春日太一のレビュー一覧

  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    春日太一さんの本、久々に読んだけど面白かった!

    改めて橋本忍の凄さを痛感させられながらも、大枠の話なので各映画の詳細を知りたい場合には向かないかも。

    砂の器に取り憑かれてくところや、ギャンブル的な人生なところも面白い。

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    2025年05月02日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    ネタバレ

     人間は、生れて、生きて、死んで行く。その生きて行く間が人生である。
     人生とは何だらう。
     恰もそれは賽の河原の石積のようなものである。笑ったり泣いたりしながら、みんな、それぞれ自分の石を積んで行く。
     ところが、時々、自分たちの力ではどうしようもない鬼(災難その他)がやって来て、金棒で無慈悲にこの石を打ち崩す。
     表面的な涙だけではない。心の中が、いや、体全体までが涙で充満する。
     そして、嘆き悲しみながらも、また石を積み始める。その涙の底には、その人自身は気がつかないにしても、何かとても強い意志……生きて行こうとするなにものかが……不思議な程に強い生命力がある。
     もし、地球上のあらゆる

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    2025年04月18日
  • ヒット映画の裏に職人あり!(小学館新書)

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    対象となる映画作品は異なるがプロフェッショナル達の思いが伝わる本で映画業界を目指す人達が読むべき本。聞いたこともない仕事もあるがジャンルが違っても一本の作品にかける労力が大きい事が分かる。プロの矜持が伝わる。

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    2025年04月15日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    とても面白かった。
    橋本忍という脚本家の名前は何度も何度も目にしていたが、その方の評伝を読む日が来るとは思ってなかった。
    ご本人が生き生きと蘇ってくるような書きぶりだった。
    数々の残された作品をまた見たくなる。見たことのない作品はもちろんのこと。

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    2025年04月04日
  • 時代劇入門

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    時代劇について初心者向けに解説した本。定義、歴史、分類の切り口、役者、監督、見どころなどわかりやすくまとめている。富野由悠季との対談もあり。
    個人的には子供の頃毎日のように時代劇を見ていたが、体系立てて考えたことはなかったので新たな知見が数多くあって面白かった。時代劇はファンタジーでありロマンである。

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    2025年03月31日
  • ヒット映画の裏に職人あり!(小学館新書)

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    古今東西、映画作品には多くのスタッフやキャストが携わっている。そして各々矜持を持って作品に取り組んでいる。私たちはその過程は知らずに結果としての作品に出会い良し悪しを抱く。そこには観客としての好き嫌いもあるのだから致し方ないが、つくる側の奮闘を知るのは無用ではなくむしろそこにもドラマがある。その幾重にも重なる世界に私たちは夢を享受するのだろう。その一端をこの本で探求できる。世界はどこを見ても広く深い。

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    2024年10月21日
  • ヒット映画の裏に職人あり!(小学館新書)

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    近年に大ヒットした映画やテレビドラマには、実は重要な役割を果たしているディテールがある。裏方として映像制作を支えるスタッフたちは、いかにしてそれを創り上げ、ヒットに導いたのか。VFX、音響、殺陣、特殊メイクなどを担う“職人”12人の技術と情熱を知れば、映像鑑賞がもっと面白くなる!

    映画の第一線で活躍している人々、その人選がなかなかよい。

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    2024年10月06日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    間違いのない大作を書く大御所、の印象があった橋本忍。それはそうなのだが、思いもよらないギャンブラーなお人柄、脚本職人のような一面がある反面、作品全体を予算取りから興行面から大きな俯瞰の目で眺め当たり外れを見当する山師のような面もある、たいへん人間臭く魅力的な人物であった。「砂の器」を中心としてノリに乗っている時期の仕事量、質、勢い、読んでいても圧倒される。そこから「幻の湖」に至っての空回り、周囲との噛み合わなさなどは、辛い内容だ。だが最晩年の果てまで筆者は追ってくれる。そこには命を削って最後の瞬間まで書き続ける執念の姿があり、とんでもない一映画人の一代記を読み終えた読後感に包まれた。以下は印象

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    2024年08月13日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    2023年初版。一つの時代を作った脚本家。一時期、感銘を受けた作品はほぼ橋本忍脚本でした。この本を読んで、橋本忍さんのイメージが少し変わりました。もっと作家的な方だと思っていたのですが、ビジネスマンの要素・プロデューサーとしての要素の強い方。優れた能力を持った方だと知りました。私的には「砂の器」の父子の二人旅のシーン、日本の四季が美しい。バックに流れる音楽も素晴らしい。もっと素晴らしい作品を残して頂けたらと思いました。

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    2024年07月31日
  • 天才 勝新太郎

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    稀代の映画俳優、勝新太郎の映像制作におけるこだわりや周囲のスタッフへの対応が様々な年代を通して記される。彼の代名詞、座頭市に対する愚直な演出は時に他の製作スタッフの諍いもあるが、そこに映画スターの我儘でなく座頭市と向き合う上で譲れない信条が露わになる。その姿勢に感嘆するも当時の製作現場の衝突は必ずしもポジティブな結果を残しているとは限らない。しかし彼を慕うスタッフも少なからず存在したことは事実であり、彼の魅力もそこに宿っていると確信する。やはり名映画人なのだ。

