富樫倫太郎のレビュー一覧
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安定の面白さ。米商人となった吉右衛門の面目躍如の回。凶作を見抜き、激しく変動する米市場で大きな取引を仕掛ける。側から見ると大博打だが、データに基づく合理的な予測で周囲を納得させていくのが心地よい。
信託事業で途中解約希望者に手数料を取らなかったり、追い出された元方向先からの無体な取引に心を揺らされたり、吉右衛門の優しさにやきもきされるシーンが多いが、彼の人情が溢れに溢れた巻である。
米取引に成功し大儲けする一方で、凶作により多くの人々は困窮に苦しみ、吉右衛門はひどくショックを受ける。株取引は人の不幸の上に成り立っていることを象徴するエピソード。
私が前巻で予想した能登屋の山代屋買収案は、 -
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*娘の仇打ちが果たされ、虚無感に包まれていた樹里亜の元に助けを乞う1本の電話が入る。それは先日の銃撃戦で死んだと思われていた殺し屋、スリーパーこと山田太郎からのものだった。一方、身内を殺された犯罪組織のボス達はスリーパーを確実に仕留めるため、海外から凄腕の元特殊部隊員キングベアーを招く。復讐戦第2ラウンドのカウントダウンが始まる中、SM班は抗争の連鎖を止めるために動き出す。破天荒チームが活躍する警察シリーズ第4弾!*
完全にシリーズⅢからの続きなので、ⅢとⅣはセットで読むのが必須です。
Ⅲですっかりスリーパーのファンになってしまったので、SM班が完全な脇役(にもなっていない)でも問題なし。 -
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ネタバレ*警視庁捜査一課に新設された寄せ集めのチーム、通称SM班。彼らの活躍によって、人体パーツ販売事件は解決した――はずだった。だが、班員のあおいが知り合った女子高生に加え、事件の参考人の牛島典子が相次いで姿を消し、班長の薬寺まで失踪してしまう。その裏には、快楽殺人犯の所業を引き継ぎ、己の欲望を満たそうとする者の存在が!? 班長の危機に、チームの面々は再び事件を追い始める。大好評のシリーズ第2弾!*
これは前作と続けて読むのがお勧めです!
ⅠとⅡと言うより、上下巻と思った方がよさそう。
前作同様読みやすく、スピード感があるのでどんどん頁をめくりたくなります。
猟奇部分もありますが、登場人物がさば -
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ネタバレ*警視庁捜査一課内に新設された強行犯特殊捜査班、通称「SM班」。そこは、優秀だが組織に上手く馴染めない事情を抱えた者たちが集められた部署だった。異例ずくめの経歴を持つ6人は、配属初日から猟奇的な事件の捜査を命じられる。それは行方不明の女子大生の耳と指が、売買のために運搬されていたというものだった。メンバーは独自の能力を活かし、真相に迫るが――。型破りなチームが異常快楽殺人犯に挑む警察小説新シリーズ!*
読みやすいです!
内容は猟奇モノですが、カラッとした文調とさばけた登場人物たちのおかげで全く陰湿感がない。
各々の突出した能力がなければ絶対に解決しない流れですが、読んでいてスカッとするので -
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新章突入ということで店主(室長)も代わりリニューアルしたSRO。プロローグから新章ということを嫌でも感じてしまうぶっ飛んだスタートに期待感が膨らみながら読み進められた。
麻友の成長とルリ子達の狂気っぷりが今作の見どころかな。
麻友とは真逆だが翔太ののんびりというか平凡すぎるとこがキャラの立った人物ばかりの中で逆に異質なのが面白い。
そして夏目の出番が一気に増えて面白さがUPしているように思う。
ボンカレーはネオよりクラシックの方が美味しいけど、SROはどうなるかな?個人的にはクラシックを上回る可能性を予感させるスタートではあると思う。
次回作に期待! -
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富樫倫太郎『ちぎれ雲 (一) 浮遊の剣』中公文庫。
大身旗本の次男坊に生まれ、『猪母真羅』持ちの美丈夫にして放蕩三昧の暮らしを送る、放念無慚流の達人、麗門愛之助を主人公にした時代小説シリーズの第一巻。書下ろし。
タイトルの『ちぎれ雲』から連想するのは、ジョージ秋山の『浮浪雲』だが、設定も『浮浪雲』に似ている。
ざっくり言えば、エロい描写が多めの剣豪放蕩時代小説というところだろうか。主人公の麗門愛之助には何やらまだ明らかにされない秘密があるようで、続きが気になる。
大身旗本の次男坊にして、巨大な『猪母真羅』持ちの麗門愛之助にはいつも女が群がり、女が切れたことがないという放蕩三昧を送って