春日太一のレビュー一覧

  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    めちゃくちゃ面白かった。面白いエピソードだらけ。原田弁護士とか出てくるし,最高裁の話とか,戒能先生が出てくるのもびっくりだった。
    橋本さんの映画を見たくなる。とりあえず「真昼の暗黒」はぜったい見たい。

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    2025年02月25日
  • ボクたちのBL論

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    著者らと同年代の男性として、なぜBLがひとつのジャンルとして書店の一画やVODの1カテゴリーをはれるほど一般に受け入れられたのかを知りたく取ってみた一冊。でも開いてみると、男性視点のBL論という非常にニッチな話題が対談形式で繰り広げられ、これはこれで面白いのだが、クリアな回答は得られなかった。十人十色なのはわかるが、(腐)女子やゲイの視点もやはりほしい。

    著者のバックグラウンドからアニメや映画(時代劇)の情報量が多く、ついていく持久力が途中できれそうになるが、少女漫画も読んできた、妄想癖もある自分としては、共感度は高めだった。視点を変えて観るというのは至極わかりやすい。
    アニメ、やおい、同人誌からのBLは確かに納得ではあるが、映画ならモーリスやアナザー・カントリー、あるいは日本の芸能ならジャニーズや韓国ボーイズグループだったり、ゲイビ(淫夢)からのBLの道筋もあるのではないか、という当初に自分の問いには触れられてなかったみたいなので、続編に期待。出版当時から数年で状況もかなり変わっていて日本だけでなく、国際的に受け入れられるこの状況をもっと学問してほしい。

    なおサンキューさんと春日さんはこの対談を読まれることで、自分たちもBL的消費をされることを承知のうえで自身の妄想をカムアウトしているに違いないので、ある意味、ごちそうさま。

    想像は創造だ。

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    2025年01月03日
  • 「ドラマ鬼平犯科帳」ができるまで

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    「鬼平ファンクラブ会報」みたい

    2024年10月読了。

    現時点で吉右衛門さんは鬼籍に入られ、新たに《甥っ子の》十代目 松本幸四郎が、自分の息子を引き連れて新たな《鬼平》企画が始まると聞いている。

    それを踏まえて本書を読んでいて、やはり「中村吉右衛門」と云う名優の大きさを感じた。彼は兄である松本白鸚の陰のように、若い頃は目立たないイメージが強かった。兄が積極的にテレビや舞台へ打って出たのと異なり、控え目なイメージが有った。
    でも何十年も前に一度だけ、歌舞伎で実際に観た際「ひょっとしてお兄さんより《力強さ》が有って良いのでは…?」と思った記憶があった。
    だから『鬼平犯科帳』が始まった時《役とのジャストフィット感》があった。バブル期と云う幸運な時代も有って、フジテレビが長きに渡り続けられた事は本当に素晴らしいことだったと思う。それは主役に限らず、脇役の面々の人選もピタリと合っていて、『幸せな時代劇ドラマ』だったと思う。

    令和に成って、新たな《鬼平》が始まるが、色んな意味で「同様の高評価」を得られるとは正直思えないが、前作の評価を貶めない事を祈っている。

    #カッコいい #タメになる #深い

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    2024年10月21日
  • 不屈 松方弘樹 時代劇への遺言【文春e-Books】

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    懐かしいなぁ、松方さん…。

    2024年10月読了。

    本人へのインタビューと、今でも見られる過去の作品レビューで構成された一冊。インタビューでは、本人は『時代劇』への拘りを熱く語っていたが、後半の作品レビューはいわゆる『ヤクザもの』が多く、古い時代劇が正当に評価され後世に残されていない現実をまざまざと感じさせる。
    何事も《ゼニ勘定》の時代になり、『儲からない作品は商品化しない』と云う日本の映画会社のだらし無さと、プライドの無さを思うと、亡くなる直前まで《時代劇を熱く語っていた》松方さん達に本当に申し訳無い気持ちに成る。

    『あの頃は良かった…』と昔の作品を懐古することが決して《後ろ向き》な態度なのではないこと、むしろその中から《後世に文化的遺産として残すべき作品》が在るのを(当事者が)語る事の重要性に、映画会社は勿論、『映画はその国の歴史であり文化である』と考えれば、国家レベルで保存や修復、商品化までフォローする事が、後の世の人達の為にも大いに役立つと思うのだが…。

