加賀山卓朗のレビュー一覧

  • 三つの棺〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    良くできているが、面白くはない。
    事件パートが密室パズルを出題するために用意されているようで魅力的ではないし、探偵役のキャラもただ不可能状況を提示するために動いている。
    密室談義の部分で、「現実感がないといってミステリを批判するな」といった話が出てくる。それはそのとおりだと思う。ミステリにはあっと言わされるようなものを求めてる。ただ、現実感のなさにも2通りがあると思う。1つは、有り得そうもない奇抜なトリック。つまり「思いついてもやらんやろ…」。もう1つは、必然性が薄いために起きえないと思うもの。つまり「そんなんよう起きんやろ…」というやつ。この作品はそれで言うと後者だ。密室殺人という不可能を可能にするために「目撃者が頼りにした時計がズレてた」「撃たれてからもあるいていて偶然であって撃ち返した」「撃たれてからもしばらく大丈夫だったが、密室に入ったあとにはずみで死に至った」といった偶然を重ねていく。今回のような事件が起きない、とは言わない。起きたから小説になったのだ、と言えるから。不可能状況を可能にするために多種多様な仕掛けの部品を用意して、それらで一つの密室という機械を作り上げる執念には感心する。ただ面白いかというと別だ。私は手品の種をきいてなーんだと思うよりも、手品の種をきいてなお魔法の世界に居続けられるようなミステリのほうが好きだ。

    0
    2024年11月15日
  • 大いなる遺産(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    上下一括感想
    下巻にて

    私にとっては
    エステラは“グウィネス・バルトロー”
    “イーサン・ホーク”や“ロバート・デ・ニーロ”
    そう、1998年アルフォンソ・キュアロン監督の映画『大いなる遺産』は、不思議な色彩に溢れた物語だった。

    でも、できるだけ排除して読んでみている。

    0
    2023年06月22日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    一部の登場人物を整理し切れず読み進めてしまった。。
    善良な人物より悪党寄りの人間の方がドラマがあるのでもっとゆっくり読めばよかったと少し後悔。

    0
    2023年05月31日
  • 三つの棺〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    密室ミステリーの金字塔とのこと。
    確かにアクロバティックなトリックでしたが、内容というか、題材的には、以前読んだ「火刑法廷」の方が面白かったなぁ。あっちは、トリッキーな結末でもありましたし、ちょっと本書はシンプルな印象。

    0
    2023年05月19日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    世評の高いミステリー。期待して読み始めた。

    「火刑法廷」という題名からも推測できるが、オカルティズムに溢れて、魅力的な謎に密室。そして訳ありの登場人物の面々と、てんこ盛りではあるのだが、どうにも気に入らないのは、最後に登場する探偵役に今一つ魅力とキレがないことと、登場する必然性に作為がありかなり無理がある事。

    ただこれも、最後の最後に訪れるビッグサプライズの布石だと思えば納得できるが、この最後のサプライズで本書はミステリーからホラー小説に変わる。

    0
    2023年04月29日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    オカルトムード漂って何が事実かどうかわからないままずっと進みでいった。状況がイマイチ想像力足りずついていけず、入り込めなかったけど最後5ページで、最後まで読んで良かったと思った。が、スッキリはしない!

    0
    2023年03月19日
  • 11月に去りし者

    Posted by ブクログ

    あまり期待してなかったんだけど、割と楽しく読めた。ミステリーとは言うものの特に謎はなくノワールだけど、出てくる登場人物がみなクッキリとしてて魅力的。ケネディ暗殺事件が深く関わってくるかと思いきや、特にそんなことなかったのも、意外性があって良し。

    0
    2022年11月27日
  • 死ぬまでにしたい3つのこと

    Posted by ブクログ

    スウェーデンを代表する企業の社長令嬢が大量の血痕を残して失踪した。
    少女は腕に3つのチェックボックスのタトゥーを入れ、直前に最後の1つを埋めていた。
    10代の少年が容疑者に浮上したものの遺体は発見されず、未解決のまま時が過ぎた10年後、同じタトゥーを入れた少女の死が判明する。
    ある事情から素性を隠し再捜査に加わったFBI捜査官ジョンは、事件の深い闇に囚われていき……。

    自己啓発本のようなタイトルだが、もちろん違う。相変わらずスウェーデンのミステリの紹介は止むことがない。この作品もなかなかのページターナーで一気読み。続編もでているが、翻訳されるかどうか。

    0
    2022年10月29日
  • 大いなる遺産(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    現代でいう異世界転生ものやタワマン文学などにに共通する,孤独な人間の隠れた僻みを感じさせる。枯れた皮肉をどう読むかで印象が変わると思う。

