富樫倫太郎のレビュー一覧

  • 堂島物語4 背水篇

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    安定の面白さ。米商人となった吉右衛門の面目躍如の回。凶作を見抜き、激しく変動する米市場で大きな取引を仕掛ける。側から見ると大博打だが、データに基づく合理的な予測で周囲を納得させていくのが心地よい。

    信託事業で途中解約希望者に手数料を取らなかったり、追い出された元方向先からの無体な取引に心を揺らされたり、吉右衛門の優しさにやきもきされるシーンが多いが、彼の人情が溢れに溢れた巻である。

    米取引に成功し大儲けする一方で、凶作により多くの人々は困窮に苦しみ、吉右衛門はひどくショックを受ける。株取引は人の不幸の上に成り立っていることを象徴するエピソード。

    私が前巻で予想した能登屋の山代屋買収案は、

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    2025年02月09日
  • ちぎれ雲(三) 謀反の剣

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    この作品も、最初はスケベだけど、剣だけは滅法強い男の武勇伝、ぐらいに思っていたけど、だんだん話が大きくなってきた。次回は、舞台が京都まで広がりそうな気配じゃないか?幕府と朝廷の対決とかなったら、なかなかどうして、収拾がつかなくなるんでないの?

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    2024年12月20日
  • 決戦!大坂城

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    舞台は、冬の陣、夏の陣の大坂城。7人の作家が7人の武将を描くシリーズ。同じ人物でも書き手によって、まるで異なる人物のように感じるのも小説の面白さだ。太閤さんこと秀吉贔屓の関西人だからか冲方丁氏の「黄金児」は、家康をも翻弄させ対等に渡り合った秀頼が魅力的に描かれていてよかった。伊藤潤氏の「男が立たぬ」も、男が立たぬと筋を通した男たち、特に福島正則の弟・正守のカッコ良さが際立った作品だった。

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    2024年12月08日
  • 警視庁SM班IV キングベアー

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    *娘の仇打ちが果たされ、虚無感に包まれていた樹里亜の元に助けを乞う1本の電話が入る。それは先日の銃撃戦で死んだと思われていた殺し屋、スリーパーこと山田太郎からのものだった。一方、身内を殺された犯罪組織のボス達はスリーパーを確実に仕留めるため、海外から凄腕の元特殊部隊員キングベアーを招く。復讐戦第2ラウンドのカウントダウンが始まる中、SM班は抗争の連鎖を止めるために動き出す。破天荒チームが活躍する警察シリーズ第4弾!*

    完全にシリーズⅢからの続きなので、ⅢとⅣはセットで読むのが必須です。

    Ⅲですっかりスリーパーのファンになってしまったので、SM班が完全な脇役(にもなっていない)でも問題なし。

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    2024年12月08日
  • ちぎれ雲(三) 謀反の剣

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    (p427)
    四丁が一斉に火を噴く。三十メートルほど先にいた四人の敵がばったり倒れる。

    まぁ、動ポモ時代劇に文句言っても仕方ないのかもしれないけど…


    で、次巻は京都への旅って、しっかり旗本退屈男な展開ですな。
    どういう手管で鯖之介を連れて行くのか、な?(佳穂殿も?)

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    2024年12月01日
  • 北条氏康 関東争乱篇

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    やっと三国同盟、私が知ってることがでてきた!と思ってら…。
    まだまだこの話は続くのですね。
    続きを楽しみにしています。

    その間に、軍師シリーズ読もうかな。

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    2024年11月30日
  • 北条氏康 河越夜襲篇

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    氏康、成長したねぇ。
    そしてやっと知ってる人?、竹千代くん(家康)登場!
    これでやっと、私がよく知っている時代に突入するからより楽しみ。

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    2024年11月17日
  • 堂島物語3 立志篇

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     米商人となった吉左。本作では大きな事件は起きず、第二章として今後に向けた布石といったところ。
     宇兵衛が指摘するように吉左は優しすぎる。思い入れがある元奉公先とは言え、ある程度の仁義を切ったわけだし、自分のためにもっと働けば良いのにと、ヤキモキさせられる。そこが良いところなのだが。
     今後の展開としては、能登屋が山代屋を買収し、能登屋の視点として、幹之助が山代屋を吉左の下で経営し、お家さまには買収資金を渡し、屋号を残すと予想。

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    2024年11月13日
  • 北条氏康 二世継承篇

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    北条早雲が面白かったので、こちらも読んでいます。
    この頃の時代はややこしい!
    だけど、この本のおかげで少しずつ理解していきます。

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    2024年10月24日
  • 警視庁SM班II モンスター

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    ネタバレ

    *警視庁捜査一課に新設された寄せ集めのチーム、通称SM班。彼らの活躍によって、人体パーツ販売事件は解決した――はずだった。だが、班員のあおいが知り合った女子高生に加え、事件の参考人の牛島典子が相次いで姿を消し、班長の薬寺まで失踪してしまう。その裏には、快楽殺人犯の所業を引き継ぎ、己の欲望を満たそうとする者の存在が!? 班長の危機に、チームの面々は再び事件を追い始める。大好評のシリーズ第2弾!*

    これは前作と続けて読むのがお勧めです!
    ⅠとⅡと言うより、上下巻と思った方がよさそう。
    前作同様読みやすく、スピード感があるのでどんどん頁をめくりたくなります。

    猟奇部分もありますが、登場人物がさば

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    2024年09月19日
  • 警視庁SM班I シークレット・ミッション

