春日太一のレビュー一覧

  • ヒット映画の裏に職人あり!(小学館新書)

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    映像制作を支えるスゴ腕職人達のインタビュー集。
    VFX、音響、殺陣、特殊メイクなどを担う映像制作を支える"職人”達の、仕事に賭ける情熱と卓越した技術のお話をたくさん知れて面白かった。ついつい"裏方”という言い方をしてしまうけれど、それはもう失礼だなと考えを改めた。

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    2025年03月23日
  • やくざ映画入門(小学館新書)

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    令和の世にあって、時代劇以上にハードルが高いかもしれない「やくざ映画」について、楽しむための基礎知識を説く。個人的にも「こういう手引き書があれば助かるのになぁ」と思っていたのでドンピシャだった。

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    2024年11月27日
  • 仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版

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    ここまで語らせるなんて…。

    2024年10月読了。

    毎回、読むのが楽しい春日先生の『徹底密着インタビュー』だ。仲代達矢さんは未だに現役なのが本当に素晴らしいし、嬉しかった。

    そして彼の口から語られる往年の名監督,名役者,そして陽の当たることのない沢山の裏方の人達の物語は、本当に読んでいて止まらない楽しさだった。

    この前に『天才・勝新太郎』を読んでいたので、彼との関係性や裏話も楽しく読ませてくれ、個人的に《憧れの》黒澤明と三船敏郎との話も聞けて、大満足。それにしても仲代さんのお元気さには脱帽。まだ『三屋清左衛門』が出来るんじゃないww?

    日本映画の繁栄と衰退の歴史を知りたい人には必読の書。面白かった!!!

    #タメになる #深い #笑える

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    2024年10月18日
  • 天才 勝新太郎

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    「99%の汗と1%の閃き」…。

    2024年10月読了。

    大好きな著者の本で有るのだが「刊行順に読みたい」と思っていても、いつの間にか自分の好きな本を手にとってしまい、この本を読むのがこんなに遅くなってしまった(他の本でも勝新について触れていたと云うのあるが)。

    読後、心から泣いてしまった。こんなに偉大な役者が居たと云うこと、こんなに心の優しい、シャイで我儘な天才の存在が、どんどん人の記憶から忘れ去られていると云うことに。

    本書内で書かれてはいなかったが、『影武者』の撮影時、黒澤がカットを掛けて「違うよ〜、勝っちゃん」と言うと、彼は「俺は今『武田信玄公』なんだよ、勝っちゃんじゃない!」と言い返したと云うエピソードを、昔聞

    #アツい #憧れる #切ない

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    2024年10月18日
  • あかんやつら 東映京都撮影所血風録

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    熱き『カツドウ屋』達の物語。

    2024年10月読了。

    春日さんの著作は折に触れて読んでいるのだが、順番がめちゃくちゃなのか、どうもしっくり来ないので、既読感は有ったが本書を購入。
    ところどころ「あれ、この話聞いたことあるな…。」と思いつつも、映画に命を懸けた人たちの物語は読んでいて飽きることが無い。

    又、著者の春日さんが余り「大御所に阿ったり」「映画会社に気を遣い過ぎたり」せず、ズカズカと書いてくれるので、大物の情けないところや、一流と言われる役者の失敗談なども読めて、本当に飽きることを知らない楽しい読書時間を過ごせた気がする。

    それに、文中に出て来る映画も「そこまで言われると観たくなっちゃうな…」と、古い映画であっ

    #アガる #カッコいい #感動する

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    2024年10月18日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    厚い取材に基づいて、橋本忍の生涯が浮かび上がる好著。

    今、議論されている原作者と脚本家の関係のもつれの根源が垣間見える。

    天才、脚本家に深い敬意を払いつつ、失敗や限界が描かれていて、そこが一番、面白かった。

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    2024年10月06日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    『幻の湖』を見てからでないと読めないと思いしばらく積んでいた。数々の名作を生み出した橋本がなぜあんな珍作を撮ったのか不思議でならなかった。丁寧な取材に基づく深い考察で『幻の湖』がいかにして生まれたのかが解き明かされる。ここが一番読み応えがあった。