    0
    2022年08月18日
  • シルバービュー荘にて

    Posted by ブクログ

    ロンドンの金融街でトレーダーをやっていたジュリアンは、金融街を離れ海辺の町で書店を始めた。近くのお屋敷の主人エドワードが顧客となり、店の地下に一緒に「文学の共和国」というコーナーを作ろうと持ちかける。書店の経営に行き詰まっていたジュリアンは、エドワードの家に招かれる間柄となるのだが…。

    ル・カレの作品は初めて読んだ。スパイ小説ではあるのだが、オールドスパイたちの生き様に、ちょっと感動した。

    0
    2022年08月10日
  • 二都物語

    Posted by ブクログ

    18世紀、フランス革命を背景にフランスとイギリス二つの街で時代に翻弄された人々の話。読んだきっかけはダークナイトトリロジー3作目の「ダークナイトライジング」が二都物語をモチーフにしている、とノーラン監督が言ってたので気になったから。市民たちが暴走し、貴族や市民を裁判にかけるシーンがあるんだけどライジングで「そういえばスケアクロウが裁判してたなあ!あれここから来てたんか!」とか思い出して、ライジングも一緒に甦ってきて楽しかった。フランス革命といえばベルばら、レ・ミゼラブル(トム・フーパー版)のイメージだったので漫画と歌で少々ぼかされていた市民たちのとんでもなく貧しい暮らしや、それにぶちギレた市民たちによる血で血を洗う大殺戮なんかがしっかりと、でも詩的な言い回しで進んでいくので気分はめちゃめちゃ最悪なんだけどそこまで凹まずに知ることができた。時代が時代なので、女性への当たりがキツかったりするのであんまり声を張っておすすめはできないけど、カートンの告白シーンを初めとするルーシー、ダーニー、カートンの三角関係や、ルーシー父の錯乱シーン、ダーニーの裁判、ミス・プロスとドファルジュ夫人の一騎討ち(これ、死の秘宝のベラトリックスとモリーの対決くらい好きになった。つかオマージュしてる???)など、基本みんなの立ち位置が辛いしキツいししんどいけどそれぞれ見せ場がとてもおもしろいし手に汗握る。
    カートンの、究極に身も心も美しい者(ルーシー)の前で勝手に己を悔い改めてしまう描写がすごくツボというか性癖だった。美しい存在に、純粋な光に、自分の醜い部分も含めた何もかもを露にされてしまうとき、それを受け入れたり、また逃げてしまったりする所に、私は人間って生物の良さを感じる。

    0
    2022年08月04日
  • 剣の八

    Posted by ブクログ

    最後の数ページでようやく解説が。 それまでは…ん−、なんだかよくわかりませんでした。あっちこっち話が飛んで行って掴みにくかったのかなあ

    0
    2022年12月01日
  • 三つの棺〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    常識人のグリモー教授が密室で銃殺される。その直後には犯人と思われる男もまた、信頼できる目撃者たちの前で銃殺された。二つの密室の謎を解く鍵は三つの棺が描かれた絵?フェル博士が解いた謎とは。
    有名な「密室講義」が最高。コレは名作→

    個人的に訳が合わなくて(新訳版なんだけど古き良きクラシカルな翻訳っぽい)なかなか入り込めなかったんだけど、密室講義以降はぐいぐい引き込まれた。
    内容的には好きではないけど、この密室トリックはすごい。よく考えたなーと思う。最後まで読んで冒頭に戻ると「なるほどなー」ってなる。

    0
    2022年07月15日
  • 黒き荒野の果て

    Posted by ブクログ

    映画のシナリオを読んだ気分。読んでる間は映像を見ている気分だった。映画化されればヒットするんじゃないかな。その分、本を読んでいる感じは薄かった。

    0
    2022年06月15日
  • 大いなる遺産(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    先日読んだ「20の古典で読み解く世界史」で紹介されていたうちの1作品

    主人公ピップは幼い頃両親が亡くなり、20以上年上の意地悪な姉とその婿である鍛冶屋のジョー(こちらは良い人)に育てられた
    ジョー以外ほとんどの大人がピップをサンドバッグかのように当たり散らし、意地悪を言い、傷つける
    結構読んでいくのがしんどくなる
    ここまでみんなで意地悪をする場面を描く必要はあるのか?と素朴な疑問が浮かんでしまう
    どうやらディケンズの両親が金銭的にだらしなく一家が破産し、ディケンズは靴墨工場で働いていたようなのだが、そこでの仕打ちはひどく、かなり精神的ダメージだったようだ
    そんなことも影響しているのかもしれない…
    それでもジョーだけが強い味方で何度も助けられ支えられ、それなりになんとかやっていく

    退屈であまり愉快とはいえない日常に変化が…
    クリスマスイブに脱獄囚と出会う
    脅されながらも食糧を渡し、誰にも話さないことを約束
    これを皮切りにピップの身に次々と変化が…

