【感想・ネタバレ】そして日本経済が世界の希望になるのレビュー

あらすじ

「日本人が耳を傾けなかった天才・鬼才のアイデア」浜田宏一氏(イェール大学名誉教授)「アベノミクスの未来は本書のなかにある!」宮崎哲弥氏(評論家)アベノミクスによって日本経済の風景は一変した。黒田東彦日本銀行総裁による「異次元の金融緩和」は人びとの度肝を抜いたが、「2年間で2パーセントの物価上昇」というインフレーションターゲットを最初期に提唱した人物こそ、ノーベル賞経済学者であるポール・クルーグマン氏である。自らの申し子ともいえるアベノミクスをクルーグマン氏はどのように評価しているのだろうか。「失われた20年」は人為的な問題であり、デフレ期待がいかに悲惨な結末をもたらすか。論議を呼んでいる「中央銀行の独立性」をどう考えればよいのか。そうした本質論はもちろん、「インフレ率2パーセント達成後の日本」をもクルーグマン氏は大胆に見通す。そこで日本の財政、株価、人びとの暮らしはどう変わるのか。さらには早くも語られはじめた金融緩和の「出口戦略」や、「歳出削減」「増税」に対するクルーグマン氏の知見から、いまの日本が学べるものは少なくない。そして日本経済の未来のみならず、10年後のアメリカ、中国、そして新興国の未来までをも本書は射程に収めている。「この政策実験がうまくいけば、まさに日本は世界各国のロールモデルになることができる」。世界最高の知性がアベノミクスのもつ世界史的な意義までを見据え、日本の読者のためだけに語り下ろした一冊。クルーグマン氏の業績をいち早く日本に紹介した山形浩生氏の本質を突いた解説も必読である。

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Posted by ブクログ

著名かつ過激ともいえる、経済学者のグルーグマン氏の日本経済に関しての考えと現状とつづった本。グルーグマン氏自身、極端なインフレ推進派ですが、本の中身をちゃんと理解して読み進めると、その考え方が極端なだけではなく、歴史を振り返った時の資本主義社会での金融政策のオススメを言っているように思える。著者も言っているが、人間はもちろん過ちもするので完璧なかじ取りなどできるはずはない。それは個人の投資戦略にももちろん言えると思う。

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2019年06月12日

Posted by ブクログ

「アベノミクス」という言葉を耳にしたことがないという人はもはやいないと思います。ではアベノミクスって具体的にどのような戦略なのかを語れるか、というとかなりの方が「難しいよね」と言うのではないでしょうか。
そのような方に読んで頂きたいと思いました。

ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン教授の名は、ある程度、経済や金融に親しんでいる人にはなじみがあるかと思いますが、一般の方に定着しているほどではないと(私の肌感覚ですが)思います。

本書は、口述されているせいか、とてもわかりやすいです。

アベノミクスの功罪が議論される中、どちらに手を挙げるにしても、アベノミクスをきちんと理解していなければなりません。現在の経済政策や金融政策は、どういう理論を基にし、どういうゴールを目指しているのかを知るために、本書は一助になると思います。

逆に、普段から経済ニュースに触れ、エコノミストの主張に耳を傾けている方には、平易すぎて面白くないかもしれません。

本書を読んでの感想については、私個人的には、財政出動のやり過ぎはごめんだと思ってはいるものの、ケインズ派であるクルーグマン教授の主張も一理あるなとも思います。

期待が人を動かし、その結果、実体経済が動くのであり、まずは将来に期待を寄せることが大切だとのこと。確かにそうだと思います。人々の期待が変わらず将来への不信感だらけであれば、どんなに頑張っても経済は良くならないからです。

ケインジアンへの批判に対して、反論を説明していますので、アベノミクスを快く思わない方も反対意見として一読されることをお勧めします。

なるほどと思った個所は、「平常時は現場の人の持論で良く、非常時には学者の意見が参考になる」という記述です。確かに、実務面での経験が生かされるのは、それに似た状況を経験した現場の人間です。誰もが未経験の環境では、学術研究に耳を傾けることも必要だな、と気づかされました。

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2014年02月19日

Posted by ブクログ

クルーグマンによるアベノミクスの評価。ざっと7割くらいは肯定的な意見であるが、そうでないところに対してはそれぞれ独自のアドバイスを提供している。新書なので、全体的に細かい議論は抜きで主張ばかりか書かれているが、それでも十分な説得力があった。
ここはらは感想。個人的にはだいぶマクロ経済学の知識が抜けてしまっているので、あまり批判的に(というか理論と関連づけて)読めなかったのが残念でならない。おそらく、クルーグマンの議論も基本に基づいたものばかりであるのは何となくわかるので、もう一度マクロ経済学をしっかり復習した後で読み返したい。

