長野まゆみのレビュー一覧

  • よろづ春夏冬中

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    「空耳」「待ちきれない」をお気に入りに挙げていらっしゃる方がちらほら。私もそのひとり。長野さんの文章には美術品のような安定と脆さがある。ほろほろと崩れあらわになる少年たち。その感情がひとときの好奇心なのかわからない、そんな半熟の時期を見きわめている作家さんなのだ。ショートケーキと植物の描写が印象的だった。

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    2012年09月14日
  • 千年王子

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    146ページまでしか読んでない…期限が…
    とにかく隠語に笑った。リフト・オフとか。マシンとか。SFっぽくてむずかしい言葉多かったりするけど、想像はしやすい。
    お話自体は…うーんあんまり好みじゃなかったかなー何年もの時を超えて再会、みたいな話自体あんまり好きじゃないし。

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    2012年09月12日
  • 左近の桜

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    長野さんは本格的にこっちのほうに移行したのかしら。
    なんていえばいいのか、いわゆるBLなんだけれど。あからさまな場面を描かないBLというか。
    ただ、描こうとしている精神は、やっぱり「長野ワールド」なんだろうなぁとは思う。
    良い意味でどこか現実感のない、作中のモチーフとしても使われている蛤の蜃気楼のような、お伽噺のような空気感。

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    2012年09月11日
  • 鳩の栖

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    思春期の揺らぎのある透明な静かさを掬ったような短編集。
    時代は大正あたりのイメージでしょうか。言葉遣いはやや文学調ですが、癖がなくさらっと読めます。

    表題作の「鳩の栖」が好きでした。
    淡々と描く静かさが素敵な作品。

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    2012年09月10日
  • 白昼堂々(凜一シリーズ)

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    男好きの男がたくさん登場するので好みは分かれますよね。凛一のしたたかさがなんか好きになれなかった。4部作の1作目らしいけど多分続きは読まないかな。

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    2012年09月02日
  • 八月六日上々天氣

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    従姉弟同士のかけがえのない、優しくて切ない時間にうっとりしました。
    原爆がテーマとのことで最初は敬遠していたのですが、勧められ読みました。結果、読んで良かったと思います。
    最初は原爆ではお馴染みの「ピカドン」で終わりだろうと高をくくっていのですが、原爆に関する記述はなくそれ以前の戦争中ながら優しさと慈しみにあふれた日常で始まり終わります。
    原爆以前の日常を知らない世代にとっては、驚きなのではないでしょうか。学校では凄惨な戦場風景や戦争後しか教えてはくれないので、まさしく珠玉であり名作。
    そう表現するにふさわしいかと。
    この一冊に出会えたことが幸せです。
    もっと考えが成熟してから読み直してみると

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    2012年10月06日
  • 新装版 夜啼く鳥は夢を見た

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    透明感のある少年たちによる一夏の物語り。
    すべてが語られることはなく、結局謎は謎のままだからこそこの物語りは珠玉と呼ばれるにふさわしいです。
    ストーリーとだけでなく、イラストも長野まゆみ先生が手がけています。淡い色合いでまとめられ物語りとマッチしていました。
    贅沢を言うならばイラストはすべてカラーで載せて欲しかった。

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    2012年10月06日
  • あめふらし

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    プロローグとエピローグは謎でした。まさに、なにがなにやら、状態です。
    本編だけでも十分に作品として成り立ちますし、スッキリとした印象を持てます。が、相変わらずの同性愛。
    蛇の話はおもしろかったですが、同性愛。初期のような作品はもう書かれないのだろうか? だとすれば非常に残念ですね。

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    2012年10月06日
  • ことばのブリキ罐

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    長野作品に浸るため、より世界観を理解するためには必要な辞書ですね。
    手元に合った方が、読み返したときに以前気づけなかったものに気づかせてくれます。

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    2012年10月06日
  • 雨更紗

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    初めて読み切った長野作品。少年アリスを読むのに疲れて、手を伸ばし読みました。ページも少なく薄い作品かなと思ったのですが、良い意味合いで裏切られました。
    耽美的で美しい文章表現と、こだわりを感じる少年への愛情がつまっています。
    普段は苦手ということもありBL作品には見向きもしないのですが、濃密とはいえない表現のおかげで読み切れました。
    作品としては、ちょっと時間が空いたから読むくらいの軽い気持ちで読めるのがいいですね。ごちゃごちゃ考える作品は後を引いてしまう、切り替えの下手くそな人間なので。

    女性キャラが珍しく終始登場していますが、嫌な女ですね。先生は女性嫌いなの?

