あらすじ
闘いの傷を癒やすべく、箱根を訪れた愛之助は、孔雀という謎めいた美女と出逢う。あわや男女の仲になる寸前、愛之助は急遽江戸に呼び戻されてしまった。一方、江戸では、不良旗本と佳穗が真剣で対峙する最悪の事態が……。愛之助の前に再び現れた残虐な盗賊・煬帝、そして彼を執拗に追う孔雀の目的と正体とは!? 風雲急を告げる、シリーズ第二弾。
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Posted by ブクログ
富樫倫太郎『ちぎれ雲 (二) 女犯の剣』中公文庫。
大身旗本の次男坊に生まれ、『猪母真羅』持ちの美丈夫にして放蕩三昧の暮らしを送る、放念無慚流の達人、麗門愛之助を主人公にした時代小説シリーズの第二巻。第三巻も年内に刊行されるようだ。
なかなか面白くなって来た。主人公の麗門愛之助と『煬帝』との因縁が少しずつ見えて来た。しかし、謎なのは愛之助が八代将軍吉宗の老中・本多忠良の刺客であることだ。次巻以降でその辺りが少しずつ明らかにされるのであろう。
前巻で盗賊団『煬帝』の一味と死闘を演じた愛之助は箱根の温泉宿で傷を癒やす。宿の風呂で背中に茶枳尼天の刺青を入れた孔雀と名乗る謎めいた美女と出会い、男女の仲になろうとした時、密偵の帰蝶が現れ、江戸に呼び戻される。
孔雀という美女は実は盗賊団を率いる女首領であり、愛之助の『猪母真羅』が忘れられず、未練を覚えていたのだ。
一方、江戸では不良旗本を唐沢佳穂が男性剣士に扮して、真剣を成敗していた。そんな佳穂を探る、本多忠良の密偵・帰蝶。
再び愛之助の前に再び現れた残虐な盗賊『煬帝』……
本体価格820円
★★★★★
Posted by ブクログ
はっきり言って、一段と面白くなって来た。最初は、腕は立つが、どうしようもなく軽薄な男の話かと思っていたけど、ここに来て、いろんなグループが絡んで来て、主人公の出生の謎もありそうの、政治的陰謀の臭いもあり、という感じで、簡単に大団円とはいかない雰囲気がワクワクである。
Posted by ブクログ
ちぎれ雲シリーズ、2作目。
うーん、、、主人公の愛之助が女性にやたらに絡まれる設定はそういう設定なのでもう仕方ないと思って普通に読み進められるのだけれど、肝心の事件ごとがねぇ、、、。いろんな所でいろんな事がほぼ同時進行で起こっていて、最後に全部愛之助に繋がっていくというあまりにも強引な展開に興醒めしてしまった。現代版のSROもだけど、あっちもこっちも事件を起こして、最後に一つにまとめようとする手法が毎度強引すぎ。現代版と違って、大江戸版は多少ファンタジーも入っていて良いとは思うのだけれど、ここまでやり過ぎるのもなぁ、、、。とは言え、SROと同じく読み続けちゃうんだけど。