加賀山卓朗のレビュー一覧
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ネタバレディケンズの皮肉とユーモアがすごい。とてつもなく悲惨な状況をブラックユーモアに包んで描くので、くすっと笑えます。ですがその分、後でじわじわとそのつらい状況が身に迫ってくるような感覚がありました。
間接的に描くことで、より考えさせられるという感じでしょうか。スイカに塩をふると、より甘さを感じるのと同じようなものかと。
オリバー自身は特に機転を利かせたり、成長したり、そういう活躍の場面はありません。ですが、オリバーはかわいすぎる。孫を見るような感じで彼が運命に翻弄されるのを見守ってしまいます。
モンクスの正体が明かされた場面は、かなり拍子抜け。正体は絶対にハリーの方がよかったでしょう。いや、 -
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ネタバレこのミス海外編の1位ということで読んでみました。
息子を殺された二人の父親の復讐のお話ですが、LGBTへの差別が大きく関わっています。
基本的にはマッチョなアメリカの復讐劇ですが、そこにLGBTを含む様々な差別がベースになっているところが今風かなと思いました。
竹蔵が感じたのは、日本ではありえないくらいの警察の捜査のずさんさかな。
LGBT夫婦であった息子たちが生前は理解できなかった父親たちの懺悔の思いが何度も出てきますが、もし息子たちが殺されなかったら息子たちとの関係は断絶したままだったはずで、そういった想いが何度も何度も語られるのがちょっと???ということが評価があまりよくない理由です。あ -
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アメリカでミステリー賞を数多く獲得し、日本でも話題のS・Aコスビーの最新作である。
結婚して夫婦になった二人のLGBTの息子達が突然銃撃され惨殺される。
黒人と白人の彼らの父親が衝撃と絶望のなかで、事件を解明し犯人を探し報復する話である。二人は息子達への生前の暴挙やLGBTへの無理解や差別を後悔し罪滅ぼしで命懸けの復讐をする。
息子はかつての恋人(女性)が大物政治家の二代目と付き合い、性癖と異常な権力欲を知り別れさせようとするが、二代目は大事な選挙中のため露見を恐れて、凶悪な犯罪組織を使って関係者を抹殺すべく夫婦を殺害した。
冷酷な組織の暴力や殺人の描写はフィクションとはいえどぎつく、LG -
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作家 小川洋子さんが出演されていたFMの番組で取り上げられたのを機に、いまさらながら読んでみようかと購入したのが数年前。熟成期間をへて、ようやく読み終えた。
文学史上ではもちろんよく知られている作者チャールズ・ディケンズであるが、私はこの『オリヴァー・ツイスト』が初めて。この作者、作品初め、著名な古典とも言える作品はあまり読んでいない。お恥ずかしい。
孤児として生まれたオリヴァーの数奇な運命の物語には読み進めるうちに引き込まれ、久々に小説を読む楽しみを味わえた。
それとともに、現在のパレスチナの悲惨な状況をもたらしている遠因でもある、イギリス(おそらく当時のヨーロッパ)におけるユダヤ人へ -
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イギリス文学を代表する作家ディケンズの『大いなる遺産』でっか
先日読んだカルロス・ルイス・サフォンの『天使のゲーム』で主人公ダビッドの人生を変えたともいえるこの名作
本当にそこまで魂を揺さぶるようなお話なの?ってことで確かめてみることにしました
出来れば光文社古典新訳文庫で読みたかったんですが、ラインナップにないものはしょうがない(『クリスマスキャロル』『二都物語』『オリバー・ツイスト』はある)
と思っていたら新潮社がわいの大好きな加賀山卓郎さん訳で新訳版を出してるじゃないですか
やるな新潮社
まぁ今回ばかりはいい仕事したなと認めてやろう
さて中身の方はと言えば加賀山さんらしからぬちょ -
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ポアロもの。
資産家、アバネシー家の当主・リチャードの葬儀が終わり、出席した親族一同の前で遺言執行人の弁護士・エントウィッスル氏から故人の遺産の内容が公開されます。
ですがその時、リチャードの末妹・コーラの放った爆弾発言により、その場が凍り付くことに。
「だって彼は殺されたんでしょ?」
そしてその翌日、コーラが自宅で殺害されているのが発見されて・・。
これぞファーストインパクト(?)といった感のある、コーラの爆弾投下。
もう、これで引き込まれちゃいますものね~。
この、“・・彼は殺されたんでしょ?”は、
“いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ”(『死との約束』)
“なぜ、エヴァ -
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騙された!それはもう清々しく騙されました!
……と、私は一体何度クリスティーの感想に書けば気が済むのでしょうか。それくらい、まんまと彼女の術中にハマってしまったのでした。
「だって彼は殺されたんでしょ?」
大富豪リチャードの葬儀で、末妹コーラが放った一言はその場をいた人々に動揺を与えた。そしてその翌日、コーラが何者かに殺される――。
『雲をつかむ死』でも思ったのですが、クリスティー女史は本当につかみもうまい。今作はポアロものの中でも後半の作品になるのですが、あらすじが気になりすぎて手に取ってしまいました。
ページを開いてびっくり。なんと、これまで読んだクリスティー作品で初めて、家系図がついて