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    2015年02月03日
  • 螺子式少年

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    誰が本物で、誰がレプリカか。
    誰もが本物であって、誰もがレプリカなんだ。
    本物とレプリカは必要なのか。

    なにを考えどう生きるかが大切であって、本物もレプリカもないんだ。
    そんなことを考えながら読みました。

    煽りにはサスペンスとありますが、私には穏やかな時間が流れているように思えます。サスペンス特有の切迫感はありませんでした。

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    2012年10月06日
  • 野川

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    「本当に大切な風景は想像の目で見るものなんだ」
    転校先の中学で出会った変わり者の教師の一言で、少年・音和は鳥の目で世界を見たいと願う。伝書鳩を育てる少年たちの感動の物語。

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    2012年07月27日
  • 時の旅人

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    ネタバレ

    長野ワールド炸裂ですね。

    今回のストーリーは「浦島太郎」を軸に、不思議な亀と人間の話で、時代を交錯して進む話です。
    短編集だけど、全ての話がつながっています。
    同じ登場人物もいれば、既に死んでいる人、その体に宿る亀・・・。

    不思議すぎて整理しないと頭が混乱します(私だけ?)

    珍しくハッピーエンドのような感じがします。

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    2012年07月27日
  • 上海少年

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    ネタバレ

    密度が濃い。そして美しい。

    官能的で耽美で、背徳的。

    近親が多い気がする。

    それもいやらしくなく、下品でもない。

    長野さんらしい繊細さがあると思う。

    読んだのが中学の頃だったので、もう一度読んだらまた違った感想になるかも。

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    2012年07月18日
  • 少年アリス

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    ネタバレ

    中学の頃、長野まゆみブームがきたので、夢中になって読んだ。

    その中でも、これは異色だと思い、何となく覚えている。

    妖精がいて、蜜蜂という不思議な名前の登場人物が出てきて、何処か薄気味悪いのに綺麗。

    そんな印象が強く、ランプの明かりに照らされている世界観だと勝手に思っていた。

    スカラ座通りや細工卵といったいちいちツボを突くアイテムを出してくるところがずるい。

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    2012年07月17日
  • 夏帽子

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    子供たちは理科が大好きになるだろう。
    こんな先生がいたら学校が楽しくて仕方ないだろうなぁ・・・
    1つの学校と先生ではなく、各地を放浪する臨時教師のお話

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    2012年07月06日
  • 改造版 少年アリス

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    ネタバレ

     主人公と友達と友達のお兄ちゃんのお話。

     一人っ子の子は兄弟姉妹がいるのが
     うらやましいのかもしれないね。
     
     物語の最後、お兄ちゃんが鳥になったら
     何になるのかなって考えてた弟が
     可愛かった。

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    2012年07月01日
  • 猫道楽

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    深い濃密な霧とか湯気の中から
    見える景色のよう。
    不思議な空間や幻想だったり、
    人間的な要素もあるけれど、
    やはり印象に残るのは、
    美しさしかない官能的な部分。

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    2012年06月30日
  • 野ばら

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    じわじわ読んだ。
    正直、今まで読んだ長野さんの作品の中で一番意味は解らなかった。でも一番綺麗だった。
    そもそも意味ってあるのか?とか考えちゃう。不思議な感じ。本当に自分が夢見てるみたい。どれが本当なのかわからない。
    柘榴を口に入れて吐き出す場面がすごく好きだなー。
    あと、解説の「ドラえもんの話は全て植物状態ののび太の見る夢だという話がある」って言葉でなんか、ああ、って思った。

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    2012年06月25日
  • お菓子手帖

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    世代は違えども
    懐かしく幼かった頃の
    お菓子に対する期待や興奮が
    蘇りました。

    一つ一つの言葉を
    ノートに書き留めておきたい。

    宮澤賢治のお菓子の世界、
    という事も新しく感じる事が
    出来ました。

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    2012年06月19日