春日太一のレビュー一覧

  • すべての道は役者に通ず

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    人間は様々な壁を乗り越えてくる。それは私たちも同様。役者は映画の世界という羨望の裏側で苦悩する。もっと話が聞きたい、割愛された彼らの言葉が程よいさじ加減でないと名著として成就しない。そういう意味ではほんの少し薄味、もう少し欲しいよね、彼らの信条。

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    2018年12月02日
  • エロスの記憶 文藝春秋「オール讀物」官能的コレクション2014

    購入済み

    粒揃いの作品集です。小池真理子さんの作品を目当てに買いましたが、各先生の作品それぞれ格調の高いエロスで楽しめました。このお値段でこの内容はお得です。

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    2020年05月05日
  • 役者は一日にしてならず

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    『すべての道は役者に通ず』から知る。
    朝日新聞201545掲載
    日本経済新聞2015329掲載
    週刊読書人20151211掲載 評者:松永正訓(小児科医,作家)読売新聞2018114掲載 評者:戌井昭人(作家)
    朝日新聞2022917掲載 評者:サンキュータツオ(学者芸人)

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    2022年09月26日
  • 「ドラマ鬼平犯科帳」ができるまで

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    監督、カメラマン、録音技師、
    多様な裏方へのインタビューから
    「鬼平犯科帳」の魅力を別の角度から
    浮かび上がらせている。

    読んでいると、全員に
    「鬼平って、こうだよね」という
    しっかりした共通認識が
    あったことがうかがえる。

    映画や歌舞伎の伝統を受け継いだ、
    時代劇の流れが絶えないでほしいと
    切に願う。

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    2018年08月13日
  • 市川崑と『犬神家の一族』

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    竹取物語…映画館に観に行ったなあ…(遠い目)
    市川昆は石坂浩二の金田一耕助を生み出した!この一点で全てオッケーです
    金田一シリーズについてたくさん書いてあったので満足

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    2018年06月18日
  • 仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版

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    私の人生にカスりもしなかった日本映画黄金時代を、この人から教えて頂けるありがたさ。演技という面で映画を見る、視座をも与えてもらった。
    こんな人生送ってきた人には、今の邦画界は狭過ぎるんだろうなぁ。

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    2017年11月26日
  • 仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版

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    仲代達矢…
    重厚という言葉を天下一品のこってりスープで十日間煮込んだような濃厚な味わいの演技。
    同世代の俳優たちが次々と天国へとログアウトしていくなか、いまだ延々と地上界にインし続けるアプリ廃課金者のごとき生命力。
    彼が語る名優・名監督の逸話が実におもしろいです。

    本書を読むとまた彼の映画が観たくなります。
    「人間の條件」「殺人狂時代」などがアタクシのフェイバリットでございます。
    唯一の汚点は市川崑の「女王蜂」冒頭部分の学生服姿でしょうか。
    どう見ても浅草のコント芸人にしか見えないのです。
    彼の演技力をもってしてもこれだけの年齢的なギャップはいかんともしがたく…痛々しいかぎり。
    やはり学生姿

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    2017年10月01日
  • 鬼才 五社英雄の生涯

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    みんな大好き友近も大好き五社英雄ですよ。
    五社好きにはたまらないエピソード満載の本です。
    そもそもこの人フジの社員だったんですからね、いま有名人のガキしか採らないあのフジで。

    五社映画といえば…
    エロくない女優さんでもエロく
    出てくるキャラは男女問わずみんな絶倫
    かたせ梨乃さまのおチチは必要以上の長回し
    などなど…
    中学生時分のアタクシの股間を直撃してくれました。
    ごちそうさまでした。

    もし今の時代に五社がいたら、長澤まさみや有村架純にあんなコトやこんなコトをさせて撮ってくれたんぢゃないかと思うと…惜しいですね。


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    2017年09月26日
  • 天才 勝新太郎

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    「パンツ」と言えばすぐ「コカイン」と連想できるように後世の我々に多大なる影響を与えた、われらが勝新太郎のノンフィクションです。

    大映や勝プロなどの方々への取材をもとに書かれていますが、まぁタイヘン。
    こういう天才と一緒にやるのは。
    でもヒトゴトと思って読むとひたすらおもしろいです。

    いまの世の中なら存在そのものが"炎上"してるようなお方なので良い時代に活躍されてよかったです。

    個人的には「人斬り」の岡田以蔵役がベストですね。

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    2017年09月25日
  • 天才 勝新太郎

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    自分が好きなのは兵隊やくざだが、この本を読んで座頭市への想像以上の入れ込みの凄まじさを初めて知った。役者として天才だと思っていたが、そうではなく映画の天才ということも改めて知った。

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    2017年06月22日
  • なぜ時代劇は滅びるのか

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     多作は「新進気鋭が腕試しをする試験場」でもあり、「粗製濫造で視聴者離れを引き起こす要因」でもあった。

     かつて全盛を極めた時代劇の凋落はいつから、なぜ始まったのか。現状に至るまでを時代劇・映画史研究家が解説する。
     1955年の時代劇映画は174本。50年代は毎年150本以上あり、1960年にも年間168本が製作されたが、わずか2年後の1962年には77本に、1967年には15本まで減少する。50年代は他に娯楽が少なく映画館入場者数が10億人を超えていたが、60年代に入って急激に落ち込み、東京オリンピックに合わせて普及した家庭用テレビの影響がさらに重くのしかかる。そこから半世紀以上続く、時

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    2017年04月06日
  • 市川崑と『犬神家の一族』