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    2024年07月22日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    目次
    序 鬼の詩
    一 山の章
    二 藪の章~『羅生門』
    三 明の章~『生きる』『七人の侍』
    四 離の章~『蜘蛛巣城』『夜の鼓』『女殺し油地獄』『風林火山』
    五 裁の章~『真昼の暗黒』『私は貝になりたい』
    六 冴の章~『切腹』『仇討』『侍』『日本のいちばん長い日』『上意討ち』『首』
    七 血の章~『張込み』『ゼロの焦点』『人斬り』『黒い画集 あるサラリーマンの証言』『砂の器』
    《特別インタビュー》山田洋次の語る、師・橋本忍との日々
    八 計の章~『人間革命』
    九 雪の章~『八甲田山』
    十 犬の章~『八つ墓村』『幻の湖』
    十一 鬼の章~『愛の陽炎』『旅路 村でいちばんの首吊りの木』『鉄砲とキリスト』『天

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    2024年06月08日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    砂の器の映画と原作ともに堪能したが、原作の軽さがが感じられた。その作者がなぜ『幻の湖』を作ったのか。偉大な脚本家を追った本として満足。
    見ていない映画や改めて見直したい映画もあり、これからも読み直したい。

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    2024年06月06日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    橋本忍先生の作品はほぼ見ている。だから映画の裏側(特に、八つ墓村、人間革命、幻の湖!!)を知れるだけでも、もちろん面白いのだが。。なんといっても想像以上のビジネス本でもあり、最高。何度も読み返したい。

    幻の湖が橋本忍が天才すぎての作品かと思っていたけど、ビジネス視点で作られてる、、とは。たしかに走るシーンが長いのは「砂の器」のラストと同じだとは思ったけど。

    例えば、こんなセリフがあるんです。すごい面白い!
    「大きな会社で大量生産方式がとれたのは、他の娯楽産業がまだ伸びない時代、もう一つは全部手 仕事であるにもかかわらず人件費が極端に安い時代、この二つの条件の下にしか成り立たない産業 なので

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    2024年06月05日
  • 市川崑と『犬神家の一族』

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    市川崑監督と妻・脚本家和田夏十、触発する互いのキャリアが積み重なるも、和田の闘病、市川監督作品「東京オリンピック」のバッシングという悲運から名誉挽回となった「犬神家の一族」今作の制作過程や物語構成を筆者が様々な引用や取材を通して解説する。この筆致がわかりやすく、そして明確に浮かび上がる市川崑監督の演出法に唸らせる。主題に対する作り手のポジション、下手すれば退屈させてしまうミステリーの解体・再構築の過程は面白い。幾度となく鑑賞してしまう傑作の裏側は映画好きならずとも一読の価値がある。

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    2024年05月09日
  • 仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版

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    こういう本はいろんな裏話が知れて面白い。今の役者や日本映画に嘆いておられます。自身出演作でこの一本にあげる『切腹』をまだ見ていない。早速見てみたい。

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    2024年04月02日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    「幻の湖」の謎を解くカギがすべて描写されている。成功の陰になったあらゆる可能性の裏面がすべて噴き出した壮絶なギャンブラーの溜息だったのだ。

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    2024年03月19日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    とめどなく俗物根性で駆け抜ける橋本忍の足跡は、映画を芸術ではなく興行の媒体としてどうすれば儲かるのか、その徹底した分析力をギャンブルの糧として活用していく。腕力で面白く脚色していく橋本の興行収入や名声を欲する姿はあまりに人間臭くてグイと惹き込まれていく。栄光と凋落。この振り幅も賭博師として自覚していたのではないか。輩出する脚本に共通する主題同様、苦悩に満ちた半生は彼の宿命でもあったと感じる。

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    2024年03月13日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    ネタバレ

