あらすじ
これがプロフェッショナルの凄味!
名監督との出会い、伝説の俳優との撮影秘話から現在の映画界や芸談、役者論まで!
80歳を超えてなお活躍する役者 仲代達矢。映画史の生き証人ともいえる氏に、
岡本喜八、黒澤明、成瀬巳喜男、小林正樹ら名監督との出会いから
高峰秀子、原節子、夏目雅子、勝新太郎ら伝説の俳優との仕事、
そして現在の映画界に至るまで、
稀代の時代劇・映画史研究家 春日太一がインタビューし尽くした濃密な一冊!
文庫化にあたり新章「仲代達矢の現在地」を追加し、大幅加筆。
主演時代劇『果し合い』の現場ルポも収録。
【目次】
はじめに/文庫化にあたって
序 役者・仲代達矢の誕生
第一章俳優デビューと『人間の条件』
第二章黒澤明との仕事――『用心棒』『椿三十郎』『天国と地獄』
第三章京都の撮影所と時代劇――『炎上』『鍵』『股旅 三人やくざ』『切腹』
第四章仏の喜八――『大菩薩峠』『殺人狂時代』『激動の昭和史 沖縄決戦』
第五章成瀬巳喜男と木下恵介と女優たち
第六章海外進出、前衛、左翼、俳優座
第七章五社英雄と名優たちの情念――『御用金』『人斬り』『闇の狩人』『鬼龍院花子の生涯』
第八章黒澤明と勝新太郎――『影武者』『乱』
第九章小林正樹と日本映画の落日――『上意討ち』『怪談』、幻の『敦煌』
文庫版特典(1)仲代達矢の現在地 第一部 映画出演と舞台出演/第二部 役者論・芸談
文庫版特典(2)現場ルポ 時代劇『果し合い』での激闘
おわりに――仲代達矢(書き下ろし)
仲代達矢出演映画一覧
感情タグBEST3
ここまで語らせるなんて…。
2024年10月読了。
毎回、読むのが楽しい春日先生の『徹底密着インタビュー』だ。仲代達矢さんは未だに現役なのが本当に素晴らしいし、嬉しかった。
そして彼の口から語られる往年の名監督,名役者,そして陽の当たることのない沢山の裏方の人達の物語は、本当に読んでいて止まらない楽しさだった。
この前に『天才・勝新太郎』を読んでいたので、彼との関係性や裏話も楽しく読ませてくれ、個人的に《憧れの》黒澤明と三船敏郎との話も聞けて、大満足。それにしても仲代さんのお元気さには脱帽。まだ『三屋清左衛門』が出来るんじゃないww?
日本映画の繁栄と衰退の歴史を知りたい人には必読の書。面白かった!!!
Posted by ブクログ
こういう本はいろんな裏話が知れて面白い。今の役者や日本映画に嘆いておられます。自身出演作でこの一本にあげる『切腹』をまだ見ていない。早速見てみたい。
Posted by ブクログ
芸能界の生けるレジェンド、映画史の生き字引こと仲代達矢に、時代劇研究家:春日太一がロングインタビューに挑んだ書。若手イケメン俳優やアイドルのインタビューがフォトブック的に出ることはあるが、聞き書きがここまでしっかりした文芸書として成立するのは、仲代達矢ただ一人だろう。仲代の個人史であると同時に、戦後映画の道のりをたどる歴史書だ。
Posted by ブクログ
娘に言わせると「仲代達矢っていまいちピンとこない」とか。
時代ですかね~、でも現存する役者の中ではピカイチの俳優さんだと想います。
私は特に「切腹」という映画が大好きです。
この本は彼がこれまで舞台、映画で関わってきた人日のエピソードや役作りについて
大変興味深い話が満載されています。
映画好きのみなさん、必読の一冊だと想います。
Posted by ブクログ
日本映画黄金時代について、その時代を生きた大スターのリアルな証言。才能で映画がとれるわけではなく、確固たる基礎基本があって、とてつもない手間があって、良い映画ができることがよくわかる。今はもう難しいか。
Posted by ブクログ
私の人生にカスりもしなかった日本映画黄金時代を、この人から教えて頂けるありがたさ。演技という面で映画を見る、視座をも与えてもらった。
こんな人生送ってきた人には、今の邦画界は狭過ぎるんだろうなぁ。
Posted by ブクログ
仲代達矢…
重厚という言葉を天下一品のこってりスープで十日間煮込んだような濃厚な味わいの演技。
同世代の俳優たちが次々と天国へとログアウトしていくなか、いまだ延々と地上界にインし続けるアプリ廃課金者のごとき生命力。
彼が語る名優・名監督の逸話が実におもしろいです。
本書を読むとまた彼の映画が観たくなります。
「人間の條件」「殺人狂時代」などがアタクシのフェイバリットでございます。
唯一の汚点は市川崑の「女王蜂」冒頭部分の学生服姿でしょうか。
どう見ても浅草のコント芸人にしか見えないのです。
彼の演技力をもってしてもこれだけの年齢的なギャップはいかんともしがたく…痛々しいかぎり。
やはり学生姿はあっさり風味のほうが口当たりいいね。
まだのかたは是非一度ご賞味あれ。