートレートで登録されている表紙より好きだが、もはやポップとも言えるようなどんでん返しの本書には多少アニメっぽいイラストの方が合ってるのかもしれない。本作より後のクリスティ「蒼ざめた馬」がかなり好きで、本作もヘンダーソンが引用する昔の知人バリンジャーさんの「死んだ人間などちっとも怖くない、注意しなきゃいかんのは生きたろくでなしどもだ」という名言通り、怪奇現象を科学的に解明する話だろうと思いながら読み進めて説示までなかなか面白かったが、いきなり探偵役が倒れるあたりから収拾のつかない展開に。評決と言う短い終章でガラッとオカルトに揺り戻され、ここが本作
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Posted by ブクログ
ネタバレ良くできているが、面白くはない。
事件パートが密室パズルを出題するために用意されているようで魅力的ではないし、探偵役のキャラもただ不可能状況を提示するために動いている。
密室談義の部分で、「現実感がないといってミステリを批判するな」といった話が出てくる。それはそのとおりだと思う。ミステリにはあっと言わされるようなものを求めてる。ただ、現実感のなさにも2通りがあると思う。1つは、有り得そうもない奇抜なトリック。つまり「思いついてもやらんやろ…」。もう1つは、必然性が薄いために起きえないと思うもの。つまり「そんなんよう起きんやろ…」というやつ。この作品はそれで言うと後者だ。密室殺人という不可能を可 -
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Posted by ブクログ
スウェーデンを代表する企業の社長令嬢が大量の血痕を残して失踪した。
少女は腕に3つのチェックボックスのタトゥーを入れ、直前に最後の1つを埋めていた。
10代の少年が容疑者に浮上したものの遺体は発見されず、未解決のまま時が過ぎた10年後、同じタトゥーを入れた少女の死が判明する。
ある事情から素性を隠し再捜査に加わったFBI捜査官ジョンは、事件の深い闇に囚われていき……。
自己啓発本のようなタイトルだが、もちろん違う。相変わらずスウェーデンのミステリの紹介は止むことがない。この作品もなかなかのページターナーで一気読み。続編もでているが、翻訳されるかどうか。 -
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Posted by ブクログ
18世紀、フランス革命を背景にフランスとイギリス二つの街で時代に翻弄された人々の話。読んだきっかけはダークナイトトリロジー3作目の「ダークナイトライジング」が二都物語をモチーフにしている、とノーラン監督が言ってたので気になったから。市民たちが暴走し、貴族や市民を裁判にかけるシーンがあるんだけどライジングで「そういえばスケアクロウが裁判してたなあ!あれここから来てたんか!」とか思い出して、ライジングも一緒に甦ってきて楽しかった。フランス革命といえばベルばら、レ・ミゼラブル(トム・フーパー版)のイメージだったので漫画と歌で少々ぼかされていた市民たちのとんでもなく貧しい暮らしや、それにぶちギレた市民
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Posted by ブクログ
先日読んだ「20の古典で読み解く世界史」で紹介されていたうちの1作品
主人公ピップは幼い頃両親が亡くなり、20以上年上の意地悪な姉とその婿である鍛冶屋のジョー(こちらは良い人)に育てられた
ジョー以外ほとんどの大人がピップをサンドバッグかのように当たり散らし、意地悪を言い、傷つける
結構読んでいくのがしんどくなる
ここまでみんなで意地悪をする場面を描く必要はあるのか?と素朴な疑問が浮かんでしまう
どうやらディケンズの両親が金銭的にだらしなく一家が破産し、ディケンズは靴墨工場で働いていたようなのだが、そこでの仕打ちはひどく、かなり精神的ダメージだったようだ
そんなことも影響しているのかもしれ