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2013年09月20日

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クルーグマンからのアベノミクスへの応援歌です。

<アベノミクス:おさらい>

第1の矢 大胆な金融政策 異次元緩和 日銀黒田総裁
第2の矢 機動的な財政政策 10兆円の経済対策 麻生金融担当大臣
第3の矢 規制緩和、民間投資を喚起する成長戦略 菅官房長官

<クルーグマンが指摘するアベノミクスの優位点>

・実質金利を抑えながら、財政政策をすすめながら、財政赤字を軽減する
・デフレ脱却のために、政権とセントラルバンクが協調
・金融緩和とともに、財政出動の実施

<結論>
・日本よ!たちあがれ、そして世界の手本になれ

構成は以下

プロローグ
第1章 「失われた20年」は人為的な問題だ
第2章 デフレ期待をただちに払拭せよ
第3章 中央銀行に「独立性」はいらない
第4章 インフレ率2パーセント達成後の日本
第5章 10年後の世界経済はこう変わる
エピローグ

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2022年01月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クルーグマンで、言っていることはクルーグマンだから変わんないんだけど、なんかインフレターゲットというか、健全なインフレってのが何を意味するのかやっとわかった。クルーグマンのすごいところは、(だめなところも多分おんなじなんだろうけど)経済の成長ということを疑わないところ。普通にうまくやってれば経済というのは未来になればよくなる。なぜなら生産性が上がるから。ってところ。ここは動かない。インフレーションによって現金の価値が下がるということは経済の縮小を意味することはない(彼にとっては)なぜなら健全な経済であれば成長する。ということは、4%のインフレをターゲットにすると、経済活動のうちの4%(+成長部分)は新しい産業やセクターによって入れ替えられるということ。その入れ替えによって世の中がよくなるっていうことだと思う。

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2013年12月06日

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主張のかなりの部分で賛成出来た。やはりアベノミクスの方向性は間違っていないし、増税はするべきではない。国会議員と官僚には読んでもらいたいものだ。

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2013年11月01日

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 本書のボリュームのほとんどは近年の欧米における経済政策のレビューに割かれていてタイトルの「日本」にかかる部分はほとんどありません。

 趣旨としては、「やっと日本も(私がかねてから主張していた)インフレターゲットを導入した。うまくやってくれよ」という程度です。

 本書の内容からははずれますが日本における英語教育が甘い、と言う指摘はぐっときます。

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2013年10月14日

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ノーベル経済学賞を受賞した、ポール・クルーグマン氏の著書。大変、分かりやすかったです。アベノミクスに対しては満足げな感じです。デフレよりも、インフレの方が良いと言う点が、根底にあります。そして、継続的に実施するという政府の姿勢と、財政緊縮でなく、金融緩和が大切だという。消費増税もいけないとのこと。

デフレの方が、手持ちの現金の価値も上がるし、資源も安くなると思ってきましたが、適度なインフレも雇用への貢献や金利低下による政府債務の削減に貢献すると知りました。結局、デフレでもインフレでも、きちんとした政策を取り、実施する仕組みが必要かなと感じました。中途半端が一番駄目ですね。

他にも、アメリカのシェールガス革命や、中国、ブラジル、EUについても少しずつ触れています。平時でない時には、学者出身の人が日銀などのブレーンになるべきだと言うのは、官僚出身の人が多く頂点についてきたことを考えると新鮮でした。

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2013年10月13日

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山形氏の解説があるとは知らなかったが、相変わらず言いたいことを言う人のようだ。ノーベル賞をとったクルーグマン氏に対しても遠慮がない。

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2019年08月12日

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クルーグマンへのロングインタビュー、Eメールなどの質疑応答を通じて、日本経済の展望について語ってもらったのが本書。発売が2013年なので、2017年の今から見るとアベノミクスへの評価が少々古びたものとなっているが、『道草』や『経済学101』で、有志がクルーグマンの論説を翻訳したものを除けば、日本語で読めるクルーグマンの論説で一番新しいものである。

クルーグマンが日本政府に勧める経済政策は、金融政策としてはインフレターゲット、減税などの財政政策、この二つのポリシーミックスである。日本の公的債務を結構気にしているせいか、赤字国債を発行する公共事業にはあまり乗り気ではないようだ。その点はアメリカ政府に勧める政策との違いがわかっておもしろかった。
また、「クルーグマンは、藻谷浩介と同じく、人口減少=デフレ不況主犯説を主張している。」と言う人がよくいるが、

"デフレが引き起こす要因の「一部」は少子高齢化“(P.33)"
"大規模なバブル崩壊のあと、日本の金融政策と財政政策はつねに遅かった(P.37)"

