加賀山卓朗のレビュー一覧

  • 頬に哀しみを刻め

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    ザ・ダークサイド・オブ・アメリカって感じ。
    ストーリー運びも巧みだし、人物設定もうまい。
    ジェンダー、LGBTQ、人種差別問題を添え物程度に入れるのでなく、真相に関わるテーマとして描いてる。
    という名作なんだろうけど、暴力シーンが多くて。
    若い頃とちがって耐性が減って読むのヘトヘト。
    以前はエルロイとか大好きだったけど、いま読めるかな〜。

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    2024年10月13日
  • 頬に哀しみを刻め

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    息子の同性を愛しているとの告白を受け入れる事ができずに仲たがいしてしまった父親。その息子がパートナーと共に惨殺されてしまう。
    生きているうちに、息子のありのままを受け入れておけば良かったと後悔する父親の後悔と苦悩。そんな自分に対する怒りが激しい復讐へと駆り立てていく。
    人種差別、性差別と現代の社会問題を取り上げながら、ベースは普遍的な父の息子への深い愛情である。
    一風変わったハードボイルド作品。
    それにしてもやり過ぎでしょ?って思うぐらいのバイオレンスシーン、アクションシーンが満載。疾走感がたまらない。アイクがカッコいい。

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    2024年10月12日
  • モルグ館の客人

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    レイチェル強すぎ。ライバル登場かと思ったのだが。
    メイド一家とのバディ感がもっと出ると楽しいシリーズになるかな。

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    2024年10月08日
  • すべての罪は血を流す

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     一作目『黒き荒野の果てに』もパンチ力があったが、『頬に哀しみを刻め』は文句なしの凄玉だった。白人と黒人の双方とも息子を殺された父親というダブル主人公。しかも息子たちの関係はホモセクシュアルであったという、社会的受難を二重三重に受けた中年二人が、人種の壁を乗り越え協力して犯罪者であり差別主義者である連中と闘ってゆくあまりに胸アツの作品であった。毎年一作ペースで、今年も例によって一作、そして毎度のことながらテーマは人種間の軋轢、差別、そしてそれが起こす犯罪である。しかし、本書は一つの犯罪だけではなかった。読者は、ある街の過去にまで遡る犯罪の犠牲者たちの堆積、そして現在も起こる山のような人種差別の

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    2024年10月04日
  • 7月のダークライド

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    ネタバレ

    3.5くらい?
    評判は悪くないけどちょっと歯切れの悪い感じの感想だったので、デッドエンドになりそうだなと思ってたら案の定。ハードボイルドモノ?それ未満な感じ?

    タイトルのダークライドは遊園地の暗闇の中を進むコースター的な乗り物かな。お化け屋敷のようなアトラクション。つまり一夏の冒険を表したかったのかな。

    主人公の、誰かを救いたい、あの子達を救いたいという気持ちは良かった。救いたい理由より救わない理由がある?というのも良かった。
    だけどやっぱ最後らへんの暴走はダメだよ、と感じるで。ハードリーのような人間がたどる末路としてはむべなるかな。

    気になったのは、主人公より賢い人間がフェリスという年

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    2024年10月01日
  • ナイロビの蜂 上

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    ジョン・ル・カレの作品は、正直、まどろっこしい言いぶりが多いのと、他者との関りではなくモノローグシーンが多いので、どちらかというと読みにくいのですが、これは比較的読みやすいですね。

    とはいえ、他者との関りを描くシーンよりも、一人一人の事柄を描くシーンの方が多いのは、そのままですが。

    物語は、はじめから“謎”に包まれています。誰が悪者なのか、誰が何を企んでいるのか。

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    2024年09月27日
  • 7月のダークライド

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    ネタバレ

    23歳くらいの青年ハードリーが勇気を出して、児童虐待を受けている子ども2人を救おうとする話。
    ハードリーは今が楽しければいいや、という生き方。マリファナを適度に楽しんで遊園地のお化け屋敷的なところで働いている。
    この青年がいきなりむちゃくちゃな探偵まがいな行動をする。周囲の人に助けてもらうのだが突飛すぎる。最後はアドバイスを無視して強行突破。銃嫌いだったのに銃撃戦で2人を殺す。ハードリー本人も重症でその後のハードリーの結末はわからないまま。おそらく命を失ったと思われる。
    今まで、何かを一生懸命にそれこそ命をかけた行動をしたことがない青年が暴走した一部始終という感じだった。巻き込まれた撃たれたサ