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     市川崑は脚本家の奥様、和田夏十の内助の功に支えられていた。
     監督は奥様の没後は迷走…。和田夏十さんのすごさももっともっと検証されるべきでしょう。
     「木枯し紋次郎」の主題歌、上條恒彦「だれかが風の中で」の詞まで書かれていたとは。すごいね。

     吉永小百合を「監督クラッシャー」と断言するのもツボ。

     戦後の日本の映画界の駄目っぷりも露わに。「東京オリンピック」は人選ミスって駄目じゃん。

     角川が仕掛けた金田一耕助ブームがミステリへのめり込むきっかけだっただけに、石坂浩二インタビューは嬉しいおまけ。

    見たくなる映画やTVが一杯出て来て、それだけでお釣りが来る一冊ですね。

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    2016年07月09日
  • なぜ時代劇は滅びるのか

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    時代劇が滅びた原因の一つに、今の俳優の力不足を挙げているが、その中で特定の俳優の名前を挙げられて、「時代劇なのに自然体の演技をするとは何事か!」的な、事を書かれているが、実にごもっとも。小気味よい文体で楽しめました。

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    2016年06月11日
  • なぜ時代劇は滅びるのか

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    水戸黄門が時代劇に果たした役割の大きさを再認知。
    もはや滅びゆくジャンルなのか…。個人的には映像の雰囲気は70年代のフィルム感が好き。

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    2016年04月17日
  • 市川崑と『犬神家の一族』

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    筆者の春日太一氏は最近、書籍も多く、ラジオなどの出演も多い若手の時代劇研究家だ。
    私は彼の「あかんやつら」を読み、かつてあった日本の時代劇の凄みにはまった一人だ。
    ラジオにもよく出演し、語り口も分かりやすく聞きやすい信頼できる批評家の一人だと思う。
    たまたま、角川シネマで市川崑特集をやっており、ちょうどこの本の存在を知った事と被り、この本を読んで市川崑の「破戒」を見た。
    筆者が本書で評価している様に非常に画の綺麗な美しい映画であり、ある部分の会話ではコメディ的な皮肉もありつつ、そしてクールな、非常に客観的な人物が配置されていたり、確かにその評価の通りだと感じた。
    特に、弱い男と強い女という対比

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    2016年01月24日
  • 市川崑と『犬神家の一族』

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    市川作品をそんなに観ている方ではないものの、それでも著者と同じく市川崑を自分の中でどう整理していいかわからず、もやもやしていたのですが、おかげでだいぶ晴れました。非常に読みやすくファン以外でも楽しめると思います。作品を未見でも大丈夫ですが、「犬神家」はさすがに詳細な解説が入るので観ておいたほうがいいです。

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    2015年12月24日
  • 市川崑と『犬神家の一族』

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    ネタバレ

    市川崑監督論の研究書。

    久しぶりに仕事以外で小説でないものを読みました。
    自分はちょうど「犬神家の一族」の封切から市川監督作品を見だしたので、それ以前の監督作品の解析は大変勉強になりました。
    自分も監督の最高傑作と思っていた「細雪」が評価されていたのもうれしいです。
    ただ、自分は映像的には評価している「東京オリンピック」ですが、聖火ランナーのやらせについて言及しなかったのはちょっと物足りなかったです。
    しかし、市川作品の映像美に虜にさせられた「犬神家の一族」の詳細な分析も納得ですし、石坂浩二のインタビューで晩年の苦労もわかり涙しました。
    読書感想から離れてしまいますが、自分は高校・大学と映画

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    2015年12月20日
  • 市川崑と『犬神家の一族』

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    この人について語らねばならない、この作品についてきちんと記録を残しておかねばならない、という意気込みがいつも春日さんの著書からは感じられて、未見でも知らない俳優さんでも深遠の一部を覗き見た気になってしまう。
    そこにあるのはかつてのことであり、ある意味では歴史だ。しかし、誰かが記すことでしか伝わらずに残されていかない。過去のことは現在に、そして未来に違った形になって届くはずなのだろう。

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    2015年11月21日
  • 市川崑と『犬神家の一族』

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    著者のひと周り上な世代ゆえ、ぎりぎり金田一シリーズに間に合ったとは言え、その後の作品群に歯切れの悪いサムシングを感じていただけに、それらをすーっと晴らしてくれる軽快な読み解きは大変面白く、一気に貪り読む。リアルタイムで敬遠していた作品を見直したくもなりました。まえがきに記されたとおり、邦画現在どうしてこうなった?!の鍵もそこかしこに。そして、あのお方を「監督クラッシャー」とキッパリと。いやはや、こちらも長年のモヤモヤではありました。確かに。

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    2015年11月16日
  • 役者は一日にしてならず

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    映画評論家という職業は、絶滅危惧種的存在にしか思えないけど、春日太一の本を読むと、映画史家というのは必要なんだなあ毎回思います。

    短時間のインタビューで、ベテラン俳優達から、実のある話をうまく引き出せる著者の手腕は鮮やかです。


    登場している俳優たちは、名前と顔は知ってるけど、邦画もTVドラマも殆見ない自分的には、俳優としてというよりも、バラエティ番組などで見かける大御所俳優枠というポジションのおじさん達。という程度の認識しかありませんでした。

    例えば、松方弘樹なんて、昔「元気が出るTV」でただ笑ってるだけの、おじさん。と思っていたので、時代劇に対する思い入れの深さとかが書かれていて、良

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    2015年06月16日