    著者は『時代劇を語り継ぎ、風化させない』ことを至上命題としているが、現物(フィルム)が無ければ、後世の人には分からない。
    折角、文化庁が京都へ移ったのなら《映画は単なる娯楽産業の一つ》《時代のあだ花》などではなく、『遺すべき国家的遺産』としてその保存等に力を入れて欲しいと心から思った。

    補足:『真田幸村の謀略』は、「真田丸」で満足出来なかった人が仮に見ても「???」となるばかりの映画なので、(著者には失礼だが)正直お薦めしない。《当時(昔)の日本の時代劇》をある程度理解している人にしか、心響くものは無いと思う。最後の《ビックリ》も、『柳生一族…』同様、現代の若者には「オモチャ」にしか映らないだろうからだ。
    全く個人的には《大好きな作品》なのだが、オジサン世代にしか分からないよねw。
    それと松方さん晩年の『13人の刺客』は、監督の演出が下品で全くお薦めしない。白黒時代の旧作の方が余程出来が良い。

    #アガる #共感する #アツい

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    2024年10月21日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    映画は原作に忠実であっては、面白味に欠ける
    だから、脚本家の腕が必要である。
    とはいえ、原作 しかりであろう

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    2024年10月07日
  • 鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折

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    『七人の侍』『私は貝になりたい』『白い巨塔』『日本のいちばん長い日』『砂の器』など歴史に残るような映画の脚本家である橋本忍さんの評伝。権力に抗うような作品が多いので社会派かと思いきや、ご本人は売れる作品を生み出すことが目的だったとのこと。作品の本質を見抜くことにとても長けていると思う。『八甲田山』では、多くの死者を出した青森第五連隊は自然を征服しようとして、死者を出さなかった弘前三十一連隊は自然には逆らわず折り合いを付けようとした、と的確に捉えている。また、脚本の内容もまるで小説を読んでいるかのように場面が思い浮かぶ詳述ぶりだった。映画の利潤は自身の会社の資本の蓄積にせず、みんなで分配したというエピソードも凄いなと思う。これらのことがbackboneにあって上記のような作品が生み出されたという事実は、いわゆる社会派という考え方にもいろんなアプローチがあるんだと気づかされた。

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    2024年04月12日
  • 市川崑と『犬神家の一族』

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    ・久しぶりに新書を一気読みした。ダイレクトに知識を得ることができて、新書の良さを改めて実感した。
    ・「悪魔の手毬唄」が最高傑作とのこと。近々見ようと思う。
    ・石坂浩二の「金田一です」を併読する。

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    2022年10月08日
  • 仲代達矢が語る 日本映画黄金時代

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    #877「仲代達矢が語る日本映画黄金時代」
     仲代達矢さんは特別好きな役者ではないけど、凄い役者である事は事実でせう。あの狂気を帯びた眼はマネが出来ません。わたくしは心の中で、仲代達矢・三國連太郎・丹波哲郎を「五社協定時代の三大フリー俳優」と名付けてゐます。
     春日太一さんは精力的に日本映画や時代劇の啓蒙に努めてゐらつしやるが、岩下志麻さんの本も良かつた。かういふ語り部が元気なうちに、もつと色々な映画人の証言を引き出して頂きたいと存じます。

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    2022年02月09日
  • 仁義なき日本沈没―東宝vs.東映の戦後サバイバル―

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    #872「仁義なき日本沈没」
     年配の人がよく「昔の邦画は良かつた」と往年を懐かしむのですが、その昔と今の境界線はどこであらうかと著者は考へました。それは1973(昭和48)年であるとし、その年を象徴する作品が、東映の「仁義なき戦い」であり、東宝の「日本沈没」であるといふ。本書のタイトルもその二作品から採られてゐます。そこで日本映画の「戦後」が終り、新たな時代に突入したと。

     その流れを、日本を代表する映画会社である東映と東宝を比較する事で、明らかにした一冊でございます。戦前にPCL・JOスタジオ・東宝映画配給の三社と後に東京宝塚劇場が加はつて成立した東宝と、戦後に東横映画・東京映画配給・太泉映画の三社が合併してできた東映。基本的に東宝はプロモーター、東映はクリエイターといふ感じで、東宝は特に主力監督や俳優が「東宝争議」で分離した新東宝に移つてしまつた事もあり、配給網はあるものの肝心の作品が作れない時期があり、一方東映は作品を製作しても配給網に乏しく、ヒットさせる事が難しい状態でした。