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    2024年09月23日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    カーは『死者はよみがえる』『皇帝のかぎ煙草入れ』に続き3冊目。
    端的に言うと私の好みではないかも… オカルトの説明が長くちょっと飽きてしまったのと、事件の解決の進みが遅め。ちょっと分かりにくい。
    カーでは評判が1番良い/有名な作品なだけあり、なるほどと思う箇所は随所にあったが、総じての読後感はすっきりしなかったかな

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    2024年09月18日
  • すべての罪は血を流す

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    CL 2024.9.7-2024.9.9
    事件の捜査よりこの町に根強く残る偏見と差別、それによる分断と対立を描き出しているようなかんじ。
    事件の様相もとてつもなく邪悪なもので、終盤では多くの人が死に、ラストは前を向いているとは言え、重い。

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    2024年09月09日
  • 頬に哀しみを刻め

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    XのTLで見かけて気になったので読んでみました。
    思っていたのと違っていた。笑
    ジャンルとしてはハードボイルドになるかと思います。
    暴力シーンが苦手な方は厳しい気がします。
    (結構な頻度で出てくるからね)

    ストーリーに目新しさはそんなにないのですが、同性(男)同士の夫婦(カップルって言ったほうがいいのか?表現が困る)が何者かに殺害されたところからストーリーは始まります。
    彼らの父親二人が手を組んで復習するべく犯人を捜す、というもの。
    被害者がゲイの夫婦、というところが今どきっぽいです。

    LGBT、人種差別、親子関係、裏社会と重いテーマが何重にも重なっています。それだけのテーマを扱っているの

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    2024年08月18日
  • 7月のダークライド

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    ネタバレ

    『11月に去りし者』を読んで面白く、力のありそうな作家さんと感じたので読んでみた。
    うーん、なんか説得力に欠ける感じ。
    あとがきに『11月に去りし者』の後したためていた作品が完成しきれず、5年ぶりの出版となったとの事情が記されていたが、その辺りの難産ぶりというか、源泉の涸れっぷりが伺えてちょっと残念。

    主人公のハードリー(本名はハーディだが、兄がからかいも込めて「ほとんど~ない」の意(英:hardly)であるこの言葉で呼ぶので、自分でもそう名乗っている)は寂れたテーマパークの三流ゾンビアトラクション〈呪われた西部開拓地〉で脅かし役に扮する日々を過ごす。
    プライベートでは、友人達と共にマリファ

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    2024年08月17日
  • 黒き荒野の果て

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    凄腕ドライバーが主役のノワール小説というとこで面白かったけれど、主人公が深みにハマっていくのが結構自業自得なところがあったり、親子三代で血は争えない的な描写があって、少しモヤモヤする部分もあった。

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    2024年08月10日
  • 処刑台広場の女

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    このミス2024年3位。
    1930年代のロンドンで起こる、不審死。そこにはいつも若き富豪の女性の影が。彼女が犯人なのか?
    設定は面白かったが、特に序盤は遅々として展開せず、思わせぶりな状況に終始していてなかなか読み進めにくかった。
    中盤以降は少しテンポアップ。展開は正直予想に違わなかったが、まずまず面白く読めた。
    読みきりかと思ったらシリーズもののよう。
    次作どういう展開になるのだろう。

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    2024年08月07日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ディケンズの皮肉とユーモアがすごい。とてつもなく悲惨な状況をブラックユーモアに包んで描くので、くすっと笑えます。ですがその分、後でじわじわとそのつらい状況が身に迫ってくるような感覚がありました。

    間接的に描くことで、より考えさせられるという感じでしょうか。スイカに塩をふると、より甘さを感じるのと同じようなものかと。

    オリバー自身は特に機転を利かせたり、成長したり、そういう活躍の場面はありません。ですが、オリバーはかわいすぎる。孫を見るような感じで彼が運命に翻弄されるのを見守ってしまいます。

    モンクスの正体が明かされた場面は、かなり拍子抜け。正体は絶対にハリーの方がよかったでしょう。いや、

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    2024年07月23日
  • 頬に哀しみを刻め

