山形浩生のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ帯の『ノーベル賞受賞者による衝撃作!』に大分釣られました笑。
私はそこまでの衝撃は感じませんでしたが笑、非常に”大人な”、バランスの取れた経済エッセーであると思います。ただ、全体的にはロジカルというわけでなく、事例集・論説集の雰囲気です。
本作は、(時に詐欺的ですらある)釣りという行為(合法的な引っ掛け!?)を切り口に、人が必ずしも合理的な選択・自己の厚生の最大化をもたらす選択をするわけではないという点にフォーカスし、警鐘を鳴らします。
ポテチは体に悪いとわかっているのに食べてしまう、広告側も消費者のニーズの有無ではなく欲求を喚起し購買をそそのかす等々。自由主義の下では、合法であるもの -
Posted by ブクログ
「狂気と正気の区別はカミソリの刃よりも細く、犬の歯よりも鋭く、牡鹿よりも身軽だ」
自伝的要素を含むディック晩年の宗教的・哲学的小説。
精神病者の魂の放浪?のようなストーリーだが、主人公は2人??? 一人称なのか三人称なのかわかりにくい叙述が混乱をまねく上、繰り返される神学談義が難解。この方面の知識がないとついていけないのかもしれないが、ディックという作家が持つテーマを掘り下げる内容になっているのはわかる気がする。
とある映画に誘われるところから物語は急展開。登場人物たちの反応は、アニメ「エヴァンゲリオン」を見た時の感覚を彷彿とさせる。あまりにも情報量の多い映像を何度も反芻して真意を汲み取ろうと -
Posted by ブクログ
記述型経済学=政策には関係なく、パターンを理解しようとする。
規範的経済学=どういうふうに動くべきかを考える。
公共財=企業に供給のインセンティブがない=皆保険制度、退職年金、など。
アメリカの退役軍人保険局は成功している。
ケインズ政策のおかげで、不景気はなくなりはしないが、ましになった。
政府支出は中途半端にやると、効かない。
MMTの機能性ファイナンスの理論は正しいが、増税や支出削減が政治的には困難なことを見逃している。
緊縮策は信頼と安心感をもたらすから経済回復を阻害しない、というのは嘘。アイルランド、ラトヴィア、エストニアなどの例。
求人と失業者との技能ギャップは嘘。本当に -
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Posted by ブクログ
ネタバレ本作はSFの巨匠、フィリップ・K・ディックの遺作。SFでは映像化作品も多く、圧倒的な知名度を誇る著者であるが、本作はSF要素がない所謂「一般小説」となる。「ヴァリス」、「聖なる侵入」と合わせて「ヴァリス3部作」とも言われているが、SF的要素のある前2作とは形を異にしている。
そして前2作と本作とでは語られる視点に大きな違いがある。3作とも共通のテーマとして「神秘体験」があるが、前2作は体験した者の視点で描かれるのに対して、本作は体験した者を客観的に観察する立場から描かれる。
本作では、「神秘体験」をした者(ティム、キルスティン)は悉く悲惨な末路(死)を辿っており、そこから救うことができなかっ -
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