     その辺の歴史をコムパクトに述べたあと、二章の「時代劇戦争」で、一時期独り勝ちした東映に対し、黒澤明の登場により息を吹き返す東宝の状況を描きます。
     そして続く第三章では、両社の舵取りを任された二人の大物について述べます。即ち岡田茂(東映)と藤本真澄(東宝)で、かなり長い章になつてゐます。大衆の欲望に忠実だつた前者と、飽くまでも家族全員で鑑賞出来る健康的な映画を目指す後者の対照を示します。ただ東宝は喜劇・文藝の藤本よりもアクション・特撮の田中友幸の方が会社のカラーをはつきり示したのではないかと存じます。

     そして第四章で、漸く1973年の「仁義」「沈没」を取り上げます。この両作品により日本映画の戦後は終焉を迎へたと著者は述べます。私見では、後に与へた影響といふ点では、「仁義なき戦い」の方がイムパクトは強かつたと思ひました。
     戦後邦画界の流れを、東映東宝の二社に絞り記述しましたが、勿論ほかに松竹大映日活があり、単純には述べられぬでせう。ただ、「昔」から「今」への変遷を示すには効果的な手法だつたかも知れません。この両社の戦後を俯瞰するには分かり易い一冊と申せませう。

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    2022年01月08日
  • やくざ映画入門(小学館新書)

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    コンプライアンス遵守が盛んに叫ばれる現代。かつて全盛を極めた「やくざ映画」の命脈も風前の灯火だ。しかし、その中は「組織論」「義理と人情」など、日本社会の本質を理解するカギがそこかしこに隠されている。
    『仁義なき戦い』『人生劇場 飛車角』『博奕打ち 総長賭博』『緋牡丹博徒』『県警対組織暴力』--日本映画史に燦然と輝く名作を紐解きながら、難解と思われがちなこのジャンルの「歴史」「全体像」「楽しみ方」をわかりやすく解説。
    なぜやくざ映画は、我々の心を掴んで離さないのか。不健全な作品にしか、救えない魂があるからだ。

    あっという間に読み終えた。もう少しボリュームがあっても良かったかも。

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    2021年10月09日
  • 仲代達矢が語る日本映画黄金時代 完全版

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    名優仲代達矢の生い立ちから役者として多くの名作に出演し苦労話や名監督、共演した役者とのエピソードが興味深い。

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    2021年09月11日
  • なぜ時代劇は滅びるのか

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    なぜ時代劇は滅びるのか

    著者 春日太一
    2014年9月20日 発行
    新潮新書

    水戸黄門が終わり、時代劇のレギュラー枠が消えた時(大河ドラマと毎週ではないNHKの時代劇枠を除く)、マスコミは「時代の変化」と言っていた。演歌が廃れたのと同じ、時代劇を若い人が見なくなった、とつい思ってしまいがちだが、この本を読むとそういう単純なことではないようだ。著者は今、40才手前の時代劇・映画史研究家。芸術学博士の学位を持つ。高校生の時まで再放送を含めた時代劇の放送がとても多く、大好きで見ていたそうだ。

    1950年代、時代劇映画は全盛だったが、60年代に一変。成長経済でレジャーが多様化した上、64年の東京オリンピックでテレビが普及、映画が斜陽産業になった。時代劇を撮ってきた各映画会社の京都撮影所は、60年代半ばからテレビ時代劇を積極的に手がけるようになり、下請化していった。
    テレビの時代劇全盛は、1991年正月。1月2日には、民放4局が大型スペシャル時代劇を同じ時間帯で放送し、激突した。しかし、90年代後半になると事態は一変、時代劇枠をなくすことをまず決めた局、サラリーマンの帰宅前である午後7時からの枠に繰り上げてわざと視聴率を落として終わらそうとした局など。理由は1996年に始まった視聴率調査の世帯視聴率から個人視聴率への移行。自動車など大口スポンサーが、購買力の弱い高齢者が多い時代劇を嫌い始めた。

    この本は、プロデューサー、監督、俳優、脚本家など、実名をじゃんじゃんあげて批評をしている。その一つとして、2003年にフジテレビの編成局長に、時代劇に何の思いもない山田良明が就任したことで「何かが終わった」という記述がある。山田は、時代劇のレギュラー枠を外し、不定期放送のスペシャル化へと持って行った。この流れが、大変な負のスパイラルを招いた。時代劇をつくってきた京都のスタッフは、レギュラーを失って普段は他の仕事をしなければならない。大がかりなセットを年に何回かのためだけに維持するのは非常にお金がかかる。かといってやめるわけにはいかない。後継者も育てられない。