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    2024年07月03日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    「羅生門」「七人の侍」「隠し砦の三悪人」から「私は貝になりたい」「砂の器」等など、大いに楽しませて貰ったその作品群から、この偉大な脚本家の創作の秘密、裏話などが知れれば、との興味から本書を取ったが、没後ご家族から提供された生原稿やノートに加え晩年の直接インタビューも含めて膨大な資料から整理、検証された本書の内容は非常に興味深く面白かった。
    優れたシナリオライターであるだけでなく、映画が当たる当たらない要因もきちんと分析して企画に反映したり採算も計算したりのプロデューサー的能力も高かった事、日本映画界旧来のやり方に危機感を持って橋本プロダクションを作ってプロダクション制に移行していった先見性など

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    2024年06月23日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    しっかりとビジネスマンである面とかも含めて
    とんでもない人物がいたんだなぁ、と思わずにはいられない。

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    2024年06月07日
  • あかんやつら 東映京都撮影所血風録

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    いゃあ おもしろく読ませてもらいました
    私自身は 全くの映画ファンでは ありません
    本書で描かれ、紹介されている
    数々の名作もほとんど見たことがありません

    それでも
    その時代であるがゆえに
    こういう映画が作られた
    こういう映画人がいた
    ということが
    肌感覚で伝わってくる

    「人間」が作ってきたのだ
    という熱い思いが伝わってくる

    スクリーンに映し出される
    映画スターのお話ではなく
    その「映画」に携わってきた人たちの
    息遣いが伝わってくる

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    2024年03月31日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    日本映画史に名を残す脚本家橋本忍。結核療養生活、伊丹万作への師事、黒澤明との「羅生門」でのデビューから日本映画黄金期を駆け抜けた華々しい作家生活。独立プロの立ち上げなど経営者としての顔、晩年の創作など実に楽しく読むことができた。
    砂の器、八甲田、八つ墓村の後の凋落ぶりが切ない。
    圧倒的な事実と本人への取材の前に、ちょつと構成が弱く、淡々と続きクライマックスの盛り上がりには欠ける。

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    2024年03月04日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    最近、昭和30〜40年代の日本映画を追いかけている。橋本忍の作品もいくつか観たが、力作揃いだった。この本が話題になると、さらに回顧上映の機会が増えるだろう。楽しみである。

    「八甲田山」「幻の湖」の舞台裏を興味深く読んだ。

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    2023年12月06日
  • 黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄

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    とても面白かった。
    突き抜けた個性のある人の映画の裏話が面白くないわけがない。
    奥山和由さんといえば、松竹解任劇と羽田美智子。
    完全にミーハー気分で読んだ。とはいえ、春日太一さんのインタビューだからこそ読んだ。
    私自身が数本の作品しか見ていないのが残念だ。好みが合わない⁈いやいや、深田晃司監督の「ほとりの朔子」「さようなら」は見たい。

    奥山さんが紹介していた、トニー・レオンの「許すことは勝つこと」という言葉をかみしめたい。

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    2023年11月06日
  • 大河ドラマの黄金時代

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    今は当たり前のようにある大河ドラマにはこんなドラマがあったんですね。
    ちょうど少し前にNHKで、初めての大河ドラマのドラマをやっていたので、それを観た後はなおさら分かりやすいです。
    これは『太平記』までの話だったので、その続きが知りたいなー。私、初めての大河が『太平記』なんです。

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    2023年04月10日
  • やくざ映画入門(小学館新書)

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    やくざの基本組織図や簡単な用語、有名作品、俳優、考察に筆が及んでおり短い時間でやくざ映画についての知識が得らえれるありがたい本。
    現実とは違うという意味では「時代劇」の属するジャンルになるのかもしれない。

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    2023年01月12日
  • やくざ映画入門(小学館新書)

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    かつての隆盛はどこへやら近年は韓国ノワールに押され気味の日本やくざ映画。その歴史を紐解きながら「面白そう!」と思わせてくれる入門書。時代劇研究家でもある著者の「半沢直樹は時代劇よりもやくざ映画に近い。半沢を楽しめた人はやくざ映画も楽しめるのではないか」という導入も巧い。ちなみに私は数年前に酒場で隣の席の男性と東映やくざ映画の話で盛り上がって「お若いのによく知ってますね」とビールを一杯奢ってもらったことがあります。世の中何の知識が役に立つか分かりませんよ?w

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    2021年11月14日
  • なぜ時代劇は滅びるのか

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    画時代劇を考察した本。 国民的エンタメだった時代劇が瀕死の状態だという。 要因は、エンタメの多様化、制作側の甘え、表現の制約、時代考証の厳格化、役者の不在、監督の質の低下、プロデューサー脚本家の問題など。 時代劇はある意味、過去の出来事を題材にしたファンタジーなのだが、時代劇ファンは高齢化し、オタクはより正確でリアリティのある表現を求めるようになった。 制作側は、世代交代が進まず人材育成制度がない、予算などの制約も多く、企画はマンネリ化してしまう。 視聴者に飽きられたのが現状だ。著者は、時代劇研究家だがその将来は悲観的に見ている。 この本は、2014年発行で人気時代劇水戸黄門が終了した後に状況

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    2021年10月05日