    その中でも一番の出来事はお金持ちハヴィシャムの屋敷に招かれ、美しく誇り高いエステラと出会ったことだ
    しかしエステラはピップを軽蔑し、ひどいことをたくさん言い、ピップは辱めを受ける
    自分が下等で情けない暮らしをしていることを嫌と言うほど思い知るのだ
    そしてハヴィシャムはエステラに言う
    「男の心をずたずたにしておやり」
    (そうハヴィシャムは過去に婚約者に裏切られひどい目にあっているのだ)

    今までジョーを誇りに思い、ジョーの徒弟になるのを幸せなことと思っていたのに…
    ピップの中で何かが変わっていく…
    心の葛藤が生まれる
    ジョーとの単調で貧しいながら、人としての誇りを持つ暮らし
    一方、新しい都会での生活に憧れ立派な紳士を夢見るピップの気持ちは痛いほどよくわかる
    (若い頃はそういうものだと言ってしまえばそれまでなのだが…)
    どちらも気持ちも正直なピップの心だ
    揺れ動きつつももう後ろを見たくない前のめりな若さの勢いが加速する

    一見シンデレラストーリー(少年版)かに見えるがそんな一筋縄ではいかなさそうな意味深なことがあちこちに潜んでいる(ワクワク)

    誰にも内緒に食糧を渡した脱獄囚、彼とはまた再会の予感を示唆している…
    一体姉は誰に襲われてしまったのか 再起するのであろうか?
    ハヴィジャムはピップに何を仕掛けているのか
    (ピップ及び一部の人間は彼女から遺産を引き継いだと思っているが、密かに違うと思っている…
     では一体誰が…)
    エステラは人間らしい感情が芽生えるのか ピップに対する気持ちに変化は起こるのか
    はたまたピップはエステラを愛し続けるのか
    ヒディに対する気持ちはどうなるのか?
    そして、ピップは与えられたこの環境でどう成長していくのか

    そうそう新たに出会う友人となるハーバートはとても粋で心暖かい青年
    彼との友情シーンはポッと明かりが灯りホッコリする!(数少ない癒し場面)

    イジメられたり、ひどい扱いを受けてばかりいるピップ
    それでもストーリーが暗くならないのはウィット感に溢れる文章のせい
    ジョークにイギリスらしさが溢れており、テンポの良さがジメジメさせない
    そしてあまりに個性あふれる登場人物たち
    しかしアクが強過ぎ…みなさん
    この時代の英国って???

    下巻で張り巡らされた伏線がどう回収されるのか楽しみである

    0
    2022年05月17日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    死体消失と人間消失。2つの謎があり、その真相をきいてなるほどと思ったと同時に疑問も持った。読み終わっても読者に考えさせるものを作った作品だと感じた。

    0
    2022年04月11日
  • 大いなる遺産(下)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    当初は新聞連載であったということで、話の展開が速く劇的です。最後に女性と再会する場面がありますが、連載時には再婚した女性の設定だったのが、書籍化にあたり、読者の意見を取り入れて、未亡人の設定に変えたそうです。
    筆者の生い立ちが所々に反映されていて、当時のイギリス社会を垣間見ることができました。

    0
    2022年03月18日
  • 大いなる遺産(上)(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    新潮文庫のものですが、山西英一さんの翻訳のものを読みました。ディケンズのものは初めて読みますが、著者も書名も有名なものなので、どんなに深い話かと期待して読みました。しかし、内容的には大味な印象を受けました。
    鍛冶屋で養われていた孤児の主人公が、何者かによる莫大な遺産を受け継ぎ、激動の人生を歩んでいく20年あまりのお話。

    0
    2022年03月18日
  • シルバービュー荘にて

    Posted by ブクログ

    特に前半、書き込み足りなすぎでは。人物造形等が薄くて、入り込みにくい。重大な脅威って?それがル・カレ的といえばそうかもな、運びの上手さはあるが。

    0
    2022年03月07日
  • 死ぬまでにしたい3つのこと

    Posted by ブクログ

    複雑な事情を背負った主人公が弟の殺人容疑を晴らすべく奔走するスウェーデン発の警察ミステリー小説。650頁を越える大作だが、然程中弛みすることもなく、最後までほぼ一気読み。所謂ご都合主義的な展開は目に付くものの、このパターンでこの真犯人は結構意外性があって面白かった。自信家の割に軽率短慮な主人公・ジョンのキャラクターは突っ込み所多し。単発のクライムものとしてはかなり理想的なラストシーンだと思うのだが、続編が蛇足にならないことを祈るのみ。邦題は英題「The Bucket List」の様にはいかないものですね。

    0
    2022年01月30日