とクルーグマンは、日本のデフレ不況は複合的な要因であると本書に書いており、藻谷の”人口減少=デフレ主犯説”とは大きく異なるものだろう。クルーグマンは、デフレに対してポリシーミックスで対応できると考えている点は、短期の経済政策さえ否定する藻谷とは大違いである。第一、雑な議論しかできないただのペシミストの藻谷とクルーグマンを一緒にするのは非常に失礼な事だと思う。

『さっさと不況を終わらせろ』を平易に要約したような内容なので、『さっさと不況を~』がイマイチ分かりにくいと感じた人には、副読本として使える。訳は平易で読みやすい。『さっさと不況を~』と一緒に読むことをお勧めする。クルーグマンの本にしては内容は普通。

評点:6点 /10点。

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2017年08月21日

Posted by ブクログ

グルーグマン氏は日本の経済、政策に対しては好意的な方ですね。。日本という国が今後も成長をし続けてほしいという点では自分も同意ですが、現在の政策については大企業優位であり、既得権益者への政策であり、良いものだとは思わないのですが。

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2015年08月26日

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まあ、だいたいオーソドックスな経済学に基づいて、アベノミクスを正当化するような内容なんだけど、「日銀法を改正して『雇用の最大化』という機能を持たせることができれば、日銀自身にとってもそれがインセンティブになる」ってのは確かにそうかも。しかし、さらなる金融緩和競争のすすめ、ってのも凄い話ではあるね。
終盤の英語話が、なかなかウケた。アメリカ人もイギリス人も、英語以外の言語勉強した方がいいと思うよ。

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2015年07月24日

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20141014 読んでるんだけど、ただ文字を追ってる。頭に入ってこない。文章は読みやすいから、自分の頭が足りないだけ…

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2014年10月14日

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クルーグマンの持説をしらなかったので、うっかり読んでしまったが、結局阿部ノミクスは持論に近いということでほめている、という理解でいいんだと思う。
結果的にどうなるか見守りたいです。
読み返さないと思うけど、本棚行

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2014年04月16日

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アベノミクスが正しいということを有名なポール・クルーグマンが説明した著書。内容には概ね賛成する。歴史的な事実を抑えているところも共感が持てる。しかし、他のレビュワーの方も書いていますが、「違和感」を感じる。今世界のGDPは、60兆円。金融資産は220兆円と聞いています。実体経済の3倍の規模の金融経済がある。この中で、さらに金融緩和を進めたら、信用が拡大する一方で、いつか爆発するしか道がないと思うのです。 その中で、「金融緩和をどんどん進めなさい」という筆者の主張は、違和感というか怖い? どこか、リスクを見落としている感じがする。 その違和感かな・・・ 頭では理解できるが腑に落ちないというのはこういうこと。 あとシェールガス革命に対する分析は浅いと言わざるを得ない。。

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2013年12月08日

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消費増税はクルーグマンによると
誤りか・・・

第三者として
日本経済がどうなるのか
実験として興味深いけど
当事者としてはこわいぞ

願わくばクルーグマンの
見立てがあってますように

日本人はもっと英語を
という指摘は耳が痛い
山形浩夫の解説にちょっと安心

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2013年11月18日

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ケイジアンであるクルーグマンの、アベノミクスに対する評価の語り下ろしです。
この学説がよいかどうかはわたしにはよく解らないが、「財政緊縮はだめ」で、「どんどん金融緩和してインフレを維持していけばよい」という理論は、素人考えでは「やばいでしょ」としか言いようがない。
金融緩和したものが金融の世界のみに留まり、一般の手元に届かないのが問題なのになあと嘆息。
しかし、増税反対・TPP反対(産業の利権を代表するものByスティグリッツ)の立場をとっているので、現在の政界に食い込んでない理論なのかな…もう少し同じ学派を読み進めよう。

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2013年11月13日

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クルーグマンがアベノミクスを評した本。
要するにデフレを何とかしろ、インフレターゲットは2%目標でも良いが、本当なら4%目標が良い、財政緊縮はあり得ない、みたいな話。

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2013年10月03日

Posted by ブクログ

内容は既出が多いものの、デフレ脱却を唱えるアベノミクスを注意深く見守り、その成果に期待し援護射撃を行うとともに米国そして世界の経済運営にも是々非々で語り、その未来を展望する。

法人税減税、TPP等に関する考察もとても興味深く、日本国債の空売りはウイドウメーカーとして、消費税の引き上げは反対のようです。

30年後の世界経済はビッグデータにより可能性を拡大されたITが牽引するとのこと、今後のICTそしてAIの発展がとても楽しみです。

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2013年09月16日

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