    一方で、それまでに、つくる側の甘えもあった。テレビでレギュラーを持っていれば、予算がテレビ局からもらえる。当たるか当たらないかというギャンブル性のある映画と違って、どうしても緊張感がなくなる。
    時代劇がパターン化していったのも、そのあたりに原因があるようだ。安定して視聴率を取るためには、無敵のヒーローが最後に決めぜりふを言ってやっつける、というパターンでフォーマット化することが、一番よかった。撮影準備の時間も、お金も節約できる。80年代のそういう動きが、時代劇は年寄り臭いものという雰囲気にしてしまった。

    役者も、かつては映画会社の専属や新劇の劇団出身者が中心だったが、芸能プロダクションがイニシアティブを取るようになってから、芝居の基本を練習させないで人気があるだけの俳優を出してくるようになった。芸能プロダクションは拘束時間が短くて儲かるCM契約を重視するので、好感度をあげることに力を入れ、異世界を演じる時代劇にはふさわしくない俳優が並ぶようになってしまった。

    監督もいなくなった。黒沢明に象徴されるように、かつては監督が俳優を徹底的にしごいて育てたが、今やそんな構図はなく、俳優を育てられる監督がいない。俳優はますます素人化する。

    プロデューサーもいなくなった。だから、テレビ時代劇制作の手順、プロデューサーが大体の筋書きを決めて、脚本家と打ち合わせて書かせるということもなくなった。

    最後に、大河ドラマがなぜダメになったかという考察も行われているが、これはあまり面白くなかった。著者がいうには、大河をダメにしたのは2002年の「利家とまつ」らしい。この年、大河立て直しのため、女性にうけるホームドラマのような内容で「利家とまつ」を制作。視聴率も取れてヒットした。しかし、それ以後10年、これにならって優しい大河ばかりが作られてきた。それ以前は、独眼竜政宗、徳川家康、信玄など、ダークサイドの部分をも描いてきた戦国ものだったが、天地人や功名が辻など、いわばきれいごとばかりが描かれる大河になった。しかし、最近、また戻ってきてはいるとのこと。
    なお、著者が、近年、最悪の大河としてあげているのは「江」、最悪の役者は岸谷五朗。どちらも、私と意見が一致する。

    なお、もう一つ忘れていけないのは水戸黄門。これだけはちょっと事情が違う。あの放送枠は、TBSが一切内容に口を出さないという約束のもとで放送しているパナソニックの買い切り枠であり、プロデューサー自身が、パナソニックの社員、逸見稔が務めてきたためである。最後まで残ったというのは、そうした事情によるものであり、この本に詳しく紹介されている。

    時代劇が廃れていったいきさつがちゃんと紹介されていて、大変ためになる一冊でした。

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    2021年03月17日
  • エロスの記憶 文藝春秋「オール讀物」官能的コレクション2014

    購入済み

    女性にオススメ

    初めてこういった分野に足を
    踏み入れてみました。
    内容は総じてソフトな印象で
    幸いでしたね。ノーマルな志
    向の?女性向けの一冊だと思
    います。

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    2021年02月26日
  • 時代劇入門

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    ラジオで話した際の資料でももとにしているから、話し言葉なのかな。本当の初心者がこの本を手に取るのだろうか?

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    2021年01月19日
  • ボクたちのBL論

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    BLを知らない男性向けのBL入門書。原著は2016年、文庫は2018年。

    本書において「やおい」は次のように定義される。則ちそれは、世界を原作としてそこに個々独自の解釈を施すことで、世界をファンタジーへと改変しようとする、知的遊戯であると。その改変の仕方には、以下のふたつの約束事がある。

    ① まず、ふたつの対象をキャラクタライズする。ただし、両者とも男性とする。なぜなら、女性と男性の組合せにしてしまうと、②でそこに設定することになる関係性が既存のジェンダーバイアスに引きずられたものになってしまい、さらにどうしても女性としてキャラクタライズした対象に女性である自己を重ねてしまうことによって、現実とは別個の世界として独立させたいファンタジーの中に現実世界の自己の影が不純物のように残存してしまうから。空想の世界を男性だけにしてしまえば、自己を透明な観察者としてそこから切り離すことが可能となり、それをヨリ純粋なファンタジーとして楽しめるから。

    ② 両者の間に何らかの関係性を設定する。ただし、両者は恋愛や性愛の枠組みにおいて解釈される。なぜなら、一般に多くの女性に共通の関心事項とされる恋愛や性愛の形式をとることで、女性同士でそのファンタジーを共有することが容易になるから。

