富樫倫太郎のレビュー一覧
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四郎佐、いや山本勘助が、これまでの不遇の鬱憤を晴らすかのように、生き生きと飛び回っています。
ただ「早雲の軍配者」がそうであったように、この「信玄の軍配者」も主役こそ勘助であるものの、その友でありライバルである小太郎や冬之助の様子も、よく描かれています。
特に小太郎など「早雲」の時よりもさらなる活躍をしています。
そして結びでは、早くから軍配者としての才能を開花させていた冬之助が、宇佐美冬之助として長尾景虎に仕えることになりました。
三者三様の生き様を経て、ここにいよいよ皆が戦場で存分に戦える態勢がととのったわけです。
彼ら同様、物語を読み進めるこちらも、気持ちの昂りが抑えられません。
次は「謙信の軍配者」で、いざ相まみえん! -
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関東の情勢は風雲急を告げ、氏綱に請われ、小太郎は四年半で足利学校を去ることになる。
氏綱やその家臣たちに、大いなる期待とともに迎え入れられたものの、すぐには表立った働きを命ぜられることもなく…
そう、下巻にいたっても、小太郎がすぐに獅子奮迅の活躍をするわけではないのです。
むしろ、目立つ働きという意味でいえば冬之助。
扇谷上杉の軍配者として北条を脅かします。
ただ、それでも小太郎の影が薄いのかと言うとそうではないんですね。
自身が主たる軍配者ではないものの、戦場で、あるいは城内で、すばらしい判断と決断をもって味方を救っていきます。
そしてそれ以上に、小太郎に魅きつけられるのは、彼の人としての素直さや穢れのなさ、若いのにしっかり備わった品格のためかと思うのです。
常に弱者の側にたった視点をもち、決して奢らず、他者を理解しようと努める。
そんな彼の姿が、混沌を極める乱世の時代に、ひときわ輝いて見えます。
エンディングで、亡き早雲の願いどおり、氏康の軍配者として主君の初陣に臨む小太郎。
その後、数々の目覚ましい活躍をするだろうと予想はつくけど、やっぱりその活躍ぶりをもっと見たいなと思いつつ、名残惜しく読み終えるのでした。 -
Posted by ブクログ
物語の底には、足利学校で回り逢って、互いをかけがえの無い友と思う風摩小太郎、山本勘助、曾我冬之助の3人が「何時か戦場で、互いの陣営を率いた状態で見えよう」という“約束”が果たされる日を願い続けている、というものが流れている。“青い”想いのようなものを大切に、それぞれの道を歩む互いを思いやり、年齢を重ねる男達…そういう趣が非常に好い!!
不幸な生い立ちで、容貌も醜く、片足が少々不自由という“逆境”を負う男である四郎佐…“逆境”を跳ね返すエネルギーを秘め、生への執着を見せ、色々な人達との出会いを経験し、成功を重ねながらも失敗も悔い、新たな境地を目指す…物語を読んでいると、そんな山本勘助こと四郎佐に惹かれずには居られない… -
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必ずしも表立った記録に現れるでもないが、実在した可能性も高い、重要な役割を担ったであろう人物達を主役に据えて物語を展開…或いは“時代モノ”の「最も面白いパターンの一つ」のように思う…
そうした系譜の作品で、永く“名作”として読み継がれる可能性も在るような作品に出逢った…
本作の主人公は、その“軍配者”となって行く若者である。かの北条早雲こと伊勢宗瑞に見出される若者、風摩小太郎が主人公だ。
“風摩小太郎”?色々な小説にも登場する「北条家の仕事を請けた忍者の棟梁、風魔小太郎」というのはお馴染みかもしれないが…その辺りの“事情”は是非本作で…