あらすじ
山代屋へ奉公に上がっておよそ2年。丁稚として務めながら、幕府未公認の米先物取引「つめかえし」で相場師としての頭角を現しつつある吉左。ある日、取引に失敗して莫大な借金を作った幹助を助けるため、より賭博性の高い「日仕舞い取引」に挑む。一方、吉左を嫌う丁稚頭の百助は、正月の藪入り後も店に戻らず……。(全六巻)
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Posted by ブクログ
この巻で一気にハマってしまった。
山あり谷ありの怒涛の展開。米会所の創立による将来の希望が高まる中、転落する山代屋への婿入り打診を受け悩む吉左。婿入りすると商人としての道は開かれるが両思いの友人の邪魔立てをすることになる。断れば店に居れなくなるジレンマの中で、後者を即断する吉左。独立という希望の道が見えた中で今度は恋心を抱く加保の婚姻が進み、駆け落ちという最悪の選択をしてしまい絶望。更に駆け落ち発覚で互いに傷を負うが、周囲の手助けで何とか婚姻と独立を成し遂げる。まさに血を吐く思いで手に入れた幸せ。終盤、一気に5年経った時は驚いたが。
駆け落ちの選択をした時はなぜ月照に頼らなかったのかと思ったが、顛末を見てそこが吉左の良いところで本書にハマる理由なのだと思った。それが間違った選択だとしても大人のコネや権力で解決しようとしない姿勢は尊敬する。駆け落ち発覚後の展開も皆が親切すぎるように感じるが、これも吉左の人柄が成せる業だとすれば非常に納得がいく。大成する人の周りには勝手に人が集まるということの体現。この物語は吉左の人柄が推進力であり、もっと活躍を見たくなる。
Posted by ブクログ
第2弾も文句なしのおもしろさ!
常に謙虚であり、
その時代の義理人情を大事にしながら
生き抜いていく青年の成長物語。
江戸幕府に翻弄されながらも
庶民が図太く生き抜いている姿や
恋をしながら子孫を残し
家族を大事に思う気持ちは
今の私達と何も変わらない。
日々成長していく
能登屋吉左右衛門あっぱれだよ~。
Posted by ブクログ
主人公の吉左は、身分違いだが想う人・加保と一緒になることができた。その過程では、駆け落ちが露見し袋叩きにあい番屋に入れられ、ハラハラした。加保と一緒になるという夢をかなえ、もう一つの夢である米仲買になることも前に進んでいく。吉左のたぐい稀な取引の才能と努力に助力してくれる人がたくさんいることは素晴らしい。彼に向けて、「易き道ではなく厳しき道を選ぶ」ことを頼もしく思うという発言は自分にも発奮になった。
Posted by ブクログ
丁稚にあがって2年、左吉は雑用に追われながらも未公認の先物取引「つめかえし」で相場師としての才能を開花させていく。
様々な出来事に出会い成長してゆく左吉、身分違いの恋も・・・