    脚本家といえば、倉本聰や山田太一を知っている人は多いと思うが、橋本忍の名前は、映画マニア以外では、余り知られていないと思います。

    橋本忍は、戦後サラリーマンをやりながら書いた脚本(芥川龍之介の「藪の中」)が、黒澤明監督の目にとまり、黒澤が手を加えて、映画「羅生門(1950年)」となり、いきなり「ヴェネツィア国際映画祭」でグランプリを受賞した。
    以後、黒澤明・小国英雄の3人で共同執筆を行い「生きる」「七人の侍」等の脚本を書いていたが、徐々に黒澤から離れて独立する。
    黒澤から離れた理由は、完璧を目指す黒澤は、通常の脚本の3倍以上の労力と時間がかかり、しかも映画のクレジットは、黒澤との連名になるの

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    2024年02月21日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    橋本忍は「観なきゃいけない」と思いつつ、未だ鑑賞していない作品の多い脚本家のひとりだ。本書で触れられている大作のうち、1/3くらいしか観ていない。観る前に膨大な取材のもとに書かれた本書を読んでしまうことで、すべてネタバレにならないかと心配していたが、決してそんなことはなかった。作品をちょっと観ただけでは掴みきれない製作の裏側が見えてくる。むしろ、一連の作品にこれだけの準備があった事を知ってから映画を観た方が、より深遠なところまでいけるような気がする。
    なぜ映画も観ずに本書を読んだかと言えば、「幻の湖」があったからである。なぜ晩年期にあのような作品が出来上がってしまったのか。はっきり言って本書の

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    2024年02月07日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    今問題になっている原作者と映像化の問題、
    橋本忍が原作を読み込むことなく「砂の器」を書いたことを考えると、複雑な気持ちになる。

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    2024年02月03日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    ネタバレ

     これまでに一番泣けた映画と言えば「砂の器」。その後、原作も読んだのですが、映画の方がよっぽど感動的。11月27日付け日経新聞のコラム「春秋」で、この映画の脚本を書いた橋本忍の評伝が出たとあり、早速読んでみました。

     橋本忍の名は知らなかったのですが、稀代の脚本家ということがわかりました。「砂の器」だけではなく、「七人の侍」「生きる」「ゼロの焦点」「八甲田山」など、自分でも見た数々の名作の脚本を手がけていたそうです。

     ほぼ全編にわたって「砂の器」が出てきます。原作で、「その旅がどのようなものだったか、彼ら二人しか知らない」という、たった26文字の部分を人形浄瑠璃の手法で大幅に脚色。ところ

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    2023年12月05日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    春日太一さんの12年間に及び橋本忍というストーリーテーラーに春日太一が苦心して対峙していく様子が痛いほど感じられる大著。

    後追いで橋本忍脚本映画を観てきた自分には浅い映画歴にどんどん線が引かれていく感覚で一日で500頁級の本書を読み切りました。

    ただ読後感として、映画脚本・ビジネスマン両面の才能に恵まれた人物の栄光と挫折ではまとまらない、描かれていない余白があるのではないか、まだ橋本忍はわからないのではないかという感覚も残りました。

    春日さんには迷惑な期待かもしれませんが『続・鬼の筆』というより『鬼の筆・ビヨンド』があるのではないかと読者としては期待せざるを得ないです。

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    2023年11月27日
  • すべての道は役者に通ず

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    ネタバレ

    織本順吉・加藤武・宝田明・山本學・左とん平・中村嘉葎雄・上條恒彦・山本圭・石坂浩二・藤竜也・橋爪功・寺田農・江守徹・西郷輝彦・武田鉄矢・火野正平・勝野洋・滝田栄・中村雅俊・笑福亭鶴瓶・松平健・佐藤浩市・中井貴一という23人の役者たちへのインタビュー。
    23通りの人生や演技論、役者としての覚悟のそれぞれに惚れ惚れし、感嘆した。皆が映画やドラマの監督やプロデューサーだけでなく、共演した先輩俳優についても話しているところが印象的。

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    2022年11月01日