小川糸のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
喋々喃々とは、男女が楽しげに小声で語り合うさまのこと。東京谷中でアンティーク着物店を営む栞。ある日店に父親に似た声をした男性客が訪れる。少しずつ膨らむ恋心や家族との葛藤が季節の移ろいや美味しいものの描写を交え丁寧に描かれる。
春牡丹もいいけど、冬牡丹も格別ね。(まどかさん)冬牡丹 胸に姫たる恋のあり(まどかさん)絶対にお菓子を持って栞に会いに来るまどかさん。まどかさんの粋な計らいに、癒され、格別に素敵なまどかさんを想像してしまった。主人公は栞だけど。栞とまどかさんのお喋りに私も参加したいくらい、温かく身近に感じるのに、洗練されたものを感じるのは、2人の言葉遣いや雰囲気が格別だからだと思う。 -
Posted by ブクログ
本当に大切なことは、自分の胸の中に、ぎゅっと、鍵をかけてきっちりとしまっておこう。誰にも盗まれないように。空気に触れて、色褪せてしまわないように。雨風にさらされ、形が壊れてしまわないように。
倫子
大事なものは、なんでも冷蔵庫の中にしまえばいいのよ。そして、必要な時にレンジでチンすれば大抵のものは平気なの。
ルリコ
作中に出てくる、大事なもの大切なものの解釈。真面目で慎重な娘とマイペースで大雑把な母親、2人の性格が色濃く出ている場面かなと思います。二人の関係が物語の主軸となっていたと感じます。母と娘の絡まった糸がほどけた証に倫子の声が戻る。とても、幸せな気持ちになりました。
私にとって母 -
Posted by ブクログ
『ツバキ文具店シリーズ』が好きで、ちょこちょこと読ませて頂いている小川糸さん。
今回は南の島の助産院を舞台にした、こちらの作品をチョイスしました。
突然夫が失踪してしまい、傷心を抱えて南の島を訪れたまりあ。
そこで偶然出会った〈つるかめ助産院〉の院長・亀子先生から予想外の妊娠を告げられますが・・。
自身の辛い生い立ちから、自己肯定感が低く、孤独や不幸に閉じこもっていたまりあが、島の自然や個性豊かな人たちと関わることで、自分の過去と向き合い、徐々に自立していく展開です。
何といっても、島のあたたかな空気感と住民の方々の丁寧な暮らしぶりがとても素敵ですし、自然の恵みをたっぷり含んだ食材を使っ