    サンキュータツオによると「BL」「やおい」は日本人女性による発明だそうだが、本書のなかでも指摘されているように、そこに在り得たかもしれない関係性の可能性をあれこれ空想する楽しみというのは、別に女性だけのものではなくて、男であっても自分のなかでさまざまな物語を妄想するときに同じようなことをして楽しんでいるのではないかと思う。尤も、そこに設定される関係性の多様さや精妙さには差があるかもしれないが。それでも、自分好みの関係性を対象に読み込むというのは、フィクションを楽しむ際の普遍的な営みではないかと思う。とするならば、男がポルノを消費するのと同じように女も性的欲求を満たすために「BL」を享受しているとする憶測は、必ずしも妥当ではないことがわかる。

    かつて『ユリイカ2005年11月号=文化系女子カタログ』所収の速水筒「ひとでなしのゲーム」の文中に、「森羅万象はやおいだ」という強烈な一文を見つけ、そこで取り上げられていた「無機物やおい」という想像力の遊戯に驚かされたことがある。それ自体では無関係な個物の集合に、あたかも位相構造を導入するかのようにして、そこに関係性を打ち立てていく。この図抜けた想像力は、やはり面白いと思う。

    しかし、そこに読み込まれるさまざまなキャラクターとその関係性とは、既に記号化されてしまっているものであって、所詮は既存の約束事の順列・組合せでしかないようにも思われる。この「既に囲い込まれてしまっている」という感じが、ひっかかる。約束事を共有している者同士でそれを確認し合って面白がっているという、それこそ約束事を踏襲しているだけのやりとり=「内輪ノリ」は、不毛なもののように感じてしまうが、部外者が口を出すことではないし、ひょっとしたら表現とその共有ということにおいては普遍的な光景であるといえるのかもしれない。

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    後半、春日太一が自分の身体についてある個人的な告白をする興味深い箇所がある。確かにこれまで、一般に男性の身体性に関しては、男によっても女によっても、限定された仕方でしか語られてこなかったように思う。男性の身体には、当事者が知らずにいるだけで、ひょっとしたら未だ現実化されていない性愛上の可能性が潜在しているのかもしれない。

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    2021年01月11日
  • 仲代達矢が語る 日本映画黄金時代

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    自分に正直な人である。自ら望むところ俳優として堂々と進む。いい監督、いい本、いい俳優が揃ってこそ名作がうまれる。もう一度日本映画を見直さなくては。

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    2020年12月11日
  • すべての道は役者に通ず

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    昭和の伝説の大スターを知り語ることができる最後の世代の現役大ベテランの証言、との基調で読んでみた。
    特に織本順吉が語る岡田英次ら、寺田農が語る市川雷蔵、山本學が語る田宮二郎、中井貴一が語る笠智衆、そして佐藤浩市が語る三國連太郎が味わい深かった。

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    2020年11月28日
  • 時代劇入門

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    面白かったな。

    時代劇って、こんなに面白い。
    水戸黄門や、暴れん坊将軍は時代劇のスタンダードではない。

    昔、江戸の貴とか好きやったからわかるけど。

    改めて見ると、きっと面白いんだ。
    ただ、そのためには、これはファンタジーだと思えないとダメ。思わせるのも、腕だろう。
    時代考証について、かなり否定的で、そんなこと気にしないで楽しもうよというのもわかるが、そういうことが気になるのは悪いことか。

    そうではない。

    その部分、で、ファンタジーは今や、時代劇である必要もない、大概。アニメでそれは担われているのだ。

    時代劇は面白い。

    それはいい。

    だが、必要かといえば、必要とされtない。
    俺自身は、日本人として、日本の映画はアニメと時代劇でいいと思ってるので辛いんだけどな。

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    2020年09月22日
  • 役者は一日にしてならず

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    道を極めた技術者、そして皆花もある。プロとしての心構えが十人十色で興味深い。唯一異なる風合いだったのは杉良太郎。彼はやはり大スターなのだろう。

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    2020年09月09日
  • 時代劇入門

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    「時代劇」と聞くと、『水戸黄門』などの特定の時代劇作品を思い浮かべてしまうが、時代劇はそれだけではない。
    時代劇の流れと、初心者向けに、作品、登場人物をカテゴリ整理したわかりやすい入門書。
    数多い時代劇作品の見所も記載してくれている。

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    2020年08月22日