富樫倫太郎のレビュー一覧
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富樫倫太郎『SRO neo I 新世界』中公文庫。
新章の幕開け。550ページ超の読み応えのあるボリューム。近藤房子の最後がやけに呆気なく、驚いた。木戸沙織が大宇宙真理の光教団の教主の子を宿したことにもショックを受けた。
プロローグは前作『SRO IX ストレートシューター』のおさらいから始まる。そして何と大宇宙真理の光教団を巡る大事件の中、近藤房子の悪の教えを受けた美容師の石塚麻友がSROの川久保純一を刺殺する。さらには石塚麻友は母親の仇である近藤房子をも刺殺するのだ。余りにも呆気ない悪の世代交代劇。
本編。SROの室長、山根新九郎は刑事部長に昇格し、芝原麗子が二代目室長に就任する。殉 -
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え?!ラスト……!!!
ほんとにSROシリーズは期待を裏切らない。
今回もSROの面々はとんでもないことになっていく。
確かに美福門太陽はすごい力を持ってて、でもそれに取り込まれない尾形さんカッケーって思いながら、だけど敏江と誠、木戸が教主に縋ってしまうのは仕方ないよね、、いろいろあったんだもの。。
これから尾形家と木戸はどうなっちゃうのかな。。
そしてSROはいつも残り数十ページで怒涛のように畳み掛けるけど、房子と麻友はどうなるの?って思ってたら、、え?え?え?ってなって純一には申し訳ないけど、純一の衝撃が吹っ飛んでしまったラストでした。
まさかそう来るとは、、近藤房子も感無量でしょう!
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シリーズ第9弾は、600ページ越えの力作。
前作から「SROシリーズ」自体は少し時間が空いているので、尾形の息子の事件とか忘れてしまっているものも少なくなかったが、メンバーは変わらず、今回同時発刊の「SM班シリーズ」でも少しSROの話は出て来るので、少し忘れている部分があっても、何とかついていける。
房子のパートは相変わらず、淡々とSROメンバーへの復習を企てている様子が描かれる。
同時に今回は凄腕のスナイパー・東郷の話や尾形の妻がハマっている新興宗教の話も本格的に絡んで来て、すごく分厚いのにハラハラドキドキが続き、ページをめくる手が止まらない。
房子の凶悪な数々の犯罪に耐えて来たSROのメン -
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富樫倫太郎『警視庁SM班III スリーパー』角川文庫。
シリーズ第3弾。『SRO IX ストレートシューター』と同時刊行。
今回は警視庁捜査一課に新設されたSecret Mission班の一癖も二癖もあるはみ出し者の6人の刑事が新宿を根城にする2つの犯罪組織メンバーが被害者となった連続惨殺事件の犯人を追う。
警察、犯罪組織、プロの殺し屋という構図が面白く、最後まで全く厭きることない。
犯人の正体については最初から読者には明らかにされている。都会の片隅に息をひそめるかのように静かに暮らし、助けた傷付いた犬と一緒に暮らす山田太郎という、如何にも偽名と思われる名の大学生のような中肉中背の特徴 -
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富樫倫太郎『SRO IX ストレートシューター』中公文庫。
久し振りのシリーズ第9弾。シリーズの中では673ページと一番のボリュームで、角川文庫の『警視庁SM班III スリーパー』も同日発売という何とも嬉しい状況。
読み応えがあり、非常に面白い。
第一部に、いきなり凄腕のスナイパー・東郷栄吉の物語が描かれる。悪性腫瘍の転移により余命1年と告げられた東郷。そして、第一部から最凶の連続殺人鬼・近藤房子も登場し、大混迷大波乱のシリーズ第9弾。各々が大切な人びとに別れを告げることになる悲しい展開。悪者が善人よりもしぶとく生き残るのは世の常。
スナイパー・東郷栄吉が最後の標的を狙い、連続殺人鬼・ -
購入済み
奇想天外
本能寺の変の謎に挑む意欲作で、小説として大変面白く読み切れた。諸説を重ね合わせ実在の人物を登場させ荒唐無稽と断じられそうだが、事実は小説よりも奇なりともいう。