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    ネタバレ

    このミス海外編の1位ということで読んでみました。
    息子を殺された二人の父親の復讐のお話ですが、LGBTへの差別が大きく関わっています。
    基本的にはマッチョなアメリカの復讐劇ですが、そこにLGBTを含む様々な差別がベースになっているところが今風かなと思いました。
    竹蔵が感じたのは、日本ではありえないくらいの警察の捜査のずさんさかな。
    LGBT夫婦であった息子たちが生前は理解できなかった父親たちの懺悔の思いが何度も出てきますが、もし息子たちが殺されなかったら息子たちとの関係は断絶したままだったはずで、そういった想いが何度も何度も語られるのがちょっと???ということが評価があまりよくない理由です。あ

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    2024年07月17日
  • 頬に哀しみを刻め

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    アメリカでミステリー賞を数多く獲得し、日本でも話題のS・Aコスビーの最新作である。
    結婚して夫婦になった二人のLGBTの息子達が突然銃撃され惨殺される。
    黒人と白人の彼らの父親が衝撃と絶望のなかで、事件を解明し犯人を探し報復する話である。二人は息子達への生前の暴挙やLGBTへの無理解や差別を後悔し罪滅ぼしで命懸けの復讐をする。

    息子はかつての恋人(女性)が大物政治家の二代目と付き合い、性癖と異常な権力欲を知り別れさせようとするが、二代目は大事な選挙中のため露見を恐れて、凶悪な犯罪組織を使って関係者を抹殺すべく夫婦を殺害した。

    冷酷な組織の暴力や殺人の描写はフィクションとはいえどぎつく、LG

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    2024年07月15日
  • シルバービュー荘にて

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    いつか読もうと積読状態の「寒い国から帰ってきたスパイ」をよそに、遺作となった今作からル・カレ作品に手を出した。諜報部の保安責任者と脱サラした書店主の視点が切り替えながら進行する前半は物語の進行方向が読めないものの、<シルバービュー>での対面を皮切りに、物語を取り巻く構図が徐々に明らかとなる。大義の為にその身を捧げた諜報部員の半生は悲哀に満ち溢れ、国家の名のもとに翻弄される現役のメンバー達にもそこはかとない空虚感が漂う。理解し切れない用語や言い回しも多々あれど、熟練の技法に裏打ちされた静かな余韻を味わった。

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    2024年06月25日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    作家 小川洋子さんが出演されていたFMの番組で取り上げられたのを機に、いまさらながら読んでみようかと購入したのが数年前。熟成期間をへて、ようやく読み終えた。

    文学史上ではもちろんよく知られている作者チャールズ・ディケンズであるが、私はこの『オリヴァー・ツイスト』が初めて。この作者、作品初め、著名な古典とも言える作品はあまり読んでいない。お恥ずかしい。

    孤児として生まれたオリヴァーの数奇な運命の物語には読み進めるうちに引き込まれ、久々に小説を読む楽しみを味わえた。

    それとともに、現在のパレスチナの悲惨な状況をもたらしている遠因でもある、イギリス(おそらく当時のヨーロッパ)におけるユダヤ人へ

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    2024年06月13日
  • 大いなる遺産(上)(新潮文庫)

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    ディケンズさんの代表作の1つの上巻です。
    文章は美しい流れだと思った。
    でも内容はかなり暗いね。

    孤児と言っても両親がいないけれども実姉とその夫と暮らすピップ。
    実姉はヒステリーでぎすぎすした人。

    両親の墓地がある沼地で脱走兵を結果的に助けることで「大いなる遺産」を将来手にすることになるのだけど、なんだか不思議な世界だな。

    ただ、ところどころに人間とは何か、より良く生きるにはどうしたらよいかのヒントになりそうなものがキラっと隠されるように埋め込まれていて、それを宝探しのように見つけるのがこの作品の醍醐味なのかも…。

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    2024年05月28日
  • 7月のダークライド

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    CL 2024.5.15-2024.5.17
    軽快な語り口のわりにラストは切ない。
    主人公のハードリーの強い思いで進んでいくので多少現実的でない面もあるけど、この余人に理解し難い使命感がいいな。

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    2024年05月17日