加賀山卓朗のレビュー一覧

  • ヒューマン・ファクター〔新訳版〕

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    「ヒューマン・ファクター…人間や組織・機械・設備等で構成されるシステムが、安全かつ経済的に動作・運用できるために考慮しなければならない人間側の要因のこと」(Wikipedia)

    舞台は第二次大戦後冷戦時代のイギリス諜報部。
    アフリカ情報担当である諜報部員カッスルは、すでに定年を過ぎても仕事を続けているが、その理由は自分でも解らず、常に「引退」を考えていた。
    そこへ、所属する部署に内部調査が入る。
    誰かによる情報漏洩の疑いを明らかにするため……。

    イギリス諜報部というと「スパイ大作戦」「007」など派手なイメージがあるが、まったくそんな描写はなく、淡々と日常を描きながら疑心暗鬼が高まっていく

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    2023年01月19日
  • 黒き荒野の果て

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    昔、アングラな走り屋だった男が自動車修理工場に務めるが、ギャングとの抗争に巻き込まれる話

    多分やけど、ブレイキング・バッドにかなり影響受けてそう。実際名前も出てくるし。

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    2023年01月09日
  • 11月に去りし者

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    殺し屋に追われる悪党ギドリーと家族を連れ戻そうと酒癖の悪い夫から逃げ出した母シャーロットとの逃走シーンがこの小説の展開の面白いところだ。双方に身元を明かさずいるが暫くすると悪党に情が芽生え、家族を母親を守ろうと動き始める。その逃走の中での言葉「これから出会うのは新しいことばかりだ。ここからずっと、どこへ行っても。新しいものは古いものよりずっといいかもしれない。その時になるまでわからないんだ」それは、新しいものが必ずしても良いとは限らない、だが経験しないことには誰にもそれを判断できない、と言うことだ。力強い母の情熱と新たな挑戦は子供二人の将来を見通し人生を賭けたのだ。

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    2023年01月09日
  • 黒き荒野の果て

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    家族を守るために出来ることは何ですか? 米国南部の街で生き抜くクライムミステリー #黒き荒野の果て

    ■人生のつらい現実
    環境が人生を決める。こういうつらい現実を実感するのは私が20代後半に差し掛かった頃だったでしょうか。

    若い時代は夢と希望があれば、どんなに貧乏でも幸せなものでした。
    しかし気が付くといつの間にか大人のしがらみの中で生活をしなければならず、毎月の支払いのために自分のやりたかったことがができてないと気がつく。守るものができた時、生き抜くためにどんな厳しい運命が待っているのか。

    ■家族を守るために
    本書は自動車整備工場を営む主人公が、アメリカ南部の決して裕福ではない街で生き抜

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    2022年12月12日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    ネタバレ

    カーの不気味な雰囲気が存分に楽しめる作品だった。
    推理小説かと思いきや、ホラー小説かな、これは。分類し難いところが既に洒落ている。


    クロスが探偵役で登場したところから解決編がなかなか圧巻で、マリー視点のラスト素晴らしいの一言。
    クロスの前世の魔女仲間がマリーで、現世でマリーに見つけてもらうために自身の顔写真を本に載せていたのはわかるけど、スティーブンズとゴーダンが結びついたのは偶然??ここがわからなかった。

    仮面舞踏会や墓荒らしなどの場面はあるものの、全体的に重々しい、暗い雰囲気の作品だった。

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    2022年11月27日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    Too Big To Fail
    リーマンショックの最中は学生ということで、さわりしか知らなかったけど、勉強になった。三菱の小切手のくだりには痺れた。
    この本に出てくるCEOの中に未だ現役がいるというのもなかなか感慨深い。

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    2022年11月10日
  • 黒き荒野の果て

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    米国南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。裏社会で語り継がれる伝説のドライバーだった彼は、足を洗い家族とまっとうに暮らしていた。

    だが工場の経営が傾きだしたことで運命の歯車は再び狂い始める。

    金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは宝石店強盗の運転役。それは家族を守るための最後の仕事になるはずだった。ギャングの抗争に巻き込まれるまでは――。

    ありがちなシチュエーションだが、カーチェイスの描写で読ませます。

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    2022年10月22日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    リーマンショック前後の各主要プレーヤー達のやり取りを大量のインタビューや記事を元に小説化した書籍。リーマンブラザーズを中心に物語が展開され、ある意味結末は分かってるが引き込まれる。
    下巻では遂にクライマックスに突入するので楽しみ!

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    2022年09月06日
  • オリヴァー・ツイスト(新潮文庫)

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    イギリス文学の傑作、ディケンズ読むならこれ! みたいな話を聞いたので読みました。
    確かに面白い。しかもエンタメ作品として。
    タイトルはオリヴァー・ツイストだが、オリヴァー以外の登場人物にもポンポン視点が移る群像劇。恩田陸並みに登場人物がたくさん出てくるのでメモ必須。
    文章はとにかく皮肉まみれで思わずニヤリとさせられる表現が多い。キャラはみんな個性が尖っていて特に悪人の描写が上手い。
    文学的にどうこうは置いといて、ヴィクトリア朝イギリスの風俗小説として、メロドラマとしてなどの俗っぽい楽しみ方もできることは特筆すべきである。
    ただし、ストーリーの構成がガタガタで最後の方などオリヴァーが出てこなくな

