富樫倫太郎のレビュー一覧
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これは面白かった。北条早雲という名前は知っていても、どんな人だったかは知らなかったが、俄然興味が湧いた。戦国時代に入る直前に生きた人という事もあり、これまで知る機会がなかったのは残念。小さい頃から書物好きで自分の頭で考えて行動することを好む。人を惹きつける不思議な魅力があり、正しいこと、約束したことは必ず実行する。まっすぐなゆえに、周囲と衝突することもある一方で、達観した考え方で運命に逆らわないようなところもある。自分にできることは何かを考え、あらゆる手段を活用して実現する戦略家でもある。時には残虐なこともあるが、全ては大義のため。北条家の物語、もっと読んでみたくなる。大河ドラマにならないかな
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富樫倫太郎『ちぎれ雲 (三) 謀反の剣』中公文庫。
大身旗本の次男坊に生まれ、『猪母真羅』持ちの美丈夫にして放蕩三昧の暮らしを送る、放念無慚流の達人、麗門愛之助を主人公にした時代小説シリーズの第三巻。今回も文庫書下ろし。
なかなか面白かった。麗門愛之助により明かされる浮遊剣の正体。その正体は秘剣などではなく、愛之助も闘いに際しては何時も傷を負い、そこにリアリティを感じる。
煬帝一味による御子神検校屋敷襲撃を撃退した麗門愛之助は、再び放蕩三昧の日々を送っていた。ある日、愛之助を庇って死んだ女盗賊の孔雀の墓参りへ行くと、孔雀と瓜二つの朱雀が現れる。一方、愛之助の親友である唐沢潤一郎の妹で女 -
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この巻で一気にハマってしまった。
山あり谷ありの怒涛の展開。米会所の創立による将来の希望が高まる中、転落する山代屋への婿入り打診を受け悩む吉左。婿入りすると商人としての道は開かれるが両思いの友人の邪魔立てをすることになる。断れば店に居れなくなるジレンマの中で、後者を即断する吉左。独立という希望の道が見えた中で今度は恋心を抱く加保の婚姻が進み、駆け落ちという最悪の選択をしてしまい絶望。更に駆け落ち発覚で互いに傷を負うが、周囲の手助けで何とか婚姻と独立を成し遂げる。まさに血を吐く思いで手に入れた幸せ。終盤、一気に5年経った時は驚いたが。
駆け落ちの選択をした時はなぜ月照に頼らなかったのかと思 -
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ネタバレ*新宿・歌舞伎町を根城にする2大犯罪組織の構成員が相次いで殺された。報復合戦を恐れた新宿署は警視庁捜査一課・SM 班に協力を求める。問題児揃いだが能力は極めて高い6人は、事件の裏に潜む男の存在を嗅ぎつけ驚くべき手段で彼を追い詰めていく。事件は本当に組織間の抗争なのか、裏社会で囁かれる「伝説の殺し屋」はどう関与しているのか。破天荒集団が活躍するシリーズ第3弾!*
展開の速さと物語のスピード感が爽快で一気読み。
出来すぎ感はあるものの、単純に面白かったー!
悪VS悪の構図なので心も痛まず、「伝説の殺し屋」スリーパーをひたすら全力で応援。
淡々と冷静に分析できる対応力も素晴らしいけど、
特に”身 -
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富樫倫太郎『警視庁SM班IV キングベアー』角川文庫。
シリーズ第4弾。前作からの続き。
今回は警視庁捜査一課に新設されたSecret Mission班の一癖も二癖もあるはみ出し者の6人の刑事たちの活躍がたっぷり描かれるのかと思ったら、新宿の犯罪組織『金星連合』と『ルシファー』が手を組み、凄腕の元特殊部隊員の殺し屋『キングベアー』を雇い、伝説の殺し屋『スリーパー』こと山田太郎に前作の復讐するというストーリーだった。
警視庁SM班はまるっきりの脇役という感じなのだ。そして、その復讐劇の背後でまたまた怪しげな人物たちが蠢くのである。これはまだまだシリーズが続きそうだ。
前作の発端は悲惨な -
購入済み
歴史的事実の背景をよりリアルに
北条氏康が主人公だが、彼に関わる戦国の英傑、今川義元、武田信玄、上杉謙信らの思いも作者が丁寧に明快に書き込まれている。英傑が火花を散らした複雑な時代を北条氏康がどう戦ったのかより深く理解できた。ここまで来ると氏政、氏直まで作者に書き尽くしてもらいたい。
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富樫倫太郎『ちぎれ雲 (二) 女犯の剣』中公文庫。
大身旗本の次男坊に生まれ、『猪母真羅』持ちの美丈夫にして放蕩三昧の暮らしを送る、放念無慚流の達人、麗門愛之助を主人公にした時代小説シリーズの第二巻。第三巻も年内に刊行されるようだ。
なかなか面白くなって来た。主人公の麗門愛之助と『煬帝』との因縁が少しずつ見えて来た。しかし、謎なのは愛之助が八代将軍吉宗の老中・本多忠良の刺客であることだ。次巻以降でその辺りが少しずつ明らかにされるのであろう。
前巻で盗賊団『煬帝』の一味と死闘を演じた愛之助は箱根の温泉宿で傷を癒やす。宿の風呂で背中に茶枳尼天の刺青を入れた孔雀と名乗る謎めいた美女と出会い、