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    ネタバレ

    *警視庁捜査一課内に新設された強行犯特殊捜査班、通称「SM班」。そこは、優秀だが組織に上手く馴染めない事情を抱えた者たちが集められた部署だった。異例ずくめの経歴を持つ6人は、配属初日から猟奇的な事件の捜査を命じられる。それは行方不明の女子大生の耳と指が、売買のために運搬されていたというものだった。メンバーは独自の能力を活かし、真相に迫るが――。型破りなチームが異常快楽殺人犯に挑む警察小説新シリーズ!*

    読みやすいです!
    内容は猟奇モノですが、カラッとした文調とさばけた登場人物たちのおかげで全く陰湿感がない。

    各々の突出した能力がなければ絶対に解決しない流れですが、読んでいてスカッとするので

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    2024年09月19日
  • SRO1 警視庁広域捜査専任特別調査室

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    ネタバレ

    著者初読。警視庁に新設された広域捜査専任特別調査室のメンバーが宮入りした殺人事件を解決する物語。自分をフルネームで呼びつつ叱咤する女性キャリア、若手警部を坊やと呼ぶおじさんなどなど、集まったのは一癖も二癖もあるメンバーばかり。なんというか様式美とでも呼べる水準の古さを感じた。それゆえにまるで「特攻野郎Aチーム」みたいな映画を見ている様なスピード感もあり、純粋に楽しく読めた。沙織の拉致フラグが立った瞬間はドキドキし過ぎて、一旦休憩したくらいのめり込んだ。しっかりシリーズを追いかけたい。

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    2024年09月18日
  • SRO neoⅠ 新世界

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    ネタバレ

    独特のグロさがクセになるSROシリーズ。
    neoとは?と不思議に思っていたら、あっさりと近藤房子のいない新世界に転換されて、ますます目が離せません。
    いくつかの事件が同時進行して、最後の怒涛の回収に教団の話しを忘れてしまっていました。
    早く次作が読みたいです。

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    2024年07月24日
  • SRO neoⅠ 新世界

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    新章突入ということで店主(室長)も代わりリニューアルしたSRO。プロローグから新章ということを嫌でも感じてしまうぶっ飛んだスタートに期待感が膨らみながら読み進められた。
    麻友の成長とルリ子達の狂気っぷりが今作の見どころかな。
    麻友とは真逆だが翔太ののんびりというか平凡すぎるとこがキャラの立った人物ばかりの中で逆に異質なのが面白い。
    そして夏目の出番が一気に増えて面白さがUPしているように思う。
    ボンカレーはネオよりクラシックの方が美味しいけど、SROはどうなるかな?個人的にはクラシックを上回る可能性を予感させるスタートではあると思う。
    次回作に期待!

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    2024年07月13日
  • SRO neoⅠ 新世界

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    ハラハラの展開だったがラスト急ぎすぎた感あり。近藤房子ラインと教団ラインはシリーズを通して長く横たわり続け、それとは別に短編事件が1冊毎に繰り返されるパターンは悪くない

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    2024年07月07日
  • ちぎれ雲(二) 女犯の剣

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    はっきり言って、一段と面白くなって来た。最初は、腕は立つが、どうしようもなく軽薄な男の話かと思っていたけど、ここに来て、いろんなグループが絡んで来て、主人公の出生の謎もありそうの、政治的陰謀の臭いもあり、という感じで、簡単に大団円とはいかない雰囲気がワクワクである。

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    2024年05月08日
  • 北条早雲4 明鏡止水篇

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    この巻は、見どころ満載。深根城の戦いとその後のやり方は、いかに平和な時代を築くためとはいえ、これぞ戦国時代という非常に酷いもの。そしてなんといってもそれに続く小田原の戦い。その結末は、本当に悲しい結末に。しかし、ダメ大将に指揮されると、ほんと部下が気の毒。この巻の戦いでは、それが随所に現れていました。このシリーズは、本当に面白くて、ぜひNHKが大河ドラマ化してくれないかなぁと思うほど、面白いです。

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    2024年05月01日
  • ちぎれ雲(二) 女犯の剣

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    柴田錬三郎
    山手樹一郎
    川口松太郎
    池波正太郎
    隆 慶一郎

    富樫倫太郎

    実はこの路線こそが、作者にとっての本線、なのかもしれない、なんてね。

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    2024年04月23日
  • 北条早雲3 相模侵攻篇

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    この折り返しの巻は、小田原攻め。小田原攻めと言えば秀吉を思い浮かべますが、北条家が後々の礎となる小田原の地を奪うもの。どうやってわずかな人数で攻めるのかと思えば、これは乗っ取りです。いやあすごい。とはいえ、兵力は少なく一進一退で、周囲は敵が増えるばかり。次も楽しみです!

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    2024年04月13日
  • ちぎれ雲(一) 浮遊の剣

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    富樫倫太郎『ちぎれ雲 (一) 浮遊の剣』中公文庫。

    大身旗本の次男坊に生まれ、『猪母真羅』持ちの美丈夫にして放蕩三昧の暮らしを送る、放念無慚流の達人、麗門愛之助を主人公にした時代小説シリーズの第一巻。書下ろし。

    タイトルの『ちぎれ雲』から連想するのは、ジョージ秋山の『浮浪雲』だが、設定も『浮浪雲』に似ている。

    ざっくり言えば、エロい描写が多めの剣豪放蕩時代小説というところだろうか。主人公の麗門愛之助には何やらまだ明らかにされない秘密があるようで、続きが気になる。


    大身旗本の次男坊にして、巨大な『猪母真羅』持ちの麗門愛之助にはいつも女が群がり、女が切れたことがないという放蕩三昧を送って

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    2024年04月11日