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    2022年08月28日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    カーの小説はどれも読み難いのが難点(私にとっては)だったけど、これは読みやすくて助かった。
    冒頭からオカルト風味満載な雰囲気の中、ちゃんと合理的に解決できて安心した…けれども、終わり方がなんとも…
    続けてM・R・ジェイムズが読みたくなったw

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    2022年08月16日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル下 倒れゆくウォール街の巨人

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    一般人には知り得ない舞台裏が丹念に描かれていておもしろい。あの頃のジェットコースター相場が思い出されます。

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    2022年07月10日
  • リーマン・ショック・コンフィデンシャル上 追いつめられた金融エリートたち

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    一般人では死ぬまで知り得ない裏話集みたいでおもしろい。
    登場人物の誰にも同情できないところがまたいい。
    またいつか greed is good の時代が来るのでしょうか。
    後半も楽しみ。

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    2022年07月10日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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     とてもとてもJ.D.カーらしい、凝りに凝ったオカルトミステリ。

     殺害現場からの犯人の消失、と霊廟からの死体の消失、というふたつの密室を軸に、犯人含めた登場人物たちの思惑が絡み合った推理合戦から、異様な雰囲気を増していく中盤がキャッチーで読み進めやすい分、真打ち登場とばかりに躍り出る探偵役のオーラが凄い。キワモノ。
     謎解き自体は正統なミステリで、これまで醸成されていた不気味な雰囲気が祓われるように晴れてーーいったと思ったら。そこからの揺り返しが凄い。

     真実は何処、というか、真実の軽さよ…


     ☆3.5

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    2022年06月29日
  • 黒き荒野の果て

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    悪事に身を浸した父は母と息子を残して去って行った。
    父に憧憬を持ち続ける黒人の主人公。差別の残るアメリカ南部で車の修理工場を経営するが、会社の金、施設にいる母のための金、子供たちのための金のために足を洗った裏稼業に手を出す。誘われた相手が最悪でドンドン泥沼の中に沈んでいく。
    ストーリーの展開は俊逸なクライム小説。
    キャラクターが想像を超えないので星一つ減。

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    2022年06月05日
  • 大いなる遺産(下)(新潮文庫)

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    さて下巻からは一気にストーリーが動き、上巻で謎に包まれたことが玉ねぎの皮を1枚1枚剥ぐようにクリアになっていく

    ピップに大いなる遺産を渡した人物は予想通りだったが、理由がわかりちょっと切なくなる
    さらに過去に登場した人物があれよあれよと繋がっていき、「ええそうだったの⁉︎」と何度も心で叫んだ(笑)

    紳士になるため、遺産とともにロンドンへ
    贅沢な暮らしを送りながらも、人様の勝手なエゴに翻弄されていく

    さらに美しさを増したエステラに再会したピップ
    彼女への愛に確信をもつものの、相変わらずの態度に愛が深まるほど虚しさは増す
    婚約者に裏切られた過去を持つハヴィシャムの差金でエステラの面倒を見るこ

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    2022年05月21日
  • 黒き荒野の果て

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    わかりやすい登場人物の描写。カーアクションの描き方は圧巻である。実際に事が進む中盤以降、物語はテンポ良く進んでいく。あれだけ巨額の強奪事件で人も多数死んだのに警察がほとんど絡んでこないって、あり?

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    2022年04月19日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    終盤まではオカルトが絡んだ推理小説で、おもしろいが特段目を引くものでもなかった。

    しかし最終盤、最後の最後でこの本が名作と評されているわけが分かった。
    この結末を忘れることはできないだろう。

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    2022年03月21日
  • 黒き荒野の果て

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    S・A・コスビー『黒き荒野の果て』ハーパーBOOKS。

    アメリカのノワール小説。

    必死に家庭と家族の生活を守ろうとするかつてのアウトローが陥った窮地。終盤は慌ただしく風呂敷を畳んだ感じで、中盤までのなかなか面白いノワールも霞んでしまった。主人公を徹底的に過去から甦ったアウトローとして描いてくれれば面白さは増したろうに。

    かつて裏社会の伝説のドライバーだったボーレガード・モンタージュは家族のために危険な犯罪から足を洗い、アメリカ南部の町で自動車修理工場を経営していた。しかし、近くに新たな自動車修理工場が出来ると経営は傾き、様々な支払にも困窮するようになった。

    金策に奔走するボーレガードに

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    2022年02月24日
  • シルバービュー荘にて

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    冷戦が終わったとき、これでスパイ小説も終わった、とよく言われた。米英を中心とする資本主義諸国と旧ソ連を盟主とする共産主義諸国がイデオロギーの対立を掲げ、角突き合わせていたからこそ、米英ソの諜報合戦は関心を集めた。冷戦が終われば、スパイは仕事がなくなるだろうと皆が思ったのだ。当然、そんなことはなかった。ル・カレはその後もスパイ小説を書き続けた。ただ、重心の置き方は変わった。

    英国情報部はオックスブリッジで部員をリクルートする。パブリック・スクール出身者が多く、家族や交友関係、本人の思想信条について調査するまでもないからだ。彼らは生え抜きであり、組織の頭、中枢になる人材である。代々諜報活動に従事

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    2022年02月03日
  • 火刑法廷〔新訳版〕

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    火刑法廷は17世紀フランスで行われた裁判。登場するマリー・ドブレーは実在の毒殺魔と同名。デスパード家当主急死の謎を解くミステリー。最後の数ページでミステリーから怪奇に変わる。面白い。

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    2025年05月22日