山形浩生のレビュー一覧
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現代の経済的不平等の解決策について、オックスフォード経済学者により書かれたもの。ピケティの「21世紀の資本」では富の実態を明らかにしたが、これに続き富の不平等を是正するための方策を具体的に述べている。所得税最高税率65%、児童手当や年金の増額など、社会主義に近い大きな政府を目指す政策を推奨していると思われる。論証は論理的かつ学術的であるが、労働者のインセンティブ維持が難しいように思う。イギリスを題材にしていることから、必ずしも日本に適用できない部分もあると思う。富の実態を詳細なデータで示したピケティの「21世紀の資本」の方が興味深かった。
「中国とインドのジニ係数は50%に近く、北欧諸国のお -
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タイトルでもある「アニマルスピリット」という言葉は、書中に何度も出てくるが、訳者によればケインズの「一般理論」において出てくる言葉であるという。元々の邦訳では「血気」と訳されていたようであるが、本書においては、経済的合理性だけで行動することができない人間の意味で使われているため、言葉の持つ印象と乖離することからそのまま、「アニマルスピリット」としてそのまま引用されている。
さて、そのアニマルスピリットであるが、基本的に5つに分類されている。
1.安心
2. 公平さ
3.腐敗と背信
4. 貨幣錯覚
5. 物語
こうした要素が人々の合理的な判断を限定的なものにし、ときに非合理的な行動をもたら -
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期待していたほど面白くはなかった。自由競争による市場最適化という概念は行動経済学の普及によって華々しく否定されたわけだが、ここでは一歩進んで(後退して?)「自由競争」の中では詐欺や犯罪者も同じラインで競争していて、均衡状態の一部になると主張される。そんなことは言われなくても当たり前の話だが、言われなくても当たり前の話に気付かないところが経済学の本領発揮なので、それはいい。しかし、ありとあらゆるマーケティング活動を詐欺同然に告発し、あまつさえ言論の自由まで脅かす主張には与せない。大切なのは、様々な心理的バイアスを理解し啓蒙することで、均衡の中に含まれる間違いや犯罪を減らしていくことであって、全て
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言いたいことの核となる部分は理解できるのですが、やたらクドイ印象です。
また、目次を見て、「9つの原理と、実例を用いた原理の説明からなる構成」を想定して読み始めたのですが、「原理」と「説明」は、必ずしも対応しているようには見えませんし、話も、あっちこっちに飛び移って(たとえば、ある「原理」のところに、他の「原理」の「説明」となっている部分が多々ある印象)、非常に読みづらかったです。
自分がバカなだけなのかもしれませんが、あまり、読み手を意識していない印象を受けました。
書き手が悪いのか、企画がまずいのか、編集者がダメなのか、原因はよくわかりませんが、つぎ込んだリソースに対し、このアウ -
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異星間同士の戦争に巻き込まれ、リーグ星人と泥沼の交戦状態にあった人類。そんな人類の独裁的指導者モリナーリの主治医となったエリックは、妻キャシーに騙されて新型のドラッグJJ-180を飲んでしまう。ドラッグを飲んだエリックの意識は遠く1年後の未来に飛ばされ…
物語の展開が継ぎ接ぎ的な印象だったり、回収されない伏線があったりと、正直腑に落ちないところもある本書ですが(むしろディックらしい?)、訳者あとがきで詳しく解説されており、理解の助けになりました。リーグ星人との異星間戦争という大きな動きに隠れて、エリックと妻キャシーとのとてもプライベートな問題に焦点をあてた本書。あらためて考えてみると、本書の -
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21世紀に大事な9つのルールについての解説。
印象にのこったのは以下。
教育よりも学習を重視する、という概念だ。学習は自分でやること
遺伝子シーケンシングは、ムーアの法則の六倍の速度で、価格は低下
人生で、周辺視力モードと集中した実行モードとを切り替える能力は、おそらくひらめきを活性化するための最も本質的な技能の一つだろう。
すべてのねじは、頭を平らにして、ねじ山角度は六〇度ちょうどにすべき。単純な提案──工業部品の最もつつましいものの標準化──は交換可能な部品の開発を引き起こした
子供たちは気鋭のプログラマから受け身の利用者になった。(GUIの弊害)
言われた通りにしているだけでノーベル賞を -
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本書の中で著者は、コンピュータに詳しいギークたちは、「コンピュータのきもち」が理解できると述べています。突拍子もない言葉に聞こえるかもしれませんが、著者の考えを自分なりにまとめてみると、コンピュータやネットワークをブラック・ボックスとして捉えるのではなく、特定の役割を担っている複数のサブシステムの集積として捉える感覚が身についているということなのだと思います。そうした感覚がそなわっていれば、今コンピュータやネットワーク上で起こっている出来事を立体的に把握することができるし、トラブルに見舞われても複数のサブシステムのうちのどこに問題が生じているのかを考えることができます。
そして、それぞれのサ